マルチセグメントによる日食の観測
VISSR Obserration of the Solar Eclipse in Rapid-interval
Limited
Scan Mode
岩淵敏明＊・星野武治＊＊・香月修一＊・藤村弘志＊
Toshiaki Iwabuchi*, Takeji Hoshino**, Shuiehi Katsuki*
and Hiroshi Fujimura*
Abstract
Ａ total eclipse of the sun occurred around the Java island on June 11， 1983.
this solar eclipse,rapid-intervallimited scan special observation was
from
0420Ｚ and ａ total of １０images
spot, which
is the shadow
was obtained.
of the moon
dark spot can be recognized
During
every six minutes
As ａ result of the observation, ａ dark
projected on the earth surface, is seen ｉ every
visible picture and the spot is found to move
The
made
more
from
west to east.
clearly using the enhanced
visible pictures
(Plate 2 of the text).
1｡まえがき
度を中心とした南北幅約1000
km
の部分を13時22分か
ら６分間隔で合計10回くり返し観測した。（１回の観測
昭和58年６月11日，インドネシアのジャヮ島を中心と
は約２分間要する。）幾何学的には，地上に映る月の影
して皆既日食が起った。日食の観測は地上から次第に欠
は，本影（真暗）部分が直径約200
けていく太陽を観測するのが普通だが,視点を変えて,そ
食率に応じて明るさが次第に増していくことになる。し
の時の地上を観測したらどうなるだろうか‘! た吉たま
かし，大気による太陽光の散乱や雲の存在などのためそ
この日の13時20分（日本時間）から１時間，ひまわり２
れほどシャープな影をとらえることは期待できない。ま
号の運用スケジュールに空きがあったので，関係各方面
た, GMS-2の走査放射計感部には可視光(0.5∼0.７５ s
の了解を得て臨時に観測を行った。
km で，その周辺は
クl=･こ／）と赤外（10.5∼12.5ミク1=･ソ）があるが，可視
光感部では反射光量の減少が測定され，赤外では日射の
2｡観測の方法
減少に起因する雲頂や地表面の温度降下が測定される。
通常の観測は３時間毎に行なわれ，北から南まで観測
3｡結 果
するのに25分かかる。昼の時間帯で見ると，日本時間で
11時32分∼57分と14時32分∼57分に観測する。一方，日
写真１は６分毎に可視光感部で観測した画像を上から
食は計算によると11時09分から始まり，皆既日食の最大
下へ観測順に並べたものである。
は13時30分でジャワ島付近，また，日食の中心は時速
写真１の上方左側に見える黒い部分が月の影であり，
2000 km で東へ移動する。通常の観測は皆既日食の最大
次第に東へ移動している。ちなみに右端の暗い部分はす
時間には該当しないため，皆既日食の中心となる南緯７
でに夜になった地方である。写真１は放射計の観測した
輝度を写真に焼付けるのに通常の変換方法（第１図の実
＊気象衛星セソターシステム管理課,
SatelliteCenter.
線）によったものだが，さらに月の影の部分をよりはっ
Meteorological Satellite きり見えるように特別な強調変換方法（第１図の破線）
．皿
･．
を用いて作ったのが写真２である。第１図の実線から判
･．
＊＊気象衛星センター解析課,
Center.
Meteorological
79−
METEOROLOGICAL
SATELLITE
CENTER
TECHNICAL
NOTE
Ｎ０.８ SEPTEMBER
1983
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Pig.
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of
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visible
channel
BRIGHTNESS
brightness
to
picture
gray
shade
level.
るように，通常の焼付方法では，放射計で観測される輝 に見られる。
度のゼロが写真の黒に，輝度最大が白になるよう，64階
4｡観測データ
調の濃淡画像をつくる。
今回の強調画像では，写真上の最も暗い部分，すなわ
ちジャワ島からチモール島にかけての部分をくっきりと
今回の日食時の画像は，データ処理課，伝送第一課，
浮び上がらせるために，反射量Ｏから0.008までを直線
解析課写真班の関係者の協力により特別に作成したもの
的に黒から白まで64階調で表わし，さらに0.008から1.0
である。従９て，定時・臨時観測の画像を収録したマイ
までは20（濃灰）から63（白）階調に｡直線的に割り付け
クi=zフィルムには入っていない。しかし，観測生データ
た恚のである。
については磁気テープに，画像についてはネガフ４ルム
写真３及び４は14時32分∼57分に撮像した（すなわち
の形で保存されているので，通常の場合と同じく気象協
06Z定時観測）全球画像で，写真３は赤外画像，写真４
会を通じてコピーを入手することは出来る。
は可視画像である。月の影の中心はニューギ｡ニア島付近
−80−
気吻衛星穴ンタ
技術報告 第８り･ 1983年9
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Plate ２ Enhanced version of pictures shown in Ｐ】ate l.rhe darkest portion (Moon's shadow （）ｎ
t he earth surface) is enhanced following the brightness to picture density curve shown in Fig. 1.
82
気象衛星センター 技術報告 第８り 1983年９月
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Plate ３ IR imagery,
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