ニュースレター第11号を発行しました

11
2015
順天堂大学
第
先導的がん医療開発研究センター
Leading center for the development and research of cancer medicine
号
ター
レ
ニュース
外部評価委員会 開催報告
11 / 22(土)14:00∼17:00
がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン∼ICTと人で繋ぐがん医療維新プラン∼では、これまでの事業活
動を振り返り、また今後の活動の重要な指針とするため、外部評価委員会を受審しております。
今年度は外部評価委員として、
今年度は外部評価委員として、公益財団法人
公益財団法人 がん研究会有明病院
がん研究会有明病院 門田
門田 守人
守人 院長、
院長、独立行政法人
独立行政法人 国立がん研
国立がん研
究センター中央病院
薬剤部
林
憲一
部長、
一般社団法人
グループ・ネクサス・ジャパン
究センター中央病院 薬剤部 林 憲一 部長、一般社団法人 グループ・ネクサス・ジャパン 天野
天野 慎介
慎介 理事長をお招き
理事長をお招き
し、評価を頂きました。
評価を頂きました。
し、
順 天 堂 大 学 学長 / 統括責任者 木南 英紀
首都圏の順天堂大学を主管とし、東北・山陰までの広域をカバーした7大学連携によるがん医療維新を目指す本事業の構
想・志は外部評価委員から高く評価して戴いた。しかし、7大学が単独で、あるいはコンソーシアムとして各地域の病院・
自治体などと連携してICT講義や研究セミナー、市民公開講座等が数多く開催されていることはよくわかったが、受講者
や患者によるレスポンスをキャッチアップし、アウトカム評価として教育改革やがん医療維新にもっと生かして欲しいと
いうご指摘があった。また、何が最終目標であるか明確なメッセ−ジとして伝わってこないという示唆があった。これら
のコメントを真摯に受け止め、改善計画を立て実行していくことにしたい。
順 天 堂 大 学 医学研究科長 / 事業推進責任者 新井 一
本年度の外部評価委員会において、本プランの主目的として掲げている連携7大学のICTによる連携・循環型交流など、
多分野において高い評価をいただいた。しかしながら、いくつかのご指摘いただいた事項については真摯に受け止め、
更なる国際化を視野に入れた体制を整え、本プランをより活発で充実したものにしていく必要がある。一丸となって取
り組んでいくよう皆さまのご協力をお願いしたい。
順 天 堂 大 学 医学研究科 呼吸器内科学 教授 / 統括コーディネーター 髙橋 和久
がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン― I CTと人で繋ぐがん医療維新プラン―の外部評価が11月22日に順天堂
大学で行われた。がん研究会有明病院院長の門田守人先生、国立がん研究センター中央病院薬剤部長の林憲一先生、グル
ープ・ネクサス・ジャパン理事長の天野慎介先生を評価委員として迎え、本プランの活動実績、昨年の外部評価で指摘さ
れた国際化、研究者育成、人の循環などに対する改善結果などを報告し、概ね高い評価をいただいた。今後は宿題として
いただいた本プランに対する患者、国民からの評価、産学官連携を通じてのがん医療・研究のさらなる発展へいかに繋げ
るかについて検討していきたい。
順 天 堂 大 学 医学研究科 分子病理病態学 教授 樋野 興夫
「がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン:ICTと人で繋ぐがん医療維新プラン外部評価員会」
(順天堂大学に於い
て)に参画した。各連携大学から「教育分野」・「地域分野」・「研究分野」・「ICTと大学間連携事業」について、それぞれ
の成果・現状報告がなされた。順調な進展を感じた。「がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン」は、
『「しっかりと
した土台」、
「しっかりとした骨組み」、
「しっかりとした使命感」』を持った「杭となり、羅針盤」となる「医療の隙間」を
埋める「医療人の育成」を目指す事業であり、まさに「医療のあらゆる行動に普遍性の烙印を押す、教養ある、本質的な人
間教育の見直し」でもある。その手段は「目的は高い理想 に置き、それに到達する道は臨機応変に取るべし」である。こ
れこそ「医療維新」の心得であろう。本事業が「医療維新」の舵取りなる予感がする。
① 教育分野
鳥 取 大 学 医学部附属病院 がんセンター
教授 辻谷 俊一
今回の外部評価委員会に参加し、がんプロの到達目標の
高さを再認識しました。門田委員長が患者目線のアウトカ
ムの必要性を示されましたが、それには教育の達成度だけ
