米ドル建て債券について

2015年1⽉16⽇
⽶ドル建て債券について
最近の動向
昨年9月以降、リスク回避の動きが強まる中、ハイイールド債券など信用格付けの低い債券が売られて
います(利回りは上昇)。2014年10月にFRBによる量的緩和が終了され、今後の金利や景気動向に対
する不透明感が強まる中、多数のリスク要因が顕在化したためです。また、米ハイイールド債券はエネ
ルギーセクターのウェイトが大きく、最近の石油価格の低下もハイイールド債券の下落に拍車をかけま
した。
その一方、ハイイールド債券が大きく下落した昨年9月以降も投資適格社債や優先証券は堅調に推移
しています。優先証券は主に世界を代表する金融機関が発行しており、その信用力は一般のハイイー
ルド債券の発行体よりも高くなっています。そのため、リスク回避的な投資行動の影響が少ないと思わ
れます。
リーマンショック以降、世界的に金融機関に対する自己資本規制強化が進められています(次ページ参
照)。昨年10月に発表されたECB(欧州中央銀行)の欧州銀行に対するストレステストもその一環です。
そのため、優先証券を発行する金融機関の信用力は、今後さらに高まっていくものと見込まれます。
主要債券指数の推移
(2013年12月31日~2015年1月15日)
112
110
108
優先証券
投資適格社債
ハイイールド債券
106
104
102
100
98
13/12/31
14/2/28
14/4/30
14/6/30
14/8/31
14/10/31
14/12/31
(年/月/日)
※2013年12月末を100として指数化
※優先証券:バークレイズ米ドル建てTierⅠキャピタル証券インデックス、投資適格社債: BofAメリルリンチUSコーポレート・インデッ
クス、ハイイールド債券:BofAメリルリンチUSハイイールド・インデックス
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果をお約束するものではありません。
(出所)各種データより大和住銀投信投資顧問作成
■当資料は情報提供を目的として大和住銀投信投資顧問が作成したものであ
り、特定の投資信託・生命保険・株式・債券等の売買を推奨・勧誘するものでは
ありません。■当資料は各種の信頼できると考えられる情報源から作成してお
りますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。■当資料に記
載されている今後の見通し・コメントは、作成日現在のものであり、事前の予告
なしに将来変更される場合があります。■当資料内の運用実績等に関するグ
ラフ、数値等は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではあり
ません。■当資料内のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証する
ものではありません。
大和住銀投信投資顧問株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第353号
加入協会 一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
2015年1⽉16⽇
巨⼤銀⾏に対する資本規制強化について
2014年9月の新聞朝刊に、巨大銀行に対する資本規制が強化されるとの観測記事が掲載されました。
国際展開する巨大銀行に対する資本規制強化は、資本の大幅な拡充と秩序ある経営再建を要請するも
のです。前者は、バーゼルⅢで定める基準の更なる引き上げ、後者は実質的な破たんに陥った際に政府
救済に至る前に株式および債券投資家にも損失を負担させる(ベイルイン)ことを狙いとしています。こうし
た流れは、既に国・地域レベルでは制度整備が進み始めており、報道内容の方向性は特に新しいもので
はありません。
例えば、スイスでは大手銀行に対し自己資本(普通株式等Tier1と追加的Tier1の合計)の下限を19%と定
めています。欧州では秩序だった破たん処理の制度整備が進み始めています。つまり、上述のような資本
規制に関する取組みを国や地域をまたいで一段と強化させるという意味合いが強いものと考えられます。
規制の強化を通じ、該当する金融機関の財務体質はさらに堅固になることが予想されるため、結果的に
金融システム全体の安定につながることが予想されます。このため、既に発行されている従来型の優先証
券を保有する投資家にとっては、リスク管理の観点からも好ましい流れであると予想されます。また、こうし
た優先証券は上述の枠組みの中では、自己資本としてカウントされない(経過措置があります)ため、早期
償還や買入消却の動きは加速することが見込まれます。
実際、こうした動きは顕著となっており、2014年10月以降も、英国、フランス、ドイツなどの大手銀行による
従来型優先証券の早期償還や買入消却が実施されました。一方で、バーゼルⅢにおける追加的Tier1証
券の資格を有する優先証券の発行も相次いでおり、大手銀行による資本の再構築が進展しています。
■当資料は情報提供を目的として大和住銀投信投資顧問が作成したものであ
り、特定の投資信託・生命保険・株式・債券等の売買を推奨・勧誘するものでは
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りますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。■当資料に記
載されている今後の見通し・コメントは、作成日現在のものであり、事前の予告
なしに将来変更される場合があります。■当資料内の運用実績等に関するグ
ラフ、数値等は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではあり
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2015年1⽉16⽇
さまざまな債券の利回りを⽐較してみよう。
主要債券の利回り水準比較
10%
2014年12月末
6.95%
5%
0%
格付け
4.34%
3.23%
0.04%
0.05%
定期預金(3年)
-
日本国債(3年)
AA-
投資適格社債
A-
優先証券
BBB+
ハイイールド債券
B+
※定期預金(3年):日本銀行が発表する2014年12月29日店頭表示金利(預入金額1,000万円以上)の平均、日本国債(3年):2015年1月15日発行の個人向け国
債の利率、投資適格社債: BofAメリルリンチUSコーポレート・インデックス、優先証券:バークレイズ米ドル建てTierⅠキャピタル証券インデックス、ハイイール
ド債券:BofAメリルリンチUSハイイールド・インデックス
(出所)各種データより大和住銀投信投資顧問作成
代表的な債券種別と利回りの関係(イメージ図)
高
利回り
優先証券固有のリスク
に対する上乗せ金利
低
国債利回り
国債
国が発行する債券
同一国では、信用力や
流動性が最も高い
(*)法的弁済順位とは、発行体が破綻等となっ
た場合において、債権者等に対する残余財産
の弁済順位をいいます。
発行体の信用リスク
に対する上乗せ金利
発行体の信用リスク
に対する上乗せ金利
発行体の信用リスク
に対する上乗せ金利
国債利回り
国債利回り
国債利回り
投資適格社債
優先証券
ハイイールド債券
企業が発行し、格付けが
企業が発行し、格付け 金融機関が主に発行
BB格相当以下で信用力
がBBB格相当以上で信 し、法的弁済順位(*)
が相対的に低い債券。
が低いことから、同一
用力が相対的に高い債
発行体が発行する社債
社債の中では相対的に信
券。社債の中では相対
用リスクは高い
的に信用リスクは低い
よりも利回りが高い傾
向
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