特集:財務報告書の設定と出力

特集:財務報告書の設定と出力
今 月 は 、 S u n Sy s t em s か ら 、 貸 借 対 照 表 ( BS ) や 損 益 計 算 書 ( P L ) な ど の 帳 票 を
出力するための設定方法を特集いたします。
1.ユ ー ザ ー 定 義 帳 票
S u n Sy s t em s で は 、 勘 定 科 目 や 分 析 コ ー ド な ど の マ ス タ ー を ユ ー ザ ー 側 で 自 由 に
設定できるため、これに対応して、帳票もユーザーが自由に設計することができる
ようになっています。このようにユーザーが設定を行う帳票をユーザー定義帳票と
呼んでいます。
ユーザー定義帳票の特徴は、ユーザー自身の手で、必要な表示項目をきめ細かく
設定できるところにあります。もちろん、一度帳票の設定を行ってしまえば、
帳票を印刷する度に毎回設定を行う必要はありません。
一 方 で 、 最 近 お 客 様 か ら 、「 前 担 当 者 が 作 成 し た 帳 票 な の で 、 よ く わ か ら な い 」、
「 担 当 が 変 わ っ た の で 、 新 規 に 帳 票 を 作 り た い が 、 設 定 の 概 要 を 知 り た い 」、「 以 前
に 習 っ た け れ ど 忘 れ て し ま っ た 」、「 科 目 を 追 加 し た ら B S が あ わ な く な っ た 」 等 の
お問い合わせをいただいております。
そ こ で 、「 ち ょ っ と ヒ ン ト が あ れ ば 」 と 思 っ て お ら れ る 方 々 に 、『 こ ん な 帳 票 を 作 る
には』&『帳票がうまく出ないときはここを調べる』方法をご紹介いたします。
2.こ ん な 帳 票 を 作 る に は
ここでは、損益計算書の作成をサンプルとしてご説明します。損益計算書を作成
すると、経費一覧・売上形態別一覧・部門別損益計算書等に発展応用することが
出来ます。
●サンプル:損益計算書
2- 1.基 本
こ の 帳 票 を 作 る た め に は 、コ ラ ム を[ S L ]財 務 報 告 書 設 計( S t at em en t L a y ou t s )、
で 設 計 し 、 行 を [ L C ] 財 務 報 告 書 行 内 容 設 計 ( S t a t em en t L i n e C on t en t s )
で設計します。
1
2- 2.[ SL ] 財 務 報 告 書 設 計 ( Statem en t L ay ou ts )
各設定項目の要約を説明します。
● サ ン プ ル :[ S L ] 財 務 報 告 書 設 計 ( S ta t em en t L a you t s )
④
①
②
⑤
③
⑦
⑥
⑧
①設計コード
<PL
>
こ れ は 、 印 刷 を 実 行 ([ F S ] 財 務 報 告 書 ( F i n a c i a l S t a t em e n t s )) す る と き に
指 定 す る コ ー ド な の で 自 由 に 決 め て 下 さ い 。( S L の 名 前 )
1 行 目 <損 益 計 算 書
>
2 行 目 <==============
>
帳票のここの部分にそのまま表示されます。サンプルは2行目が点線になって
いますが文字を入力してもOKです。
②報告書名
2
コラム A
コラム B
コラム C
コラム D
③コラムコード
これは、元帳の金額をどの列に、いつの会計期で集計するかを指定します。
(横項目一覧表参照)
コラム A <
>
後 の 設 定 で 、「 コ ー ド 出 力 」 に Y を 設 定 し た 場 合 、 空 白 と し て お き ま す 。
勘定科目コードを集計して表示する場合には、コードは出力されません。
コ ラ ム B <PA >
コ ラ ム C <Y A >
コ ラ ム D <Y R >
●横項目一覧表(コラムコード)
項目名
当月 四・半期
実績
PA
QA
予算
PB
QB
実績・予算差異
PC
QC
実績・予算差異率(C/B)
PD
QD
前年実績
PE
QE
当年・前年実績差異
PF
QF
当年・前年実績差異率
PG
QG
前年実績
PH
QH
当月・前年実績差異
PI
QI
当月・前年実績差異率
PJ
QJ
当年年間累計
--
--
