2014/4/10 「Euclid(すばる/HSC for Euclid)」 概要と科学目的: • ESAのM-classミッションEuclidは、口径1.2m、波長0.55-0.90μmの可視光高解像度撮像及び、近赤外 (YJH-band)低解像度撮像、視野0.54deg2の光赤外線撮像分光宇宙望遠鏡で、Weak lensing (WL)、 Galaxy Clustering (GC)、Redshift-Space Distortion (RSD)の観測により、宇宙の加速膨張と構造 進化、その背後にある暗黒エネルギーの性質を解明し、また重力理論の検証を行う。1<z<3の銀河を 2x108個検出する。Euclidの北天領域をすばる/HSCで200晩観測し、正確な赤方偏移を得る事でEuclid の観測を補完し、ミッションを完成させる。例えば図2に示すような銀河のpower spectrumが期待さ れる。Euclidチームからは、見返りとして、日本人40人のEuclid参加を提案されている。(SAC主導で継続議論 中) 図1: Euclid で期待される銀河の画像とSDSSとの比較 図2: Euclid で期待される 銀河のpower spectrum 1 観測プログラム: Euclid 観測期間:6.25年。 • Wide 15kdeg2 ,MAB=24.5,YJHAB=24 • Deep 40deg2 ,MAB=26.5,YJHAB=26 すばる/HSC for Euclid: • 6kdeg2 、i〜25 (200晩相当) 実行グループ: 国立天文台、IPMU、大阪大学、 ESA、NASA 現在想定しているスケジュール: 図3:Euclidの観測領域(全天)。 2014年 HSC SSP Survey starts 2017年 PFS first light 2018年 PFS SSP Survey starts (planned) 2019年 Euclid launch 国内の他の計画との関連: すばるHSC SSPではDEサーベイで世界に先行し、その経験を活かせる。Euclidのこれまでにないdeepな広視野 サーベイデータには、高赤方偏移銀河やQSO、その他予期せぬ天体の発見が期待されている。これらは、 Subaru/PFSやTMTの良いターゲットとなる。 海外の類似計画の有無、区別化: WL,GC,RSDによる暗黒エネルギー研究は、多くの地上観測が進行中または計画されているが、Euclid はスペースから圧倒的な高精度観測が可能である。地上からの赤方偏移観測は、南天領域はDES (Dark Energy Survey) , KIDS(Kilo-Degree Survey), LSST(Large Synoptic Survey Telescope)が カバーする。北天は、PanSTARRS2, WHT(William Herschel Telescope)なども候補になっているが、 すばる/HSCが最も適した装置で、Euclidチームから参加を強く要請されている。 関連ホームページ: Euclid: http://www.euclid-ec.org/ 2 1
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