Muroran-IT Academic Resources Archive Title Author(s) Citation Issue Date URL 低温における鋼の二,三の性質について 内藤, 正鄰; 菊地, 千之 室蘭工業大学研究報告. Vol.2 No.2, pp.457-465, 1956 1956-12-20 http://hdl.handle.net/10258/3082 Rights Type Journal Article See also Muroran-IT Academic Resources Archive Copyright Policy Muroran Institute of Technology 低温における鋼の二,三の性質 v こついて 内 藤 正 都 菊地 r 之 OnSome Prope ・ r :ties of Steels at L o w Temperatures Masachika Naito and Kazuyuki Kikuchi Abstract Thehardness t e s t and the impact t e s t were c a r r i e d out on as 巴r i e s o f carbons t e e l si nt h e i r various heat treated c o n d i t i o n sa ts e v e r a l tempe. ratur巴sbetween 十 200 and-1800 C The hardnessvalueswere found t oi n c r e a s巴 l i n e a r l y with d e c r e旦s e i n temperatures,but there was nod i r e c tc o r r e l a t j o n between Shorehard 回 n c s s values andthe c o l dshortncss 固 I - 緒 = 近年冷凍工業,化学工業などにおいて,相当低温度で装置を使用することが多くなってきた。 さらに高々皮飛行の航空機,あるいは冬則又は寒地における平繭,機械部品などもかなりの低 温にさらされる機会が多くなってきた。いわゆる鏑の低温脆牲については従来かなり論議され ているが 1 低温における硬度,特にシヨアー硬度についてはあまり研究がわi われておらない 占 ,j 同時に筒撃抵抗の測定をも ので J 二,三の鏑について実験を試みてみた結果を報告する o f あわせて行った Q 目試 料 木実験に使用した材料は主として日本製鋼所で作製した 5種類の炭素銅でその化学分析結果 ならびに熱処理条件は第 1表,第 2表に示しである O そのほか市販のアームコ鉄 (0.012%C) , 軟鋼 (0.30%C) ,工具鋼 (0.90;,;;,C) を用いたが,こ j しは熱処珂を 1j~ さずそのまま使用した。 1E .Maurer U .R .Mailandcr ・ l 】 巴1 ・ P .Kor 藤 井 永 沢 長谷川 2浜 住 S t, u.E. 4ラ ( 1 9 5 2 ),Nr .1 2 S t, u.E. 4 5( 19 2 5 ),Nr .2 8 金属。)研究 1 2( 1 9 3 5 ) NO.4 鉄と銅 2 2( 1 9 3 6 ) N0• 7 欽と鍋 4 1( 1 9 男) No.4 機械学会誌 35 (1932) No.184 ( 2 1 7 ) . 1 5 8 内 藤 正 2 ' :1表 邦・菊地千之 炭 素 舗 の 分 析 伯 Mn 0.27 P S Ni 0 . 4 1 I 0.014 0.02ヲ 0.17 0.0雪 0.016 0.02ヲ 0.15 0.05 1 10.12 グ 2 I0.28 I 0.30 0.48 グ 3 1 0.47 0.32 0 . 5 1 0.016 0.018 0 . 1 1 0.04 グ 4 0 0.32 0.47 0.018 0.019 0 . 0 1 0.02 汐 5 0.86 I0.32 0.48 0.016. 0.018 0.07 0.04 “I 戻 LH r 1 1 1 1 1 hr A.C. ! 7900 hu 戸 1hr r ノ 1hr l 娩 人 r l l l I ! 7 9 00 A.C 1JiiqJ11 4 1 hr A.C. J I ! 8200 eF 3 h ! ! wuwmwmd許 1 hr 園 岨 8500 AC . o Q o Q o Q つQ o Q 回宅 ・ b i hレ 円 ノ う・内 2 処一人一一山山山山 1hr iLKLρQρQoQ I ! 9 0 00 A.C. mwmwmwmdmd 表でi 一 副 No 圃一 T3 11111 庁外国 焼 準 2 安素 I 間一切 No 6 0 0。 羽T . C . O .弓hr 6000 O .ちhr W.C. O .ちhr W.C. 6000 O .与hr o il .C . h OOO O .