BofAメリルリンチファンドマネジャー調査

本稿は、バンク・オブ・アメリカが 2014 年 10 月 14 日に発表した英文プレスリリースを翻訳したものです。
英文の原文と翻訳内容に齟齬がある場合には原文が優先します。なお、英文プレスリリースは、バンク・オブ・アメリカの
ニュースルーム http://newsroom.bankofamerica.com でご覧いただけます。
日本に関連する調査結果については、弊社日本チーフ株式ストラテジスト 神山直樹のレポートを併せてご参照ください。
平成 26 年 10 月 15 日
報道関係者お問い合わせ先:
メリルリンチ日本証券 広報部
03 6225 7550
BofAメリルリンチファンドマネジャー調査:
米国の量的緩和終了が迫る中、金融政策への懸念が広がる
警戒感からリスク選好度が低下
[ニューヨーク/ロンドン、2014年10月14日] ‐ バンクオブアメリカ・メリルリンチが発表した10月のフ
ァンドマネジャー調査によれば、迫りつつある米国の量的緩和(QE)終了を巡って広がる懸念を背
景に世界経済や企業収益の見通しに対する投資家の確信が大きく弱まっています。
世界経済は今後12ヵ月間で「強まる」と予想している回答者は差し引き32%にとどまり、9月と比べ
て20%ポイント以上の大幅な減少となりました。これは2年ぶりの低い値です。こうした中、インフレ
と企業収益の見通しは低迷しています。世界のインフレ率と成長率はいずれもトレンドを下回るとい
う最近のコンセンサスは一段と強まり、同調する回答者は10月調査では77%に達しました。
こうしたセンチメントの変調の根底には金融政策があります。金融政策は過度に景気刺激型とみる
ファンドマネジャーは差し引き18%と14%ポイント減少し、直後に米国が前回のQEを開始した2012
年8月以来の低水準となりました。新興国リスクとともに金融政策リスクを意識する投資家が増えま
した。
こうした状況を受け、投資家はより高リスクのエクスポージャーの縮小に動いています。平均キャッ
シュ比率が4.9%に上昇する一方、投資スパンが短縮化し、株式を「 オーバーウエート」とする回答
者が急減しました(前月比で差し引き13%ポイントの減少)。一方で、コモディティの「アンダーウエ
ート」が増加し、エネルギーや素材など、コモディティの動きに敏感なセクターの配分が大きく修正さ
れ、差し引きで「アンダーウエート」となりました。
回答者の間では新興国株と欧州株への買い意欲が衰えており、足元のポジションと今後12ヵ月間
の方針はともにネガティブまたは中立に転じました。その一方で、米国市場への確信は回復し、ま
た、日本を選好する動きが強まっています。
BofAメリルリンチ・グローバルリサーチのチーフ・ストラテジスト、Michael Hartnettは、「キャッシュ
比率が高まっているが、投資家は市場から逃げ出しているわけではなく、ベンチマーク・ポジション
に避難している。」と述べています。欧州株/クオンツ・ストラテジスト、Manish Kabraは次のように述
べています。「ECBへの『期待相場』が一巡し、欧州株のパフォーマンスはファンダメンタルズを反
映したものに回帰しつつある。弊社は慎重な見方を崩しておらず、利回りの高いディフェンシブ銘柄
を引き続き選好している。景気敏感株の上昇は、あったとしても、一時的なものにとどまるだろう。」
欧州株への投資熱は下火に
欧州中央銀行(ECB)の10月初旬の記者会見後、回答者は欧州の金融政策への確信を持てない
でいます。ECBはQEを実施しないと予想するグローバル調査回答者は26%と、前月の19%から増
加しました。
欧州の景気見通しは著しく弱まりました。欧州経済が今後1年間で「強まる」と予想する地域ファンド
マネジャーは差し引き16%にとどまりました。前月は差し引き45%でした。
こうした変化は企業収益の見通しに大きな影響を与えています。欧州企業の二桁増益はないとみ
る回答者は差し引き52%と、30%ポイント近く悪化しました。また、これより更に多いファンドマネジ
ャーが欧州企業のEPS予想は高過ぎると判断しています。
こうした中、欧州株のポジショニングが後退しています。欧州を「オーバーウエート」とするグローバ
ル投資家はわずか差し引き4%と、前月から14%ポイント減少しました。
さらに、今後12ヵ月間に最も「オーバーウエート」にしたい株式市場に欧州を挙げる投資家も減少し
ており、欧州株に対してこのようにポジティブな見方を維持している投資家は差し引き3%にとどまり
ました。
一方で、日本の人気が高まる
対照的に、日本株のエクスポージャーを取る意欲は一段と強まっています。差し引き14%の資産配
分担当者は今後1年間に日本株を最も「オーバーウエート」したいと回答しました。これは他のどの
主要株式市場と比べても約10%ポイント高い値です。
他の地域とは対照的に、日本のファンドマネジャーのインフレ見通しは上昇傾向にあります。差し引
