「イチジカン-耐火パック」 品番選定資料

FT 技-第 21383C 号
2014 年 2 月 11 日
建築配管貫通部防火措置製品
「イチジカン-耐火パック」
品番選定資料
古河電気工業株式会社
株式会社古河テクノマテリアル
イチジカン-耐火パック 品番選定資料
FT 技-第 21383C 号
1. はじめに
建築配管貫通部防火措置製品「イチジカン-耐火パック」は、断熱被覆金属管・各種樹脂管(被
覆付きを含む)・合成樹脂製可とう電線管が、壁・床を貫通する際の防火措置に使用します。
「イチジカン-耐火パック」は、開口内にパック状の充てん材を詰める製品です。したがって、開
口サイズに対して貫通する配管の量が多すぎたり少なすぎたりすると、充てん材が詰められなくな
ったり、充てん材と配管・開口との間に必要以上の隙間を生じてしまったりする恐れがあります。
本資料をよくお読みになり、適切な品番を選定して施工してください。
2. 品番の選定方法(配管サイズをもとに計算する場合)
品番の選定には、貫通する全ての配管サイズが必要になります。あらかじめ施工する箇所の配
管サイズ(出来るだけ実際に貫通する配管の外径を測定してください)を確認しておいてください。
【適用品番選定方法】
(1) 施工箇所の全ての配管サイズを確認する。
以下、①外径 37mm(断熱被覆銅管外径 19.05mm(被覆厚 10mm))の配管と、
②外径 34mm(断熱被覆銅管外径 12.7mm(被覆厚 10mm))の配管が同時に貫通する場合を例示します。
(2) 各々の配管の断面積を計算し、その合計値を算出する。
(1)の①・②の配管断面積の合計 → {(37÷2)2×3.1415}+{(34÷2)2×3.1415}=1,983mm2
(3) (2)の計算結果と「イチジカン-耐火パック」各品番の「収容可能面積」(下記表-1 参照)を比較
し、「収容可能面積」が(2)の結果を上回る最小の品番を選定する。
1,330mm2(PQ-50)<1,983mm2((2)の計算結果)<2,813mm2(PQ-75)<5,319mm2(PQ-100)
(4) 各々の配管サイズの合計値を算出する。
※配管が 3・4 本の場合は太い 2 本の合計値、5 本以上の場合は太い 3 本の合計値を算出する。
外径 37mm+外径 34mm=合計 71mm
(5) (4)の計算結果と「イチジカン-耐火パック」各品番の「有効措置径」(下記表-1 参照)を比較し、
「有効措置径」が(4)の結果を上回る最小の品番を選定する。
55mm(PQ-75)<71mm((4)の計算結果)<75mm(PQ-100)
(6) (3)と(5)の両方の条件を満たす最小の品番が適用品番となります。
(3)の結果→PQ-75、(5)の結果→PQ-100 より、適用品番は PQ-100
(注意)付随する電線・ケーブルを同時に貫通させる場合は、(1)~(3)の過程で各々の電線・ケーブ
ルの断面積も追加して計算してください。
表-1 イチジカン-耐火パック各品番の収容可能面積と有効措置径
品番
PQ- 50
適用開口径
開口面積
収容可能面積(mm2)
有効措置径
(mm)
(mm2)
(開口面積の 56%)
(mm)
55
2,375
2,375×0.56=
1,330
27
PQ- 75
80
5,024
5,024×0.56=
2,813
55
PQ-100
110
9,499
9,499×0.56=
5,319
75
PQ-125
135
14,307
14,307×0.56=
8,011
100
PQ-150
160
20,096
20,096×0.56= 11,253
125
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イチジカン-耐火パック 品番選定資料
FT 技-第 21383C 号
3. 品番の選定方法(品番選定表を使用する場合)
【断熱被覆金属管(銅管など)の品番選定表】
本表は配管の納まりや断熱材の公差を含めた目安です。
配管の納まりが有効措置径一杯の場合は、現場開口部の仕上り径をご確認下さい。
●PQ-75(開口径φ80)の場合に貫通可能な系統数
液管
銅管外径(mm)
2分
6.35
ガス管
