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AMR センサによる角度計測
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ホワイト・ペーパ
WHITE PAPER
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角度計測
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Table of Contents
あらまし
3
センサ
3
外部マグネット
5
• アライメント
7
• ギャップ
7
• 例題
8
信号評価回路
9
• 汎用マイクロコントローラ・ベースのソルーション
9
• インターポレータ・チップ・ベースのソルーション
10
信号の評価
11
_ オフセット決定
12
_ 正規化
12
_ 角度の決定
14
エラー要因
17
• エラー源
17
• 温度補償
18
• センサの角度エラー(妨害磁界なし)
19
• センサの角度エラー(妨害磁界あり)
19
オーダリング情報
20
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あらまし
角度ポジショニングは、オートメーションやロボテックス等の多くの工業分野で広範に使用されています。これらのア
プリケーションは大抵、高精度、高い再現性、高速応答性等が要求されます。このホワイト・ペーパは、計測誤差、
回路設計の検討、信号の評価方法等に導く効果的な分析、そして、センサをセットアップして使用するガイドライン
を提供することで角度の高精度計測に関わる色々な局面から焦点をあてています。
磁気抵抗センサ技術の強力な特徴は、周辺の磁界環境から独立して、磁界方向を検知することにあります。センサ
材料の素晴しいソフト・マグネテック特性により、完全な磁気飽和は、殆ど全ての磁区が印加磁界に平行に同じ方
向に揃えられること(例として、同じ信号を発生する)を意味します。磁気抵抗センサの基本に精通されていない、お
客様に対して、それらの特性や動作モードを別紙のホワイト・ペーパ(MRの基本)に紹介されています。是非、一読
下さい。
センサ
KMTセンサ・ファミリは、KMT32Bと、その兄弟になるKMT36Hで構成されています。これらのセンサは、2種類のパッ
ケージ(SO8、TDFN)でお届けできます。これらのセンサは、共通の特性を有していて、相違点は、測定レンジと出
力信号の評価方法になります。しかし、設計検討、セットアップ仕様、精度低下の要因等は、両センサ共たいへん似
ています。何故なら、磁気抵抗技術を使用しているからです。
KMT32Bは、2組のホィートストン・ブリッジで構成されています。KMT36Hは、集積化プレーナ・コイルと3組のハーフ・
ホィートストン・ブリッジで構成されています。図1は、各センサの回路図と入手パッケージの種類を示したものです。
図1: KMTファミリ
下記の部品番号を用いてセンサを注文することができます。:
製造者
MEAS Deutschland GmbH
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MEAS Deutschland GmbH
MEAS Deutschland GmbH
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部品番号
G-MRCO-015
G-MRCO-016
G-MRCO-029
G-MRCO-021
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概要
KMT32B SO8
KMT32B TDFN
KMT36H SO8
KMT36H TDFN
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図2は、各パッケージに対してゼロ度の角度定義と同様に磁界角の関数のようにKMT32Bのブリッジ出力
信号と、KMT36Hの出力信号を示したものです。出力信号は、サインまたはコサインで説明されています。
角度は、mV/Vのレンジの振幅とオフセット電圧で通常度(°)で与えられます。
図2: KMT32BとKMT36Hの信号出力
MR基本(ホワイト・ペーパ)に解説されているように、異方性磁気抵抗は、電流方向とセンサ材料の磁化
