害虫の感受性低下を防ぎ、 効果の高い剤を末永く使う

害虫の感受性低下を防ぎ、
効果の高い剤を末永く使う
2014年11月号
■ 感受性低下がもたらす生産者への不利益
JGAP青果物2010 6.1.5項では「耐性・抵抗性の発生を防ぐこと」が重要項目として規定されています。感受性の低下は殺虫剤の過
剰な使用や不適切な使用を通じて、抵抗性の害虫が選抜され続け、ある殺虫剤に抵抗性をもつ個体群が発現することにより生じると
考えられています。多くの場合、薬剤に対して感受性が低下した害虫が一旦発生すると、当該地域において期待する防除効果を再び取
り戻す事は困難であり、生産者は有効な防除の手段を失う事になります。したがって、感受性低下の発現を遅らせて、薬剤の効力維持
を図ることが非常に重要になります。
■ 感受性低下を抑制する農薬の使用計画を立てる
まず、使用適期を逃さずに農薬を使用することが基本です。その際に、薬剤の作用機構と対象となる害虫世代サイクルを考慮し、同じ
作用機構の薬剤を連続する害虫世代に対して使用しないようにします。
◆作用機構に注目する理由
異なる薬剤でも害虫に作用する標的部位が共通することがあり、その場合、同じ作用機構となります。ある薬剤の害虫に作用する標的
部位が変異して感受性が低下すると、その薬剤だけでなく作用機構が共通した薬剤に対しても効果が低下します。このような事態を
避けるため、薬剤の選択は作用機構ごとに考えます。
◆害虫の世代サイクルに注目する理由
同一の作用機構を有する薬剤を連用すると、その作用機構に感受性の低い害虫が複数世代にわたって選抜されます。その結果、ある
作用機構に感受性の低い個体が繁殖し、その作用機構をもつ薬剤への防除効果が低くなります。
結論として使用する薬剤の作用機構を把握し、同じ作用機構の
TM
TM
薬剤を連続する害虫世代で連 用しないことが、感受性低下を
SC
抑制する事につながります。しかしながら、農薬ラベルに記載
されている商品名や化合物の一般名からでは、その薬剤の作用
農林水産省登録 第23556号
粒剤
農林水産省登録 第23567号
機構を知ることが難しいため、結果として同じ作用機構の薬剤
®
を連続した害虫世代に対して使用してしまう恐れがあります。
®
プリロッソ 粒剤の
適用表はこちらから
ご覧いただけます
ベリマーク SCの
適用表はこちらから
ご覧いただけます
■ デュポンの取り組み
TM
そこで、
デュポンでは、
ラベルの製品名の下に作用機構のグルー
SE
プ番号を記載し、作用機構を簡単に判断して頂ける取り組みを
始めています。
まずは、
2014年10月に新規登録されたサイアジ
®
記載例:作用機構グループ番号
農林水産省登録 第23560号
TM
ピル を有効成分とした野菜 灌注 処理殺 虫 剤「デュポン ベリ
®
®
®
TM
、
野菜用殺虫剤「デュポン プリロッソ 粒剤」
、
かんき
マーク SC」
TM
®
から始め、
順次
つ・果樹・茶用殺虫剤
「デュポン エクシレル SE」
エクシレル SEの
適用表はこちらから
ご覧いただけます
他の製品群へも取り組みを広げていきます。
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アンケートにご協力ください。ご協力いただいた方に農薬の製品情報・技術情報を提供いたします。
アンケートはこちらからお願いします https://dcp.dupont.jp/user_questionnaire2014
●ラベルをよく読んでください。 ●記載以外には使用しないでください。 ●小児の手の届く所には置かないでください。 ●空袋、空容器は圃場などに放置せず、空容器は3回以上水洗し、環境に影響のないよう適切に処理してください。洗浄水はタンクに入れてください。 ●防除日誌を記帳しましょう。
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