資料1(PDF:815KB)

資 料 1
本県の経済・雇用情勢の変化
・全国の GDP は 2 期連続でマイナス成長となったが、中長期的には緩やかな回復基調が続いている。
(図1) 本県の業況判断は、足元では改善が見られるが、先行きの悪化が懸念される。
(図2)
・県内企業の設備投資(26 年度計画)は製造業に牽引されて 2 年ぶりのプラスに転じる見込みである。
(図3) 公共投資は着実に進捗しており(図4)
、景気を下支えしている。
・企業収益は、減益または赤字の企業が増加したが、今期末は改善が予想される。
(図5) 円安を背景に、輸出は増加傾向にあるが(図6)
、輸入物価・原材料価格の上昇が見られ、コスト転嫁が進んでいない。
(図7・8)
・県内の雇用は、有効求人倍率等が着実に改善しつつあり(図9・10)
、一部業種では人手不足が発生している。 賃金は持ち直しつつあるが(図 11)
、物価の上昇にはまだ追いついておらず、消費回復に遅れがみられる。
(図 12)
① GDP 7-9 月期の GDP 成長率は▲0.5%で、2 期連続のマイ
ナス成長となったが、押し下げ要因となった民間在庫を除くと全
体でプラスとなる。GDP の約 6 割を占める消費はプラスに転じた。
景 況 ・ 投 資
【図1 GDP成長率(季節調整系列)
(全国)
】
(%)
6.0
4.0
2.0
0.0
-2.0
-4.0
-6.0
国内総生産(支出側)
4-6月期
7-9月期
▲ 3.1
0.2
民間
住宅
民間
企業
設備
▲ 0.3
▲ 0.2
▲ 0.7
▲ 0.1
民間
在庫品
増加
1.3
▲ 0.6
4-6月
政府最
終消費
支出
0.1
0.1
公的固
定資本
形成
(資料:日本銀行神戸支店「県内企業短期経済観測調査(H26 年 12 月)」
、
116.4
県統計課
「鉱工業指数(H26 年 9 月速報)」
)
公的
在庫品
増加
80
0.0
0.1
0.0
▲0.0
70
60
純輸出
1.0
0.1
(DI)
60
50
40
県内上場企業 81 社の H26 年 9 月中間決算
は、前年同期比で増益または黒字転換が 41 社、減益または赤
字転落が 40 社と拮抗しているが、
H26 年 3 月期末決算の同 64
社、17 社からは後退した。業種別では、化学、運輸、小売な
どで減益または赤字の企業が多い。
【図3 設備投資増減率(兵庫県)
】
(%)
40
製造業
▲ 5.0
▲ 10.0
(%)
(資料:内閣府「四半期別 GDP 速報(2014 年 7-9 月期・2 次速報)」H26 年 12 月)
⑤ 企業業績
兵庫県の公共事業等の契約率は、
H26 年度 9
④ 公共投資
月時点で前年同期比 7.6 ポイント増となり、全国平均(同 1.5
ポイント増)を上回っており、県内の景気を下支えしている。
非製造業
【図4 公共事業等の契約率(兵庫県・全国)
】
(%)
全産業
神戸港の輸出伸率は、
為替相場の円安基調を
追風に、7 ヵ月連続でプラスと増加傾向にある。H26 年 10 月
の輸出額は前年同月比で 1 割増に拡大している.
