12 多種 多様 な燃料 電池 燃料 電 池 は,発 電効率 の 高 さば か りで な く,環 境 負荷 の 少 な さ,分 散 配 置か ら 集 中配 置 まで の幅 広 い分 野 へ の適 用や 大小 さま ざまな容 量 に対 応 で きるな ど,数 多 くの優 れ た特 長 をイ∫して い る 燃料 電 池 の代 表 的 な種 類 と特 徴 を表 12に ま と め る。.燃 本1電 池 の種 類 を,用 途,使 用 燃料 ,作 動 温度 な どで 区分 け が で き るが , 一 般 的 に は,反 IILに 関 与す るキ ャ リヤ イ オ ンの通 過媒体 とな る電解 質 の神 類 に よ って分 類 され る わが 国 で精 力的 に 開発 が進め られ た燃 料 電 池 は,PAFC,MCFC, SOFC, PEFC Iこ あ る 実 用機 と して導 人が 始 ま った PAFCで は,高 濃度 の りん酸 電解 質 中 を水素 イオ (H+)が 移動 し,そ の動 作 温度 は約 200・ Cで あ る 電極 に は反応 を促 lllさ せ る ため に 白金触 媒 が分 散担持 され て い る.1)AFCは ,お もに天 然 ガ ス を燃料 とす る ン 定 置用 燃料 電 池発電 シ ステム と して開発 が 進 め られ て い る。 白金触 媒 は一酸 化炭 素 に被毒 されや す く,燃 料 ガ スに 含 まれ る一 酸化 炭素 の 濃度 を 1%程 度 以 下まで llt減 す る必要 が あ る。 水 素 イォ ンが 関与 す る燃料 電 池 で,現 在 の 開 発 の 中心 とな って い るの が PEFC であ る。電解 質 には水 素 イオ ンの 導 電性 を有す る同体 高分 子膜 が用 い られ てお り , この 中 を水素 イ オ ンが 水分 を1半 い なが ら通過 す る構 造 とな って い る.PEFCに お い て も電極 には 白金触 媒 が 担 持 され て い るが,PEFCの 動作 温 度 は通常 80・ C程 度 で あ り,作 動 温度 が低 い こ とか ら,一 酸化 炭 素 の 許容 濃度 レベ ル は約 10 ppmレ ベ ル と非 常 に厳 し くな る。 炭酸 イオ ン (C032)が 関 与す る燃 料 電 池 と して,実 用 化 開 発 を進 め て い る MCFCが あ る。電解 質 に は通常 ,リ チ ウム とカ リウノ、あ るい は リチ ウム とナ トリ ウムの 混合炭 酸塩 が 用 い られ てお り,動 作 温度 は これ ら固体 物 質 が溶融 して イオ ン導 電体 とな る 600∼ 700・ C程 度 の 高 温 で あ る 反 応促 進 の ため の 白金触 媒 は不要 で,一 酸化 炭素 を多 く合む燃料 の 適 用 が可 能 であ る . 酸 素 イォ ン (02)を 利 用す る燃料 電 池 に は,開 発 途上 に あ る SOFCが あ る SOFCで は電解 質 に通 常 は ジル コニ ア を用 い,こ れが 800∼ 1000・ Cの 温度 領 域 で 酸素 イォ ンの 導電性 を示 す ミ ー ヽヽ ヽ . Кヽ “ K ヽ 9 18 贅ヨ ξ喘 ミ撃0 ロ 熙鰤ヽK ^ 楓嘔 ︸ 副K 匈t峯 怪黎 ミ, や や 0蒙暉 . や 翌 翠 t C束ヽ 督菫 ミー ヽ ヽヽ . Кヽ κ К . ヽ ヽ ヽ . , ヽR ,3 螂≪〓 Ю■安 り一 ヽヽヽ ヽエ ドハヽトーーヽ す ぎ堅崚Sぼ議膊 ヽ■● , 理撃会 や 0ヽ 工К いビ . ゛0 十事 ざЦヽ R〓t 常堅St 