2014 年建築弾塑性学(Elastic and Plastic Behaviors of Structural Materials) 東京工業大学総合理工学研究科環境理工学創造専攻 建築弾塑性学(Elastic and Plastic Behaviors of Structural Materials) 2014.6.13 河野 提出期限:6月 21 日(金曜日)―――6月 13 日の授業内容から 1. シリンダー強度が 69MPa であるコンクリートを考える.応力-ひずみ関係は,無拘束時も拘束時も Popovics モデル(241 頁,表 2.4)で表せるものとする.ただし, m は 0.002,n は式(1)に変更する. n Ei Ei (1) Fcf cf ここで,Ei は初期弾性係数,Fcf は拘束等の影響を考慮したコンクリート強度, cf は Fcf に達したときの歪で ある.その他必要な定数は自分で決めてよいが,どういった値をどういった理由で使ったか述べること. ① Popovics モデルを用いて,無拘束コンクリートの応力度-歪関係をグラフに示せ.ただし,初期弾 性係数は,配布資料・表 2.5 の NewRC 式を用いる.(式中 600 は 60 の誤りです.) ② 図1の梁コア内の拘束コンクリートの応力度-歪関係を求めよ.ただし,拘束による強度上昇,強 度時歪は崎野モデル(配布資料・表 2.7)を用い,Popovics モデルと組み合わせて計算を行う.計 算結果を①で求めた無拘束コンクリートの応力歪曲線と重ねて示せ.ただし,Eiは拘束後の強度 から計算し,式(1)に代入してnを求めよ.(Fcf を求める式中の Pb は、せん断補強筋の体積比で す。) ③ ①および②で求めたグラフから,初期弾性係数・ピーク時の応力と歪・ピーク後の下り曲線等の性 状が拘束によってどのように異なるか説明せよ. 提出期限:6月 28 日(金曜日)―――6月 21 日の授業内容から 2. この梁のモーメント-曲率関係を,平面保持・完全付着を仮定した断面解析を用いて予測する.PC 緊張 材は計算で無視し,代わりに軸力が作用していると仮定して下さい.鉄筋の応力-歪関係は完全弾塑性と 仮定し,鉄筋の実降伏強度を計算に用いる.コンクリートは,問1①②の応力-ひずみ関係を計算に用い る.ただし,Acはかぶりを除外した柱コア部の全断面積である. ここで,曲げ変形時の終局限界歪 cu は横補強筋体積比 s ,横補強筋降伏強度 f yh ,横補強筋の引張 強度時歪 sm 0.1 ,拘束により上昇したコンクリート強度 f cf を用いて式(2)で表される. cu 0.004 ① ② ③ 1.4 s f yh sm (2) f cf 拘束を考慮する場合と考慮しない場合のコンクリートの応力-歪関係を用いて,軸力が作用する 場合について,モーメント-曲率関係を求め,同じグラフ上に図示せよ.また,式(2)を考慮して曲 げ限界終局点をグラフ上に示せ.ただし,拘束している場合はかぶり部分を除外し,コアコンクリ ートの部分のみを対象として計算せよ.2 つのグラフの違いについて,理由を考察せよ. ①および②において,終局曲げモーメント時の危険断面におけるコンクリートの応力分布を 1 つ のグラフ内に図示せよ.どのような違いがあるか,その違いはなぜ生じたかを説明せよ. ①の結果を,せん断力-層間変形角関係に変換してグラフに示せ.変換の手順を図や式を用い て説明せよ. ひび割れは,曲げ強度 fr を f r 0.56 降伏は,最外縁引張鉄筋で判断せよ. 変形角(%)は,簡便的に曲率に塑性ヒンジ長さ(全柱せい)を乗じて求めよ. f 'c ( N / mm 2 ) として求めよ. レポートは,問題に直接回答する部分と回答を裏付けるデータ(エクセルの表など)に分けて作成せよ. 1 2014 年建築弾塑性学(Elastic and Plastic Behaviors of Structural Materials) スタブ固定用PC鋼棒貫通孔φ65 スタブ筋 D25(SD345) ※リード線およびインサートは、反対側 の梁側面のみ(片側)となります。 ※ただし、この位置のインサートのみ 梁の両側となります。 