EffectofInsulinResistanceonSerumParaoxonaseActivityina

氏名
田中敦子
学位の種類
博 上 ( 医 学 )
学位記昏号
学位授与年月日
4
1
0
9号
半成 1
4
年日月 2
5日
学位授与の要件
学位規則j
第 4条第 1項該当者
学位論文名
E
f
f
e
c
to
fI
n
s
u
l
i
nR
e
s
i
s
t
a
n
c
eo
nS
e
r
u
mP
a
r
a
o
x
o
n
a
s
eA
c
t
i
v
i
t
yi
na
N
o
n
d
i
a
b
e
t
i
cP
o
p
u
l
a
t
i
o
n
(非糖尿病患者における血清パラオキソナーゼ (
P
O
N
)活性とインスリン抵抗
第
性の関連)
論文審査委員
主査教授
凶沢良記
副主査教綬
古川純一
刷主査教授
巽
典之
論文内容の要旨
C
P
u
N
) は3
5
5
個のアミノ酸よりなるエステラーゼで、 HDL
上のアポ /
¥
1に結
はサザン、ソマンなどの有機リン系化合物を加水分解する作用が知られ
合して存在する。従米から、 PON
ていた。最近、酸化LDL
中の変性リン脂質の解毒にも作用しうること、 P
ONl
遺伝子ノックアウトマウス
【目的】パラオキソナーゼ
では動脈硬化が促進することから、本酵素と動脈硬化の関連が示されている。一方、インスリン抵抗性は
) ン抵抗件.が P
O:--J活性に及ぼす影響
動脈硬化を促進する病態として注 Rされている。本研究では、インス 1
を検討した。
【方法】対象は、検診受診者2
8
7名で、空腹時血糖 1
2
6
m
g
/
d
l
以上の糖尿病患者は対象より除外した。血清
PON活性は E
c
k
e
r
s
o
nらの方法を用い p
a
r
a
o
x
o
nを基質 l
こ測定した。 P
ONl遺伝子多型(アミノ酸 1
9
2位)
は、末梢血白血球より精製した g
e
n
o
m
i
cDt
¥
Aを用い、 I
I
u
m
b
c
r
tらの方法により PCR-RFP
法にて解析し
た。インスリン抵抗性は、空腹時の血糖とインスリン{i貴から求めた HOM
l¥指数を指標とした。
遺伝了ーの遺伝子多型の分布は、 QQ
型2
8
名
、 QH
型1
1
6
名
、 RR
型9
3
名であった。血清PON
活
【結果】 PON1
型く QR
剤 くRR
型であり、また HDL
濃度と正相関を示した。血清PON
活性への HDL
濃度の影響
性は、 QQ
当たりの PO
I¥活性 (
PON
活性I
HDL
比)を用いた。 PON
活 性I
I
I
D
L比は IIOMA
指
を除くため、単位HDL
数と正の単相闘を示し、インスリン抵抗性と関連の深い BMI
、ウエストヒップ比とも庄相関を不し、年齢と
活 性I
HDL
比と HO
:
V
1
A
指数との関連は重回帰分析でも有意に認められ、
は負相闘を示した。 PON
I、ウヱストヒ
伝チ多型、年齢、性別、日 M
PON1
遺
y プ比とは独立していた。
活性に対する独立した影響因子である。
【結論】インスリン抵抗性は、血清PON
論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨
(PON) は3
5
5
個のアミノ酸よりなるエステラーゼで、 HDL
上のアポ A-lに結合して
はサリン、ソマンなどの有機リン系化合物を加水分解する作用が知られていた。
存在する。従来から、 PON
中の変性リン脂質の解毒にも作用しうること、 P
ONl遺伝子ノックアウトマウスでは動脈
最近、酸化LDL
バラオキソナーゼ
硬化が促進することから、本酵素と動脈硬化の関連が示されている。一方、インスリン抵抗性は動脈硬化
活性に及ぼす影響を検討し
を促進する病態として注目されている。本研究では、インスリン抵抗性がPON
3
7
名で、空腹時血糖 1
2
6
m
g
/
d
l
以上の糖尿病患者は対象より除外した。血清 PON
た。対象は、検診受診者2
活t
1はE
c
k
e
r
s
o
nらの方法を用い p
a
r
a
o
x
o
nを基質に測定したの
-265-
PON1
遺伝子多塑(アミノ駿 1
9
2位)ほ、
末梢血白血球より精製した g
cnomicD~A を尉い、 Humbert らの方法により PCR-RFP法にて解析した。
インスリン抵抗性は、空腹時のJtn糖とインスリン値から求めた日OMA
指数を指標とした。
PON1
遺伝子の遺伝子多型の分布は、 QQ
型2
8
名
、 QR
型1
1
6
名
、 RR
型9
3
名であった。血清 P
O
]
¥
'
活性は、
QQ
型 <QR
型くRR
型であり、また HDL
濃度と正相関を示した。血清PON
活性へのJlDL
濃度の影響を除く
ため、単位HDL当たりの PON
活性 (PON
活性/HDL
比)を用いた。 PON活性 IHDL比は HOMA指数と i
E
の単相関を示し、インスリン抵抗性と関連の深い BMI
、ウエストヒップ比とも正の相関関係を示し、年齢と
は負の相関関係を示した。 PON
活性/HDL
比と HOMA
指数における関連性は重岡帰分析でも角ー意に認めら
れ、この関連性は PONl遺伝子多型、年令、性別、 BMI
、ウエストヒップ比とは独立していた。以上の結
果からインスリン抵抗性は、血清PON
活性に対する独立した影響困子であるといえた。
以上の研究成果は、臨床代謝学、動脈硬化病態研究に貢献するものであり、医学博士の学位を授与され
るに値するものと判定された。
-266-