〓 ユ ヽ ヽく ヽ ﹁ . ゛営● ヽい010 い コ〓 К R や 0 キ 叫 ゛々£ ︺ . せ串ぐ く 卜 ︲Кヽ口 螺 饉ピ C型 熙撃0 口こ‘ Ю く駅証 ●当 ■ ヽE黎 ヽ 9 1? ^ ●ヽ“ くヽ翻ヽ︶照く ω N+ 国 一+ 0 ヾ ・ . κ゛ こ 一 o , 一十 ,〓 ゛→ 〓 0 6 0NI 一0︻ 日 oC ¨2 ■ ミ■ ● 卜 ︲Кヽ口ぽC 札N 々二熙﹁束≦ヽP 望幡 螺匿も ちや■国目 ヽ3 ,0 髯〓撃 黙メ St〓 E〓〓 撃κκ軍 ご請Sメ挙■ X ごぶ瑯ヽ口 ¨■ 一 〇〇9 ■要 聟 さ ,. 烹≦ 葉p . ヽふ●■ ︶ 蟻O S ︵ K . 嵌K︸ヨS柵日ヽぼ K■O Кヽヨ ヽ︶ ︵ ︼ぶ 口冨 ︶〓 撃 即捩 ギ 壼 ヨ ]〓 撃 ヽ麟 ムヽ卜 、︱ ︲ ヽヽ ヽ 回葉P , ぶ営 ミ Ц腱0こ 騒゛鴫翠 ● 0 一゛ざ 撻 K ︵ 口OY︶ ︲〓 0 日 OC ︼︱ O b い︻1 0い 豪 “ u К ヽ 、 一 エレ P 翠α 撻 , 楓暉 〓 〓O NI .〓 ,, o ︲ N+ Q 〓 ∞ →L 一+O、 工+. OR 国O N K^ ご ' 罹 ミ ー ヽ ミ ー ヽヽ ヽ . 罠紅翠 ξ 案に . ヽ ヽ . Кヽ κ К . ヽヽκК ■ に ︶ ■● 卜ヽ . oO + N O R 平κ К黎゛樫︲︲ . → L N+ 00 1. 臨K , 一 O ︲ N 十 O O + 0 .エ ^ 11 00十 〓 . . ■υl も ヽ十δ ぷ 臨く ヽ ヽ 工К I で 〓 マ O b Oヽ2 000 稿室“ ゼКヽ 、ヽエー ヽ o N 十 O N〓 ・ ヽ ︶+ 、ロ ︲ , 楽“檀 O b 00 ︻︱ O 照堅゛ さ ︱ . 照K 0 一+ 工 N+ 一 0 バ , Ⅸ期 エ o ︱. 〓 ︲ ヽ十 工 ω● , Ц叩 〓 E OC 一︱ ・ OO , →0 0 ”Z ︶ . ‘ヽ 樫 “ if ︵ 日ヽ“ くヽ翻Ц︶照く 堅 o Oロ 1 0∞ F OC 一︱ ヽ さ 裔マさ ■0 ヽ 〓 ︶ . OLく L 却 P M 墜 R T ヨ = 誤 , つ oOドロ ︶ ヽ0ヽ さ 黎 , " 日 o O 一゛ Ⅶ ェ , £0 ´ + 0 ﹄N︶ . . OLO ∽ トl ーn合 ヽギ収“ く “ 0 ︿ 堅郵ヾ ヽヽヽ やり■ ︶堅“擦 ヽヽ ヽ O L口 ヽ O 0“ , 輝 〓 Sこ‡ N熙暉 e 製薬 蜃 田 市 ω■ 熙 , 0 │ b ↑ビ (OH)を 利用 す る燃料 電 以上 の 主 力開 発 の 燃料 電 池 の ほか に,水 酸化 イ オ ン 池 と して,宇 宙用 電 源 な どに使 われて きたア ル カ リ形 燃料 電 池 (AFC)が あ る AFCは 電解 液 に水 酸 化 カ リウム水 溶液 な どの ア ル カ リ性 水 溶液 を用 い,主 として 100・ C以 下 で作動 させ る 燃料 ガ ス として は純 水素 ,酸 化剤 ガ ス として は酸 素 ,あ るい は 空気 が 用 い られ る。 それ ぞれ の 燃料 電 池 の 反応 に関与す るキ ャ リヤ イ オ ンが 異 な るため ,反 応 式 も 一 一I ス 11 空気宅 一・ +ρ 小 HH 空気室 r 小 ↑ 負荷 │: 小 0 肪 靴 薇 “ 一 一 :│ │:「 0 紗 犠 “ 靴 負rll 電解質保持板 電 解 +電 解質 燃料極 1極 燃料極 (a)PAFC (b)PEFC │: 11 小 小 空気極 燃お1極 (d)SOFC 図 !7 各種 燃料 電 池 の 動作原 理 酸化剤 ″ス ーー 空気 (02) 空気室 ♂ 〓 一 air(02) ==■ C02 一 ス 2 。 