One to One(1人1台)時代に 求められる情報の利活用力

第
43 号
2014年3月
発行先: 株式会社インタラック
ALTプロジェクト
東京都千代田区富士見2-14-36
T E L: 03-3234-7774
FAX: 03-3234-5342
E-mail: [email protected]
One to One(1人1台)
時代に
SELNATE GROUP INTERAC・学校教育便り
求められる情報の利活用力
東京工業大学名誉教授 清水
康敬
タブレット端末やスマートフォンの爆発的な普及に加え、デジタル教科書などの広がりにより教育の情報
化は新たな局面を迎えようとしています。生まれた時からコンピュータに囲まれたデジタルネイティブ世
代は、明らかに私たち大人とは違う情報環境に育ち、世界に羽ばたくことになるでしょう。学校ではどの
ような教育の情報化が期待されているのか、そして今後求められる情報の活用能力とは何か、安倍首相
から委員の任命を受け、政府の「新戦略推進専門調査会人材育成分科会」の座長を務める東京工業大学
名誉教授の清水康敬先生に、ご寄稿いただきました。
1
教育の場に広まる One to One環境
●
「フューチャースクール」
で加速した
学校のOne to One整備
教員だけでなく、子どもたちが自らの
PCを手にするとき、学習にどのようなイノ
ベーションが起きるか、その検証を目的と
した総務省「フューチャースクール推進事
業」が2010年度から3年計画で始まっ
た。2011年度は小学校10校において
実証授業が展開され、2011年度からは
中学校8校と特別支援学校2校が参加
することになり、あわせて20校で2012
年度まで研究が進められてきた。総務省
のミッションは、主に情報通信技術面か
ら教育の情報化の可能性を検証するこ
とであり、そのために、児童・生徒及び
教員に1人1台のタブレットPCが配備さ
れ、各教室には電子黒板等のICT機器
が常設された。この事業の成果はガイド
ライン
(手引書)として総務省から公表さ
れているので 参 照されたい(総 務 省
2013a, 総務省2013b)
。
一方、総務省「フューチャースクール推
進事業」より1年遅れてスタートした文部
科学省「学びのイノベーション事業」
(文
部科学省2011)では、前述した20校の
実証校において、主にソフト・ヒューマン
面から教育の情報化の可能性が検証さ
れることになり、デジタル教科書・教材
を活用した教育面の効果検証や、教員
の指導方法とモデルコンテンツの開発な
どが進められてきた。こちらの事業も、
2013年度末で終了することになる。
小学校10校では4年間、中学校と特
別支援学校では3年間、One to One学
習環境での授業が進められてきたが、こ
の間、その実践が社会に与えた影響は
大きかった。一部の自治体でこれらの事
業成果に触発された形で教育委員会が
動き出し、自治 体ごとに独自のOne to
One学習環境の整備を進めている。たと
えば、東京都荒川区では、2013年度に
小学校3校と中学校1校のモデル校を指
定し、そこにフューチャースクールと同等
の環境を整備し、2014年度の全区的な
展開について検討を進めている。また、
大阪府、佐賀県などでもOne to One学
習環境の整備が検討され、一部の指定
校では実証研究が始まっている
●2020年までに学校の
One to One環境の整備
このような状 況 の 中、わが 国では
2013年6月に「世界最先端IT国家創造
宣言」
(首相官邸 2013)が閣議決定され、
その中で「2020年までの目標として、学
校の高速ブロードバンド接続、1人1台
の情報端末配備、電子黒板や無線LAN
環境の整備」について言及されており、
今後の学習環境改善の必要性が示唆さ
れている。2013年10月には「新戦略推
進専門調査会」が設置され、この創造
宣言に基づいた具体的な計画の検討が
開始された。筆者は安倍晋三総理大臣
から専門調査会委員の辞令をいただき、
その下に設けられた「人材育成分科会」
の座長として、
「創造的IT人材育成方針
~ITとみんなで創る豊かな毎日~」を
