仕事量(エネルギー):物理学
エネルギー原理
弾性仕事の諸理論

教科書
第 1 章


仕事 内部仕事・外部仕事
仮想仕事の原理
仕事の定義

物体に力が加わっており、その物体が加えられた力の方
向に移動した場合、その力と移動距離をかけあわせた量
を「仕事」と呼ぶ。
質量mの物体を高さhにまで持ち上げる時の仕事量
は?
mg
•物体に働く重力:mg で一定
•仕事量=mg×h=mgh
h
速度vで運動する質量mの物体を一定の力Fをかけ
て止めるのに必要な仕事の量は?
•加速度: a = F/m
•速度: v = a t → t = v / a秒後に停止
•t秒後の物体位置: s=(1/2) a t 2= (1/2) m v 2/ F
•仕事の量=距離 s ×力 F =(1/2) m v 2となる。
力学的エネルギー保存則
ニュートンの運動の第2法則

運動の変化は及ぼされる起動力に比例し、この力
が及ぼされる直線の方向 に行われる
運動エネルギー+ポテンシャルエネルギー=一定
エネルギー保存則
ケルビン(1824-1907)は,原子・分子の運動
エネルギーと位置エネルギーの和を内部エネルギー
と定義して,エネルギー保存則をつぎのように定式化
する.「系の状態変化に伴う内部エネルギーの差は,
外部から加えられた仕事と熱量の和に等しい」
熱力学
振動
振動
いつまでも振動し続ける
物理学から構造力学へ
物体に外力が作用する場合、物理学において
は物体を変形しない剛体と仮定して主にその
運動特性を論じる
エネルギー保存則に内部エネルギーは無い
構造力学では構造体が変形する
外力だけでなく内力(応力度)でも仕事をする
減衰振動
弾塑性振動
熱エネルギーへと変化
仕事
仕事をしない
F'
F
F cos
仕事をする
S
W=S・Fcosθ
Fcosθ
応力度とひずみ度によるエネルギー
S
1
内部仕事(ひずみエネルギー)
外部仕事
バネに力を加えていった時のエネルギー

応力は単位面積あたりの力
ひずみは単位長さあたりの変形量
力が一定でなく、変形に応じて増えていく。
W
F=Kδ

 F ( x)dx   Kxdx
0
0

2
F
K
δ
x
K 2
 K  
2
 2  0
1
 F
2
構造力学におけるエネルギー保存則
微小単位要素の仕事量
=Eε
dW 


0
0
  ( x)dx   Exdx
1
 
2
E
ε
全体で積分
変形計算への応用
+内力のポテンシャルエネルギー=0
運動エネルギー+ポテンシャルエネルギー=一定
構造力学におけるエネルギー保存則
 運動エネルギー+外力のポテンシャルエネルギー
+内力のポテンシャルエネルギー

σ
σ
外力のポテンシャルエネルギー
物理の力学(剛体)

構造部材では応力やひずみは分布し、その全
体の合計値として荷重や変形量が計算される。

外力のした仕事(外力×変形)
=内力のした仕事
として、変形を算定する。
=一定
静力学では 運動エネルギー =0
外力のポテンシャルエネルギー
+内力のポテンシャルエネルギー =一定
軸方向力による内部仕事
外部仕事(軸変形以外)
p13
力が0→Pまで作用しδ変形させた時にする仕事
W
1
P
2
モーメントが0→Mまで作用しθ回転させた時にす
る仕事
W
1
M
2
  E
微小長さ dx の微小要素あたりの内力仕事 U N
dx
U Ndx 
 x A   x dx    x A  x dx 
力
2
変形
2
E
A 2
 x dx
2E
2
軸方向力による内部仕事
モーメントによる内部仕事
p14
部材全長にわたる内力仕事 U N
2
l N
A 2
 x dx  
dx
0 2E
0 2 EA
UN  
l
d 
モーメントによる内部仕事

