道路網代替案の作成(交通量推計)

委員会資料4
道路網代替案の作成(交通量推計)
1. 交通量推計
・道路網代替案を作成するにあたり、将来自動車需要に基づく量的な評
価を行うために、交通量推計を実施する。
・第2回委員会では、将来交通量推計を実施するにあたって現況再現性
の確認、将来交通量推計のケース設定の確認をする。
2. 現況再現
・将来交通量推計を実施する前に、現況再現性のチェックを実施する。
(1)
条件設定
1)
ゾーン
・盛岡広域都市圏内は、平成 17 年度道路交通センサスの B ゾーンを分
割し設定する。
・盛岡広域都市圏外は、平成 17 年度道路交通センサスの B ゾーンとす
る。
・また、もりおか交通戦略のゾーンと、過年度調査のゾーンは、ほぼ同
じゾーンであることを確認した。
2)
OD 表
・平成 17 年度道路交通センサス現況 OD 表を使用する。
・1)ゾーンの設定に合わせ、平成 17 年度道路交通センサス現況 OD 表を
分割、集約し、本調査における OD 表を作成する。
-1-
76
173
77
174
78
17 7
1 75
176
171
48
41
172
73
49
42
62
178
179
16 1
27
40
45
30 39
47
29 72 43 44 46
31 28
4
3
8
38
7 6
50
35
5 9
3 63 3 4 3
1
1
0
32
51
21 37 2
11 52
25
12
5354
22 2 0 17 16 13
56
18 14
23
55
24
19
57
26
68
15
67
69
65 6 2
66
63
70
71
189 1 85
59
61
58
74
64
187
75
188
184
1 86
182
181
表
ゾーン図(盛岡広域都市圏内)
-2-
60
212
142
2 09
213
141
12 0
21 1
1 43
214
1 18
1 21
119
210
147
166
144
1 45
164
165
16 7168
1 46
17 0
76
20 7
20 6
77
16 3
208
204
169
205
201
78
202
203
158
87
162
161
82
798 3
858 4
88
159
81
160
1 07
191
99
116
190
86
18 2
183
181
180
1 05
97 106 108
98
95
96
1 00
10 2
10 1
11 2
111310
1 1 5 11 1 1 1 7
80
104
200
1 03
109
199
122
1 23
14 0
138
114
193192151253
194
1 39
154
198
1 49
92
1 51 1 4 8 1 5 0
1 56
127
131
155
157
196
129
13 0
表
13 6
133
195
128
125 124
135
126
137
132
1 34
197
ゾーン図(岩手県内)
-3-
89
93
9091
94
3)
ネットワーク
・配分ネットワークは、3 区分(県外、広域都市圏以外の県内、盛岡広
域都市圏内)に分け、それぞれについて、以下の考え方によりネット
ワークを作成する。
・ネットワークは、DRM を用いて、作成する。
※DRM(デジタル道路地図):位置などを数値化したデジタルデータで表現される道路地図
表
ネットワークの考え方
区分
盛岡広域都市圏内
現況(H17)ネットワーク
・高速自動車国道
・一般国道
・主要地方道
・一般都道府県道
道路網計画
・都市計画道路整備済(概成済を含む)
・都市計画決定されていない路線(現道あ
り)
→QV は現道に従う
・上記以外の道路も一部、ネットワークに
追加 ※
盛岡広域都市圏以外の県内 ・高速自動車国道
・一般国道
・主要地方道
・一般都道府県道
・高速自動車国道
県外
・直轄国道
 追加した道路について
・整備状況図において、「都市計画道路未整備」もしくは「都市計画決
定されていない路線(現道なし)」について、近くに代替となりうる
道路が通っている場合は、現況ネットワークに追加
・追加する道路は、2 車線以上の道路に限定
-4-
凡例
高速道路
国道
主要地方道
一般県道
道路網計画に位置づけられている道路
追加した道路
表
現況ネットワーク図
-5-
4)
配分条件
① 配分手法
・交通量配分手法は、転換率式併用型容量制限付分割配分法(国土交通
省東北地方整備局の管内推計業務等で使用)を用いる。
・この配分手法は、対象道路網の各リンクに交通量と速度の関係(QV
条件)をあらかじめ設定しておき、分割段階毎の累加交通量によって
リンク評価値を変化させながら分割 OD 交通量を路線に配分し、現在
の交通流に近い配分交通量を得ようとするものである。但し、各分割
段階で OD 間に高速道路ルートと一般道路ルートが存在する場合には、
両経路の交通サービスの差を転換率式により与え、その経路選択率で
OD 量の配分を行う。
ネットワーク・データ
配分対象車種別
QV式
n分割OD表
リンク走行時間の計算
一般道利用
高速道路利用
最短経路探索
最短経路探索
料金/時間差
転換率
非高速利用OD
高速利用OD
リンク交通量を累加
n回
図
転換率式併用 QV 分割配分手法の作業手順
-6-
② OD 分割回数・比率
表
OD 分割回数・比率
分割回数
1
2
3
4
5
分割比率
0.3
0.2
0.2
0.2
0.1
③ 転換率式およびシフト率
・高速道路への転換率式は、平成 17 年度センサス OD 調査データより作成
された料金/時間差と時間差を要因とする下記の転換率式を用いる。
・シフト率については、平成 17 年を基準とした一人あたりGDPの伸び
率を適用する。
P=
1
1+α(X/S)β/Tγ
P:転換率
