3D プリンタ

■3D プリンタ
みなさんは 3D プリンタを知っていますか?見た目と使用目的はコンパクトな NC 加工機のようです。
ではなぜ「プリンタ」なのでしょうか。紙に印刷するわけでもないのに。そもそも「プリンタ
(printer)」は「印刷する」という意味ですが、3D プリンタは何もどこにも印刷はしません。なぜ
プリンタと呼ばれているのでしょうか?
まずみなさんの家庭にあるインクジェットプリンタを良〜く見てください。インクヘッドが X 軸と Y
軸に動くような構造になっています。インクジェットプリンタが X 軸とY 軸の 2 方向に動くのに対し、
3D プリンターは X 軸、Y 軸、Z 軸の 3 方向に動くようにできています。なので 3D
(3dimensional) なわけです。
インクジェットプリンタはインクヘッドからインクが吹き出しますが、3D プリンタは溶けた ABS 樹
脂等が吹き出したります(他にもいろいろな方式があります)。
まあヘッドの部分から先は別にして、そこに至るまでの構造が、家庭用のプリンターと非常に似通っ
ていることから 3D プリンタと呼ばれているわけです。
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■なぜ急激に普及したか?
現在市場に出回っている多くの安価な 3D プリンタは FDM(Fused Deposition Modeling) 法という
ものだ。ホビー向けで主流となっている樹脂を溶かして1層ずつ積み上げていく3Dプリント技術で、
数年前には数百万円した機械が現在では数万円レベルに低下している。これは工業用3Dプリンター
の大企業 Stratasys が保有していたが FDM の特許が 2009 年に期限が切れとなったためだ。
そして 2014 年 2 月。現在もっとも先進的かつ機能的な 3D プリント技術「粉末焼結積層造形方
式 SLS(Selective Laser Sintering)」に関する特許の期限が切れることにより、2014 年は爆発
的に 3D プリンターが成長する年になると予測されている。
代表的な MDF プリンタ「Replicator2」
TAMADA や Amazon で
購入可能な MDF プリンタ「CUBE」
3D プリンターについて 1/5
■3D プリンタの種類(代表的なもの)
●熱溶解積層方式 FDM(Fused Depisiton Modeling)
◎概要:糸状の樹脂を熱で溶かし、溶解ヘッドから押し出してプラットフォーム上に積み重ねていくことで造形する。
◎利用できる材質:ABS 樹脂 /PLA 樹脂 / ナイロン樹脂など
◎メリット:材料の取り扱いも比較的容易であり、パーソナル 3D プリンタのほとんどがこの方式。
◎デメリット:原理的に積層跡が目立ちやすく、精度もそれほど高くはない。
◎動画:http://p.tl/hyW6
●光造形方式 STL(STereo Lithography)
◎概要:光硬化性樹脂を満たした槽に紫外線レーザーを照射して 1 層ずつ造形する。
◎利用できる材質:エポキシ系樹脂 / アクリル系樹脂
◎メリット:精度が高く、積層跡もほとんど気にならない。FDM に比べて積層ピッチも細かい
◎デメリット:材料色の選択肢もあまり多くない。太陽光下での劣化が起こりやすい
◎動画:http://p.tl/G1TO
●粉末焼結積層造形方式 SLS(Selective Laser Sintering)
◎概要:粉末状の材料にレーザーをあてて焼結させる造形方式。金属材料にも対応可。
◎利用できる材質:ナイロン樹脂 / セラミック / 銅 / チタンなど
◎メリット:デザイン試作だけでなく、実際に動作する機能試作にも利用できる。サポート材も不要
◎デメリット:装置が非常に大きく、価格も高額
◎動画:http://p.tl/bxT8
●粉末石膏方式
◎概要:石膏粉末の薄い層にインクジェットで塗料と固着材を吹き付けることで、1 層ずつ造形する
◎利用できる材質:石膏
◎メリット:フルカラーでの造形が可能であり、人物フィギュアなどに向いている。サポート材も不要
◎デメリット:石膏を固めて造形するため、造形物が重くてもろい
◎動画:http://p.tl/uYIW
●インクジェット方式
◎概要:液状の紫外線硬化樹脂をインクジェットで吹き付け、紫外線を照射することで 1 層ずつ造形する
◎利用できる材質:アクリル系樹脂 /ABS ライク樹脂 / ラバーライク樹脂 / ポリプロピレンライク樹脂など
◎メリット:精度が高く、2 種類の材料を自由な割合で混合して造形できる製品もある
◎デメリット:太陽光下での劣化が起こりやすい
◎動画:http://p.tl/SAH9
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■3D プリンタのコスト(代表的なもの)
●熱溶解積層方式:数万∼数百万
●光造形方式:数十万∼数千万円
●粉末焼結積層造形方式:数千万円以上(2014 年に特許切れで大幅なコストダウンが予想される)
●粉末石膏方式:数百万∼数千万円
●インクジェット方式:数百万∼数千万円
■3D プリンタ関連動画
http://bit.ly/15b3IpK(立体物をスキャンしてデータ化する 3D スキャナ)
http://p.tl/MP3D(3D プリント・3D スキャン・フライス盤加工まで備えた世界最安の小型マルチプリンタ)
http://p.tl/f1-z(
「Replicator 2」が動作する様子)
http://p.tl/yeKG(