インサート M8 鉄筋D19(SD345) 1140 リード線 φ25 シース管♯1050 (全長) せん断補強筋 D10(SD295A)@100 インサート M24 1800 520 120 鉄筋4-D19(SD345) 77.5 172.5 1700 172.5 77.5 インサート M8 50 220 PC鋼棒 φ26C種1号 スリーブ管 VP40以上 スリーブ管 VP20 1400 1800 520 270 115 50 150 115 600 150 500 50 125 150 材料情報 コンクリート:(圧縮強度 69MPa) 主筋:(降伏強度 386MPa) 上部:4-D19 下部:4-D19 せん断補強筋:(387MPa) 4-D10@100 125 50 プレストレス力 合計で 2020kN 500 図 1 プレストレスト力を導入した鉄筋コンクリート梁(上段は立面,中段は平面,下段は危険断面) 2 2014 年建築弾塑性学(Elastic and Plastic Behaviors of Structural Materials) 表 1 RC 梁断面の曲げ解析例 コンクリート部材の曲げ解析 定数の設定 断面の高さ 断面の幅 コンクリート強度 主筋降伏強度 主筋断面積 主筋弾性係数 コンクリートの切断層数 Popovics Power Peak Strain D b fc fy As Es Nlayer PopN Strain_M 500 300 30 350 506.7 200000 6 2.713 0.002 計算開始 圧縮縁歪 中立軸深さ 要素番号 n コンクリート要素 鉄筋要素 ㎜ ㎜ MPa MPa ㎜2 MPa 1 2 3 4 5 6 1 2 断面位置(㎜) Yi 208 125 42 -42 -125 -208 200 -200 0.0005 200.00 0.0005 125.88 0.000396 0.000188 -0.000021 -0.000229 -0.000438 -0.000646 0.000375 -0.000625 歪 strain_i 0.000335 0.000004 -0.000327 -0.000658 -0.000989 -0.001320 0.000301 -0.001287 歪 strain_i 応力 (MPa) stress_i コンクリート要素 鉄筋要素 1 2 3 4 5 6 1 2 断面積(㎜2) Ai 25000 25000 25000 25000 25000 25000 1013.4 1013.4 9.34 4.45 0.00 0.00 0.00 0.00 75.00 -125.00 応力 (MPa) stress_i 7.91 0.08 0.00 0.00 0.00 0.00 60.28 -257.48 233.4 111.3 0.0 0.0 0.0 0.0 76.0 -126.7 294.0 軸力 (kN) Ni 197.8 2.1 0.0 0.0 0.0 0.0 61.1 -260.9 0.0 軸力 (kN) Ni 軸力合計(kN) Yi Moment (kN m) 208 125 42 -42 -125 -208 200 -200 Moment 合計(kN 曲率*D 48.6 13.9 0.0 0.0 0.0 0.0 15.2 25.3 103.1 0.00125 Moment (kN m 41.2 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 12.2 52.2 105.9 0.00199 ここでは,軸力の設定がなされていません.軸力を考慮して課題を解いてください. 3 2014 年建築弾塑性学(Elastic and Plastic Behaviors of Structural Materials) 片持ち梁における部材角の計算方法 変形角は,曲げ成分とせん断成分に分離可能 Ru Ruf Rus (1) 曲げ成分は,弾性成分と塑性成分に分離して考える. Ruf (%) e e p H (2) 100 QH 3 3EI (3) p p L p H Lp 2 (4) せん断成分は,ひとまず弾性として計算する. Rs Q GA (5) 水平変位δ 水平荷重 Q 高さ H 塑性ヒンジ長さ Lp 弾性曲率 Φe 塑性曲率 Φp 図1 片持ち梁の終局時における曲率分布 4
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