0 L ∞ 2 榊 H C ︲ ︲ [ r ︲ ︲ ︲ l 一 〓︲ コ ・ ス﹁ 2 2 0 穆九0 印C 燃C 酸化剤 ガス ーー空気 (0・21 負荷 二 ‐H20 「 変 わ る.各 種 燃料 電 池 の動 作 原理 を図 17に ,反 応 式 を表 13に ま とめ る . PAFCの 反応 は,水 素 イ オ ンが シ リコン カー バ イ ドな どの微粒 子 と りん酸 電解 質液 で構 成 され た電解 質 層 を移 動 し,電 子 (e)は 外部 回路 を流 れ る。 電 流 と起 電 力 の積 が 直 流 出力 とな る . この 電 池 反 応 に よっ て得 られ る理 論 的 な起 電 力 は 190° Cの と き 114Vで あ る が ,電 流 を取 り出す ときに分 極 抵抗 を生 じるため 実 際 に運 転 す る場 合 は単 セ ル 当 りの セル電圧 は 06-08V程 度 であ る. PEFCの 電解 質 材 料 は一 般 に,イ 交換 膜 (樹 脂 )を 用 い る オ ン交換 基 と して スル ホ ン酸 基 を もつ イ オ ン . 燃 料極 の反 応 に よ って生 成 した水 素 イ オ ンは, イオ ン交 換 膜 中の イ オ ン交換 基 を介 して水 分 と ともに空気極 憫1へ 移 動 し,酸 素 と反応 して水 を生 成 す る. MCFCは 空気極 に空気 と二 酸化 炭素 との 混合 ガ ス を供 給 し,燃 料 極 に は水素 を 供給す る 空気極 では 空気 中 の 空気 と二 酸化炭 素 が 外部 回路 か ら電 子 を受 け取 っ 炭酸 イオ ンは電解 質 を構 成 す る イオ ン であ り, これが 電解 て炭 酸 イオ ン とな る 質 中 を燃料極 側 へ移 動 し,燃 料極 で燃料 〃ス と して供 給 され た水素 と一 酸化 炭 素 と反応 して二 酸化 炭素 と水 蒸 気 を生 成 す る と ともに,電 子 を外部 回路 へ 放 出す る SOFCは ,電 解 質 として イ ッ トリア安 定化 ジル コニ ア (YSZ)な どの酸 化物 イ オ ン導電性 団体 電解 質 を用 い。 そ の 画面 に 多孔 性 電極 を取 り付 け,こ れ を障 壁 と して一 方 の側 に燃 料 ガ ス (水 素 ,一 酸 化 炭素 な ど),他 方 の側 に酸化 剤 ガ ス (空 気 酸素 )を 供 給 し,約 1000・ Cで 動 作 す る燃料 電 池 で あ る 反応 に おけ る標 準起 電 力 の理 論値 は 0912V(1027・ C)で あ るが ,実 際 の単 セ , . 表 燃 PAFC PEFC 料 3 各種燃料電池 の反応 式 性 空 気 極 全反応 H2・ 2H・ +2e %02+2H・ +2e → H20 H2+%02-1120 H2‐ 2H・ +2e %02+2H'+2e → H20 H2+%02・ H20 %02+C02+2c → %CO,' H2+%02-H20 %Q■ 2c-02 H2+%02 H20 CO+%0,,C02 H21CQ2-CC+H20+2e MCFC COは シフ ト反 応 CO+H,0→ H2+C02 に よ り H2と して生 成 され る H,+02→ SOFC H・ 0+2e または CO+02→ C0212c %02+2e ・ (ア ル の セ ル電圧 は,各 成分 ガ スの分 圧 の影響 を受 け るため 08∼ 10Vの 値 であ る . 