建物の耐震化費用の一部を助成します ― だいじょうぶですか? あなたのお住まい ― 昭和 56 年 6 月に建築基準法の耐震基準が大幅に強化されましたが、それ以前に建て られた建物は地震のゆれに対して強度が不足している可能性が高くなっています。阪 神・淡路大震災では、昭和 56 年5月以前に建てられた建物が大きな被害を受けました。 東京都が平成 24 年 4 月に発表した東京湾北部地震(マグニチュード 7.3)による被 害想定では、大田区のほとんどの地域で震度 6 強のゆれに見舞われ、死者 1073 人、 建物全壊棟数 1 万棟を超えるなど、大きな被害を受けると報告されています(下表参照)。 大田区では、地震による建物倒壊を防止するため、耐震診断や耐震改修工事の費用の 一部を助成しています。地震からご自身やご家族の生命・財産を守るため、建物の耐震 化を始めましょう。 ■東京湾北部地震(マグニチュード 7.3) 【冬の夕方 18 時・風速 8m/秒を想定】 大 田 区 における人 的 被 害 想 定 原因 ゆれ建物被害 死者 424 人 642 人 7人 1,073 人 7,387 人 2,908 人 117 人 10,412 人 負傷者 火災被害 その他 ※ 合計 ※ その他の被害とは、急傾斜地崩壊、ブロック塀等の倒壊、屋外落下物等による被害を指します。 ※ その他の被害とは、急傾斜地崩壊、ブロック塀等の倒壊、屋外落下物等による被害を指します。 大 田 区 における建 物 被 害 想 定 原因 ゆれ 液状化 急傾斜地崩壊 合計 全壊棟数 10,856 棟 187 棟 65 棟 11,108 棟 ご自宅の建築年を確認してみましょう!! 固定資産税課税明細書(固定資産税納付書に同封されています)に建築年 が記載されていますので確認しましょう。昭和 56 年(1981 年)5 月以前に 建てられた建物は、耐震診断を受けることをおすすめします。 耐震改修をしていると・・・ E−ディフェンス(実大三次元震動破壊実験 施設)において、ほぼ同じ仕様の旧耐震基準で 建設された2棟の既存住宅を、現在の耐震改修 の技術で補強をしたものと耐震改修をしない もので、阪神・淡路大震災に相当する地震波に よる振動実験を行いました。 この実験から、適切な耐震改修を行うこと で、大地震が起きても建物は倒壊しにくいこと がわかります。 耐震改修をしていない住宅 1 耐震改修をした住宅 提供 防災科学技術研究所 E−ディフェンス 大田区では、 「大田区耐震改修促進計画」に基づいて住宅の耐震化に取り組んでいます。 ※「大田区耐震改修促進計画」については、大田区のホームページで閲覧できます。 ■大田区の耐震化助成事業 木造住宅の実績件数 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 合計 耐震診断 76 43 66 115 214 271 785 耐震改修設計 8 12 34 77 135 173 439 耐震改修工事 6 9 27 68 124 168 402 (参考)大田区耐震診断、耐震改修設計及び 耐震改修工事の助成要綱等は、大田区のホー ムページで閲覧できます。 助成対象者 建 築 物 を所 有 す る個 人又 は 法 人 区分所有建築物については、区分所有者の中から選ばれた代表者。 共有建築物については、共有者の中から選ばれた代表者。 ただし、次のいずれかに該当するものは、助成を受けることができません。 (1) 住民税を滞納している方 (2) 法人住民税を滞納している法人 (3) 会社のうち中小企業基本法に規定する中小企業に該当しない法人 (会社に該当しない法人はそれに準ずる) (4) 売買を目的に所有する不動産業者 (5) 上記に掲げる方のほか、区長が不適当と認める方 助成対象建築物 大田区内にある昭和56年5月31日以前に新築の 工事着手した木造2階建て以下の住宅 (戸 建 て 、 長 屋 、 共 同 住 宅 、 店 舗 等 併 用 住 宅 ★ ) ★店舗等併用住宅は、延べ面積の過半が住宅であるものに限ります。 