資料2 次世代ヘルスケア産業協議会 事業環境WG(第2回) 議事要旨 【開催要領】 1.開催日時:平成26年3月14日(金) 10:00~12:00 2.場 所:大臣官房特別会議室 3.出席委員:武久主査、新井委員、有江委員、井崎委員、大原委員、北川委員、斎藤委員、 堺委員(代理梶原氏) 、白木委員、德田委員、藤田委員、森谷委員 4.政府出席者:内閣官房 健康・医療戦略室 厚生労働省 医政局及び保険局 【議事次第】 1. 「健康寿命延伸産業分野における新事業活動のガイドライン」について 2.健康寿命延伸産業の事業環境整備について 【議事概要】 ○ 冒頭、事務局より前回総括及びグレーゾーン解消制度の活用状況等についての報告を行った。 続いて「健康寿命延伸産業分野における新事業活動のガイドライン」について事務局より説明 を行い、意見交換が行われた。その後、健康寿命延伸産業の事業環境整備について、白木委員 から説明が行われ、その後意見交換が行われた。最後に土生厚生労働省医政局総務課長より挨 拶があった。 意見交換の概要は以下の通り。 1. 「健康寿命延伸産業分野における新事業活動のガイドライン」について ○ 従来、病院等の組織に属さない管理栄養士が栄養指導や助言を行うことはできなかったため、 ガイドライン策定は大きな前進と思う。 ○ 地域では、健康運動指導の場で適切な対応がなされていないという問題がでている。もとも と運動は自発的な行動であるが、運動してよいかどうかの判断が必要。 ○ 医者へ一番期待しているのは、患者のリスクを指摘していただくということ。このような要 素は運動の内容から外すとか、既往歴があるためこのような内容は注意するなど、限界値を書 いていただき、それ以外の部分で運動サービスを提供するという連携ができるとよい。また、 非常に重要なのは、医者から運動した方が良いと声掛けをしていただくことが、利用者・患者 にとって大きなモチベーションになること。治療が終わった後、運動継続をすることで、QO Lの向上や運動機能の改善につながり、重要ではないか。 ○ ガイドラインに記載されている内容に違和感はない。 1 ○ 健康保険では、リハビリは特にリスク要因があり、血圧が上がれば運動はやめるなどあるが、 危険性を伴うものは、民間に依頼しないかとは思う。患者によってリスクがあり、医師が民間 業者に細かく依頼し、配慮があったにもかかわらず事故があったなどがあると、医師が厳しい 立場になる。 ○ 実際に指示を出し、スポーツクラブで運動を行ってもらっているが、スポーツクラブでは元 気な人でも、血圧を測るなどバイタルチェックをし、いつも血圧が高い人などに関しては、主 治医に状態を報告し、利用しても問題ないかを問い合わせをする。そして、その医師がスポー ツクラブに注意してほしいことなどを伝える。リスクは説明し、この程度のものは行ってもよ いが、それ以上はやめてほしいなど指示をしている。常に連携していないといけない。 また、インストラクターを集め、PTも一緒に医学的な勉強も含めた研修を定期的に行って いる。民間でも、病院でも、リハビリでも、その人に対して情報を共有しておくことが非常に 大切なことである。 ○ 何故、病気の後のリハビリを民間のスポーツクラブに移行するかといえば、介護保険のリハ ビリは支給限度額があり、サービス提供を受けるには、要介護度による制限がある。要介護度 が軽い人は、どうしても制限の範囲では物足りないため、民間に行くことになる。医療保険の 方では、月13単位までということであるため、満足しない。そういった部分を民間にお願い しているということである。 ○ ガイドラインの案を見ると、42条の医療法人が配食サービスを実施するとある。配食が 適用されていくというのは、大きな進展。しかし、42条そのものが医療法人が実施する内容 であるため、民間の出る場がないように思われる。協議会の目的である、健康延伸分野におけ る新たなサービス、保険外サービスとしての商品の産業化のため、是非民間の進出する場につ いて意見を集約しながら進めていただきたい。 ○ 実態を踏まえ、医療機関側が配食サービスを実施する際、委託等により民間活用をすること も認めていただきたい。カロリーを決めたり、塩分を制限した商品もあり、医療機関側で配食 を実施しようとした際、雇用や設備面など時間がかかるため、取り入れていただければひとつ の手法なのではないかと考える。 ○ 在宅でも重症の人がいる場合がある。その場合、いわゆるミキサー食などの需要も必要だと 思われる。 ○ グレーゾーンの考え方と規制緩和の考え方は異なると伺った。病院や介護施設では、以前と 変わり食品の扱いが便利になってきたことにより、余裕が出てきている。その余裕の部分で、 食事を作り、配食することができないかという検討をしており、厚労省でも考えていただいて いる。地域包括ケアシステムは、医療・介護のみならず、生活支援までの一連を行わなくては ならないということであり、独居が増え老々同居が増えた際の「食」は、大きなウェイトを占 2 める。これを既存のシステムで考えるのはとても難しい。