X:料金/時間差(円/分)
T:時間差(分)(最大値は 60 分とする)
S:シフト率
α、β、γ:パラメータ
図
表
車種
地域区分
東北内々
乗用
転換率式パラメータ及びシフト率
α
7.669
東北内々
東北関連
12.901
東北関連
0.797
γ
シフト率
平成 17 年 平成 42 年
1.269
0.646
0.320
1.142
0.572
東北内々
普通貨物
パラメータ
β
0.467
東北関連
小型貨物
転換率式
5.558
0.338
-7-
0.829
1.000
1.136
④ QV 式
・QV 基本条件は、交通量の増加に伴う速度低下を示す関係であり、基本
的には道路種別、車線数によってこの関係が変わることが知られてい
る。よって、それに応じて QV 式が設定されていることが多い。
・この QV 式にパターンとして、の以下の 2 つがあり、通常は A パター
ンが多く用いられており、本調査でもこのパターンを用いる。
A.最低速度まで低下した場合でもリンクに交通量が配分されるケース
B.最低速度まで低下した場合にはその段階でカットされるケース
V
V0
Vmin
図
Qmin Q0
Qmax
(Q0×0.5)
(Q0×1.2)
QV モデル式
-8-
現況再現結果
(2)
1)
断面交通量の比較
表
センサス交通量
配分交通量
(百台/日)
(百台/日)
断面北
514
514
断面東
275
279
断面南
801
753
断面西
73
64
断面
2)
断面交通量の比較
平成 17 年度道路交通センサス調査地点との比較
60000
R² = 0.9357
50000
配分交通量(台/日)
40000
30000
20000
10000
0
0
10000
20000
30000
40000
50000
観測交通量(台/日)
図
配分交通量と H17 センサス観測交通量の比較
-9-
60000
3)
現況交通量図
交通量(台/日)
~10000
10000~20000
20000~30000
30000~40000
40000~
図
現況配分交通量図
-10-
14
17 2
8
7
95 1
150
125
164
1 63
2 03
202
75
41
54
27
24
18 9
9
78
46
94
65
298
309
197
1 94
1 74
186
32
32
267
27 4 1
46
179
100
18 4
21 6
1 76
1 48
146
23
59
9
50
44
42 6
2
3
35 18
1
225
1 80
129
90
252
245
446
411
11 6
12 2
369
3 36
2
25 5
24
365
316
13 2
162
2
38 5
41
151
154
17
13 3
1
49
473 8
16 0 7
17
307
297
1060
912259
1
206
210
01
3173 58
2
271
451
448
18
23 2
3
128
136
400
36 0
6
31 4
29 7 2
26
6
64 6
425
468
7
14 08
2
166
199
302
274
1 35
1 50
38
66
132
198
181
218
13 16
14
317
3 02
96
76
168
184
168
107
1
12 5
11
凡例
上:配分交通量(百台/日)
下:センサス交通量(百台/日)
1 37
95
図
現況配分交通量とセンサス交通量の比較
-11-
144
12 1
28
55
270
284
17
24 0
3
91
12 6
3. 将来交通量推計
・将来交通量推計については、2 ケース設定することする。
・ケース1は、将来ネットワークとして、平成 17 年から現在までに完成
した路線と、現在事業中の路線を追加した、実現可能性の高いネットワ
ークを将来ネットワークとするケース
・ケース2は、道路網計画の全ての路線が完成した場合のケース
・ゾーンについては、現況再現時同様とし、OD 表は道路交通センサスの
将来 OD 表を用いる。
表
ケース設定
将来交通量推計
設定
ケース1
ケース2
ゾーン
現況再現時と同様
現況再現時と同様
配分
ネットワーク
将来ネットワーク
(現在事業中の路線が
完成した場合)
将来ネットワーク
(道路網計画の路線が
全て整備された場合)
OD 表
将来 OD 表
将来 OD 表
※過年度調査:県内路線将来交通量推計及び費用便益分析検討業務(H24 年度)
※OD 表:平成 17 年度道路交通センサス OD 表
-12-
将来(H42 年)OD表
※将来 OD 表について(現況 OD 表との比較)
(1) 自動車の発生集中量
・広域都市圏内の自動車発生集中量を、現況(H17)と将来(H42)で
比較すると、約 9 万トリップの減少する見通し。
1,200
1,000
1,050
963 (予測値)
(実績値)
800
平成17年からの
伸び率:0.91
(
発
生
集
中
量
600
400
)
千
ト
リ
ッ
プ
200
0
平成17年
平成22年
図
平成27年
平成32年
平成37年
平成42年
自動車の発生集中量
資料:平成 17 年度道路交通センサス
(2) 自動車の分布交通量
・全体的に減少傾向にある中で、都市圏⇔紫波・県南方面の交通量は増
加する見通し。
0.757
西根・岩手方面
(21,105 台/日→17,022 台/日)
0.787
0.920
(455,449 台/日→418,885 台/日)
宮古・沿岸方面
(4,856 台/日→3,823 台/日)
将来
1.009
現況
盛岡
都市圏
0.807
雫石方面
(30,079 台/日→22,778 台/日)
(67,623 台/日→68,205 台/日)
紫波・県南方面
図
自動車の分布交通量
-13-