2013年12月末に策定した(首相官邸
2013b)
。
この方針の大きな柱は、
「国民全体の
IT利活用力の向上」と
「高度IT人材育成」
である。特に前者については、
国民が
安心して安全にITの利便性を享受して生
活できる社会を構築するにあたり、すべ
ての国民がそれぞれの年齢や立場などに
応じて必要な情報利活用の能力を身に
つけることが重要であるということから、
それぞれに求められる能力を明確にする
ことにした。
2
求められる 情報の利活用力
●す べ ての 国 民 が 必 要とする
「情報の利活用力」
幼児から小学生、中学生、高校生、大
学生、社会人、あるいは、高齢者など、す
べての国民が必要とする能力を検討する
にあたり、分科会が留意した点は、能力
の具体を国民にわかりやすく表現するこ
とであった。まず、育成したいITに関連す
る能力の名称であるが、
「ITリテラシー」
、
「情報リテラシー」
、
「情報活用能力」
、
「情
報モラル」
、
「情報セキュリティ」など、現
1
表 すべての国民が必要とする「情報の利活用力」の能力要件と定義
① 情報の読解・活用力
ITを利用して得られた情報を正確に読み解
き、適切に活用する力
② 情報の創造・発信力
情 報を整 理・統 合し、新たに創 造した情 報
を、伝達する範囲や受け手 への影響などを
考え、ITを利用して発信する力
③ 情報安全に関する知識・技能
情報社会において情報やITを安心・安 全に
利活用するために必要な知識・技能で、情報
セキュリティに関連した内容を含む
④ 情報社会における規範に関する
知識・態度
情報社会における正しい行動や安全な行動、
望ましい態 度の基となる知識や態 度で、現
行の学校教育において
「情報モラル」や「情報
倫理」
として指導される内容を含む
状ではさまざまな用語が使われていて、そ
れらの定義は必ずしも明確とはいえない。
そこで、分科会では「すべての国民が身に
つけるべき能力」の具体として、表に挙げ
た4つの能力要件を定義した。
① 情報の読解・活用力
インターネットにはたくさんの情報があ
り、必要な情報を選んで正しく理解する
力が必要である。これは印刷された情報
を読解する能力とは異なると考えられて
いる。インターネット等から得られた情報
を読解し有効に活用する能力という意味
を込めて、①情報の読解・活用力と名付
けた。
この能力は、現代社会で多くの国民が
所有している携帯電話やスマートフォンを
使うだけの能力ではなく、それらを含むIT
機器を通して入手できる様々な情報その
ものを有効かつ有益に活用する能力を指
している。
② 情報の創造・発信力
最近では、インターネットから情報を収
集するだけではなく、多くの者がSNSなど
を利用して情報を発信するようになった。
このため、情報を整理統合し、自らが情
報を創り出し、それを発信するという能力
が重要になる。特に、オリジナルな情報
を発信する場合、受け手や社会に与える
影響をよく考える必要があるため、これに
必要な能力を②情報の創造・発信力と
名付けた。
この能力は、パソコン、タブレット端
末、携帯情報端末など、インターネットを
利用する手段が格段に増えた現在では、
以前にも増して必要とされるものである。
例えば、課題を解決する際に、インターネ
ットから様々な情報を収集し、これを基に
2
自分のアイデアや考え方をまとめ、それ
に対する理解や支援を得るためには、情
報の表現の工夫や発信手段の選択など
の能力が必要になる。だれもが情報の
発信者となれる情報社会では、このよう
な能力が欠かせない。
プロフィール
清水康敬教授
現職:国立大学法人東京工業大学監事
(常勤)・名誉教授。
東京工業大学教授、国)教育政策研究
所教育研究情報センター長、独)メディア教
育開発センター理事長歴任。
教育工学、電磁波工学、弾性表面波の
研究に従事。日本教育工学会 会長、日本
教育工学協会会長。
IEEE Fellow。日本教育工学会論文賞
(3回)、1999年文部大臣賞、2000年郵政
大臣表彰、2011年総務大臣表彰を受賞。
③ 情報安全に関する知識・技能
●指導者の指導力向上支援
この能力は、いわゆる情報セキュリテ
ィに係わるものであるが、情報セキュリテ
