銀泰株は出資発表後に下落、ネット株人気後退か

<NQN>☆「アリババ」神話に陰り? 銀泰株は出資発表後に下落、ネット株人気後退か
2014/04/01 14:35
桶
【NQN香港= 本典子】足元の香港株式市場で中国百貨店チェーンの銀泰商業集団(インタイ
ム・リテール、@1833/HK)株が乱降下している。3月 31 日の寄り付き前に中国電子商取引(E
C)最大手アリババ集団からの出資を受け入れると発表した。しかし、銀泰株は同日の香港市場
で朝高後に急落。これまではアリババが出資した銘柄は直後に株価が急騰するのが常だったが、
慣例を破る下落で、
「ネット株人気が後退し始めた」
(豊盛金融集団・資産管理ディレクターの盧
志威氏)との見方も広がっている。
銀泰株は3月 31 日朝方の香港市場で、前回取引のあった3月 27 日比 17%高の 10.600 香港
ドルを付けた。しかし、その後下落に転じ、同日終値は 7.5%安の 8.350 香港ドル。1日は反発
しているものの、高値でも6%高と前日の高値 10.600 香港ドルには遠く及ばない。同じくアリ
ババが出資した文化中国伝播集団(@1060/HK)株が出資受け入れ発表直後に約5倍高、中信
21 世紀(@241/HK)株が同6倍高と急騰したのとは異なる展開だ。
銀泰の発表によると、アリババは 16 億 6100 万香港ドルを投じ、1株当たり 7.5335 香港ドル
で銀泰商業株2億 2000 万株を購入する。出資比率は増資後の 9.9%。さらに新株予約権付社債
(転換社債=CB)37 億香港ドル相当(転換後の比率は増資後の 8.12%)も引き受ける。事業
面では中国で合弁事業を立ち上げ、小売分野でのO2O(オンライン・ツー・オンライン)事業
の発展を進める。
出資そのものは「好材料」(大唐金融集団シニア・バイスプレジデントのローザ・リー氏)と
の見方が多い。地元証券会社の交銀国際は1日付の投資家向けリポートで「銀泰は合弁企業を利
や
実現できる」と評価。消費企業にとって必須になりつつある
ネット事業の取り入れに踏み切ったことは歓迎されている。
しかし、株価は下落した。豊盛金融の盧氏は「これまでネット株というだけで買われてきた流
れに変化の兆しが見えるなか、一部の投資家は関連銘柄の利益確定目的の売りを急ぎ始めてい
る」と話す。今回の下落は、そうした状況の変化によるところが大きい。
1日発表の中国の3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は官民で結果が相反した。「中
国経済が成長鈍化の傾向にあるのは確かで、小売業の経営環境も低迷していることが銀泰株の下
落につながった」
(大唐金融のリー氏)との声もある。いずれにせよ、
「アリババ」の名だけで投
資家が買いに動く状況では既にない。ネット株売りの流れが短期に収束するのか、これから本格
化するのかは見極めが必要だ。
用し、事業モデルの速 かな転換を