言ユ 1lI墨 Fl=量 感11庶 堪 各種 燃料電池 の代表的 な基本構成 を図 18に 示す . PAFCの 単 セルは,厚 みが数 mm,1辺 が 600∼ 1000 mm程 度の 四角 の形状 で 数 セル ご とに冷却板が設け られて い る。空気 と燃料ガスは,積 層 したセ ルス タッ , クの側面か ら直交す るように両電極に設けた溝 を通 して供給 され る。両電極は , カー ボ ン粉 に 白金 な どの 貴金属微粒子 を担持 した触媒 と PTFE(ポ リテ トラフル オ ロエ チ レン)か らなる多孔質 の触媒層が設け られて い る . (― カ 平板 電極蓼板 水素入ロ ド体 ¨電 ソ集 リザーププレー ト付 さ 分離板 │ アノー ド集電体 ) :電 極 :ス ク リー ン :ウ イ ック D :ク ー ラ ン トダク ト ロ:SPE晨 1 平板 電極基板 (+) │ │ リザープブレー ト付き 分離板 │ 酸 │ ロ 水素出ロ =入 (b) PEFC (a)PAFC マ ニ ホール ド 集電板 アノー ド ■解質板 カソー ド 集電板 インタコネクタ マニホール ド 支持管 (c)MCFC (d)SOFC 図 18 各種燃料電池の基本構 成 PEFCの 単 セル構成 は,高 分子電解質膜の両憫1に 両電極 をそれぞれ接合 して一 体化 されて い る. この電極 の 背面 に集電体 を配置 し,燃 料 ガスお よび酸化剤 ガス (空 気)が 通 る構造 となって い る。空気極側 は,電 池反応生成物 であ る水分 を電池 系外へ 除去す るための ウィ ックと電池温度 を制御す るため の クー ラ ン ト管が配置 されて い る。 一般的には,電 極 とイオ ン交換膜 とが一体 に接合 されて い る . MCFCの 単 セル基本構成は,ア ル ミン酸 リチウム (LiA102)粒 子層 中に炭酸ri. を含浸 させ た電解質 をニ ッケル を主成分 とした両電極に よっては さまれた もので ある マ トリックス (電 解質保持材 )は 燃料極 と空気極 の 間に介在 し,両 電極 に 供給 され る反応ガスの導 入に伴 う炭酸 イオ ンの移動 を司 るとともに,燃 料 ガス と 酸化剤 ガ ス との交差混合 (ク ロスオーバ )を 防止す るガス透過障壁層 としての機 能 を果 たす。基本的には溶融状態 の電解質 を長時間にわたって十分保持 し,そ の 流出を防止す る保 持材 のセ ラ ミック微粉末か ら構成 され る。セパ レー タはセ ル ス タックの電気的接続 を確保 し,燃 料 ガスと酸化剤 ガス を分離す る障壁板 の機能 を も果 たす。 SOFCの 外形構造は,円 筒形,平 板形 表 PAFC 部材 電解質 4 (バ イポー ラ形 ),一 体形 安定化 ンル コニア(Y能 (Li2CO=) (Zr02+Y203) 解 質 (Na2C03) ) イオン交換膜 (特 に カチオン交換関 ′`―‐フルオ ロスソ レホ ン酸膜 γLiA 02粉 末 補強崚権 (AIЮ 0 タス 燃料極 PEFC SCIFC 炭腋 リチ ウム 炭崚 ナ トリウム マ トリ ッ SiC ノリス形) 各種 燃料電池の構 成材料 MCFC りん酸 (H,PO`) (モ 電 輌 多孔 質 カー ボ ン板 Pt IB持 カー ボ ン + Ni AlC「 Ni YV 多イし質 カー ボ ン板 サ ー アッ ト Ptよ 旦持 カー ボ ン十 PTFE 空気極 多イし 質 カーボン板 PTFE N:0+ア ル カ リ L類 Pt lB持 カーボ ン + La ,Sr,MnOl (■ ‐010-015) 多イLrrカ ーボン板 Ptす 咀持 カーボ ン十 PTFE