当月年間累計予算
--
--
借方実績
PM
--
貸方実績
PN
--
構成比
PR
QR
期首
--
--
累計
残高
予測
月別
YA
BA
FA
SA
YB
BB
FB
SB
YC
BC
--
--
YD
BD
--
--
YE
BE
--
--
YF
BF
--
--
YG
BG
--
--
YH
BH
--
--
--
BI
--
--
--
BJ
--
--
YK
BK(期末) --
--
YL
BL(期末) --
--
YM
--
--
--
YN
--
--
--
YR
BR
--
--
--
BS
--
--
四半期の他半期等、期間指定可
④比率基準勘定科目
こ れ は 、 上 記 コ ー ド の 設 定 で 、 コ ラ ム コ ー ド に P R 、 QR 、 Y R 、 BR の い ず れ か
の 構 成 比 を 設 定 し た 場 合 に 、「 勘 定 科 目 何 番 か ら 何 番 ま で の 金 額 の 合 計 を
100% と し て 他 の 構 成 比 率 を 計 算 す る か 」 を 設 定 し ま す 。
サ ン プ ル で は 、 売 上 の 勘 定 科 目 コ ー ド の 範 囲 を 始 め <220> 終 り <249>に
設 定 し て い ま す 。そ の た め 、サ ン プ ル 帳 票 の「 損 益 計 算 書 」の < 売 上 高 計 >
の 累 計 構 成 比 %を 見 て み る と 100% に な っ て い る こ と が わ か り ま す 。
⑤ 行 内 容 コ ー ド <PL
>
設 計 コ ー ド で S L の 名 前 を 付 け た よ う に 、「 行 の 設 定 」( L C) に も 名 前 を 付 け
ま す 。 こ れ も 任 意 に 付 け る こ と が 可 能 で す が 、[ L C] 財 務 報 告 書 行 内 容 設 計
( S t a t em en t L i n e C on t en t s ) の 「 行 内 容 コ ー ド 」( 次 ペ ー ジ ) と 同 一 に
しなければなりません。
3
⑥金額表示形式
表示する金額の位を指定します。基本通貨が円で、小数点以下なしで表示する
場合には、空白、D,Iのどれを指定しても同じです。千単位の場合にはT、
百 万 単 位 の 場 合 に は M を 設 定 し ま す 。( 省 略 桁 は 四 捨 五 入 と な り ま す )
⑦ ワ イ ド コ ラ ム < Y>
金額表示の桁数(コラムの幅)を指定します。
Yは15桁、空白の場合には9桁の幅で印刷します。この桁数は千単位区切り
のカンマを除いた桁数です。
⑧ 仮 帳 簿 取 引 含 む <Y>
仮帳簿を使用している場合には、Yと設定しないと本転記分のみで帳票を作成
してしまいます。
2- 3. [ L C ] 財 務 報 告 書 行 内 容 設 計 ( S t a tem en t L i n e C on t e n t s )
サンプル帳票の行を設定するための要約をご説明します。
行の設定は1行一画面で設定していきますが、以下の5行を覚えれば後は同様
に行を設定していくことにより帳票を作成することができます。
ま た 、 こ の 行 設 定 を 行 う ポ イ ン ト と し て は 、 必 ず S u n Sy s t e m s に 向 か う 前 に
下書きを行っておくことです。この下書きがないと必ず失敗しますので、必ず
作成してください。
●サンプル:行内容設計
①
②
③
①行内容コード
4 ペ ー ジ の 2 - 2 . [ S L ] 財 務 報 告 書 設 計 ( S t a t em en t L ay ou t s ) の 「 設 計
コ ー ド 」 で 、 S L の 名 前 を 付 け た よ う に [ L C] 財 務 報 告 書 行 内 容 設 計
( S t a t em en t L i n e C on t en t s ) に も 名 前 を 付 け ま す 。
こ の コ ー ド は [ S L ] 財 務 報 告 書 設 計 ( S t a t em en t L ayou t s ) の 「 行 内 容
コード」と同一にしなければなりません。
②行番号
印 刷 を 実 行 す る 順 番 を 指 定 し ま す 。番 号 の 小 さ い 順 に 印 刷 し ま す が 、サ ン プ ル
