供町 ̄郎岡一一一旦l 覧 圏日日圃圃国 6年度 第2委員会行政視察報告 重野英子 日 時 平成26年7月14日∼16日 場所と目的 兵庫県加西市 (人口減少対策の取り組みについて) 岡山県真庭市 (バイオマスタウンの取り組みについて) 滋賀県東大津市(国保ヘルスアップ事業について) 兵庫県加西市 加西市は兵庫県南部、播州平野のほぼ中央に位置する。姫路市と隣接。市内には企 業が数多く立地し、職住のバランスがとれた緑豊かなまちとして発展。5万3289人を ピークに人口は減少に転じ、平成25年4月には4万6624人。三洋電機の創業の地と して賑わっていたが、06年に撤退したことが社会増減の大きな要因であった。 その後、かなりの雇用創出が図られたが転出超過の状態が続いている。 住宅などの転入者を受け入れる体制の整備が必要と分析。自然増減の面では、出生 者数の減少が主な要因であることから、子どもを産み育てやすい施策の充実が緊急に必 要と分析するこ こうした背景の中、11年に就任した西村市長は、ここ数年の人口減少傾向が加速 している状況を憂慮し公約に「5万人都市再生」を掲げ、翌12年に「人口増政策課」 を設置した。 また.、副市長を本部長とし、各所属長からなる「人口増対策本部」、.課長以下25 名の職員からなる「人口増プロジェクトチーム」も設置。①土地・住宅グループ ②産 業・交通グループ(∋若者支援グループに分かれ、それぞれのテーマに合った施策の検 討を行う。 主な取り組み ・UJIターン促進補助制度(返還している奨学金の1/3を補助)平成25年度81件の 実績 ・賃貸共同住宅等建設促進制度(賃貸共同住宅を建設した者に5年間固定資産、都市 計画税の補助。(平成25年19棟の申請) ・新婚世帯家賃補助制度(12,000円/月を上限、最長3年の家賃補助。33件) ・若者定住促進奨励金(合計80歳以下の夫婦が住宅を取得した場合、最大50万円 / 補助。33件) ・保育料の軽減(3人以上の子どもを育てる世帯に、第二子以降の保育料・幼稚園保 育料の一部を助成。6,561千円) ・幼稚園就園奨励費補助制度(幼稚園への就園が経済的理由で困難な園児の保護者に 経費の一部を補助。18人) ・住宅建築のための宅地供給促進補助制度(住宅を建築する方に自己の所有する土地 を売却した者に対し、譲渡所得の3%を補助) ・下水道基本料金の減免(第3子以降が3歳未満の家庭の下水道基本料金を減免。 192世帯) ・加西市就職ナビ(「日経就職ナビ」と連携し市内企業および採用情報を発信。掲載 企業22社。エントリー音数312人) ・ふるさと婚親会(親同士が、相手のプロフィールを見ながら、子どもに代って見合 いをおこなう) アンケートの分析により政策に反映させている事例に、市街化区域内農地利用の場 合や毎月午後7時で市民課の窓口を延長、土日は住民票を自動販売機でとれる。小中校、 特別支援校のエアコン完備、トイレの様式化、耐震化など教育環境整備。情報の伝達も、 若者向けにPCなど利用しやすい方法も導入している 大都市の姫路市、神戸市、加古川市などに人口が流失していく傾向があるので、子 育てのしやすいまちをめざして施策の数々であるが,直近の人口動態内訳は、出生者数 と転入者数の微増傾向と、転出者数の減少傾向がみられ、一定の成果の認められている が、人口増にはなっていない。引きつづきより一層の定住、子育て支援に対する取り組 み強化をする必要があると分析している。 よ 岡山県真庭市 真庭市は岡山県の北部に位置し、北は鳥取県に接している。9町村の合併により誕 生し、人口約5万弱の県下自治体の内最大の面積を占める。面積828平方kmの市内の 約79%が森林を占め森林資源の豊富なまちである。 豊富な木質資源を余すことなく利用し、また森林育成へと還元していくため、未来 を見据えた長期的な「バイオマスタウン構想」が、産官学一体となり、バイオマスタウ ン真庭の輪を構築し、展開されていた。 バイオマス資源の地域内循環、地域内流通、そして国内クレジット事業を活用した 様々な取り組みを通じて、地域を活性化させ、循環型社会のモデルタウンとして発展し ていた。 (∋ 国材輸入自由化により外材が大量に安価に出回り、国内の木材価格は大きく下落。 真庭市では、放置された未利用木材をバイオマス資源として活用。台風による風倒木 被害には大型の高性能の機械を導入し、40代の若手の林業者の育成が進んだ。針葉 樹の利用だけでなく広葉樹の活用が今後の課題であるとのこと。 ② 地域には、森林資源はもとより、原木市場(3)製材所(30)製品市場(1)の 全てが揃い、何世代もの間、脈々と受け継がれて来た木材の本流が礎としてあった。 ③1993年、地元の若手経営者や各方面のリーダーたちが中心となり「21世紀の真庭塾」 が立ち上がった。民間主導の活動が、行政や産学連携のしくみが「協同」の形で参画 し、体制が整備された。 ④丸太を製材し角柱にすると三日月型の部分、根元部分、先端の梢などが、製材屑が木 質副産物となるが、それを有効に利用し、新木質製品、エネルギー供給すると共に、 地域づくりの再生に取り組んだ。 ⑤2006年、木質副産物だけでなく、家畜排泄物や食品廃棄物もバイオマスとして活用 するため目標を決め、達成方策を構想として策定。国からバイオマスタウンとしての 認定を受けた。 ⑥木質バイオマスの活用が森林資源の見直し機会となり林業活性化や、山村再生につな がり、木質エネルギー、廃油からBDf’燃料、バイオマス堆肥、木粉を混ぜたプラス チックの開発、環境保全コンクリート製品の開発など未知の分野に次々にバイオマス プロジェクトは舷がり、人材育成、雇用の創出にもなっている。 ⑦バイオマス発電事業は2015年4月の稼働をめざし、建設中。間伐材や、製材端材な どを基に22,000世帯の需要に対応すべく、10,000kwの発電をめざす。新会社を設 立。 (診「バイオマスツアー真庭」9時から市役所にて構想の概要のガイダンスを受けてから、 銘建工業本社工場(地元木材の製材、集成材、それらから発生する膨大なかんな屑を J エコ発電の固形燃料にしてペレットを製造)。昼食の後、城下町勝山の散策。真庭市 役所本庁舎(バイオマスボイラー、太陽光発電、電気自動車充電器設置、太い角材の 見事な風避けに目を奪われ木材を基調とした公共施設)。バイオマスの集積場(原料 の安定供給を目的に、未使用木材、端材、樹皮をり活用するための基地)。ランデス 株式会社(木片コンクリート、舗装ブロックなどを製造、販売)。 「バイオマスツアー真庭」は一人6,800円の参加費で、2名のガイドさんが付き、 午前9時∼午後3時に⑧の6ヶ所を、視察するものであった。パンフレットや資料も説 明も行き届いてはいたが、地産地消の昼食は期待した程でなく、まち歩きでは、地酒な どのお土産としての購買力を期待しているようで、観光面からもしっかり採算を取って いるようだった。 滋賀県東近江市 国保ヘルスアップ事業について 東近江市は滋賀県の南東、鈴鹿山系から琵琶湖までの広い面積(388,5k rd)に位 置し、平成に2度の合併をし、18年に合併10年を迎える。人口約11万6000人(独 り世帯が増加し、人口は減少傾向にある)。山間部は住民がいなく都市部とのばらつき が多い。まちは交通の要衝の地として栄え、近世には近江商人が活躍し、多くの企業家 が生まれた。昭和40年代以降には、工業団地を中心に、大規模な製造事業所の立地が 進み、工業都市として発展しつつある。 また、万葉にゆかりある土地柄であり、歴史ある古刺があることでも名高い。 国保ヘルスアップ事業は、年々増加している医療費減少するため、予防事業推進し、 「元気なまちづくり」を目的に、「地域性」を重視した活動とした。きっかけは、40歳 以下で透析をする糖尿患者がいたことで、早期の保健事業介入の必要があった。 平成20年度、国保ヘルスアップ事業を開始。「とりこぼしのない保健事業」として 要医療者への受診勧奨。39歳以下への早期介入。未受診者対策。加えて特定健診後に 糖負荷検査、頚部エコー、血液検査(6カ月後)を実施することで、隠れ糖尿の発見に 努めた。 翌21年度は、特定健診における追加項目として、尿酸、クレアチニン、尿潜血、 ヘモグロビンAIcを4項目を加えた。 ダ 22年度からの健康課題は高血圧とLDLとし受診率の向上を目指す。集団健診後に、 結果を「結果お返し会」で渡し、「要受診」者には医療機関へ行くよう啓発し、結果を 返送するように依頼する。レセプトで受診状況を確認宴受診未受診者を減らし重症化を なくすきめ細かな対応らせぬよう、に徹底して市民の健康を管理する姿勢は見習いたい と思った。 東近江医師会との連携が、とても良く取られていた。医師会定例会にも、市の方か ら出席し、医療機関事務担当者説明会を開く。個別健診結果のデータ化には、国保連に 行く前に市で先にデータ化することにより、保健指導の迅速な実施が出来る。 その他、料理教室、運動教室、健康相談・栄養相談を定期的に開催。未受診者には、 市の職員による個別訪問(2000人)委託により(2300人)の実績がある。健康をテー マに講師を招いて講演会なども開催。近江鉄道やバスへ、健診を勧めるラッピングによ る啓発などにより平成23年あたりから一人当たりの国保被保険者医療給付費は高止ま りの傾向を見せ始めている。 うつ病等予防のためのラジオ体操第3も活用しているので、私達も画面を見て教え を受けた。しっかり覚えたい。 日本における糖尿病の現状は深刻に増え続けており、重症化を防ぎ、医療費の適正 化を図ることが是非とも必要である。 患者一人当たり年間医療費は数百万以上になり、全国で重症合併症である失明 (3000人)透析(10000人)に進行する。 伊豆市でも透析患者は、県下でもトップクラスの数にあり(過去には県下1位)、 今後の最重要課題にある。 今後は、先進地の議員視察研修には担当部署の職員の方々が共に行かれることが、 有効ではないかと考える。
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