でなく、育成された医療人、研究者によるがん医療への貢
献度が重要です。我々の目標である「医療維新」実現のた
め、そこまで考えた実際的な教育が必要と感じました。
外部評価委員会 開催報告
明 治 薬 科 大 学 副学長/薬物治療学
教授 越前 宏俊
薬科大学の教育年限が 6 年制へと移行し大学院進学者が
激減する中、がん専門薬剤師養成の、社会人を対象とした
カリキュラム設置により入学者は増加傾向にあること、ま
た国際的なpharmacist scientist養成の観点から、米国か
ら講師を招き大学院を中心に学部学生や社会人にも門戸を
開き教育活動を展開する現状を報告した。委員から高評価
を受けるも、他校との連携に改善の余地を指摘され、次年
度からの課題として検討することとした。
② 地域分野
呼吸器・臨床腫瘍学 教授 礒部 威
岩手医科大学 内科学講座 血液腫瘍内科分野
准教授 伊藤 薫樹
山陰全域にI C Tを用いた顔の見える連携を構築した点
はご評価いただきました。本プロジェクトの対象は、医師、
看護師、薬剤師を含むすべての医療従事者であり、プロジ
ェクトの受け手側の評価をいただくことが必要です。さら
には、地域の患者さんにとって、このプロジェクトがどの
ように貢献したのかを明らかにすることが次の課題となり
そうです。
人材育成の2本柱である大学院コースとインテンシブ
コースの進捗状況、地域と連携したがん教育の取り組み、
がん啓発活動を中心に発表致しました。特に小学生を対象
にしたセミナーや患者目線のがん医療などをテーマにした
市民公開講座の開催実績についてはご評価をいただきまし
た。外部評価委員の方々の貴重なご意見を参考に残りの課
題に取り組んで参りたいと思います。
島 根 大 学 医学部 内科学講座 ③ 研究分野
東京理科 大 学 薬学部 生命創薬科 学 科 教授 早川 洋一
東京理科大学では修士課程の大学院生を対象とするがん
研究者養成を行っており、がん医療を中心とするプログラ
ムの中ではやや異質な分野を担当しているが、今回、関係
者の方々の暖かい理解と細やかなサポートを改めて実感で
きた。外部評価委員からは様々な課題提示をいただいたの
で、これを糧により良い教育を実現できるよう取り組んで
いきたい。
④ ICTと大学間連携事業
順天堂大 学 大学院医学研究科臨床腫瘍学
教授 加藤 俊介
広域にわたる私たちのグループでは、I C Tは大変重要な
ツールです。その運用については高評価をいただきました
が、各種シンポジウムなど配信事業の一般公開や適切なア
ウトカム評価も求められました。また、循環型人材交流の
さらなる活性化も求められています。
今後の事業展開について、皆さんと一緒にアイデアを出し
あえたらと思います。
立 教 大 学 理学研究科 物理学専攻 特任准教授 洞口 拓磨
今年度の外部評価委員会において立教大学が注目すべき
ポイントは、医学・物理連携モデルの社会への発信と、コー
ス受講学生からのアウトカム評価の二点と強く認識しまし
た。我々にとっての医療維新とは、連携における取り組み
を随時発信していくことで、理工系人材の医療に対する潜
在的興味を掘り起こす流れを作ることだと考えています。
今後はアウトカム評価を活かし、より洗練された取り組み
へと昇華させることを目標に取り組んでいきたいと思って
います。
外部評価委員会 開催風景
国 際 環 境 発 がん制 御 研究会シンポジウム
13日(木)
2014年11月
:0 0
13:3 0 ∼16
順天堂大学 医学部 内科学教室・呼吸器内科学講座 助教
佐藤 匡
中皮腫疑い患者の早期診断
2 0 1 4 年 1 1 月13日(木)本学で行われた標記研究会に演者として参加する機会をいただきました。テーマ
が「アスベスト予防と早期診断と治療&福祉」ということで、非常に幅広い内容の発表が続き、演者も医
師のみならず、保安用品協会の方や介護・福祉のプロの方とバラエティに富み、大変興味深く聴講するこ
とができました。
最終演者であった私は、呼吸器内科・外科と樋野興夫教授の病理・腫瘍学教室が協力して行ってきた、
N - E RC /メソテリンという中皮腫のバイオマーカーに関するこれまでの研究成果を紹介させていただきま
した。N - E RC /メソテリン研究は、1995年に樋野教授らが遺伝性腎がんラットに高発現する遺伝子のひ
とつとして Erc 遺伝子を同定したことを端緒とし、その後2006年に、ELIS AによるN-ERC/メソテリン
測定法を確立したことを当時呼吸器外科の塩見和先生が報告されました。2008年には塩見先生により中
皮腫の診断において良好な感度および特異度を有することが報告され、当科からも田島健先生が抗がん剤
などによる治療効果のモニタリングマーカーとして有用であること、森貴紀先生が予後予測マーカーとし