方向(強磁界値中の印加磁界方向に平行、その際、センサは、完全に飽和状態)の間の角度φに依存し
ます。
計算式1: 磁気抵抗効果
直交依存性の為、φは、KMT32Bのように 2個のブリッジを使用した時、0°~180°以内のレンジでしか
測定できません。図3における円は、2個のブリッジのみ使用することでφ=0°~180°とφ=180°~
360°との間の識別が無理なことを示したものです。言葉を替えれば、異方性磁気抵抗効果は、印加磁
界の方向の符号を測定できないのです。KMT36H のように3個のハーフ・ブリッジと1個のプレーナ・コイ
ルを使用することで、どちらの角度(φ>π or π>φ)域かを判定することが可能になります。
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図3: KMT32B の信号出力(0 ~ 360°)
印加磁界に分かっている方向に加えた追加磁界は、出力信号に反映されるように印加磁界の磁界方向
に変化を与えます。出力信号の符号変化には、印加磁界の方向における情報が含まれます。これは、
プレーナ・コイルの役目になります。
外部マグネット
• 設計検討
最初に、磁気抵抗センサとで動作している時、一つの重要な点は、正しい外部マグネットを選ぶことにあ
ります。二つ目は、アプリケーションに対してマグネットを選ぶ時の注意が必要になる点です。
− KMT32Bに対して、印加磁界強度は、できるだけ強くします。
− KMT36Hに対して、印加磁界強度は、最適レンジにします。
− 磁界方向は同源にします。例、マグネットは小さすぎない。
センサにおける外部マグネットの磁界強度は、軟磁性センサ材料を飽和させるのに十分強くなければな
りません。これは、センサ内の磁化ベクトルが常に、印加磁界の方向に平行していることを保証します。
これは、磁気抵抗センサが高精度の角度計測に対して望ましい動作を行う条件となります。
MEAS Deutschland GmbH社製センサは、25 kA/mより高い磁界に対して仕様化しています。これは、仕
様化性能を実現する為に、KMTセンサに対して最低必要磁界強度になります。センサは、10 kA/mまで
正しく動作します。しかし、例として、KMT32Bに対しては、± 0.5°の精度に低下し、ヒシテリシスが増大
します。
故に、正しいマグネットを選抜する前に、幾つかの重要な基準は、同一視点で確認すべきです。
− 測定条件(温度、外乱磁界)はどうか?
− 許容最大角度エラーはどれ位か?
− センサに対してマグネットのジェオメトリ許容値(typ)はどれ位か?
− 回転軸に対してセンサのdXとdYのマウンティング許容値(typ)はどれ位か?
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これらの全ての値は、角度計測の品質に影響を与え、マグネットの選択において大きな要因となります。
次の表は、いくつかの一般磁気材料の主な特性をしましたものです。
名称
材料
プラスチック ボン
ドFe-Sr-O
Fe-Sr-O
HF 30/24
AlNiCo 35/5 Al-Ni-Co
Neofer
プラスチック ボン
55/100p
ドNd-Fe-B
N38
Nd-Fe-B
Sm2Co17
Sm-Co
HF 10/24p
Br
[mT]
225
(BH)max
[kJ/m3]
10
TCBr
[%/K]
-0.2
Tmax
[℃]
130
385
1120
580
30
35
55
-0.2
-0,02
-0.12
1260
1080
300
195
-0.12
-0.03
成形
注釈
インジェクション・モールド
化学的に不活性安価
250
500
120
プレス焼結
鋳造
化学的に不活性
消磁化に低い抵抗
120
300
プレス焼結
プレス焼結
インジェクション・モールド
高い腐食性、コーティング要
化学的に不活性、脆い 高価
表1: 磁気材料の概要
二番目として、高精度計測の為に、ユーザは、少なくとも、次のことを注意しなければなりません。
− 外部マグネットとセンサの間の配置
− センサにおける外部マグネットの磁界強度
図 4 は、外部マグネットとセンサとの間に色々な可能となる配置を示します。磁気抵抗センサは、セン
サ・プレイン中で磁界方向を計測します。外周にセンサを配置することは、マグネットの上部に配置した
より低精度の測定結果に導きます。
図 4: 外部マグネットに対するセンサの配置
計測精度への主なエラー要因は、使用した回転マグネットの均等磁界方向が原因となります。故に、マ