のように百番おき等に設定しないと、後で行を挿入することができません。
4
③行タイプ
下記のなからこの行のタイプを指定します。
H=表題:見出し(摘要)を設定するための行タイプです。
サンプルでは、売上高:に使用されています。これは表題なので、行内容
コード、行番号、行タイプ、行名のみを設定します。
もし空白行を設定する場合には、行タイプをHとして行名を空白で設定する
ことにより設定可能です。
L=金額表示:明細行の金額を表示するための行タイプです。
金額表示のタイプには、2種類の使用方法があります。
1 )「 通 常 売 上 高 集 計 」「 売 上 戻 し 」 の 行 で 使 用 し て い る パ タ ー ン
このパターンは勘定科目コードの範囲を指定して「行名」で指定した名前で
集 計 す る パ タ ー ン で す 。 こ の 設 定 の ポ イ ン ト は 、「 行 名 」「 勘 定 科 目 コ ー ド 始
め 終 り 」 を 指 定 し て 「 勘 定 科 目 明 細 」( ② 参 照 ) を 空 白 に す る と こ ろ で す 。
2 )「 そ の 他 売 上 」 の 行 で 使 用 し て い る パ タ ー ン
このパターンは勘定科目コードの範囲(コードが1つの場合には始めのみ)
を 指 定 し て 、[ C A ] 勘 定 科 目 表 ( Ch a r t of A c c ou n t s ) で 設 定 し た 勘 定 科 目
名 を そ の ま ま 表 示 す る パ タ ー ン で す 。こ の 設 定 の ポ イ ン ト は 、
「 行 名 」に ”- ”
を 入 力 し 、「 勘 定 科 目 コ ー ド 始 め 終 り 」 を 指 定 し て 「 勘 定 科 目 明 細 」 を Y に
するところです。
こ の「 勘 定 科 目 明 細 」の 設 定 が 、
「 行 名 」を 表 示 す る か[ CA ]勘 定 科 目 表( Ch a r t
of A c c ou n t s ) で 設 定 し た 勘 定 科 目 名 を 表 示 す る か を 制 御 し て い ま す 。
T1~ T7 =合 計 : 小 計 ~ 総 合 計 を 出 力 す る た め の 行 タ イ プ で す 。
T1 が 総 合 計 、 T7 が 小 計 で 7 段 階 の 合 計 が 計 算 表 示 で き ま す 。
トータルをとる場合、前にもご説明しましたが、下書き上で、総合計から割り
当てていくとわかりやすく設定もしやすくなります。
損 益 計 算 書 の 総 合 計 は 、「 当 期 利 益 」 で す の で 、 そ こ か ら 割 り 振 っ て い き ま す 。
5
1 ) 下 記 の よ う な 下 書 き が あ っ た 場 合 、 総 合 計 は 、【 当 期 利 益 】( 行 タ イ プ T 1 ) に
すべての行タイプLの金額を合計します。
2) 次 に 【 税 引 前 当 期 利 益 】 は 法 人 税 を 除 い た す べ て の 行 タ イ プ L の 金 額 を
合計します。
3 )【 営 業 利 益 】 は 、 営 業 外 収 益 ( 費 用 )、 法 人 税 を 除 い て す べ て の 行 タ イ プ L の 金 額
を合計します。
4 )【 売 上 総 利 益 】 は 販 売 費 ・ 一 般 管 理 費 、 営 業 外 収 益 ( 費 用 )、 法 人 税 を 除 い て す べ
ての行タイプLの金額を合計します。
5 ) そ の ほ か は 、 各 【 売 上 高 合 計 】、【 販 売 費 ・ 一 般 管 理 費 合 計 】、【 営 業 外 収 益 ( 費 用 )
合 計 】、【 法 人 税 等 合 計 】 と い っ た 小 計 を 設 定 し ま す 。
こ の 番 号 が そ の ま ま 合 計 の レ ベ ル ( T1 か ら T7) と な り ま す 。
1) 2) 3) 4) 5)
行内容
行
行
行名
勘 定 科 目 コード
貸
勘
コード
番号
タイプ
初め
借
詳細
PL
1000
H
売上高:
PL
1200
L
通常売上高集計
220
245
C
PL
1300
L
-
246
247
C
PL
1400
L
売上戻し
248
249
C
PL
1500
T5