ただし、次のいずれかに該当するものは、助成を受けることができません。 (1) 軽量鉄骨造、鉄骨造と木造の混構造など耐震診断方法のない構造の建築物 (2) これまでに助成を受けた建築物 (3) 不動産業者が売買を目的に所有する建築物 各助成手続きにおける注意点 ・各ステップの助成を受ける場合は、必ず契約前に申請が必要となります。 ・ 助 成 を 受 け る た め に は 、各 手 続 き の 流 れ の「 助 成 金 交 付 申 請 書 の 提 出 」か ら「 助 成 金 交 付 額 決 定 通 知 書 の 送 付 」 ま で の 手 続 き を 同 一 年 度 内 ( 4 月 1 日 か ら 翌 年 の 3 月 末 (土 日 を 除 く )) に 完 了 す る こ と が 必 要 で す 。 ・ 耐 震 化 助 成 事 業 の 申 し 込 み に つ き ま し て は 、助 成 金 の 予 算 の 範 囲 内 と な り ま す の で 、予 算に達した時点でその年度の受付は終了させていただきます。 ・助成金額は、千円未満切捨てです。 2 耐震化は、建築物にどれくらいの耐震性があるかを総合的に判断し、それに基づいて耐震 改修工事を行うことをいいます。ここでは、木造住宅の場合の耐震診断から耐震改修工事 までの流れを簡単にご紹介します。 ステップ1 耐震診断 まずは窓口でご相談ください。窓口で現在の建物の状況をお聞きし、その後現 地にて建築士が耐震診断を行います。 耐震診断とは、建築士が壁の強さやバランスといった項目等を建物の設計図書 や現地調査で確認し、国が定めた基準による耐力の計算を行い、建物の耐震性能 を 構 造 耐 震 指 標 と い う 数 値 で 表 し ま す (下 記 参 照 )。 ま た 、 建 物 が 助 成 要 件 に 適 合 しているか否かを現地で調査し、耐震改修工事の内容や建物の耐震化についての ご相談をお受けします。 耐 震 診 断 を 行 う 建 築 士 に つ い て 、区登録木造診断士 を 紹 介 し ま す が 、そ れ 以 外 の 建 築 士 を 希 望 し て も か ま い ま せ ん 。( 助 成 金 額 は 異 な り ま す 。 → 6 ペ ー ジ 参 照 ) ステップ2 耐震改修設計 耐 震 診 断 の 結 果 、 構 造 耐 震 指 標 Iw 値 が 1.0 未 満 と 診 断 さ れ た 建 物 に つ い て 、 Iw 値 1.0 以 上 に な る 耐 震 改 修 計 画 案 を 立 て 、 そ の案に基づいて設計図書と耐震改修工事費 用の概算見積りを作成します。 ステップ3-2 不燃化建替え工事 耐 震 診 断 の 結 果 、構 造 耐 震 指 標 Iw 値 が 1.0 未 満 と 診 断 さ れ た 建 築 物 に つ い て 、既 存 の 木 造 住 宅 を 解 体 し 、耐 火 又 は 準 耐 火 建 築 物 の 住宅に建替える工事を行います。 対象となる地域は限定されています ステップ3-1 耐震改修工事 (11、12 ページを参照) 耐震壁・筋かいの増設、金物の設置、基 礎の補強、屋根の軽量化など耐震改修設計 に 基 づ い て 、Iw 値 1.0 以 上 に な る 耐 震 改 修 工事を行います。 ※省令準耐火は対象外です。 ※3 階以上の共同住宅は対象外です。 構造耐震指標とは ここでいう構造耐震指標(木造の場合 Iw 値で表します)とは建築基準法で想定する大地震に対して、建物が 持つ耐震性を表した数値をいいます。 Iw 値 0.7 以上 Iw 値 1.0 以上 Iw 値 0.7 未満 1.0 未満 一応倒壊しない 参考 3 倒壊する可能性がある 木造住宅の金額・期間の目安 倒壊する可能性が高い 上段 金額 下段 期間 耐震診断 耐震改修設計 耐震改修工事 15 万程度 20∼30 万程度 300∼400 万程度 1 カ月程度 1∼2 カ月程度 2∼4 カ月程度 腕章をつけた診断士がご自宅に訪問します。 その際、診断士の登録証を提示します。 押入れの天井 をは ずして屋 根裏に入ります。 