SBHS500およびSM490Yからなる 十字断面柱の耐荷力

SBHS500およびSM490Yからなる
十字断面柱の耐荷力に関する実験的研究
大阪市立大学大学院
都市系専攻
橋梁工学研究室
中川 翔太
SHBS500を有する自由突出板の耐荷力曲線に資するデータを得る
SM490Y
SBHS500
σ/σy
1
名前
0.5
本研究では,SBHS500およびSM490Yを有する十字断面柱の圧縮実験を実施
し,SBHS500の自由突出板としての圧縮挙動について検討します.
降伏点 引張応力
σy
σu
降伏比
σ y /σ u
2
2
単位
(N/mm ) (N/mm )
SBHS500 584.8
661.3
SM490Y
433.1
556.3
0
0
10
20
0.88
0.78
30
40
50
ε/εy
研究目的:SBHS500の自由突出板としての最大荷重ならびに,最大荷重以
降の挙動を解明
載荷実験
自由突出板の圧縮挙動を解明するため,2種類の鋼材(SBHS500(B),
SM490Y(M))を用いて4枚の自由突出板からなる十字断面柱(幅厚比
パラメータRsは0.4(M04,B10)および1.0(M10,B10)の2種類)の圧縮
力載荷実験を実施しました.
変位計
実験では,鉛直方向および面外方向の変位を計測するために右図の
ように変位計を設置し計測しました.
変位計設置位置(左:平面図,右:側面図)
荷重荷重-鉛直変位関係
M10
B10
1
1
・幅厚比パラメータが大きい場合( Rs=1.0)では,座屈に
より最大荷重が決定され,応力-ひずみ関係が耐荷力挙
動に及ぼす影響は小さいと考えられ,両鋼材で違いはほ
とんど認められなかった
P/Py
・幅厚比パラメータが小さい場合(Rs=0.4)では,応力-ひ
ずみ関係が影響し,SBHS500の最大荷重がSM490のそ
れを下回った
1.5
1.5
SBHS500とSM490Yの荷重-鉛直変位関係は右図のよう
になり,Rs=1.0では,両鋼材で著しい差は見られません
でしたが,Rs=0.4では,最大荷重に差が見られました.
P/Py
0.5
0
0
0.5
2
4
u/uy
6
M04
B04
0
0
8
10
20 30
u/uy
40
50
荷重-変位関係
面外変形
2000
右図は,荷重-鉛直変位(黒線),w面の面外
方向変位(緑線)を示したものです. Rs=0.4
は,降伏荷重付近で座屈が発生しており,
Rs=1.0では最大荷重に至るまで面外変形が
ほとんど認められず,最大荷重に至ると同時
に座屈の発生が確認されました.
2000
P(kN)
P(kN)
左の写真のように,いずれの供試体も半波
形の座屈変形が観察されました.
1000
0
0
2
4
u(mm)
6
0
10
w(mm)
5
10
15 0
u(mm)
P(kN)
2
4
u(mm)
20
6
0
10
w(mm)
20
1000
0
0
5
10
u(mm)
15 0
参考文献
1) 新しい高性能鋼材の利用技術調査研究報告書-SBHS500(W),SBHS700(W)の設計・製作ガイドライン(案),土木学会,2009
2) 野阪克義,奥井義照,小室雅人,宮下剛,野上邦栄,長井正嗣:SBHSを用いた鋼I桁の耐荷力特性に関する実験的研究,構造工学論文集,Vol.59A,pp.70-79,土木学会,2013.3
3) 日本道路協会:道路橋示方書・同解説,Ⅱ.鋼橋編,2012.3
10
w(mm)
2000
1000
0
0
1000
0
0
20
2000
P(kN)
load--carry
carrying
ing capacity of
14pt_Time
Roman
Experimental studies on load
タイトル(英語)
cruciformNew
columns
made of SBHS500 and SM490Y
1.5
橋梁用高降伏点鋼板SBHS(JIS G 3140)の活用により,合理的かつ経済的な鋼
橋建設の展開にいつながることが期待され,適用拡大に向けた検討が進められ
ています.しかしSBHSからなる自由突出板の耐荷力特性に関してデータが不足
しています.
10
w(mm)
20