PTFE 構造材,な ど セ パ レー タ 機密 カー ボ ン板 セ パ レー タ イ ン タ コネ ク′ SuS 310 S/Niク ラ I.aCrl_,Mg,03 ツド SUS 310 S+Alコ ー テ ィン グ SuS 316 L 1:│[こ ,liz)│ セパ レー タ 緻密 カーボ ン板 の 3種 類 に大枠分類 できる 一 般 に,SOFCの 電解質 YSZの 導電率 は,1000・ Cに お いて約 lX10 1S・ cm lで あ り,PAFC,MCFCの 電解 質 の導電率 に比較 して 1 桁低 いllFで あ る。このため,電 解質 YSZは ,厚 さ 10∼ 数百 μmの 薄 膜 とし,極 力 その 抵抗 を小 さ くしなければ ならない。電極 の厚 さは,電 流が膜に沿 って流れる 円筒形構造 ではある程 度 の厚 さとし,電 流が膜に直交 して流れ る平板形構造 では , ガス濃度拡散 を減 らす観点か ら極力薄 くする。これ まで SOFCの 構成は,機 械的 強度 をもつ支持体上 に各要素 の薄膜 を形成 したセ ル構造 であったが,近 年 は材料 の 改良 によ り薄膜 自体 に機械的強度 をもたせ ることが可能 になって い る . 各種燃料電池 のお もな構成材料 を表 14に 示す PAFCは 電解 質 が酸性 の ため,二 酸 化 炭素 に よ る電解 質 の変 質 が な く,化 石 燃 料 を改 質 して得 られ る[1酸 化 炭 素 を含 む 燃料 ガ ス を使 用 で きるのが 大 きな特 徴 で あ る また作 動 温度 が 200・ C程 度 であ るため,り ん酸 電解 質液 に触 れ る こ とさえな っ素 樹 脂 け れ ば鋼や鉄 な どの 金属 を使 用 す るこ とが で き,」 、 熱性 有機 材料 も使 用 され て い る (PTFE)な どの 高耐 電極 反応 には,反 応 ガ ス と電解 液 が 共 存 して い る こ とが必要 であ り,は っ水性 が 強 い PTFEを 電極 触媒 層 の構 成 材料 として利用 で きるの は,PAFCの 性 能 が安 定 して い る大 きな要 因 であ る。 また,作 動 温 度 が 200・ C程 度 の ため ,水 冷 が 可能 で燃料 電 池 の冷 却 系 が 小 型 とな り,そ の排 熱 を暖房 や 給 湯 に利 用 す れ ば エ ネ ル ギー の総 合 利 用効 率 を大幅 に増加 で きる とい う特 徴 が ある PEFCは ,ほ かの 燃料 電 池 と比較 して,常 温 か ら 100。 C程 度 と動 作 温 度 が低 い こ とが最 大 の特 徴 とい え る そ の ため 常 温 で起 動 で き,起 動 時 間 が短 い。 固体 の イオ ン 交換 膜 を電 解質 と して用 い るため電解 質 の 散 逸 の 問題 が な く,電 極 間 の極 間耐 力 が強 い こ とか ら連 琳 l御 が 容 易 で あ る そ して,低 抵 抗 イオ ン交換 膜 と高 活性 な電極 触 媒 を用 い,ll l圧 形 にお いて は 1∼ 2W/cm2が 達 成 され ,AFCを 除 い たほ か の燃料 電 池方 式 と くらべ て 5∼ 10倍 の 出力密度 が 実 .lTさ れ て い る.