屋根裏から壁内部の筋かい、合板の 仕様、柱梁の接合部の仕様等を確認 します。 仕上げを壊さないようにコ ンセントカバーをはずして、 壁の厚さを測定します。 風呂場等の水廻り付近に床下点検 口がある場合はそこから床下に入 ります。点検口がない場合は、木 造診断士とご相談ください。 床下から壁内部の筋かい等の 仕様の確認をするとともに、 腐朽箇所の有無を調べます。 外部から外壁や基礎の鉄筋、ひび 割れ、地盤の沈下等の有無を確認 します。 家全体の傾きを調べ、一定方 向に広範囲に傾いているか調 査します。 調査結果や現在の間取りをコン ピュータに入力し、地震に対する 強さを数値化して診断します。 ※調査の順番は木造診断士により異なる場合があります。 4 耐震診断 耐震診断は 、 財団法人日本建築防災協会発行の「2012年改訂版木造住宅の耐震診断と補 強方法」並びに「木造住宅の耐震補強の実務」に基づき実施します。 大田区では、区登録木造診断士制度という形で、皆様の負担が少なく、安心して耐震診断を受 けることができる制度をご用意しています。 ●区登録木造診断士の場合の手続きの流れ 「助成金交付申請書」の提出 必ず区役所窓口で相談したのちに、申請書 (区指定様式)と以下の書類をあわせて提 出してください。 提 出 書 類 (1)対象建築物の築年月と所有者が確認できる書類で次のいずれかのもの ア 建築確認通知書の写し イ 固定資産税課税明細書の写し ウ 建築物の登記事項証明書の写し(6ヶ月以内に発行されたもの)(必須) (2)所有者が住民税を滞納していない旨を確認できる書類で次のいずれかのもの(必須) ア 住民税の納税証明書(完納されているもの) イ 住民税の非課税証明書 詳しい提出書類は 13 ページをご覧ください。 (3)印鑑(スタンプ印以外) 職員による現地調査 区の職員が敷地、建物の外観調査に伺い、 耐震改修工事助成の対象となるかの確認を します。 建物の中には入りません。 「助成金交付決定通知書」の送付 申請書および現地調査の審査後、申請者に は 区 か ら「 耐 震 診 断 助 成 金 交 付 決 定 通 知 書 」 を送付します。 耐震診断の契約 木造診断士と日程調整後、耐震診断の契約 を締結してください。 耐震診断の実施 耐震診断を行う前に建物調査を実施します ので、申請者は立会いをお願いします。 自己負担額はここで決定します。 耐震診断の結果報告・説明 木造診断士が耐震診断の結果及び改修工事 をした場合の概略の補強案と概算費用を説 明します。 「耐震診断完了報告書」の提出 耐震診断費用のうち自己負担額を請求書に基づいて木造 診断士に支払い、領収書を受け取ってください。「完了報 告書」に請求書と領収書を添付して区に提出ください。 「助成金交付額決定通知書」の送付 区は内容を審査し、助成金額を決定し、 「助成金交付額 決定通知書」を送付します。また、耐震診断費用の残額 を木造診断士に区から支払います。 5 ○助成内容 助 成 額 自己負担額 80 ㎡未満 12.5 万円 10 万円 2.5 万円 80 ㎡以上 160 ㎡未満 15 万円 12 万円 3 万円 160 ㎡以上 17.5 万円 14 万円 3.5 万円 ・延床面積は耐震診断実施後に決定します。 ●区登録木造診断士以外の建築士の場合 区登録木造診断士の場合と内容が異なります。 提出書類 ・左記提出書類(1)∼(3) ・耐震診断の見積書(希望する建築士に作成してもらってください) 助成内容 用途 助成限度額 助成割合 一戸建て 一戸建て以外の住宅 10 万円 10 万円 実際にかかった費用の 2/3 ★要する費用の 2/3 ★要する費用の算出方法 ①、②のうちいずれか低い金額 ①実際にかかった耐震診断費用 ②下記に掲げる単価×延べ面積で算出した費用 ア、面積 1,000 ㎡以下の部分 2,060 円/㎡ イ、面積 1,000 ㎡超 2,000 ㎡以下の部分 1,540 円/㎡ ウ、面積 2,000 ㎡超の部分 1,030 円/㎡ 申請者が耐震診断費用全額 を建築士に支払った後に、 区から申請者に 助成金をお支払いします。 