3分
9.52
1(0)
4分
12.70
1(0)
3分
9.52
1(0)
●PQ-100(開口径φ110)の場合に貫通可能な系統数
銅管外径(mm)
ガス管
3分
9.52
2分
6.35
3(1)
4分
5分
6分
7分
1 インチ
1 インチ 1 分
1 インチ 2 分
1 インチ 3 分
1 インチ 4 分
1 インチ 5 分
1 インチ 6 分
12.70
15.88
19.05
22.22
25.40
28.58
31.75
34.92
38.10
41.28
44.45
2(1)
2(1)
2(1)
1(1)
1(1)
1(1)
1(0)
1(0)
1(0)
1(0)
1(0)
3分
9.52
4分
12.70
液管
5分
15.88
6分
19.05
7分
22.22
1 インチ
25.40
2(1)
2(1)
2(1)
1(1)
1(1)
1(1)
1(0)
1(0)
1(0)
-
-
1(1)
1(1)
1(0)
1(0)
1(0)
1(0)
1(0)
1(0)
-
-
1(1)
1(0)
1(0)
1(0)
1(0)
1(0)
1(0)
-
-
1(0)
1(0)
1(0)
1(0)
-
-
-
-
1(0)
1(0)
1(0)
-
-
-
-
1(0)
1(0)
-
-
-
-
注 1) 表中の各系統数は液管・ガス管とも保温材厚 10mm(2 分、3 分のみ 8mm)の場合を想定しています。
(( )内は液管 10mm、ガス管 20mm の保温材厚の場合を想定しています。))
2) 表中「―」印は適用外であることを示します。
3) 前記表は仕上り径※(ボイド管若しくはコアドリル使用時)に対して施工した場合の目安になります。
※仕上り径: 1 ページの表-1 に記載された「適用開口径」にあたります。
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●PQ-125(開口径φ135)の場合に貫通可能な系統数
ガス管
銅管外径(mm)
2分
6.35
3分
9.52
4分
12.70
液管
5分
15.88
3分
4分
5分
6分
7分
1 インチ
1 インチ 1 分
1 インチ 2 分
1 インチ 3 分
1 インチ 4 分
1 インチ 5 分
1 インチ 6 分
5(2)
4(2)
3(1)
3(1)
3(1)
2(1)
2(1)
2(1)
2(1)
1(1)
1(0)
1(0)
3(2)
3(1)
3(1)
2(1)
2(1)
2(1)
2(1)
2(1)
1(1)
1(0)
1(0)
2(1)
2(1)
2(1)
2(1)
2(1)
1(1)
1(1)
1(1)
1(0)
1(0)
2(1)
2(1)
2(1)
1(1)
1(1)
1(1)
1(1)
1(0)
1(0)
9.52
12.70
15.88
19.05
22.22
25.40
28.58
31.75
34.92
38.10
41.28
44.45
6分
19.05
7分
22.22
1 インチ
25.40
2(1)
1(1)
1(1)
1(1)
1(0)
1(0)
1(0)
1(0)
1(1)
1(1)
1(1)
1(0)
1(0)
1(0)
1(0)
1(1)
1(1)
1(0)
1(0)
1(0)
1(0)
6分
19.05
7分
22.22
1 インチ
25.40
3(2)
3(1)
2(1)
2(1)
2(1)
2(1)
2(1)
2(1)
2(1)
2(1)
2(1)
2(1)
2(1)
2(1)
1(1)
2(1)
2(1)
2(1)
2(1)
2(1)
1(1)
●PQ-150(開口径φ160)の場合に貫通可能な系統数
銅管外径(mm)
ガス管
3分
4分
5分
6分
7分
1 インチ
1 インチ 1 分
1 インチ 2 分
1 インチ 3 分
1 インチ 4 分
1 インチ 5 分
1 インチ 6 分
9.52
12.70
15.88
19.05
22.22
25.40
28.58
31.75
34.92
38.10
41.28
44.45
2分
6.35
8(3)
6(3)
6(2)
5(2)
4(2)
4(2)
4(2)
3(2)
2(1)
2(1)
2(1)
2(1)
3分
9.52
4分
12.70