さ らに, PEFCは 二 酸 化 炭素 耐性 を もつ ため ,二 酸 化 炭素 を含 む燃料 がスお よび酸 化 剤 ガ スに二 酸化炭 素 を含 む 空気 を直接使 用 で きる点 も大 きな特 徴 で あ る MCFCは 動 作 温 度 が 600∼ 700・ Cと 高 い こ とか ら,貴 金 属 触 媒 が な くて も電 気 化学 反 応が活 発 に進行 し,一 酸 化炭 素 が入 って きて も電 池 内 で有効 に働 くため , 11 1 09 > 08 T07 ヤ 06 05 電流行度 (mA/cm2) 図 !9 各種燃料電池の電流 ― 電庄 特性 に,燃 料利用■170∼ 85%) (常 ′ (太 Hl.2000)助 炭 化水素 の ほか石 炭 ガ ス化 ガ ス も燃料 と して使 用 で きる。 また,天 然 〃 ス,ナ フ サ , メ タ ノー ル な どを燃 料 として使 用 す る場 合 ,内 部 改質方 式 が 可能 とな る さ らに,電 池 自体 の 発 電効 率 が 高 い うえに,高 温 で質 の 高 いリト 熱 を冷 暖房 な どの 熱 源 の ほか ,蒸 気 ター ビンあ るい はガ ス ター ビンの熱 源 と して利 用 で きる。 この た め,よ り大 型 の 発 電 シ ステム と して構 成 が可 能 (50∼ 65%の 高効率 が期待 で き る。 また,空 気極 に供 給す る酸 化 剤 ガ スの 中 に含 まれ る二 酸 化炭 素 を,通 常 は燃 料極 で生 成 され る二 酸 化 炭素 ガ ス をレI収 して強制循 環 (二 酸化 炭 素 リサ イ クル) させ るが ,牙 」途 ,外 部発 生源 か らの希 薄 な二 酸化 炭 素 を供 給 す るこ とに よ り二 酸 化 炭素 を濃縮 させ るこ とが 口 ∫能 とな る . SOFCは looo・ Cで 動作す るので電極反応が速や かに 進行 し,MCFCと 同様 に 向金触媒 を必要 とせず,高 温の 良質排熱 が 利用で きる。また,出 力密度 も 03W/ cm2以 上 と高 く,50%以 上 (HHV)の 高変換効 率 を達成 でき,ガ スター ビンなど との コンバ イ ン ドシステム とす るこ とに よ り 70%と い う高 い発電効率 を達成 で きる可能性がある 図 19に 各種燃料電池 の最新 の電流―電圧 特性 を示すつ . セルスタ ックに使用 で きる燃料 は 多種 多様 である 代表的 な原燃料 につ いて その使用形態 を模式的に図 110に 示す , . lovn″ 100Mw llxxlMW 設備容量 自家発電 自動車 PEFC 知 ¨ ︵ p︺塁嘔●ロ l lllXl SOPC 図 1 設備容量と発電効率および運用形態の関係 とな るこ とか ら,熱 利用 形 態 の 選択 肢 が広 が り,200 kW級 発電 ユ ニ ッ トに よ る さ ま ざまなサ イ トでの適 用 が 図 られ て い る 発 電効 率 は,発 電端 で 通常 は 温・ 冷 熱 を供 給 す る コ ジェネ レー シ ョン と しての適 用 が 45%程 度 であ り , 主体 で あ る. PEFCの 適 用 は,発 電効 率 が 発 電端 で約 35∼ 45%程 度 であ るが,同 時 に得 られ る温水 を可 能 な限 り有効 に利 用 す る こ とに よ り 60∼ 70%の 総 合 効 率 を期 待 して セ ルス タ ック 図 0 セルスタックに使用できる燃料 MCFCと SOFCで は,水 素 と一 酸 化 炭素 が 電 池 反応 に 寄 与す るが,作 動 温 度 の低 い PAFCと PEFCは いず れ も水 素 の み電 池 反応 す る。