⑥輸 出
【図6 神戸港輸出額】
▲ 6.7
H25.7-9
0.7
H26.1-3
4-6
企
業
H25年
【図7 企業物価指数(輸入物価、素原材料・最終財物価)
】
(各企業決算発表資料を基に県産業政策課作成)
有効求人倍率は緩やかな上昇基調にあり、
就
⑨ 雇用(1)
業地別では 1 倍に近づいている。正社員の求人も 5 ヵ月連続
で上昇し、兵庫県の雇用は着実に改善しつつある。
新規求人数は 16 ヵ月連続で前年を上回って
⑩ 雇用(2)
いる。業種別では、医療・福祉、卸売・小売、宿泊・飲食等
での求人伸びが大きい。
【図 10 新規求人数(兵庫県)
】
【図9 有効求人倍率(兵庫県)
】
暦年平均
個
人
建設
製造
運輸・郵便 卸売・小売 宿泊・飲食 生活・娯楽 医療・福祉
(資料:厚生労働省・同兵庫労働局「一般職業紹介状況」)
0.9
0.5
0.2
1.2
0.7
1.2
0.0
▲ 0.4
現金給与総額(実質)
決まって支払われる給与(実質 )
1.2
0.8
▲ 0.3
0.7
0.3
▲ 1.6
▲ 1.1
▲ 0.5
▲ 0.8
▲ 1.8
▲ 2.3
▲ 2.5
▲ 2.9
▲ 0.3
▲ 0.5
▲ 2.4
兵庫県
H26
H25
都道府県
H26
神戸市
H25
H26
指定都市
H25
H26
H25
市町(兵庫)
H26
市町村
(資料:総務省「公共事業等の執行状況調」
)
100
90 113.46
80
75
70
60
103.90
原油単価(円・ドル)と為替レートの推移】
原油単価
(千円/kl)
72
109.45 109.11 109.96
70
71
102.10 102.30
102.60
70
71
120
円レート
(東京月中平均)
国際原油単価
(米$/b(バレル))
110.89 110.09
($/b、\/$ )
111.62
71
110.54
107.10 108.10 110
71
69
70
101.80 102.10 101.70
115
105
103.00 106.22
100.70
50
100
95
40
90
2
3
4
5
6
7
8
9
10
(資料:原油単価・財務省「日本貿易統計」より石油連盟まとめ、円レート・日本経済新聞社まとめ)
【図 11 賃金の前年同期比増減率の推移(兵庫県)
】
1.7
H25
H26.1
⑪賃 金
現金給与総額や決まって支給する給与(ボーナス
等を除いた給与)の増減率は、H26 年 4-6 月期以降、緩やかな
増加基調にある。しかし、物価の変動を考慮した実質値では
マイナスが続いており、
賃金上昇が物価上昇に追いついていない。
現金給与総額(名目)
決まって支払われる給与(名目)
H26
(千円 ) 【図8
H26年
(資料:日本銀行調査統計局「企業物価指数」
)
(%)
(千人)
新規求人数(原数値)
新規求人数(対前年増減率)
有効求人倍率
有効求人倍率(就業地別)
40
40
有効求人倍率(正社員)
(%)
32
32 31
28 29 27 27 29 27 30
0.95 0.94 0.95 0.96 0.97 0.98 0.97 0.97 0.98
26
26 27
1.00
30
20
0.93
24
(%)
0.86
21 22
2.0
0.84
0.90
20
0
8.1
9.9
0.91
11.311.6
7.210.7
10.1
0.90
0.74
6.9
1.0
5.9
5.0
5.5
0.89 0.89
2.4
0.80
4.1
2.2
0.86 0.85 0.87 0.88 0.88
0.65
0.83
10
-20
0.0
0.70 0.78
0.75
-17.3-18.4
0.53
0.68
0.60
0
-40 ▲ 1.0
0.51
0.59
0.50
▲ 2.0
0.53 0.53
0.54 0.56
0.51 0.48
0.51 0.52
前年同
0.40 0.48 0.47 0.49
0.49
▲ 3.0
0.47
新規求人数(人)
月比(%)
0.41 0.44
〔産業別新規求人数・前年同月比(H26 年 10 月)〕
0.30
19.9
10,000
30
0.36
▲
4.0
0.29
0.28
8.2
8,000
4.0
20
2.7
0.20
▲ 2.1
6,000
▲ 5.7
10
▲ 10.0
0% 0
4,000
8,648
2,000
-10
4,987
3,785
2,698
2,252
1,083
0
-20
1,571
※H20~25 は実数をもとにした倍率の暦年平均、H26 は季節調整値
(資料:厚生労働省・同兵庫労働局「一般職業紹介状況」、総務省「労働力調査」)
H25年
45.6
37.8 40.4 38.5 41.2 41.4
37.8 38.1 33.8 37.5
⑧ エネルギーコスト
輸入物価の高騰で、素原材料物価は約
4 割高(H22 年比)で推移しているが、
最終財価格への転嫁が進
んでおらず、内需型企業には厳しい状況が続いている。
H26年
(資料:神戸税関「神戸港貿易概況」)
H25
48.4
原油価格は、
円安による輸入価格の
上昇と国際価格の下落が相殺され、一定水準を維持している
⑦ 原材料コスト
輸入物価指数
素原材料物価指数
最終財物価指数
(前年=100)
(億円)
輸出額
前年比
160
120
5,500
【図5 県内上場企業の決算状況(兵庫県)
】
(H22=100)
143.6
150
142.7
〔H26.9 中間、H27.3 期末
5,039