余裕がある施設を使用できないかと 提案しようと考えていたが、資料を見ると違法となってしまう。 ○ どんどん在宅にしていったときに、確かに食は重要である。病院は委託率が高く、約6割で ある。そこが配食を行うと、今のままの場合グレーゾーンになってしまう。このあたりは考慮 いただきたい。 ○ 大切なことは、老々介護・独居老人・認知症の問題である。これからますます、食は大きな 問題になってくるであろう。滋賀県などでも、病院の中の給食は全て外部へ出し、給食センタ ーなどを作り、その中で糖尿病食など選択メニューも種類が増えれば可能であり、調理時間な どの合理化もできる。これからは、規制緩和の中で、医療費の無駄を省き効率化するというこ とである。 ○ 簡易検査のグレーゾーン解消は、重要なことだと認識している。スポーツクラブでも運動効 果を血液検査の結果からも検証できるというような活用のニーズが広がってくると考えられる。 ○ 全体的な政策の方向としては、まずは、グレーゾーン解消制度を活用し、やれること・やれ ないことを確認し、全てが満たされていれば良いが、それだけでは足りず、次のステージに進 むべき課題があるものについては、次のツールで進めていくという流れである。 ○ 簡易検査や運動機能の増進等については、健康保険組合もこういったサービスを活用し、医 療費を抑えるというのが趣旨と理解。健保組合がサービスを利用する際に補助金の活用ができ たり、対象者の選別が可能になると、そういう方々を運動施設へ誘導できると思う。 事業所との個人情報の共有については、医療をどう管理下に置き、重症化をどのように防ぐ かということである。健保組合は個人との関係が希薄であり、企業を通じて行うのが有効であ る。厚労省から医療情報に関するガイドラインが出ているが、中小の健保組合も多く、今後外 部委託をせざるを得なくなる。全体的なグレーゾーンの解消については、医療保険者としては ありがたい方向だと思っている。特に事業所との関係については、ガイドラインがしっかりで きればありがたい。 ○ 高齢者へのニーズアンケートでは、日常支援サービスに対するニーズが多かった。中でも見 守りサービスがもっとも多かったが、通院介助・配食・地域で集って食事提供するサービスな どといった意見もあった。現在はボランティアの仕組みをつくって行っているが、限界がある ので、サービス事業者との連携が大事。医療機関・介護施設などとの連携、元気な方でもあぶ なそうな方、介護されている方は注目されるが、そうでない高齢者にもこのようなサービスが 必要であろう。ガイドラインで制定していただき、個人情報をクリアしていただくことに意味 があると思うので、ぜひ進めていただきたい。 ○ 独居が増えており、孤独死などの問題もあるので、見守りは非常に必要であると思う。 3 ○ 地域連携の支援については、点ではいくつか取り組んでいる。しかし、点では足りない為、 全体として、地域包括にどう取り組むかということである。 ○ 市町村や民生委員だけでは、手が回らない状態である。民間事業者が何らかの形で関与して いただくような方向性になるのではないか。 2.健康寿命延伸産業の事業環境整備について ○ 異常値がある人も無関心であるということがあり、インセンティブはひとつの手法としてあ ると思う。 ○ 悪いデータであるにもかかわらず無関心な人は、結局医療費を多く使い、平均寿命を抑えた りするため、ひとりの問題ではない。 ○ 現在、生活習慣病がある方でもあまり十分な指導を受けられていないということがある。医 療機関が、簡単にサービスを案内できれば、周辺産業にも大きな影響があるのではと思う。 遠隔医療について、医師や歯科医師については通知やガイドラインが出ているが、それ以外 の職種である看護師や栄養士については、どの程度まで通達があるかが気になっている。 ○ 当地域の取組について、いかにして今後、資金の提供者・コンサルタント・商社に連携して いくかということが話題になっている。現在会員には地方自治体の方もいるが、もう少し幅広 く自治体とも連携していきたい。ヘルスを幅広い概念で捉えて活動している。 ○ 高齢者就労環境の整備については、当地域でもアクティブシニアの活用を是非したいと、取 り組みを検討している。次回に報告させていただきたい。 ○ 地域という観点も絡めてであるが、レセプトの情報や健診の結果などは、職域と地域で継続 して活用できると有意義なケースは多くあると思う。定年になり職域を離れ地域の国保に加入 される場合、職域で受けた保健師や健診の結果を地域に引き継いで活用できると、継続的に健 康指導やサービスが受けられるようになる。利用者にとっても有効である。 ○ 25年ほど前、厚労省主導で健康運動指導士の資格制度を立ち上げたが、きちんとした運動 指導ができる人材養成という趣旨のため、体育系の学部に寄せられた。しかし、現在ほとんど 資格を取得するものはいない。病院に勤務しても、一般職員の給与体系であり、専門職の扱い ではなく、取得しても意味がないということである。 (以 上) 4
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