グネットと正しい位置にマグネットを配置するシステム・センサと考察することが重要になります。
不均一性: 磁界ラインが平行していない
図5: 不均一に導くセンター・アライメント・エラー
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• アライメント
センサとマグネット間のアライメントは、図5に説明される重要になります。(dX, dY)変位から最大エラー
は、見込むことができます。
計算式 2: ミスアライメント・エラー
その際、WとLは、使用されたマグネット・ジェオメトリに依存するマグネットの各々幅と長になります。dXと
dYは、ミリメータで回転軸とセンサの中心間の位置ズレになります。Cは、通常300という値となるマグネ
ットに依存する定数になります。回転軸に関するマグネットの変わった取り付けは、小さな変位に対して、
大きな問題でありません。
設計検討で説明したように、マグネットは、センサにおける磁界の均一性を保証する為にできるだけ大き
くするべきです。図5にみることができるように、マグネットに対して軸ズレしているセンサは、垂直磁界方
向を測定しません。しかし、角度評価の不正確に導く、曲がった方向になります。磁気抵抗テクノロジを
用いて、センサが二次元面を計測していることを気に留めていることは、常に重要になります。故に、セ
ンサにおける磁界分布は、磁界方向と同様の重要になります。
• ギャップ
図6は、色々なマグネット材料に対してエア・ギャップの距離dZの関数のように磁界強度を示します。表1
の説明されるように、図の右の部分において定義されるような特定マグネットに対して、距離と共に指数
関数的に降下する磁界強度を注意することが重要です。しかし、磁界強度が指定最小値の上にある限
り、そして、磁界ベクトルはマグネットとセンサの間の可能な距離変動に変化しません、センサは、重要
でありません。
図6: 特定マグネットM1 (T=1 mm、R=4 mm)と色々な材料に対する磁界強度
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図7は、図の右の部分に紹介されている2個の異なったマグネットに対してエア・ギャップ距離dZの関数の
ように磁界強度を示したものです。大きなマグネットを使用し、非接触測定に対するエア・ギャップは、25
kA/mの値を越えないで立ち上げることができます。
結果として、磁界の強度は、マグネット表面に普通の距離に対して放物線の法則に従います。外部マグ
ネットを用いたセンサのキー・アレンジメントは、センサ上の数ミリ・メートルの円領域において均一性磁
界を保証することになります。
図7: マグネットM1 (T = 1 mm、R = 4 mm)とM2 (T=2 mm、R=10 mm)対する磁界強度と特定材料
• 例題
弊社センサを特性化するのに、表2と図8に説明されているような良く知られて、良く定義して特性化され
たものに対して選択された2個の実験用マグネットを使用します。それら相違は、半径のみです。それら
は、直径方向に磁化されます。
ID
67.043
67.044
名称
材料
Neofer
48/60p
Neofer
48/60p
プラスチック接
着Nd-Fe-B
プラスチック接
着Nd-Fe-B
Br
[mT]
540
(BH)max
[kJ/m3]
48
TCBr
[%/K]
-0,12
Tmax
[°C]
150
540
48
-0,12
150
成型
注釈
インジェクショ
ン・モールド
インジェクショ
ン・モールド
R=7.0 mm
T=2.5 mm
R=4.5 mm
T=2.5 mm
表2: マグネットの仕様
次の型名を用いてマグネットを注文することが可能です:
製造者
製品番号
Magnetfabrik Bonn
67.043
Magnetfabrik Bonn
67.044
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詳細
Neofer 48/60p D14
Neofer 48/60p D9
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もし、これらのマグネットに対して更なる情報が必要なら、ウエブサイト上( http://www.magnetfabrik.de/)の
アプリケーション・ノート(1225802671Praxis_0107_eng_web.pdf)を参照下さい。
図8:
標準マグネット
アプリケーション・ノートに解説されているように、両マグネット共、KMT32BまたはKMT36Hを用いた精密
測定に対して適合でき、dZ = 2 mmの時、55 mTより大きい磁界強度、dZ = 5 mmの時、30 mT以上になっ
ています。
次のステップは、マグネットに向かってセンサを正しく配置します。
−
−
−
−
マグネットの上面に近くKMTセンサの上面を配置します。
両面の平行アライメント(位置決め)をチェック
マグネットの回転軸にセンサの中心位置をチェック
2つの面の間のギャップを調整
まとめ
磁気抵抗センサを使用した時、高精度測定を行う為には、センサだけを考慮するのはなく、システム・センサと
マグネットも視野に入れます。機械的許容値また温度による磁界強度の変動は、センサが飽和動作なので測
定精度に影響しません。しかし、精密な位置決めと正確位置決めは、高精度の角度測定に導きます。使用温
度において推奨磁界強度は25 kA/m、30 mTになります。
信号評価回路
色々なアプリケーション回路が、要求コストと精度によって示されています。ハードウェア・ソルーションは、
アプリケーションに大きく依存します。しかし、これらの回路は、センサを早く動作させるのに有用です。
• 汎用マイクロコントローラ・ベースのソルーション
これらのソルーションは、中程度の精度が得られる簡単なシステムです。精度は、マイクロコントローラ中
に使用されているA/Dコンバータの分解能に依存します。A/Dコンバータは、0V~Vccの入力電圧レンジ
になります。ホイートストーン・ブリッジを用いるので、Vccの半分のDC電圧が正しい入力電圧スパンの
中にADコンバータを設定します。ここに提案するシステムは、マイクロコントローラのA/Dコンバータにリ
ードさせるセンサ信号をイネーブルするのに単純なアンプを使用しています。
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図9a: 汎用マイクロコントローラ・ベースのソルーション(KMT32B用)
図9b: 汎用マイクロコントローラ・ベースのソルーション(KMT36H用)
• インターポレータ・チップ・ベースのソルーション
iC-Haus社からのインターポレータ・チップiC-NQは、角度のポジション・データに対して分解能選択機能
とヒシテリシスを用いたサインとコサインのセンサ信号を変換するカウント・セーフのベクトル・フロア原理
を応用したモノリシックA/Dコンバータです。
この絶対値は、高速同期シリアルBiSSインターフェイス経由で与えられ、10 MBit/sまでのマスタ・クロック
を追従させます。出力データの変化は、インクリメンタルAクアッドBエンコード信号に変換されます。
最小トランジション距離は、手元においてシステムに合わせて適合させられます。もし、enabled by the
PZERO/NZERO入力によってイエンーブルされれば、同期したセロ・インディックスは、Z出力において発
生することができます。
前置アンプは、外付け抵抗を必要とせずに直接接続されたセンサ・ブリッジを許容したインストルメンショ
ン・アンプとして構成されます。色々なプログラマブルD/Aコンバータが、オフセット、振幅比、位相エラー
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に関してサインとコサインのセンサ信号のコンディショニングに対して入手できます。前置ゲイン段は、約
20 mVpp~1.5 Vppの差動センサ信号、また、40 mVpp~3 Vppのシングル・エンド信号の各々に全て共通
の設定ができます。
2つのシリアル・インターフェイスがデバイスの構成、EEPROMのコネクション、同期シリアル・データ転送
BiSS等を許容する為に装備されています。両インターフェイスは双方向で、永久保存に対するEEPROM
へのセットアップとシステム・データの転送を含むデバイスの完全な構成をイネーブルします。もし、メモリ
が次のパワー・ダウン・リセットを検知したら、チップ・セットアップはリードし、もし、CRCエラーが現れたら、
自動的に繰り返されます。
図 10: インターポレータ・チップ・ベースのソルーション
次の製品番号を用いてデバイスを注文することができます。
製造者
製品番号
詳細
iC-Haus社
iC-NQ
インターポレータ(BiSSインターフェイス付き)
このインターポレータ・チップに対して更なる情報が必要なら、http://www.ichaus.de/product/iC-NQからデー