ィという用語は、すべての国民の理解を
得にくいと考え、③情報安全に関する知
識・技能と名付けた。
この能力は、情報社会において情報
を安心して安全に利用し活用するために
必要な知識とスキルを含んでおり、様々
なIT製品や情報サービスを
「利用する側」
も
「提供する側」も、安心して安全に活用
するための能力を含んでいる。
前述した4つの能力要件については、
さらに、具体的な能力項目を示す予定で、
これらの能力項目を学習し修得するため
の学習環境と学習コンテンツを整備する
ことが検討されている。また、これらの能
力を指導する立場に立つ、教員、保護者、
その他の指導者にとっても、特別な指導
力が必要になる。このため、指導力向上の
具体策が検討される予定である。特に、家
庭において子どもを直接指導する立場にあ
る保護者の支援も重要な課題である。
④ 情報社会における規範に関する
知識・態度
参考文献
この能力は、いわゆる情報モラルの内
容に関連したものであるが、情報モラル
という用語の定義にはばらつきがあり、
人によって異なる解釈がされている。そこ
で、これに係わる能力を、④情報社会に
おける規範に関する知識・態度と名付け
た。情報社会において、正しい行動や安
全な行動、望ましい態度の基本となる知
識や態度を身に付けるための能力である。
例えば、ブログやSNSなどを利用した
情報発信にともない、意図せぬ情報の
拡散による予期せぬ事態を招く、情報通
信ネットワークを悪用して意図的に社会
に大きな影響を与えるなどの問題が多発
していて、このような状況に対応できる能
力といえる。
総務省(2013a)教育分野におけるICT利活用推
進のための情報通信技術面に関するガイドライン
(手引書)2013 小学校版。
http://www.soumu.go.jp/main_content/
000218505.pdf
総務省(2013b)教育分野におけるICT利活用推
進のための情報通信技術面に関するガイドライン
(手引書)2013 中学校・特別支援学校版。
http://www.soumu.go.jp/main_content/
000218507.pdf
文部科学省(2011)、未来を拓く学び・学校創造
戦略
(学びのイノベーション事業)
。
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/
other/__icsFiles/afieldfile/2010/09/30/
1297939_4_1.pdf
首相官邸(2013a)世界最先端IT 国家創造宣言
(閣議決定)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/
pdf/20130614/siryou1.pdf
首相官邸(2013b)
「創造的IT人材育成方針」~
ITとみんなで創る豊かな毎日~
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/
pdf/dec131220-2.pdf
小学校外国語活動のこれから
対談
東京都・大田区立道塚小学校校長 山本惠美子 インタラック副社長 中口達也 文部科学省は昨年12月に「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」を発表、中学・高校での英
語教育の充実や小学校での英語教科化を推進することを決めました。2020年東京オリンピック・パラ
リンピック開催も控え、国際化への気運が高まる中、2014年度は改革に向けた新たなステージの幕開
けとなりそうです。これまでの小学校外国語活動を振り返り、展望をもつヒントはどこにあるでしょうか。
東京都大田区で小学校外国語活動の研究に中心的な役割を果たしてこられた大田区立道塚小の山本惠
美子校長にお話をうかがいました。
「国際交流の会」
は、
世界の人々
と触れ合う貴重なチャンス!
中口/大田区では平成21年度から大田
区教育研究会「外国語活動部」が発足
し、実践研究に取り組んでいます。山本
校長先生は、そのリーダー的役割を担っ
てこられましたね。道塚小での最近のト
ピックは何かありますか?