ちhr e OOO o il .C. 試験J i ' v工 1・I・ S による 3号 試 験 片 (10mmx10mmx55mm~- Uノッチ〉を夫々 3 0木 作 製 L ,熱処理後硬度および1m}撃試験をただちに行なへるように研関紙(コ二メリ~ l F) により 仕土をした。 盟実 験 方 法 低温度の生成は下記により行った。 (1) 液体酸素 C -183C) 0 1に直接試料を入れる。 この,1 (2) 工チノレコ二{テ Jレ (-1l 30 C) ヱチルエーテ;J..-を入れた容器を液体酸素で冷却し i 司 体と波休の共有する状態のところに試料を入れる。 (3) モノクロルベンゼン (4) 氷 (-450 C) ヱチルエーテルと同じ。 (OOC) (5) 恒温器 ( 2 00 C) 以上の温度に 3 0分間保持した後,こわしを取出し,素早く試験機にかけて試験を行った。こ の場合各温度に対して温度の上昇程度を予め計測して柄正を施した。これを第 1図に示す ο 馴 れれば 3 秒前後で測定ができ,その聞の温度上昇は -183 0 C で 6~70C 程度である。 硬度の測定訟は色々あるが木実験においてはシヨアー硬度計を用いた。その理由は ( 1 )例え ばプリネ ; v, ロックウエ } v等では低温度における硬度の浪J J 5 i'は装置上非常に困難であるがシヨ ( 2 1 8 ) { 底i 毘に;たける鏑の二,三の性質について アーでは上記の如き方法で容易に測定が 459 " 出来ること. (2)硬度決Ij定はあくまで比 較測定であるがプワネル等で1土一定時間 u ' 高温又は低温の試料と接触するので試験 i j -の温暖が変ったり, あるいは測定球そ J のものの件費が変化する恐れがある。そ の点シヨアーでは測定時間が極めて短い ためその影響はほとんどないと考えられ るからであるグ 向衝撃試験機はシヤルピー式単イ重}撃誠 験 機 30kg-m を使用したっ ー夜)(} O 浪 I V日 前記の如く市販のアームコ鉄,軟鋼, 定 最 古 湿 度' 補 '竹村川 第i 凶 1 i →時 五 線 果 . c共錨は圧延のままで,調整した安素銅は第 2表に示 0 )0,2 00 C の 1 30, -450,1 した条件で焼入,焼戻,焼白牲を行い, これらについて -183 , ー 1 各温度について測定を行った。 温度とシヨアー硬度の関係を第 2 ,3 ,4 ,5関に示 Lt コ ニ 話可---十一---_~ !ー→ 7 i _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ g ~ 。 -2uD ' 0 第 2図 炭 素 鋼 硬 度 3 鈴木:機械学会論文集 I D j 回:機械学会論文集 uE延) ( 2 1 9 ) I l 一 一 ー 一 一 一 一 一 ー 一 ー ー _ j _ ー ー ー 一 一 回 目_ι -ー ー 一 一 ー 一 一 一 一 ー 一 一 」 一 一 一 ー ー ー ーj . ! O O 150 - l:~O f . の l ( J む t o 3図 1 4( 1 9 4 8 ) No. 47 1 9( 1 9珂) No. 87 ~O 九 i 炭素鋼硬度(焼人) 吉沢:機械学会誌 5 4( 1 9 5 1 ) NO.392 町田:機械学会論文集 2 0(19同) No. 9 1 内 藤 i E ~ß 460 ・菊地千之 ; J 4 0 { 他 行 ~2OD 乙 t 二 , 0 第日図炭素鋼硬度(焼準〉 第 4図 炭 素 銅 硬 度 ( 焼 戻 ) これによるといづれも温度が低くなるとともに硬度は増加する。その程度は焼入鏑において は比較的少ないが庄延,焼民,焼j芋ーではほぼ似た傾向を示す。焼入は一様に完全に行うことが 困難なので測定飢のばらつきも多く, N o.lとNo.4は他に較べ若干異った結果となって現われ た。しかし大体において熱処理の如何にかか 【R わらず温度降下とともにほぼ直線的に硬度が 1 6 増加することが知られた。安素含有量が多く なれば当然使度は高くなるが 3 この傾向は変 l t らなし、。したがってこれは鉄固有の枠ー買と考 1 2 えられる。 ル ピ 亀I 次に衝撃試験の結果を第 6,7,8,9 図に示 京 1 0 住 す。これによると圧延,焼準は大体同ヒ傾向で kg な 山" 0 f ' をを示し,常温附近から -50 著しい低温覧' C~--600C 迄の聞では著しし、衝撃値の降下 を起す。焼入した材料において炭素含有量の 少いものは仲々脆性が起りにくい。マルテン サイトの濃度が増すと共に脆性が表われてく るが焼準したものに比べその程度は少い。し かし焼戻のものよりは投性を起す温度は高く @ ー抑 晶 筒撃値は低い門 O.47%Ct J 、との焼入銅は第 8 直 f 1 [ _ < > c 務 6図 茨 索 鋼 の 衝 撃 値 ( 庄 怒 ) ( 2 2 0 ) 4 6 1 低温における鏑のコ,三の性質について 1 ' : 00.1 O,1 2J{C c 1 ' :o.20.2Rメ ) . ; 0 . : 1 0.47%C 1 0 N().1 0.66%C Xれ S 0.81 ' ; タ , / c 8 。 