タ・シート(NQ_datasheet_D1en.pdf)を下さい。
信号の評価
• KMT32B
_ データ・アクイジション
センサは、ブリッジ電圧の出力を獲得する為に、推奨の10ビット分解能のA/D計測システムの接続し、電
源供給を受けます。各離散データは、オフセットを含んだ状態で、mVレンジにおいてサイン/コサイン値
を表現するデータ・ペアとして扱います。測定は、180°まで1°ステップで実施されます。このデータ・ペ
アは、Vraw,sin(αi)、Vraw,cos(αi)、i = 1 … n、n=計測番号として定義されます。このケースにおいては、
測定が各回転方向にn = 180動くことを前提とします。
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_ オフセット決定
オフセット電圧Uoffを決める為に、出力電圧(Vraw,sin(αi) 、Vraw,cos(αi))からサイン/コサインの最大
と最小値を決めることができます。最大と最小値は次のように決めます。
計算式3: 最小と最大評価
その際、センサのオフセット電圧が計算できます。
計算式4: オフセット評価
例題のオフセット電圧Uoff計算方法と別に、3つのデータ・ペア:Vraw,sin(αi)、Vraw,cos(αi)、または、円
周パラメータに一致するものと決定するもの構成される巡回法があります。円の中心座標は、Uoff,sinと
Uoff,cosとで決めます。
_ 正規化
出力電圧は、各ブリッジに対してオフセットを引算した後電源の値において正規化できます。最終的な信
号は、図11に示すとおりです。
計算式5: 訂正済み出力電圧(mV/V)
図11: KMT32B の訂正済み正規化信号出力
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次のステップは、逆三角関数を用いて信号を評価することになります。両電圧出力を使用することで、サ
イン/コサインの比は、磁界角度を計算するのに使用することができます。
計算式6: 角度計算
Ucorr,cosとUcorr,sinの符号に依存してアーク・タンジェント関数に対して異なったケースを考慮する必要
があります。
• KMT36H
_ データ・アクイジション
精密で能率的な測定を実現するのに、次のステップを実行します。
− センサの3個のハーフ・ブリッジ全てに電源電圧VCCを与えます。
− 正のコイル電流を印可し、出力信号Un+ (n = 1, 2, 3)を測定します。
− 負のコイル電流を印可し、出力信号Un- (n = 1, 2, 3)を測定します。
− 電力消費を抑えるのにコイル電流を切ります。
センサのデータ・シート中の推奨コイル電流は、20 mAと表示されています。コイル電流は、主にコイル抵
抗(通常100Ω)、電流値を制御する直列抵抗(通常150Ω)によって決まります。マイクロコントローラは
シンクし、出力抵抗も勘定に入れます。正のコイル電流で印可する為に、ピンCOIL+に与える電圧は、
ピンCOIL-に与える電圧より大きくすべきです。負のコイル電流でコイルに電源を印可する際は反対にな
ります。
前節で説明されたように、内部コイルは磁界を発生し、センサ出力信号にコイル磁界の変化を追加しま
す。もし、コイル電流が小さすぎて、マグネットが強いと、追加マグネット磁界の効果は、A/Dコンバータで
検知されません。コイル電流に一致した追加磁界強度と外部マグネット磁界の間に良いトレードオフを見
つけなければなりません。また、A/Dコンバータの分解能を勘定に入れる必要があります。
コイルの稼働時間は、サンプリング・ルーチン、A/Dコンバータのサンプリング周波数に依存します。コイ
ルのスイッチング周波数は、コイル値(数μH)と浮遊容量の影響に依存します。絶対最大推奨値は、
1MHz位になります。
混乱を避けるのに、VOはGNDを基準とした電位に定義され、Uは2つの電位VO間の差動電圧として定義
されます。 3個のハーフ・ホイトストン・ブリッジを用いることで、Vccの1/2電圧が発生され、正しい入力
電圧スパン内にA/Dコンバータを設定します。
A/Dコンバータに対する精度の問題として、生信号の代わりに差動信号出力を使用することは重要にな
ります。故に、次の信号群が角度を計算するのに使用されます。図12に示すように、これらの信号群は、
mV/Vで与えられます。
計算式7:
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信号の抽出
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図12: KMT36Hの信号出力
_ 角度の決定
磁界の角度情報には、コイル電流がオフした時、出力信号が含まれています。測定処理のスピードを上
げるのに、電流コイルの稼働を行わなくても各出力信号の時を改めた測定に必要はありません。 計算
式8を用いて、この等価信号は、簡単に計算できます。
計算式8: 信号計算
これらの信号にオフセットがないこと維持することが重要になります。角度情報を評価するのに色々な方
法があります。敏速性と処理パワー間で選択された、アプリケーション仕様に依存した、最も一般的なも
のを紹介します。最も高精度な最初の方法は、計算式9に説明された次式を使用しています。
計算式9: 高精度角度の決定
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図13は、磁界角度の情報が2つの信号が常にアクティブになる、限られたゾーンに入ることを示します。
赤のゾーンにおいて、磁界角度の変化において強い信号変化がないことが分かります。故に、アーク・タ
ンジェント関数は常に30°ドメイン内を使用し、2つのアクティブ信号を選択することで、12個のドメインが
定義されます。表3は、各ドメインに対するアクティブ信号を示します。
図13: ドメインの定義
ドメイン
パラメータ n
パラメータ m
1, 4, 7, 10
3
1
2, 5, 8, 11
2
3
3, 6, 9, 12
1
2
表3:
計算式
ドメインに依存したアクティブ信号
図13に観られるように、3つの信号値を比較し、ゾーン2とゾーン3の間の差(識別)を容易に決定すること
ができます。しかし、信号が180°周期な為、ゾーン3とゾーン9の間の差(識別)を作ることが無理であり
ます。その為、次のステップは、次式を用いてコイル稼働(±)を用いた信号出力間の差を計算すること
になります。図14は、ユニーク方法で12個のゾーンを決める、これらの信号を示したものです。
計算式10:
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コイルの効果計算
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コイル電流と外部マグネット強度の間にトレードオフの結果があることに気づくこと重要になります。
UnDの振幅は、Unの振幅に比べかなり小さいものになります。次の計算式は、コイル電流と比例するこ
とを示しています。If外部マグネットの強度H0が強すぎて、UnD値は、A/Dコンバータの分解能に対して
小さすぎるかもしれません。
計算式11: コイル電流と比例
図14:
ゾーンの決定
最初のステップは、U1の符号(極性)を単純に比較することで、90°より大きいか、小さいかを決定しま
す。次に、U2とU3の符号を使用することで、180°内の全てのゾーンを見つけることが可能になります。
最終的に、UnD信号を用いることで180°より大きいか、小さいかを決定することができます。例題として、
ゾーン7は、U1 > 0 (90°以下)の時、U2 < 0とU3 > 0の時、U3D > U1D (180°上下)の時に定義されます。
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計算式12:
角度を計算する関数
必ずしも常に可能ではありませんが、利用可能な処理パワーとアプリケーションのスピード仕様に依存し
て、計算式12に示すアーク・タンジェント関数を使用することを推奨します。ルックアップ・テーブルと同様
にリニア回帰または多項式回帰がドメインにおいてアーク・タンジェント関数を表現するのに使用できま
す。ルックアップ・テーブルの評価法は、 たいへん正確で高速ですが、どれだけのアーク・タンジェント関
数のテーブルを築くかに依存して大きなメモリ・パワーの使用に主な障害を有します。15°における対称
関数が必要なメモリ・パワーを減らすように使用できます。
まとめ
角度評価を始める前に、センサ信号のオフセットは訂正します。KMT32Bに対して、角度評価は、単純で
機械的で、アーク・タンジェント計算式を使用します。
KMT36Hに対して、角度評価は、特別なアーク・タンジェント計算式と2つの特定センサ信号を使用します。
