電子回路学演習問題(2)解答

電子回路学演習問題(2)解答
【問題】
右図の回路 (A) および (B) のそれぞれにつき、その動
VI
作を考察して論述せよ。また、考察の結果に基づき、
VO
VI
R
VO
R
入力電圧 VI と出力電圧 VO の関係を表すグラフを、VI
D1
D2
を横軸、 VO を縦軸にとって描け。なお、ダイオード
V
V
D1 および D2 の特性は理想的であるものとする。
(B)
(A)
【解答】
(A)
VO
ダイオード D1 は入力電圧 VI < V+ (逆方向電圧)では OFF で
あり、このとき抵抗 R に電流は流れないため、出力電圧 VO = VI
V+
となる。一方、入力電圧 VI = V+ (順方向電圧)の場合には D1
は ON となり、抵抗 R に電流が流れ、出力電圧 VO = V+ とな
る。すなわち、入力電圧 VI と出力電圧 VO の関係は
{
VI
VO =
V+
(VI < V+ )
(VI = V+ )
0
V+
VI
となる(ピーククリッパ; Peak clipper)。この関係をグラフに
表すと右図の通り。
(B)
VO
ダイオード D2 は入力電圧 VI > −V−(逆方向電圧)では OFF で
あり、このとき抵抗 R に電流は流れないため、出力電圧 VO = VI
となる。一方、入力電圧 VI 5 −V− (順方向電圧)の場合には
D2 は ON となり、抵抗 R に電流が流れ、出力電圧 VO = −V−
となる。すなわち、入力電圧 VI と出力電圧 VO の関係は
{
−V−
VO =
VI
(VI 5 −V− )
(VI > −V− )
− V−
0
となる(ベースクリッパ; Base clipper)。この関係をグラフに
表すと右図の通り。
【参考】
(A) と (B) を組み合せた回路では


−V− (VI 5 −V− )
VO = VI
(−V− < VI < V+ )


V+
(VI = V+ )
となる(ダイオードリミッタ; Diode limiter)。
−V−
VI