ての可能性を報告し、そして本年私が、抗体を改良し診断精度をさらに高めることに成功したことを報告
いたしました。当日の発表では、私の心に残る中皮腫の患者さんのエピソードも交えさせていただきまし
たが、こうした患者さんに報いるためにも、私たちのN-ERC/メソテリン測定法が中皮腫の早期診断の一
助となることを強く願っております。
最後になりましたが、節目の5周年という記念すべき本研究会に参加させていただいたことを大変光栄
に思いますとともに、この機会を与えていただいた樋野教授と呼吸器内科・高橋和久教授に心から感謝申
し上げます。
報 告
情報
コーナー
下記のとおり大盛況のうちに終了いたしました。ありがとうございました。
● 市民公開シンポジウム( 立教大学 )
テーマ「切らずに治す放射線がん治療」
講師:国立がん研究センター東病院臨床開発センター粒子線医学開発部長 秋元 哲夫 先生 他
2014年10月18日(土)13:00 ∼ 16:30 I CT接続により連携 7 大学各校に配信
● 国際シンポジウム( 岩手医科大学 )
テーマ「がんプロから考える 日本発の国際貢献」
司会:岩手医科大学産婦人科学講座 小山 理恵 准教授 小嶋 敦美 講師
2014年11月21日(金)14:00 ∼ 17:30 I CT接続により連携 7 大学に配信
● 外部評価委員会
2014年11月22日(土)14:00 ∼17:10 順天堂大学 センチュリータワー
● 肺がんシンポジウム( 順天堂大学、岩手医科大学、島根大学、鳥取大学 )
テーマ「地域から首都圏、そしてアジアまで俯瞰する肺がん研究」
ゲストスピーカー:タイ マヒドン大学 Dr. Thanyanan Reungwetwattana 他
2014年11月27日(木)14:30 ∼ 17:00 I CT接続により タイ マヒドン大学および連携7大学に配信
● 地域シンポジウム( 島根大学 )
テーマ「在宅緩和ケアを広げるために」
講師:島根大学医学部附属病院緩和センター 橋本 龍也 先生 他
2014年12月22日(月)18:00 ∼ 20:30 I CT接続により連携 7 大学に配信
今後のスケジュール
詳細はHPに随時掲載します
I CT特別講義( 島根大学・鳥取大学 )
テーマ「チーム医療の日米比較 ∼トーマスジェファーソン海外研修∼」
2015年1月19日(月)18:30 ∼20:00 島根大学 医学部 みらい棟 4階ギャラクシー
I CT特別講演会( 明治薬科大学 )
テーマ「中性子捕捉療法に向けたドラッグデリバリーシステムの応用」
2015年1月21日(水)18:30 ∼19:30 明治薬科大学 清瀬キャンパス フロネシス棟 8211教室
全国がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン合同フォーラム( がん薬物療法FD )
2015年1月29日(木)10:00 ∼17:00 東京大学山上会館 2階大会議室
臨床研究研修会( 合宿 )
2015年2月28日(土)∼ 3月1日(日)順天堂大学にて開催
編集後記
順天堂大学は、この度【2015年4月開設決定】国際教養学部の設置が認可された。「国際教養学部 開設記
念シンポジウム」も、今年企画されることであろう。『「なすべきことをなそうとする愛」は、
「高き自由の精
神」を持って医療に従事する者の普遍的な真理である。「他人の苦痛に対する思いやり」は、医学・医療・教
育・研究の根本である。「古き歴史と日新の科学」を踏まえて、次世代の新しい精神性として改めて問い直す
時代の到来である。人間の尊厳に徹した医学・医療・教育・研究の在り方を考え、「潜在的な需要の発掘」と
「問題の設定」を提示し、
「医学・医療・教育・研究」に「新鮮なインパクト」を与える』ことが「がんプロフェッ
ショナル養成基盤推進プラン」の目的でもあろう。まさに、「人生のversion upの邂逅」でもある。
全国の小・中学校関係の雑誌に『人の生と死からみた今後の教育の向くべき方向』を執筆する機会が与えら
れた。『最も剛毅なる者は最も柔和なる者であり、愛ある者は勇敢なるものである』とは、
「教養の普遍性」で
あろう。「日々の出来事の丁寧な観察」は「寺子屋的な文章書きの習慣」によって、養われることであろう。
編集長・広報委員長 樋野 興夫
順天堂大学先導的がん医療開発研究センター
順天堂大学がん生涯教育センター
〒113-8421 東京都文京区本郷2-1-1
編 集 順天堂大学大学院がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン 広報委員会
発 行 順天堂大学大学院がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン
http://ganpro-ict-plan.jp/index.html