耐震改修設計及び耐震改修工事の助成要件について 次のいずれかに該当する建築物の場合、区では耐震改修設計及び耐震改修工事の助成を受らけれません。 ただし、該当する部分を是正すれば助成を受けることができます。 ◆敷地が道路に接していない建築物 ◆建築物が道路(すみ切りを含む)に突出している建築物 ◆3階建て以上の建築物 ◆店舗等併用住宅において、延べ面積の過半が住宅でない建築物 ◆建築基準法等の法令に著しく違反している建築物 ・上記に該当している場合でも、耐震診断助成については受けられます。 <敷地が道路に接しているとは・・・> 建築物の敷地は「建築基準法上の道路※」に、原 則として 2m以上接している必要があり、それを満 たしているかどうかで道路に接しているかを判断 します。 建築物 ← 建築物が道路に突出している 道路境界線とみなす線 2m <建築物が道路に突出しているとは・・・> 建築物が「建築基準法上の道路※」境界線より道 道路中心線 路側に出ているかどうかで、道路に突出しているか を判断します。幅 4m未満の道路に接している場合 は、道路境界線が現況と異なるので注意が必要です。 ※建築基準法上の道路とは 本来幅が 4m以上の道路のことを指します。幅 4m未満でも道路として認められているものもあ ります(法 42 条第 2 項)。その場合、道路境界線 とみなす線は、現況の道路と敷地の境界と異なり ます(右図参照)。 4m 未満 現況の道路境界線 2m 道路境界線とみなす線 建築物 ← 建築物が道路に突出していない 注意:道路状になっていても建築基準法上の道路で はないことがあります。 6 耐震診断 契約金額(税込) 延床面積 耐震改修設計及び耐震改修工事は財団法人日本建築防災協会発行の「2012年改訂版木造住宅 の耐震診断と補強方法」並びに「木造住宅の耐震補強の実務」に基づき実施します。ここでは、耐震 改修設計及び耐震改修工事の助成手続の流れと助成内容についてご案内します。 ●手続きの流れ 設計又は工事の 耐震改修設計 設計又は工事の 「助成金交付決定通知書」の送付 耐震改修工事 設計又は工事の契約 耐震改修設計又は耐震改修工事の「助成金 交付申請書」に以下の書類とあわせて提出 してください。 提 出 書 類 「助成金交付申請書」の提出 詳しい提出書類は 13、14 ページをご覧ください。 ○耐震診断の提出書類(1)∼(2) (耐震診断時に提出済みの場合は省略できます) ○耐震改修設計又は耐震改修工事の見積書 (耐震改修工事の見積書は、耐震改修工事と それ以外の工事にわかるようにしてください。) ○耐震改修工事の概略の工程表 申請書の審査後、申請者に区から「助成金 交付決定通知書」を送付します。 耐震改修設計又は耐震改修工事の契約を締結 し て く だ さ い 。そ の 後 耐 震 改 修 工 事 に つ い て は 速 や か に「 施 工 者 届 」に 契 約 書 の 写 し な ど を 添 付して区に提出してください。 必ず助成金交付決定通知後に契約してください。 設計又は工事の実施 設計又は工事費用の 業者への支払い 設計又は工事の 「完了報告書」の提出 設計又は工事の 「助成金交付額決定通知書」の送付 設計又は工事の 「助成金請求書」の提出 設計又は工事の助成金交付 7 耐震改修設計又は耐震改修工事を実施しま す。耐震改修工事については、区による中 間・完了確認を実施します。 耐震改修設計又は耐震改修工事にかかった費 用の全額を業者発行の請求書に基づき支払い、 領収書を受け取って ください。 耐震改修設計又は耐震改修工事の「完了報 告書」に請求書と領収書を添付して区に提 出してください。 完了報告書の審査後、助成金額を決定し、 区 か ら 申 請 者 に「 助 成 金 交 付 額 決 定 通 知 書 」 を送付します。 「助成金請求書」を区に提出してください。 助成金を依頼された口座に区から振り込み ます。 ○助成内容 耐震改修設計 助成限度額 助成割合 15 万円 実際にかかった費用の 2/3 助成限度額 耐震改修工事 助成割合 通常 100 万円 ★要する費用の 1/2 高齢者等 (※) 150 万円 ★要する費用の 2/3 なお、耐震改修に 関わらない工事 (リフォーム工事)は、 助成金の対象外です。 ※ 高齢者等(申請者が居住する住宅のみ) ここでいう高齢者等には、助成金の特別加算があります。次のいずれかに該当する場合に適用されます。 ア 申請者世帯に、65 歳以上の方が含まれる場合 イ 申請者世帯に、身体障害者手帳、愛の手帳、精神保健福祉手帳の交付を受けている方が含まれる場合 ウ 申請者の世帯全員の住民税が非課税である場合 (注)申請者世帯とは、住民票上、申請者と同一世帯であることをいいます。 耐震改修工事 大田区では工事監理者の選任を義務づけています!! 工事監理者とは・・・ 工事監理者は設計図書どおりに施工が正しく行われているかをチェック し、施工業者任せにしないために施工状況を確認し欠陥の発生を未然に防ぐ など、とても重要な役割を担っています。 なぜ工事監理が重要か・・・ 耐震改修設計は柱や梁(はり)など構造上主要な部材が仕上げに隠れて見えない状況で行うため、耐 震改修工事を進めていくと、設計図書と既存建物の施工状況が異なる場合も出てきます。 例えば、土台や柱などが腐食していたり、耐震壁を設置するところに基礎がなかったりすることが あり、この場合、設計図書にはない別の工事を行う必要が生じます。工事監理者はこうした場合に的 確に業者に指示するなど改修工事の際に重要な役割を担います。 区内中小事業者で施工すると・・・ リフォーム費用の一部を助成します!! 自己居住住宅のリフォームを区内中小事業者に発注し、バリアフリー、環境 への配慮、防犯・防災対策の工事やそれらを含む一般リフォーム工事を行う場 合、工事費用の一部を助成します。詳しい内容につきましては、住宅課へお問 い合わせください。 耐震改修設計 ★要する費用の算出方法 ①、②のうち、いずれか低い金額 ① 実際にかかった耐震改修工事費用 ② 単価(33,500 円/㎡)×延べ面積で算出した金額 問合せ先 住宅課 5744-1343 8 壁 の 補 強 筋かいを設けることでねじれを防ぎ、横からの 接合部の補強 柱や梁と筋かいの接合部を金物で固定し、 耐震性能を向上させる補強方法です。 衝撃にも強くなります。 構造用合板を柱や梁(はり)、土台などで囲ま 他には、基礎と柱を固定するホールダウン金物 れた面にはることで、筋かいと同じように耐震性 や、基礎と土台を固定するアンカーボルト等があ 能を高めるにはとても重要な補強方法です。 ります。 筋かいや構造用合板の配置にあたっては、建物 ホールダウン金物とアンカーボルト 全体の壁の配置バランスも考えて行うことが重 要です。 筋かい 構造用合板 金物プレート 柱や梁と筋 交いを固定 します。 屋根の軽量化 屋根の軽量化は、建物を軽くすることで、ゆれ を少なくして倒壊を防ぐのに効果があります。 基礎の補強 古い木造住宅では、基礎に鉄筋が入っていない 場合がほとんどです。 既存の基礎に鉄筋を入れた基礎を増設し、耐震 性能を向上させます。 9 不燃化建替えとは、燃えにくく倒れにくい建築物へ建替えることをいいます。このことにより、地震 による倒壊の危険性がなくなるだけでなく、延焼火災に強い建築物となり、安全・安心なまちづくりに 役立てます。ここでは不燃化建替え工事の助成手続の流れと助成内容についてご案内します。 ●手続きの流れ 「助成金交付申請書」の提出 詳しい提出書類は 14 ページをご覧ください。 提 出 書 類 耐 震 改 修 工 事 ( 不 燃 化 建 替 え 工 事 )の 「 助 成 金交付申請書」に見積書を添付のうえ区役 所に提出してください。 ○耐震診断の提出書類(1)∼(2) (耐震診断時に提出済の場合は省略できます) ○新築工事の見積書 ○新築の建築確認申請書及び確認済証の写し ○既存建築物を改修工事をした場合の設計図書と概算見積り ○新築工事の概略の工程表 「助成金交付決定通知書」の送付 申請書の審査後、申請者に区から「助成金 交付決定通知書」を送付します。 