活動サマリ発行後の成果 <低電圧動作 CMOS> ・ 新 材 料 ・ 新 構 造 CM OS 技 術 の 研 究 開 発 立体チャネル構造(Trigate 構造)の SiGe-OI pMOSFET 上に InGaAs-OI nMOSFET を積層して形成した CMOS インバータの動作と、それらを 21 段接続したリング発振器の 発振を確認した。SiGe(Ge)/III-V 族化合物半導体チャネルの組み合わせによる CMOS リ ング発振は世界初である。インバータ動作は、電源電圧 0.2 V まで確認した(図)。その伝 達特性は、p,n チャネルともに平面型 MOSFET を用いた場合に比べてより 1 InGaAs-OI wire Wfin = ~32 nm 急峻な特性を示した。これは、立体チ InGaAs-OI/SGOI Tri-gate 0.8 InGaAs-OI/Bulk Ge Planar (VL2013) SS 値向上の効果と考えられる。また、 TaNバックゲート 積 層 プ ロ セ ス 後 も 各 MOSFET は Si-MOSFET の 2 倍以上の移動度と適 Wfin = ~34 nm Vout (V) ャネル構造による各トランジスタの 0.6 L = 10 µm W = ~ 30 nm 0.4 Vdd = 0.2-1.0 V SGOI wire 0.2 切なしきい値電圧を保持しているこ 0 とが分かった。一方、CMOS リング 0 発振は、pMOSFET のバックバイア スを印可してしきい値電圧を微調整 することで 0.37 V という低電圧での 発振に成功した(無バイアス時におい 0.5 1 Vin (V) SiGe-OI/InGaAs-OI Trigate MOSFET による 積層インバーターの要部断面 TEM 像(左)と、 そのインバーター特性(左、赤線)。青線は報告済みの 平面型 MOSFET によるインバーターの特性。 図 ても 0.45 V まで動作を確認)。 <ナノカーボンの開発と応用> ・ CNT/グ ラ フ ェ ン の 排 熱 応 用 TIM 向けの CNT 技術開発に関して、実際の高性能サーバーに用いられる高パワー条件 (~100 W)において CNT-TIM の熱抵抗評価を行った。その結果、従来の In-TIM の場合 と比較して 49.6%の熱抵抗低減を確認し、目標を達成した(従来: 0.0556 K/W、CNT: 0.0280 K/W)。熱歪みが大きい高パワーで、より CNT の有効性が現れたと推測している。
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