き46%が消費者物価は今後1年間で上昇すると予想しており、前月の差し引き18%から増加しまし
た。
円に対するネガティブな見方の強まりがこうした判断の一因となっています。今月の調査では、グロ
ーバル・ファンドマネジャーはユーロと同様に日本円に対して弱気なことが分かり、両通貨への見
方に20%ポイント以上の差があった前月からは様変わりとなりました。
財政および金融政策への懸念が強まる
金融政策への見方に陰りが出てきただけでなく、回答者は財政政策についても懸念しています。差
し引き19%のグローバル・ファンドマネジャーが財政政策は過度に緊縮型と判断しています。
こうした見方は2ヵ月間で12%ポイント増加し、1年余ぶりの高い値となりました。
BofA メリルリンチファンドマネジャー調査
10 月調査は 10 月 3 日から 9 日までの期間に実施されました。全体で 220 人の機関投
資家が参加し、これらの機関投資家の運用資産総額は 6,400 億ドルに達します。その中
でグローバルな質問に回答した機関投資家は 176 人で、運用資産総額は 5,080 億ドル。
特定地域の質問に回答した機関投資家は 103 人、その運用資産総額は 2,640 億ドルで
した。調査は BofA メリルリンチ・リサーチが市場調査会社の TNS の協力の下に実施しま
した。TNS は 50 ヵ国以上を網羅する自社の国際ネットワークを通じ、80 ヵ国以上で国内・
国際組織にマーケット情報を提供している世界第 4 位のマーケット情報グループです。
BofA メリルリンチ・グローバルリサーチ
BofA メリルリンチ・グローバルリサーチは世界の 3,500 銘柄を超える株式と約 1,180 銘柄
超のクレジットを調査対象とし、多くの機関によるランキングで上位に選出されています。
直近では、インスティテューショナル・インベスター誌の 2013 年世界の調査部門第 1 位、
2014 年 All-Europe 調査第 1 位、2014 年 All-Asia 調査第 1 位(4 年連続)、2014 年欧
州・中東アジア新興国調査で第 1 位、2014 年の All-America 調査で第 2 位、2013 年の
All-China 調査で第 2 位に選ばれました。また、同誌の 2014 年 All-Europe Fixed
Income 調査で第 2 位、さらに 2014 年の All-America Fixed Income 調査で 3 年連続の
第 2 位となりました。
バンク・オブ・アメリカについて
バンク・オブ・アメリカは世界最大の金融機関の一つであり、個人、中小企業、機関投資家、
大企業及び政府を顧客とし、銀行業務、投資業務、資産運用業務、その他の財務管理及
びリスク管理のための商品やサービスを幅広く提供しています。約 5,000 店のリテール銀
行支店、約 16,000 台の ATM、また現在 3,000 万人のユーザーが利用し、受賞歴もある
オンライン・バンキング、1,500 万人以上が利用するモバイル・バンキングを通じ、約 4,900
万の個人や小規模企業の顧客と取引を行っています。バンク・オブ・アメリカは世界有数の
ウェルス・マネジメント会社であるとともに、企業金融、投資銀行、広範な資産クラスにわた
るトレーディングにおいても世界的なリーダーであり、世界中の企業、政府、機関、個人な
どにサービスを提供しています。同社は、革新的でありながら利用しやすいオンラインの商
品やサービスにより、約 300 万人の小規模事業主の顧客に対して業界有数のサポートを
提供しています。バンク・オブ・アメリカは 40 カ国以上で顧客事業を展開しています。バン
ク・オブ・アメリカ・コーポレーションの株式(取引略号:BAC)はニューヨーク証券取引所に
上場されています。
バンクオブアメリカ・メリルリンチは、バンク・オブ・アメリカ・コーポレーションがグローバル・
バンキング及びグローバル・マーケッツ事業を行うための営業上のブランド・ネームです。
貸出、デリバティブなどの商業銀行活動は、バンク・オブ・アメリカ・コーポレーションのバン
キング関連会社が実施しています。これには、FDIC 加盟銀行のバンク・オブ・アメリカ・エ
ヌ・エイが含まれます。証券、財務アドバイザリーなどの投資銀行活動は、バンク・オブ・ア
メリカ・コーポレーションの投資銀行関連会社(投資銀行関連会社)が実施しています。こ
れには、メリルリンチ・ピアース・フェナー・アンド・スミス・インコーポレーテッドが含まれ、こ
れらは FINRA(米国金融取引業規制機構)及び SIPC(米国証券投資者保護公社)加盟の
登録ブローカーディーラーです。投資銀行関連会社が提供する投資商品は FDIC の保険
対象ではなく、損失が生じることがあり、銀行による保証はありません。
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