不燃化建替え工事の契約 不燃化建替え工事の契約を締結してください。その 後、速やかに「施工者届」に契約書の写しなどを添 付して区に提出してください。 必ず助成金交付決定通知後に契約してください。 不燃化建替え工事を実施します。指定機関 の検査をうけて、検査済証を取得してくだ さい。 工事費用の業者への支払い 不燃化建替え工事にかかった費用の全額を 業者発行の請求書に基づき支払い、領収書 を受け取ってください。 「完了報告書」の提出 不燃化建替え工事の「完了報告書」に請求 書・領収書と検査済証を添付して区に提出 してください。 「助成金交付額決定通知書」の送付 完了報告書の審査後、助成金額を決定し、 区 か ら 申 請 者 に「 助 成 金 交 付 額 決 定 通 知 書 」 を送付します。 「助成金請求書」の提出 助成金の交付 「助成金請求書」を区に提出してください。 助成金を依頼された口座に区から振り込み ます。 10 不燃化建替え工事 不燃化建替え工事の実施 不燃化建替え工事助成対象地域 助成対象区域は、木造住宅密集地域等、防災性能の向上が特に求められる区域です。 大岡山 長原 ○助成 内容 馬込 助成限度額 助成割合 100万円 要する費用の1/2 大森 多摩川 西馬込 要する費用の算出方法 ①、②、③のうち、いずれか低い金額 ① 仮に耐震改修工事を行った場合の見積の金額 ② 実際にかかった不燃化建替え工事費用 ③ 単価(33,500円/㎡)×既存建物の延べ面積で算出した金額 平和島 大森町 下丸子 池上 梅屋敷 蓮沼 蒲田 京急蒲田 糀谷 大鳥居 穴守稲荷 天空橋 雑色 羽田空港 不燃化建替え工事助成対象町丁目名 注意事項 ・既存の木造住宅を、「耐火」又は「準耐火」建築物である住宅(店舗等併用の場合には延べ面積の過 半が住宅であるもの)に建替える場合に助成対象となります。「省令準耐火」は助成対象とはなりま せん。 ・住宅であっても、3階以上の共同住宅に建替える場合は、助成対象となりません。(長屋は助成対象 となります。) ・既存住宅の耐震診断の結果「Iw値1.0未満(Iw値については3ページを参照してください。)」とされ た住宅について助成対象となります。 ・区の耐震診断の内容確認が完了するまでに既存建物を解体した場合 、助成対象となりません。 ・不燃化建替え工事助成申請の添付書類として、既存住宅の耐震改修工事を想定した補強設計案(Iw値 1.0以上)及びその概算工事見積りが必要となります。耐震診断完了時に、区に提出してください。 その作成費用を耐震診断費用に含めることができます。 ・不燃化建替え工事助成申請の添付書類として、新しく建替える住宅の確認済証が必要となりますので、 建替え工事の契約と設計の契約を分けてご契約ください。また、耐震診断の契約と建替え工事契約も 分けてご契約ください。 ・不燃化建替え工事をするための設計助成は行っていません。 11 大森東二丁目、四丁目 全域 池上六丁目 1番、4番∼6番 16番 東蒲田一丁目∼二丁目 全域 大森中一丁目∼三丁目 全域 鵜の木二丁目 全域 南蒲田一丁目∼三丁目 全域 大森西三丁目、五丁目 全域 上池台一丁目 1番∼5番 西蒲田一丁目∼六丁目 全域 大森西六丁目 西糀谷一丁目∼四丁目 全域 西蒲田七丁目 大森北三丁目、六丁目 全域 北糀谷一丁目∼二丁目 全域 東矢口一丁目、三丁目 全域 東馬込一丁目∼二丁目 全域 羽田二丁目∼六丁目 全域 新蒲田三丁目 全域 北馬込一丁目∼二丁目 全域 東六郷一丁目 全域 蒲田二丁目 全域 中央三丁目∼四丁目 全域 西六郷一丁目∼二丁目 全域 蒲田三丁目 18番∼25番 中央七丁目∼八丁目 全域 仲六郷一丁目∼二丁目 全域 蒲田四丁目 1番∼20番、 48番∼50番 池上五丁目 全域 下丸子一丁目 蒲田本町二丁目 全域 16番∼17番 全域 1番∼37番、 39番∼46番 12 助成申請の際に必要な書類 A 耐震診断助成金交付申請書 (区指定様式) B 対象建築物の築年月が確認できるもので次のいずれかのもの ア 