液管
5分
15.88
6(3)
5(2)
4(2)
4(2)
4(2)
3(2)
3(2)
2(1)
2(1)
2(1)
2(1)
4(2)
4(2)
3(2)
3(2)
3(1)
3(1)
2(1)
2(1)
2(1)
2(1)
3(2)
3(2)
3(1)
3(1)
2(1)
2(1)
2(1)
2(1)
2(1)
注 1) 表中の各系統数は液管・ガス管とも保温材厚 10mm(2 分、3 分のみ 8mm)の場合を想定しています。
(( )内は液管 10mm、ガス管 20mm の保温材厚の場合を想定しています。))
2) 表中「―」印は適用外であることを示します。
3) 前記表は仕上り径※(ボイド管若しくはコアドリル使用時)に対して施工した場合の目安になります。
※仕上り径: 1 ページの表-1 に記載された「適用開口径」にあたります。
【合成樹脂製可とう電線管・給水給湯用さや管の品番選定表】
品番
呼び径
14
16
22
28
36
PF 管(( )内は CD 管・さや管)貫通可能本数
PQ-50
PQ-75
PQ-100
PQ-125
PQ-150
1(2)
5(8)
8(10)
17(21)
24(33)
1(1)
4(6)
7(9)
14(18)
21(29)
1(1)
3(3)
5(6)
8(9)
11(15)
-
1(1)
4(4)
7(7)
8(9)
-
1(1)
1(1)
3(4)
6(7)
注) 異なるサイズの配管を 1 開口に混在させて貫通する場合や、上表に無いサイズの配管を貫通する場合は、
1 ページの「2. 品番の選定方法(配管サイズをもとに計算する場合)をご参照ください。
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【各種樹脂管(1 開口に 1 本のみ貫通する場合)の品番選定表】
用途
配管の種類
適用最大
配管サイズ
各品番(開口径)と適合する配管の呼び径
空調
PQ-50
(φ55)
PQ-75
(φ80)
PQ-100
(φ110)
PQ-125
(φ135)
PQ-150
(φ160)
外径 76mm
20 以下
25・30
40・50
-
※1
-
※1
架橋ポリエチレン管
外径 114mm
25 以下
30・40
50
65・75
75・100
ポリエチレン管
外径 114mm
25 以下
30・40
50
65・75
75・100
ポリブテン管
外径 89mm
25 以下
30・40
50
65・75
-
※2
ポリプロピレン管及びガラス繊維
強化ポリプロピレン管(GRP 管)
外径 114mm
-
40
50
65・75
75・100
硬質塩化ビニル管
(VP、HIVP、VU)
外径 114mm
25 以下
30・40
50
65・75
75・100
耐熱性硬質塩化ビニル管(HT)
外径 114mm
25 以下
30・40
50
65・75
75・100
建物排水用リサイクル発泡三層
硬質塩化ビニル管(RF-VP)
外径 114mm
-
40
50
65・75
75・100
二層硬質塩化ビニル管
(日本管材センター㈱殿「スリーレスパイプ」等)
外径 114mm
-
40
50
65・75
75・100
合成樹脂製可とう電線管
(PF 管)※2)
外径 116.5mm
外径 27mm
以下
外径 55mm
以下
外径 75mm
以下
外径 100mm
以下
外径 116.5mm
以下
硬質塩化ビニル電線管
(VE、HIVE)※2)
外径 89mm
22 以下
28・36
42・54
70
82
結露防止層付硬質塩化ビニル管
(積水化学工業㈱殿「AC ドレンパイプ」等)
給排水
電気
※1 最大開口径はφ110mm までとなります。
※2 最大開口径はφ135mm までとなります。
注 1) 上表で配管の呼び径を満たしていても、適用最大配管サイズを超える場合は認定範囲外となります。
2) 配管内に通線可能な電線・ケーブル:導体断面積 325mm2/本以下(高圧ケーブル含む)
なお、配管サイズと通線する電線・ケーブルの組み合わせは、内線規程にしたがってください。
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