c--_-~l λ ~~ l ' l w 6 G i予 色 kg --11) " 2 3 2 ( 1 ~1~7 c:<1 _ ' 』ο 3 : < j" ル ヒ V j 堅 1 内 併l 久史 -11' c n ; ' " 2 0 ピ jb ! 2 1 )0 一一」 -15il 0 . 1 0 ~)8図炭素鋼の衝撃値(焼民) おí~9 図 関でも知れるように常温における衝撃値が非常に低いので低温における値との主は少いっ 0・ 1 2 6')は 1100C 位迄脆性はあらわれな 出入焼戻した材料で、は低茨素合有量のもの ( 7 い 。 Z J素含有量の治力日と共にだんだん脆性が現われてくるが各温度に対して他の 7 靴処: n 甲村料に 比べ間警値は最も高いと共にその低温脆性による降下ははるかに少いっ1![Jち最も強阪である今 焼!乏してソルパイト組織にしたものはパーライト組織の材料に比べ衝撃抵抗は高く脆性を起す ( 2 21) 4 6 三 I ; ' J ) j l ) j I E Ji':;・菊地子之 温度も低温保] 1に惨手) Jするべ即ち低温1frt'悶は焼鈍,焼:札焼人,高温; 7 じこ仁に比ぺ焼入焼戻した村 : ' ( : ' ; に お Lぐぞ最も少い σ キi~処 llf! のおl 何にかかわらず大体において決宗合有量の増加する楳配勺性を示す{昆度は高温側に 移載すると共に筒繋:j lHiU土減少する σ 叉衝撃抵抗1:!fJち制性(主 I D 在住を記す点から温度降下と共に 減少しある犯度;ニ至り殆ど一定値に達するが 焼戻の J t i f yが最も大さい η 3 そのほ下の害I J i l'は友素含有量の少い程大きく 焼民の No.4 , No.5は 600 C まで焼戻し ìf~ 冷したものであるが第 8 図に示 0 すように 175~C 。 。 では他より高い報性を示してい 可 くヨハ 向1 [ 射撃試験による破断の状況を明らかにするため 一円。 破断した試験日~の写真を写立 l~ 写真 6 に示し、た。 -113" + 20つ -1830 つ 。 市 J収工J't.~両 C.0.90% 200 ーの。 0" -1130 一行。 -183" ‘政アームコ欽 I I J C.0.012匁 -1310 -1830 写貫 1 市 W~ 軟鋼 ( 2 2 2 ) C.0.3% 4 6 3 低湿におげる鋼刀二二,三の性質 i ニついて 十 2 0つ 一 4ラ 。 ー ー1 1 30 8 3 一1 0 , tj,~ な ら し ;時入 元~ ;表制 陸入 焼戻 No. 1 C .0 . 1 206 ~J主 Y J ノ 、 - 十 2 00 ーの。 -1130 1 8 3 " f t 告ならし : F E 炭素鋼 入 No. 2 C .0 . 2 8匂 写真 3 (223) :~'t ヘ r!t 支 ! 4 6 4 内 藤 豆 諸f ・ 先 辺 地 干 之 焼ならし 長 久 生売入 焼~ No.3C .0 . 47? G 炭素鋼 写真 4 焼ならし 焼 ヘ ; l ( A素 術 N o . 4C .0 . 6 0忽 写真 5 ( 2 2 4 ) j ; ) t '入 焼 F Z 4 5 5 低涯における餓の二,三の陀質について 焼 入 ;~It ならし 炭素繊 No. ラ 効;入統廃 c .0ヨ606 可児 6 v* 吉 言 炭素合コ(i畳を異にする材料につ L 、て種々の熱処理を砲し Ilf~l':. より けるシヨアー硬度及び衝撃 -1830C に王る低温にお 抵抗を測定した。その結果を要約すれば 1) 同一成分の村料についてのシヨア{硬度は熱処却の如何にかかわらず温度宇降下と共に ほぼ直中底的に l 滑 りHする 0 2 ) 炭素含有量が増加する程低温脆;七l oを起す温度は高くなると共に i 必!笹山 1 j ' [は減少する Q 3) 熱処却の影響は焼入焼戻したものが最も低温におげる慨1 ' [の侭 i でが少く,脆陀を起す 温度も低い。 4) 低温におけーるシヨアー硬度と低溢1lfi2:'f'l:との[日]fこは I 白状 I ' i ' ,)な喝速は見られない。 縞日作所,液 終りにあたって,本研究に関して試問の製作及び分析については日本製所主i 土富士製鉄室蘭製鉄所の御援助を受げた。叉宍験の'J;;j f 在にあたって i 土ゴ橋教官 体酸素について l 並びに工学士;戸,j田奈彦君¥工学士駒井俊吉百に負うところ多くあわせてぞく謝の,さをぷする次第 である。 オ木ヰ研究は北栴 道 j 亘F 判 件 ! ト . ' 学 , ( f f 略 6 訂 干 和 口3 況1 年 4月30円受 r 到 川 却 l 早 f 1 ド D ( 2 2 5 )
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