140.7 139.6 139.3 137.8 138.2 137.7 137.8 139.9 136.6
115.0
137.6
135.9
115 140
増益または黒字
減益または赤字
113.0
5,000
135.3
4,846
予想とも減益・赤字企
4,609
111.8
4,654
4,565
4,498 4,478 111.8
業が多い業種〕
4,521
H25.3期末
51
32
120.0
110 130
4,500
4,331
118.6
130.2
業 種
社数
129.6
129.0
4,508
128.2
120
127.8 127.5 127.0 126.0 126.3 126.0 126.8
H25.9中間
55
27
105.2
124.9
122.7
4,293
122.9
化学
3
105
4,000
103.2
4,443 102.4
110
H26.3期末
64
17
運輸
3
104.7
107.5 107.2
103.6
100.6
100
H26.9中間
41
40
102.2
100
3,500
100.8
100.5 101.1 101.0
100.4
100.4
101.1 101.0
100.1
小売
100.0 99.1
2
100.1
100.7
100.5
100.5
100.5
3,544
100.3
98.1
90
H27.3期末
51
30
95.9
95
3,000
80
10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
H22 H23 H24 H25
10 11 12 1
2
3
4
5
6
7
8
9 10
0%
20% 40% 60% 80% 100%
※グラフ中の数字は企業数、H27 年 3 月期末決算は予想
42.7
非製造業
7-9
9月末時点 ※全国データはカテゴリ毎の平均値
61.2
57.7
57.4
57.3 58.8
56.6
54.4
53.6
52.9
51.0
57.9
▲ 0.8
10-12
6月末時点
65.5
116.3
70
40 20
106.2
21.8
12.1
106.4 106.4
16.5
7.7
103.7
102.3
104.9
11.6
102.9
2.3
8.6
8.6
3.1
60
101.8
101.5
99.5
97.7
6.3
4.1
0
96.7 97.3 95.7
104.0 103.9
20
95.4
3.0
100.0
50
96.5
95.4
-8.2
-7.0
-4.1
90.0
-21.2
-17.1
96.2
95.6
96.8
91.3
3
89 0 3
-10.0
-11.0
4
-1
0
-2
-20
40
88.3
0
-19.4(資料:日本銀行神戸支店
-4 84.8
-8 -7
-13 -11 -9
-11
-5
-13.2
-13 -14
-2
-15
-5
-16
30
「県内企業短期経済観測調査」(H26
年
12
月))
-18
-8 -8 -13
-20
-6-10 -17
-9
-20
-14 -11
-26
-20 -40
-17
-18
20
-21
-21 -20
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
-20 -19-23
-24
-26
-25
-37 -35
-20
(計画)
-30
10
-33
-43
-36
鉱工業生産指数 H22=100 原数値 -40〔設備投資・前期比増加率(全国)、財務省「法人企業統計」H26.12〕
-45
15.0
-41
全産業D.I
10.8
-47
1.5
7.4 3.0
-50
10.0
全産業 0
4.0
中小企業D.I
5.5
-51
-54
5.0
-60
6.8
0.0
製造業
90
7-9月
③ 民間投資 本県企業の設備投資意欲は依然高く、H26 年
度(計画)では製造業がプラスに転じている。今後の計画通りの
投資が期待される。
109.4
109.3 104.2
100
0.4
-0.1
-5.1
民間最
終消費
支出
【図2業況判断・鉱工業生産指数(兵庫県)
】
110
▲ 0.5
▲ 1.7
2.2
H25. 7-9月
10-12月
H26. 1-3月
〔GDP成長率への項目別の寄与度〕
H26年
130
120
▲ 0.4
0.3
(指数)
民間最終消費支出
1.4
0.4
先行きの
② 業況・生産 業況は足元で改善が見られるが、
悪化が懸念される。
鉱工業生産指数は 2 ヵ月ぶりに上昇(前月
比 0.9%増)したが、生産活動には一部弱い動きも見られる。
0.0
▲ 0.0
【図 12 消費支出・消費者物価指数(神戸市)
】
104
103
消費支出(前年同月比(名目))
生鮮食品を除く総合
食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合
(%)
40
30
102
20
101
10
100
0
99
-10
▲ 2.8
98
-20
▲ 3.4
97
-30
▲ 2.3
▲ 2.5
▲ 3.6
消費支出は、消費税率引上げ後マイナス基調
⑫消 費
となっており、個人消費の回復に遅れが見られる。
※指数(H22=100)の四半期毎平均値より前年同期比を算出
(資料:県統計課「毎月勤労統計調査地方調査月報」(H26 年 9 月))
※消費者物価指数:H22=100
(資料:総務省「家計調査」
、
「消費者物価指数」
)
1