2014 年 12 月 10 日 VOL4 河 渡 病 院 地 域 連 携 室 発 行 わたしたちの身近に常にあるお酒が、実は「薬物」であることをご存知でしょうか? 何気なく手に取ったお酒は私たちをリラックスさせ、人間関係をスムーズにさせるもの でもあります。しかし、そのマイナスの影響を知らぬままに日常的に使用を続け、睡眠 薬代わりに、または憂さ晴らしに、使用を続けますといつしか大切な「脳」の機能を低 下させ病気へと進行していくことになります。 大切なことはそのプロセスを知り、実態を理解して病気へと進行するのを予防するこ とです。今回は全 4 回シリーズの最終回です。 第 3 回 は 『 一 般 の 方 に 知 っ て 頂 き た い こ と 』 を お 送 り し ま し た が 、 今回は 『 ア ル コ ー ル 治 療 に 関 す る Q& A』 をお送りします。 当 院 で は 、 ア ル コ ー ル 治 療 や 受 診 に つ い て の ご 相 談 が 、 日 々 寄 せ ら れ て い ま す 。 中 で も 一 番 多 く 頂 く ご 質 問 を 以 下 に ま と め ま し た 。 A1. 本 人 に受 診 の意 思 がない場 合 、ご家 族 から受 診 を説 得 するのは、とても難 しいと思 いま す。『ア ルコール依 存 症 』とは、長 年 の飲 酒 習 慣 によって起 こる≪ 脳 の機 能 不 全 ≫であり、お 酒 をやめようという意 思 があっても、自 分 で飲 酒 を止 めることができない病 気 です。 ご本 人 に、「本 当 はお酒 を 止 めたいと思 っているんじゃないの? 」と聞 いてみてください。 ◎話 をするタイミング としては、「お酒 が抜 けている時 」に。 ◎非 難 するのではなく、「心 配 している」という姿 勢 で。 ◎見 捨 てるのではなく、「一 緒 に相 談 しに行 こう」という態 度 で。 つ い つ い 、 キ ツ い 口 調 に な っ ち ゃ う の よ ね ぇ ・・・ A2. ご家 族 が本 人 の意 思 に反 して無 理 矢 理 入 院 させることはできません。無 理 矢 理 すると、 家 族 間 の信 頼 関 係 が壊 れるだけでなく、今 後 治 療 に結 びつく可 能 性 まで失 いかねません。 治 療 を始 めるからには、本 人 がある程 度 の意 識 ・自 覚 を持 つことが一 番 大 切 であり、それが 治 療 のスタートとなるからです。 A3. はい。本 人 に治 療 の意 思 がないと受 診 はできません。治 療 契 約 は、あくまで本 人 と病 院 (医 師 )が結 ぶものだからです。本 人 の「何 とかしたい。」と思 う気 持 ちが治 療 への第 一 歩 です。 A4. アルコールは強 い薬 物 であり、長 年 使 用 していると、身 体 の変 化 だけでなく、脳 (=心 )へ 直 接 ダメージを与 え、機 能 障 害 を引 き起 こします。脳 の機 能 障 害 が起 こると、認 知 機 能 が低 下 し、欲 求 の制 御 ができなくなり、自 分 勝 手 な行 動 を繰 り返 します。 例 えば、欲 望 に任 せ、だら だらと酒 を飲 み続 けた挙 げ句 、暴 言 を吐 く、物 を壊 す、所 構 わず排 泄 する等 、色 々な問 題 行 動 を起 こし、周 囲 に迷 惑 をかけるようになり、次 第 に人 間 性 が失 われていき廃 人 同 様 の生 活 を送 ることになります。このようになってから治 療 を行 うのでは、手 遅 れなのです。 ≪脳 の機 能 =心 ≫の治 療 を行 う場 所 は精 神 科 です。人 間 らしい気 持 ち・生 活 を取 り戻 す為 に は、心 の回 復 が必 須 です。本 人 や周 囲 の人 たちの早 めの気 付 きと自 覚 が大 切 です。 おわりに・・・ 以 上 4 回 シリーズでお届 けしました「アルコール依 存 症 」について、いかがでしたでしょう か?どの回 から読 んでも分 かりやすく構 成 してありますので、 今 後 のご参 考 にして頂 けましたら 幸 いです。 『 ア ル コ ール を 断 っ て 新 た な 生 活 を 始 め る 』 こ とは 容 易 で はあ り ませ ん。 し か し 、 その 先 に は 本 来 の自 分 を 取 り 戻 し、穏 やかであ たたかな人 間 関 係 を 再 び築 くこ とができ ます。「おじいちゃ ん、もとの優 しいおじいちゃ んに 戻 ったね。」と喜 ぶ孫 の顔 ・・・ 「普 通 の夫 婦 のように 、一 緒 に日 帰 り 温 泉 に 行 け る なん て夢 のよ うだわ 。 」と 嬉 しそ うな 妻 の 顔 ・ ・ ・ 「 風 の匂 い や 草 木 のそ よぎ が 感 じられるようになった。前 は酒 のことしか頭 になかったのにね。」とほほ笑 む患 者 さんの 顔 ・・・。ひとりひとりの誇 らしげな顔 が、断 酒 治 療 の行 く手 を照 らす希 望 の光 となりますように 願 ってやみません。 ご 相 談 は 、 こ ち ら で 承 り ま す ↓ 河 渡 病 院 地 域 連 携 室 /相 談 室 ( 代 ) 025-274-8211 お 電 話 は 、 平 日 9 時 00 分 ~ 16 時 30 分
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