「Replicator 2」動作する様子を早回しで撮影)
http://p.tl/10xU(
「Replicator 2」が鎖を出力する様子を高速で撮影)
http://p.tl/0cPa(3D レーザーカッター)
http://p.tl/nGi4(食料を印刷する)
http://p.tl/YXWf(チョコレート 3D プリンタの販売がスタート)
http://p.tl/J_hI(家の建設)
http://p.tl/irdq(タンパク質分子模型)
http://p.tl/PL-j(自分の歯形にあわせた歯ブラシをオーダーメイド)
http://p.tl/AP-4(義耳を作成する)
http://p.tl/ovsO(アヒルの足)
http://bit.ly/14NRQxC(移植可能な腎臓を 3D プリントすることに成功、中国の研究者が開発)
http://p.tl/ikUt(生体組織と似た機能を果たす 50 ミクロンの組織を作成)
http://p.tl/HExk(身体にぴったりフィットするセクシーなドレス)
http://p.tl/Rrw6(太陽光で砂を溶かし立体物を作る)
http://p.tl/RPTE(実弾が発射可能なライフル)
http://p.tl/3Rvu(600 発以上の連射に耐える)
http://p.tl/fBC6(空中で線を描くとこうなる)
http://bit.ly/138Ys4Q(Sculptris 初級編)
http://p.tl/RpWM(ZPrinter 650)
http://p.tl/lIfH(ZPrinter 650)
http://p.tl/oD9F(ProJet 1500)
http://p.tl/w8cc(ZPrinter 650 OM)
http://p.tl/2fEd(Kinect for Windows)
http://p.tl/MVmo(Kinect for Windows)
http://p.tl/-YAd(3D Scanner)
3D プリンターについて 3/5
■3D プリンタ用のソフト
■3D プリンタ用の SCANNER
Kinect for Windows
Matterform 3D Scanner
3D プリンターについて 4/5
■3D プリンタを利用したビジネス
Windows 8.1 では、3D プリンタのドライバが標準でバンドルされている。Microsoft は、Kinect
for Windows で取り込んだ人間の 3D オブジェクトを 3D プリンタで出力するデモ動画を公開した。
Microsoft は 3D プリンタは主流になるとみているという。3D プリント技術が大量生産に取って代
わることはないが、一般家庭で、例えば子どものサッカーリーグの優勝トロフィーや、冷蔵庫にぴっ
たり収まるサラダボックスなどを自作するのに適していると主張している。
そして Kinect のセンサー技術を所有するイスラエルの PrimeSense 社を apple 社が約 345 億円
で買収した。そうなると iPhone で撮影した 3D 写真から誰でも簡単に 3D でフィギュアなどを作れ
るようになる、ということが容易にイメージできることだろう。
しかし 3D プリンタが広く一般家庭に普及することは考えづらい。ただし現在よりももっとコストパ
フォーマンスの高い 3D プリンタは登場してくることは確かだろう。一般の人が仮に 3D 写真を
iPhone で撮影できるようになったとしたら、そのデータを専門の業者に送りフィギュアなどを製作
してもらうというのが自然な流れだろう。ネットだけで完結する方式もあれば、店内に 3D プリンタ
を設置してデータを持って来店した客に対して店頭で商品を渡す DTP のようなスタイルの商売も成
り立つかもしれない。
今のところは高さ 3cm 程度のバストアップのフィギュアでは、撮影に 5 分、データ修正に 10 分、
3D プリント加工に 30 分程度の時間がかかり、単価も数千円になることが予想されるが、3D プリ
ンタ自体の低価格化、素材の低価格化、加工速度の高速化、オペレータのスキルアップなどにより、
より低価格での商品(フィギュアなど)提供ができるようになるはずである。
よく街頭やイベント会場で見かける似顔絵屋の多くは職を失うことになるだろう。3D プリントでの
フィギュアができたときの感動と驚きは 2 次元のアナログの似顔絵の比ではないはずだ。しかもデ
ジタルで撮影されたデータなので「似ている、似ていない」のクレームが来ることもなければオペ
レータのスキルによっての商品のクウォリティのバラツキもない。
ここまではあくまでも単色(素材色 1 色のみ)の場合である。例えば芸術としての彫刻作品は素材
色 1 色であり、マネキン人形の高級なイメージのものも素材色 1 色だけのものが多いようだ。人間
をそのままの形でフィギュアにする場合も、へんに着色するよりも素材色 1 色だけのほうが商品とし
てのパフォーマンスが高いかもしれない。着色するとなるとデータ上での加工には相応のスキルが必
要となり、下手をすると道路工事の現場の誘導で旗を振るお巡りさんの人形のような不気味なもの
になってしまう。
それでも着色がしたいとなるとデータ上の加工の手間でけでなく、3D プリンタそのものがカラー対
応でなければならず、3D プリンタのコストは 2 桁高いものになってしまう。そうなると、それこそ
写真の現像所に近い状況になるのかもしれない。
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