平成27年度 豊後高田市農政施策に関する建議書 豊後高田市農業委員会 平成27年度豊後高田市農政施策に関する建議書 農業・農村を取り巻く環境は、農作物価格の低迷、生産資材の高騰、高齢化等 による担い手不足、集落機能の低下、耕作放棄地の増加、TPP交渉の行方など 先行きは不透明であり、厳しいものばかりです。 本市においても農業労働力の高齢化や担い手不足、耕作放棄地の増加は深刻な 問題となっています。 このような農業・農村の置かれた厳しい状況を打破し、農業を成長産業として 維持・発展させることで、農業者の所得を増やし農業農村の活力を取り戻すこと が待ったなしの課題であり、若者たちが希望の持てる農業・農村づくりに全力で 取り組むことがきわめて重要であります。 本農業委員会では、地域における貴重な資源である優良農地を守るとともに農 地の効率的利用を図り、担い手農家への農地の利用集積や耕作放棄地の解消に努 めておりますが、今後の本市農業を発展させていくためにも、地域主権がさけば れる中、国の制度を活用しつつも、市独自の施策についても積極的に進めること が求められております。 以上のことから、平成27年度の予算編成並びに農業施策の推進にあたり、豊 後高田市の農業をより魅力的な産業に発展させていくために「農業委員会等に関 する法律」第6条第3項の規定により建議いたします。 平成26年12月25日 豊後高田市長 永 松 博 文 様 豊後高田市農業委員会 会長 河 野 三 男 建議事項 1 担い手対策について 地域農業を支える基幹的農業従事者数の減少と農業従事者の高齢化は深刻な状況 となっており、歯止めとなる新規就農者や農業後継者及び退職帰農者等多様な担い 手の確保・育成は重要です。地域農業の活性化のため、後継者育成策を強く進めて いく時期にきています。 ① 新規就農者と農業後継者及び退職帰農者等多様な担い手の経営の安定を図る ため、栽培技術の指導をはじめ、幅広い支援の継続・強化とともに、関係機関・ 団体が一体となった支援体制の強化を要望します。 ② 新規就農者の支援制度である「青年就農給付金」と「農の雇用」は、いずれ も原則45歳未満が対象という制限があるため、就農を希望する者、また、雇 用する経営体にとって、この制度を利用する妨げとなっており、また、青年就 農給付金については就農時期等の要件もあることから、要件の緩和を行うよう 国・県への働きかけを要望します。 ③ 後継者不足を集落全体でカバーする集落営農の重要性が高まっており、あら ゆる機会を通じて、集落営農の必要性と支援についての広報活動とともに、関 係機関が連携した活動支援の継続、充実強化を要望します。 2 耕作放棄地対策について 高齢化の進展、農産物価格の低迷による後継者不足、農業生産基盤の未整備、鳥 獣被害の拡大等により耕作放棄地は増加の一途です。山際にある営農条件不利農地、 干拓地等の優良農地など地域ごとに状況は異なりますが、市内全域で耕作放棄地の 問題を抱えている状況であり、近隣農地だけでなく生活環境へも悪影響を与えてい るケースもあります。 ① 関係機関による協議・検討を行うとともに、地域が必要とする営農条件の向 上対策や「耕作放棄地解消事業」の継続した有効活用を要望します。 ② 農地中間管理機構の活用による担い手への農地集約の推進を要望します。 3 鳥獣対策について 農作物に被害を与える有害鳥獣の被害は毎年続いており、対策経費・労力も多大 となり、農家の脅威ともなっています。 ① 防護柵等の設置を図る為の補助金の継続支援とともに、補助率の引き上げに 係る国・県への働きかけを要望します。 ② 農家と猟友会等の意見交換や他市との連携強化を図るなど、多角的、広範囲 での対策を要望します。 ③ 狩猟従事者の確保・育成の強化を要望します。 4 中山間地域等直接払いについて この制度は中山間地域等の条件不利地において、農業生産の維持や耕作放棄地の 解消、自然環境の保全、用水の涵養など多面的な機能を維持する仕組みとして大き な役割を担っています。 平成27年度から法律に基づいた「日本型直接支払」の新しい制度の中で継続さ れる本制度の十分な活用と周知について要望します。
© Copyright 2024 ExpyDoc