山本/本校では年に2~3回、外国から
ゲストを迎えて、
「国際交流の会」を実施
しています。本年度は4回目で1月にシン
ガポールから来日した小学生と「国際交
流の会」をもちました。その後の本校の
児童の感想を読むと、外国語活動により
子どもたちに素晴らしい感性が育ってい
るなと思いました。
「シンガポールの小学生の
“ありがとう”
の一言は練習したのだなと思った。
」と。
これは自分たちが英語を学んでいるから、
語学を学ぶことの大変さがわかる、相手
の立場になれるということなのです。
中口/私も参観させてもらったのですが、
道塚小の子どもたちがシンガポールの小
学生の合唱を聞いて「自分の国を誇りに
思って歌っているんだな。
」と感じ取れてい
たのも素晴らしかったですね。
山本/英語はあくまで「道具」です。英
語を使い「いろいろな国の人と友達にな
ろう。
」という国際交流の活動は欠かせま
せん。世界にはいろいろな国がある、さ
まざまな言葉があると知ることは、小学
校外国語活動の動機づけになります。
一緒に給食を食べる時、話をしたくて
も、何かを聞きたくても、子どもたちはも
どかしい思いをします。そこで「英語って
大事だ。
」と思えるのです。
そして外国語活動で習ったフレーズを
使ってみて「通じた!」と実感できるうれし
い瞬間を味わうと、もっと学びたいという
気持ちになるのでしょう。
中口/小学1年から6年生まで全校で取
り組む「国際交流の会」をうらやましく思
う小学校は多いと思います。
山本/「国際交流の会」は、外国の人々
と触れ合い、英語を使える最良のチャン
スです。けれども、その機会に恵まれな
かったり、全校で取り組む体勢がなかな
か取れないのが現状ですね。
成功のポイントは 校内研修と先生たちの情熱
東京都・大田区立道塚小学校 山本惠美子校長
中口/山本校長先生は中学で英語科の
教員経験をおもちです。校長として小学
校外国語活動を推進した時は、どのよう
なご苦労があったのでしょうか。
山本/小学校に着任した9年前
「きっとこ
れから小学校に英語が導入される。
」と
予感していました。
でも、平成17年度はまだ指導の指針
はなく、着任当初、高学年の外国語活動
では、中学1年の内容を前倒ししたような
授業をしていました。
リピートさせたり、暗記させたり、今思
えば、これで良かったのかなと反省してい
ます。
中口/子どもたちなりに楽しんではいた
けれども、そのままでいいのかと疑問を
感じていらっしゃったのですね。
山本/ええ。そこで平成19年度に小学
校で外国語活動を研究テーマに据えるこ
とを決めました。何度も職員会議を開き
「発音が上手くできなくて、子どもがそれを
真似したらどうしますか?」という先生方
の不安を解消することに努めました。
「流暢に英語を話せることは求めない。
しかし英語の授業ができないとは言えな
い時代がきっときます。小学校のプロの
教師としてその位の自負をもって欲しい
し、共に研修を積みましょう。
」と。小学
校の先生方はとても真面目です。ですか
ら、いったん研修が始まると積極的に学
び合いました。まさしく、手探りの研究の
スタートでした。そんな中、職員室に「英
和辞典」が机上に置いてあるのを見た時
は、感動しました。
中口/今、とても大切なキーワードが2つ
含まれていましたね。1つは「校内研修」
です。これが充実できると校内も変わっ
てきます。2つ目は「小学校の先生方の
真面目さ」です。真面目であるがゆえに子
どもたちへの責任の重さを感じ、不安が
生じるのですね。そこをどうポジティブな
方向へもっていくかが、管理職の腕の見
せ所といえそうですね。
山本/ええ。責任感を熱い思いに変えて
いけば必ず成功します。おかげさまで研
究初年度から各学年が研究授業を行う
ようになりましたし、専科教諭も「世界に
目を向けよう」というテーマで授業公開
ができたのです。平成22年度には、大田
区教育研究推進校として
「国際社会に生
きる心豊かな子どもの育成」というテー
マのもと、外国語活動の研究発表をしま
した。
3
教師が楽しんでこそ 子どもの可能性が見えてくる
中口/2020年に東京オリンピック開催
も決まり、国際化への気運が一段と高ま
っているように感じます。今後、小学校で
はどのように外国語活動を展開していく
べきだとお考えですか。
山本/英語の技能力だけでなく、人と接
する力、コミュニケーション力を高めていく
ことが必要ではないでしょうか。子どもた
ちの中には英語が苦手な子もいます。け
れども、その先生の授業は面白い、楽し
いと感じられること、つまり教師自身が楽
しんで授業をすることが欠かせないと思
うのです。
中学で英語を教えていた時、英語の
絵本作りに挑戦させました。普段は英
語が苦手な生徒が得意のイラストを駆
使して素晴らしい作品を仕上げてきまし
た。これも立 派なコミュニケーション
力のひとつです。さまざまな方法を工
夫して子どもの可能性を引き出す授業
をすること、それが 教師の仕事の喜び
ではないでしょうか。
教師の手によるマニュアル本が
完成!
