平成26年 5 月号 情報・資料 《平成25年度教育方法等改善経費実施報告シリーズ①》 学生による成果「VR教材」を3D公開するシステム開発 情報電子工学系学科 倉重健太郎,服部峻,佐藤和彦,佐賀聡人 1 .事業の背景と概要 本学では平成21~23年度の概算要求予算により教育改 革事業「自律進化型教育サイクルによる創造的情報処理 技術者の育成」を行い,日本最大級の教育用VRシステ ムを構築してきた。そして現在に至るまで毎年度「情報 工学PBL:システム開発演習」を実施しており,演習の 成果物として各種VR教材を蓄積している。一方でVR教 材はVR空間内に表現された3Dコンテンツであり,視聴 するためには3D映像を扱える機器が必要となる。その ため,蓄積したVR教材は学内のVRシステムでの視聴に 限られていた。しかしながら,近年3Dテレビや民生用 のヘッドマウントディスプレイ等の各種デバイスが登場 し,3D映像を視聴できる環境が身近になりつつある。 学内外で製作したVR教材を視聴可能とすることで学部 学生の演習へのモチベーション向上が期待できると共に, 大学の取り組みを世界に対して広報することが可能にな ると期待される。このような背景のもと,本学のVRシ ステムにて製作した3Dコンテンツを世界に公開するた めのシステムを開発した。 本事業の概要としては, 1 )既存のVRシステムにお ける3D映像をサイドバイサイド型ステレオ動画像とし て表示するための機能を実装し, 2 )当該動画像を録画 編集するためのソフトウェアの設定を行った。また, 3 )VRシステム内の端末と録画編集用の端末を連動さ せ,3Dコンテンツの操作を記録できる環境を整えた。 システム全体を構築した後は, 4 )動作実験を行い,各 種調整を行いつつ, 5 )学生自らが外部メディアに公開 できるようにシステム運用マニュアルを製作した。 2 .本事業の成果 本事業の成果として,3Dコンテンツの操作・録画を 行うシステムを構築し,運用マニュアルを製作した。図 1 は本学が所有するVRシステムの概要図であるが,赤 色で示した端末で3Dコンテンツの操作,それ以外の端 末にて録画を行うことが可能である。このように二人一 組となって操作・録画を行うシステムを構築した(図 2 )。録画した動画像は図 3 に示すサイドバイサイド型 ステレオ動画像となり,対応機器を通すことで3D映像 として視聴することが可能となる。本事業では公開する ための外部メディアとしてYouTubeを対象としている が,機器に応じて2D/3D表示などを柔軟に切り替えるこ とが可能となっている。 また動作実験として過去に蓄積しているVR教材を録 画しYouTubeへのアップロードを行っている。外部公 - 10 - 開のためのガイドラインを策定中のため未公開であるが, すぐに公開可能な状態となっている。合わせて本年度実 施されたPBL型演習においても優秀なコンテンツを同様 にアップロードしている。 来年度以降期待される効果としては,公開したVR教 材の閲覧による学部学生のモチベーション向上と共に学 外者へのPBL型演習の広報が挙げられる。 図1 VRシアターのレコード端末・プレゼン端末の配置 図 2 録画イメージ 図 3 サイドバイサイド型ステレオ動画像
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