【売上高合計】
PL
1600
H
売上原価:
PL
1700
L
-
PL
1800
T5
【売上原価合計】
D
PL
1900
T4
【売上総利益】
C
PL
2000
H
PL
2100
H
販売費・一般管理費
PL
2200
L
-
PL
2300
T5
【販売費・一般管理費合計】
D
PL
2400
T3
【営業利益】
C
PL
2500
H
PL
2600
H
営業外収益(費用)
PL
2700
L
-
PL
2800
T5
【営業外収益(費用)合計】
C
PL
2900
T2
【税引前当期利益】
C
PL
3000
H
PL
3100
H
法人税等:
PL
3200
L
-
PL
3300
T5
【法人税等合計】
D
PL
3400
T1
【当期利益】
C
終り
定
Y
C
250
400
500
700
299
499
699
799
D
D
C
D
Y
Y
Y
Y
6
3.う ま く 出 な い と き は こ こ を 調 べ る
2 . で S L 、 LC の 仕 組 み が わ か っ た と こ ろ で 、 う ま く で な か っ た と き に こ こ を 調 べ れ
ばわかるポイントをご説明いたします。
帳 票 が 正 し く で な い 場 合 、 そ の 多 く が 、[ LC] 財 務 報 告 書 行 内 容 設 計 ( S t a t em en t
L i n e C on t en t s ) に 勘 定 科 目 の 設 定 が 漏 れ て い た り 、 ダ ブ っ て い た り 、 合 計 行 の
レベル設定が間違えていることがほとんどです。
こ れ を 発 見 す る に は 、 印 刷 さ れ た 帳 票 の 、 ど の 行 が 間 違 っ て い る か を 調 査 し 、( T B
を印刷したり、総勘定元帳を印刷したりして)金額の間違っている行を把握して
から下記の作業に入ります。
1 ) 印 刷 ([ F S ] 財 務 報 告 書 ( F i n a c i a l S t a t em en t s )) を 実 行 し た と き の 設 計
コ ー ド ( L ayou t s Co d es )( S L の 名 前 ) を メ モ す る 。 こ の と き 大 文 字 小 文 字 の
区別に注意。
2)
[ S L ]財 務 報 告 書 設 計( S t a t em en t L a you t s )を 開 い て 、E = 調 査( E x a m i n e )
を 選 択 し 、 1 ) で メ モ し た 設 計 コ ー ド ( L a you t s C od es ) を 入 力 す る 。
このとき大文字小文字の区別に注意。
3 ) 同 一 画 面 内 の 行 内 容 コ ー ド ( L i n e C on t en t s C od e ) 欄 に 設 定 し て あ る コ ー ド を
メモする。このとき大文字小文字の区別に注意。
4 )[ LC ] 財 務 報 告 書 行 内 容 設 計 ( S t a t em en t L i n e Con t en t s ) を 開 い て 、 F 5
キーを押す。
5 )3 )で メ モ し た 行 内 容 コ ー ド( L i n e Co n t en t s Cod e )が 一 番 右 端 に 現 れ る ま で 、
「 Pa g e Up 」 キ ィ を 押 す か 、 検 索 ボ タ ン を 押 し て 、 直 接 3 ) で メ モ し た 行 内 容
コ ー ド ( L i n e Con t e n t s Cod e ) を 入 力 す る 。
6 ) 該 当 の 行 を 発 見 し た ら 、 行 内 容 コ ー ド ( L i n e Con t en t s Co d e ) の 右 横 に 表 示
されている行番号をメモします。
7) 照 会 画 面 を O K ボ タ ン で 終 了 さ せ 、 選 択 ( Action) か ら 、 A = 修 正 ( Amend)
を 選 択 し 、 3 ) の 行 内 容 コ ー ド ( L i n e Con t en t s Cod e ) を 入 力 し て 6 ) の 行 番 号
を選択すると、その行の設定が表示されますので、勘定科目の範囲又は合計行の
レベルを修正します。
以上
7