コイル電流と外部マグネット強度は直接関連し、注意深く設計します。コイル・アクティブとコイル・インア
クティブ間の信号差は、磁界角度が180°以上をサポートするか否かを示します。
エラー要因
• 定義
一般に、測定された角度αは、一定のオフセット値φ0と角度エラーΔαによってオリジナル磁界角度α0
から異なります。
計算式13: 通常エラー
多くの場合、定義に依存し、測定の精度Δαには異なった理解があります。幾つか、実際と測定値の間
に相違が生じます。他に、測定が数回繰り返されるか、または、測定が異なった回転方向で行われた時
に得たエラーがあります。先の場合はリニアリティ・エラーと解説され、後の場合はヒシテリシスまたは再
現性エアラーと呼ばれています。
角度エラーΔαは、下記の示す機械的な許容値に主に原因します。
− プリント板上のセンサ・パッケージの半田付け許容値
− センサ・パッケージへのダイのパッケージ許容値
− マグネットの磁化方向の許容値
• エラー源
角度エラーは、センサが飽和で使用されるような、固有のセンサのエラー源による避けられない限界の
みが原因になります。角度エラー要因の2つのクラスは、センサ(例、回転軸に対するミスアライメント、フ
ィルドと周辺物体から影響、マグネットの不均一性)と、センサ性能(例、温度)の品質低下させるところに
おける磁界の均一性を歪ませる環境において顕著になります。
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AMR センサによる角度計測
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ソース
名称
センサ
ヒシテリシス
振幅オフセット
温度オフセット
磁化
ノイズ
ドリフト
分解能
サイズ
材料
磁化
不均一性
離心率
ギャップ
フィルドからの影響
定義セクションを参照下さい
出力信号は一定のオフセット
出力信号は上端に依り変動的なオフセット
磁気抵抗素子の磁化角度エラー
ライン・カップリング
センサの振幅
A/Dコンバータ、離散化 (浮動小数点→整数変換)
磁界の不均一性
磁界強度に対して
磁気材料の磁化角度エラー
アライメントのセクションを参照
センサの中心とマグネットの回転軸間のdXとdY
センサ面とマグネット間のギャップ
周辺磁性物体、電流、地磁気
温度
上部
システム
マグネット
環境
コメント
表4: エラー要因
• 温度補償
磁気抵抗と同様にオーミック抵抗は、導電電子の拡散工程から来ます。全ての拡散工程が温度依存性
なので、ブリッジ抵抗と磁気抵抗効果も同様に温度依存性を示します。
温度係数は、通常、2つの温度(T1 = -25℃とT2 = +125℃)を参照します。アーク・タンジェント法が角度
計算に使用される限り、温度の影響は、最初の近似において相殺します。
もう一つの重要な値は、オフセットの温度係数になります。このお温度係数は、4つのブリッジ抵抗の温
度振る舞いにおける小さな差に原因します。
実際、出力電圧のドリフトは、磁界によるレギューラ出力信号から分離できない状態で観測されます。故
に、オフセットの温度係数は、測定精度を制限します。図15は、オフセット温度補償なしでの温度に依存
したエラーに関する最大オフセットを示します。
図15: 温度に依存するエラー
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• センサの角度エラー(妨害磁界なし)
KMT32Bに対して印加磁界強度に依存した精度エラーを概略で決める為に、下記の関係を使用すること
ができます。
計算式14: 印加磁界に対する最大角度エラー
その際、Δαmaxは、角度の最大エラーとなります。
• センサの角度エラー(妨害磁界あり)
妨害磁界の影響が要求精度以下になるところに適用する磁界強度を概略で決める為に、下記の関係を
使用することができます。
計算式 15:
障害磁界に対する最大角度エラー
その際、Δαmaxは、角度の最大エラーとなります。例として、地磁気は、Hdisturbing = 0.04 kA/mと
Happlied = 25 kA/mにおいてΔαmax= 0.09°の最大エラーとなります。
まとめ
精密な角度測定に対して、エラー要因は考慮し、配慮しなければなりません。主なエラー源は、外部環
境(温度と周辺障害磁界)から来ます。
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