E
dx
モーメントによる内部仕事(2)
dx
微小長さ dx の微小要素の内力仕事 U M
d 

E
dx
I
微小層状分割要素の内力仕事 U
U
dx
M , dy


U Mdx,dy 
y
dA   y dx 
2

 y2
2E
M 2 y2
dAdx
2 EI 2
dx
M , dy

M
y
I
部材全長にわたる内力仕事
dAdx
断面のせい方向に積分
単純梁のモーメントによる変形
P
UM
UM
M2
dx

0 2 EI
l
せん断力による内部仕事
p15
集中荷重Pがなす外力仕事W

P
2
P
2
W
1
P
2
内力仕事 U M
Mx 
M2
UM  
dx
0 2 EI
1
Px
2
l
Px
2
x
l/2

2
Pl 3
48 EI
 Px 


2 
 2 
dx
2 EI
l
2
P
 2
x 2 dx
0 4 EI
2 3
Pl

96 EI
l
2
0
l/2
W  UM
微小長さ dx の微小要素あたりの内力仕事
U Qdx
3
せん断力による内部仕事(2)
微小層状分割要素の U dx   y dA   y dy 
Q , dy
2
内力仕事 U dx
 y
Q , dy
せん断力による内部仕事(2)’
微小層状分割要素の U Qdx,dy 
内力仕事 U dx
Q , dy

 bdx   G dy 
y


せん断力による内部仕事(3)
U
dx
Q

U Qdx 
h/2
h / 2
U
dx
Q , dy
1

2G

h / 2
2
h/2 Sy
Q2
dx 
dy
 h / 2 bI 2
2G
y 
A
と置く
U Qdx  


h
2
( )
1 h
y
2 2
h
2
y
h
2
bI
l
UQ   
0
y
h/ 2
Sy2
h / 2
bI 2
矩形断面の中立軸に関する
部分の断面1次モーメント
せん断応力度の時
τmax=1.5 τmean


A
bI 2

bh
 bh3 
4

 12 

2
P
2
x
b2  h2
2
  y  dy
4 4

2
P
外力仕事

P
2
dy
2
h/ 2
h / 2
Q2
dx
2GA
単純梁の変形(M+Q)
p16
2

h
 1h
 bh
Sy  b   y     y     y2 
2
 2 2
 2 4

  A
b
Q
dx を長さ方向に積分して
2GA
S yQ
Q2
dx
2GA
dA

h/2
h / 2
l/2
h h 2
4
  y  y  dy
 16 2

4
2
Px
2
l/2
U  U M  UQ  
l
0
1
P
2
l
M2
Q2
dx   
dx
0
2 EI
2GA
2
P
  l
P 2l 3
2

  
96 EI
2GA
P 2l 3
P 2l


96 EI
8GA
中央集中荷重を受ける単純梁
W U
W
内力仕事
h/2
36  h 4
h2
1 
y  y3  y5 
h5  16
6
5 h / 2
36 h5
 5
 1.2
h 30
UQ
2
U Qdx  
形状係数
矩形断面の形状係数

2
   y bdxdy
2G

2
せん断力による内部仕事(4)
 y bdy dx
2
 y
 bdy   G dx 
部材全長にわたる内力仕事
h/2
dA   y dx 
2
2G
断面のせい方向に積分
微小要素の内力仕事 U Qdx
y
y
2
   y bdxdy

2


Pl 3
Pl

48 EI
4GA
4
曲げ変形とせん断変形
 m s 
Pl 3
Pl
Pl 3
Pl


 0.3
3
Gbh
48 EI
4GA 4 Ebh
G  0.4 E
 m s 
5
l2
h2
25
10
100
l
h
p17
次週
仮想仕事の原理
エネルギー法による構造物の変形

Pl  l 2
 2  3
4 Ebh  h

l2
3
h2
28
103
せん断変形を考え
た場合の影響 (%)
12
3
5