通 常 作動 温 度 が 高 い , 燃料 電 池 で化7f燃 料 を利用 す るに は,あ らか しめ 原燃料 を燃料 電 池 で反応 しや す い 水 素 や 一 酸 化 炭 素 の 燃 料 ガ ス に 改 質 させ る必 要 が あ る た だ し,PAFCと PEFCは 一 酸 化 炭素 が共 存す る燃料 ガス を使 用 す る こ とはで きない が ,MCFCや SOFCは 重 質 油 や石 炭 を改質 した一 酸 化 炭 素 を 多 く含 む 燃 料 ガ スの 利 用 が 可 能 で,資 源 的 な制 約 が 少 な く,大 規模 発 電 設備 として期 待 され る . メ タ ノー ルや ヒ ドラ ジンな どを原燃料 と して 直接 電 池 反応 させ る特 殊 な燃料 電 池 の タ イプ も開発 され て い る.な お,AFCは 燃料 ガ スに 二 酸化 炭素 が 含 まれ て い る と電解 液 で 二 酸化 炭素 が吸 収 され て 電解 液特性 が劣化 す る こ とか ら,純 水 素 し か使 用 で きな い。 各種 燃料 電 池 の 発 電 プ ラ ン ト容 量 と発 電効率 (LHV)を 図 lHに 示 す。 また , 各種 燃料 電 池 の さ ま ざまな用 途 を図 112に ,各 種 燃料 電 池 の適 用分 野 の 様 み分 け 113に 示 す4、 PAFCの 適用は,燃 料電池の排熱を利月lし て温水ばか りでな く蒸気 も生成可能 を図 0 。 5 4 ︵ S︺絆ミ0駅 10 100 1∞ 0 1万 1o万 設備容量 〔 LW) 図 l13 各種 発電 シ ステ ムの 発 電 効率 (LHV) い る。低温動 作 であ り, よ り出力密 度 が 高 い こ とか ら, コンパ ク トにな り,取 扱 い も容易 にな る こ と,ま た,数 十 kW程 度以下 の 設備容量では従来 の ガスエ ンジ ンやデ ィーゼルエ ン ジンなどに比較 して高効率 であ るこ とか ら,家 庭用 の湯沸器 を兼ねた小 容量電源や 自動車用の駆動源 としての適 用が開発 の主流である . MCFCの 適用は,排 熱温度 レベ ル も電池動作温度に合 わせ て非常 に高 くなるこ とか ら,ガ ス ター ビンや 蒸気 ター ビン との組合せ に よる複合発電 を構成す ること が 可能にな り,大 型発電 プ ラ ン トでは人然ガス燃料で発電端約 60∼ 65%程 度,石 炭 ガス化ガス燃料 で 50∼ 55%程 度 と,非 常 に高 い発電効率 を実現す ることが 可能 にな る。これ らの特長 か ら,MCFCは 天 然 ガス を利用す る小規模 の高効率分散電 源ばか りではな く,天 然ガ スや石炭 を燃料 とす る事業用の集 中型火 力代替電源 と しての適用 も想定 されてい る . SOFCは 最 も高 い温度領域 で動作す る燃料 電池であ り,特 別 な触媒 な しに電池 内部 で天然 ガスの改質反応 を進行 させ るこ とが可能 で,改 質器 を不要 とす る コン パ ク トを電源 として期待 されてい る. また,石 炭 ガス化 ガス を用 いた 大規模 な発 電 も可能である。発電効率 は大型の発電 シス テムにお い て天 然 ガス燃料 で発 電端 65-70%程 度,石 炭燃料 で約 55∼ 60%,数 百 kWレ ベ ル で 50%程 度 の効率 が想 定 されて い る . 多種 多様 な燃 料 電 池 >産 業川 コジェネレー ション( >案 1,人 埋供ti“ く / ▼ >IT機 器く レ分散型 小規模電洸く >ボ ー タブル摯料電池発■機 く ′システム● 図 1 2 燃 料電 池 の さ まざ まな用途 い自動車く
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