資料4 東京電力株式会社福島第一原子力発電所におけるRO濃縮水 タンク連結弁のひび割れについて 平成26年9月24日 原 子 力 規 制 庁 1.RO濃縮水タンク連結弁のひび割れの状況について 9月17日、東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)より、9月4日に福島第 一原子力発電所において漏えいのあったRO濃縮水 ※ タンク間を連絡する弁を分解 点検した結果、ひび割れの貫通が確認された件について、核原料物質、核燃料物質 及び原子炉の規制に関する法律に基づく報告を受けた。 本事業の概要は、別紙のとおり。 ※RO濃縮水:タービン建屋の滞留水からセシウム除去処理した後の水を淡水化処理した際に、 逆浸透膜を通過できず淡水化できなかった水。 2.原子力規制庁における対応について (1)9月4日、現地原子力保安検査官が漏えい状況について現場確認等を行い、環境 への影響が無いことを確認。 (2)東京電力に対して、以下を指導。 ① 堰外漏えいのおそれのあるRO濃縮水移送ラインに設置された同型のバルブ については、速やかに亀裂等が無いことを確認すること。 ② RO濃縮水に係る漏えいバウンダリとなる機器については、原因究明の結果を 踏まえ機器の点検内容の見直し等の再発防止対策を講じること。 (3)今後、東京電力が行う原因究明及び再発防止策について確認する予定。 以上 1 別紙 東京電力(株)からの報告の概要 (平成26年9月17日までに受けたもの) ○福島第一原子力発電所において、平成26年9月4日12時04分頃、構内G4 タンクエリアに設置してあるRO濃縮水タンクの連結弁(A5タンクとA6タン ク間の連結弁)から滴下があることを、東京電力社員が発見した。 現場確認をしたところ、当該連結弁の弁箱部から数秒に1滴程度の漏えいがあ ることを確認した。 ○漏えいしていた水はRO濃縮水で、堰内に留まっており堰外への流出は無い。 ○速やかに漏えいしている水をビニール袋に受ける養生を実施した。また、漏えい 部を接着剤により補修を行った結果、4日18時03分に漏えいが停止した。 ○漏えいのリスクを低減させるため、A5タンク内の水位を当該連結弁の位置より 低い状態にするべく、仮設ポンプを用いてA5タンクから隣のA4タンクへ移送 を実施し、5日18時10分に完了した。移送が完了するまでの間、定期的なパ トロールにより当該箇所からの漏えいが無いことを確認している。 ○堰内に漏えいした量は約1リットルで、漏えい水の分析結果は以下のとおり。 Cs134: 2.5×10 3Bq/L Cs137: 7.3×10 3Bq/L 全ベータ 9.8×10 7Bq/L : ○漏えいしたRO濃縮水が混入した堰内に溜まっている雨水については、バキュー ム車により汲み上げを行い、6日12時00分までに回収を完了した。さらに、 漏えいした弁周辺の堰内床面の洗浄を実施した。 ○当該連結弁を新たなものに交換するとともに、漏えいが確認された弁について詳 細点検をしたところ、17日に弁箱を貫通しているひび割れが確認された。 ○実施計画で定められた弁にひび割れが確認され、発電用原子炉施設の安全を確保 するために必要な機能を有していないと考えられることから、9月17日17時 40分に法令報告事象※に該当すると判断した。 2 ※核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第62条の3に基づき 制定された東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定 核燃料物質の防護に関する規則第18条第3号の事象。 (以上) 3 (別添1) ひび割れが確認された弁に連結されたタンクの位置 (G4南エリア) 水 濃縮水 貯槽 A4 A5 A6 4 (東京電力提供資料に基づき作成) (別添2) 漏えいが確認された弁 及びひび割れ箇所 A4 A5 A6 (漏えいが確認された弁) 漏えいを確認した弁 ひび割れ箇所 (原子力保安検査官レポート(写真)及び東京電力提供資料に基づき作成) 5 (別添3) ひび割れが確認された弁の分解点検結果(内面) 分解点検結果 (東京電力提供資料に基づき作成) 6
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