授業改善書 科目名 哲学、哲学概論 担当者 尾崎 恭一

授業改善書
科目名
哲学、哲学概論
担当者
尾崎 恭一
授業の概要
哲学=『方法序説』をテキストにし、近代哲学の基本的な考え方を認識するため
の授業です。実際に読んで考えてもらうため、毎回、担当学生をきめ、定型レポ
ートを課しています。一人に報告させ、他の担当学生にも、教員や学生からの質
問に答えさせています。しかし、レポート提出や報告の当番になると逃げる学生
や、いつの間にか戻ってきている学生がおり、一筋縄ではいきません。
哲学概論=教職用哲学を兼ねているため、昨年度は、哲学全般の入門書であるか
つての放送大学用教科書をテキストを使用し、当番学生に各章毎のレジュメ(要
約、語句調べ、納得箇所の説明、理解困難箇所の指摘)を作成させて配布し説明
させ、教員が数件の発問を主に当番学生にして理解を確認しつつ理解を深める説
明をし、更に全体的な説明するという授業にしました。これによって明らかにな
った学生の理解度に合わせた講義を、テキストを使用せず行いました。
授業の問題点
同じ担当者の同じ分野の授業なのに、全体評価は、哲学 3.
31と哲学概論 3.9
0
で、後者が高い。同様に、授業内容への興味・満足度についても、哲学 3.19
,2.94
なのに概論 4.30
,4
.00と明確な差が認められます。
もちろん、履修登録者に対する解答者の割合は哲学 73%で概論 53
%なので、
概論にはそもそも興味がない学生が欠席していた可能性もあります。
しかし、この落差の本当の原因は、概論では当番の発表がなく受け身で聞いて
いるだけで楽だということではないかとも思われます。この視点からすれば、受
講生に課せられた課題の多い哲学受講生の学習態度自己評価が低く(授業外学習
2.75,
発言 2.6
3)
、受け身でよい概論受講生の自己評価が高い(3
.50,
3.5
0)のは理
解できます。概論では、授業外課題もなく発表課題もないのですから、おのずと
自己評価は高くなります。
授業改善の課題・方策
授業の興味や満足度の目標は、選択科目の場合、高い出席率の下で授業参加に
よって理解が進むなら、3
.00でもよいのではないでしょうか。
そうだとすれば、主体的な授業参加を求める哲学の回答率=出席率 73%で興
味・満足度評価 3.19
,2.94と、受け身的な聴講でよい概論の回答率=出席率 53
%
で評価 4.30
,4
.00とについて改善策を考える場合、後者の方を前者より低い評
価にすることなく、受講生参加型の授業に改善する必要があると思われます。
そこで、秋期の倫理学・倫理学概論では、予定ではやはり倫理学は参加型を取
り入れた講義で概論は講義だけをしようと予定していましたので、概論でも受講
生の授業参加を取り入れるよう改善しなければならない、と考えます。
その他
課題の多い参加型の哲学受講生が、授業への意見を書いています。
「楽しく授業ができ
た」というのは、受講生の達成感が表現されているのではないでしょうか。また、私の
「声が小さくて聞こえない」という点は、今後注意しようと思います。