山本/今、小学校外国語活動の現場で
求められているのは、授業に対する具体
的なアドバイスです。理論はもちろん重
要ですが、その活動やフレーズがコミュニ
ケーションの素地を養う題材や場面にな
っているかが大切です。
そして、小学校での外国語活動の授
業を中学校の先生方にはぜひ実際に見
てほしい。小学校での外国語活動でや
った活動を中学1年の導入で少しでも使
ってもらえば、生徒のモチベーションが高
まるでしょう。
中口/昨年6月には、大田区教育研究会
小 学 校 外 国 語 活 動 部の 研 究 成 果を
『小 学校外国語活動 これで完璧!“Hi,
friends!”誰でもできる全時間の基礎・
基本』
(直山木綿子監修 東洋館出版)
にまとめられました。かなり実践的な内
容ですね。
山本/いや、これは区教研の先生方から
「本を制作しよう!」という声が上がりまし
た。私はこの教員の高き志に大変感動
しました。そこでボランティアで14人の部
員の先生たちで単元ごとに執筆しました。
先生方が取り組んできた実践と研究が1
冊の本になったこと、これはとてもうれし
かったですね。
各単元のねらいから教材、授業展開や
子どもの見取り方まで書かれてあり、初
任者の先生でも、即実践につなげられる
本です。この本により全国の外国語活
動の指導の温度差が少しでも解消でき
たらうれしいです。
ALTの笑顔が子どもの
コミュニケーション力をUP!
山本/ここで「先生たちは、子どもたちの
モデルである。
」ということを言いたいで
すね。子どもたちはよく見ています。英語
を一生懸命話そうとしている先生の姿を
見て、自分も英語を話してみよう、トライし
てみようという気持ちになります。さらに
子どもたちはALTの先生の顔から手ぶり
まで、先生を通して文化の違いや言葉の
違いをしっかり感じとっています。ALTの
発音に慣れ親しみ、人と人とが英語とい
う道具を使ってコミュニケーションする喜
びを感じる。このことこそまさにALTの大
切な役割です。
2020年に向け、英語を使って生き生
きとコミュニケーションをしようとする子ど
もが育っていくことを願っています。小学
校の先生たちだって、
「英語」の授業はき
っとできる。その信念こそが国際化にお
ける明日の日本を作ることと思います。
今、私達にできること ─ 震災の「語り部」を派遣 ─
浦和学院高校石巻交流センターの活動
東日本大震災からまもなく3年を迎えようとしています。大きな津波被害を受けた宮城
県石巻市で復興に力を注いできた同市立北上中学校の元校長、畠山卓也先生は、自宅を
津波で失い、学校の体育館で2か月の間、避難者と一緒に生活しました。
風化しつつある被災地の現状を伝え広め、一人でも多くの人に被災地に足をむけてほし
いと、同校は「石巻交流センター」を設立。畠山先生は特任センター長、そして震災の「語
り部」として、全国からの講演の要請に応じています。
児童・生徒対象の講演会、保護者・地域対象のセミナー、総合学習や防災教育へのア
ドバイス、被災地視察の案内人などが可能。開催日の相談等にも応じています。
問合せ:浦和学院高等学校石巻交流センター 電話:048-878-2101(担当:車谷)http://www.uragaku.ac.jp/
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