建築確認通知書の写し イ 固定資産税課税明細書 の写し ウ 建築物の登記事項証明書(申請日から半年以内に発行されたもの)(必須) C 対象建築物の所有者が確認できるもので次のいずれかのもの ア 固定資産税課税明細書 の写し イ 建築物の登記事項証明書(申請日から半年以内に発行されたもの)(必須) D 所有者が住民税を滞納していない旨を確認できる次のいずれかのもの (必須) ア 住民税の納税証明書(完納されている直近の年度のもの) イ 住民税の非課税証明書 耐 震 E 建築物を区分所有や共有している場合、耐震診断を行うこと及び代表者を 決定したことに対する同意書 診 断 ★区登録木造診断士以外 の建築士の場合、耐震診断の見積書 助 ★法人所有の場合、法人である旨の登記事項証明書 成 診断完了の際に必要な書類 ①耐震診断完了報告書 (区指定様式) ②耐震診断結果報告書一式 平面図・写真など ※3階建て以上の建築物の場合、天井高のわかる図面と写真 ※店舗等併用住宅の場合、それぞれの用途がわかる図面と面積表 ※不燃化建替えの場合、耐震改修工事をした場合の設計図書と概算見積り ③耐震診断費用の請求書及び領収書 下記の書類一覧表以外に、その他区長が提出書類が必要と認める場合があります。 詳細は区役所窓口でお聞きください。 助成申請の際に必要な書類 ①耐震改修工事助成金交付申請書 (区指定様式) ②「耐震診断助成申請」の必要な書類のB∼D (「 耐震診断助成申請」の際に提出済の場合省略できる) ③耐震診断結果報告書一式 (「耐震診断完了」の際に提出済の場合省略できる) ④耐震改修設計報告書一式 (「耐震改修設計完了」の際に提出済の場合省略できる) ⑤耐震改修工事の見積書(「耐震改修設計完了」の際に提出済の場合省略できる) (見積書の単価は、積算根拠がわかるようにし、工事監理費を含むこと) ⑥耐震改修工事の概略の工程表 耐 ⑦高齢者等の確認できる証明書の写し (例:保険証、免許証など) 震 ⑧建築物を区分所有や共有している場合、耐震改修工事を行うことの同意書 改 修 改修工事着工の際に必要な書類 ①耐震改修工事施工者届 (区指定様式) 工 事 ②耐震改修工事の契約書及び契約内訳書の写し 助 ③耐震改修工事の実施工程表 成 改修工事完了の際に必要な書類 ①耐震改修工事完了報告書 (区指定様式) ②工事監理報告書 (大田区では工事監理者の選任を義務化しています。8ページ参照) ③耐震改修工事記録写真 ④耐震改修工事費用の請求書・領収書(耐震改修工事費用がわかるようにすること ) 助成金の請求の際に必要な書類 ①耐震改修工事助成金請求書 (区指定様式) ②口座振替依頼書(区指定様式) 助成金の請求の際に必要な書類 ①耐震診断助成金請求書(区指定様式) ②口座振替依頼書(区指定様式) ★区登録木造診断士の場合、委任状 助成申請の際に必要な書類 ①耐震改修設計助成金交付申請書 (区指定様式) ②「耐震診断助成申請」の必要な書類のB∼D (「耐震診断助成申請」の際に提出済の場合省略できる) ③耐震診断結果報告書一式 (耐震診断完了時に提出済の場合省略できる) ④耐震改修設計の見積書 耐 (耐震改修設計には耐震改修後の耐震診断計算書を含む) 震 ⑤建築物を区分所有や共有している場合、耐震改修設計を行うことの同意書 改 修 設計完了の際に必要な書類 ①耐震改修設計完了報告書 (区指定様式) 設 ②耐震改修設計報告書一式 計 耐震改修工事概要説明書 ・設計図書 助 ③耐震改修工事の見積書(見積書の単価は、積算根拠がわかるようにすること ) 成 工事費の積算の要した見積書及びカタログ等 ④耐震改修設計費用の請求書及び領収書 助成金の請求の際に必要な書類 13 助成申請の際に必要な書類 ①耐震改修工事助成金交付申請書(不燃化建替 え工事)(区指定様式) ②新築工事の見積書 ③新築の建築確認申請書及び確認済証の写し ④既存建築物の耐震改修工事をした場合の設計図書と概算見積り (「耐震診断完了」の際に提出済の場合省略できる) 不 ⑤既存建築物の耐震診断結果報告書一式 燃 (「耐震診断完了」の際に提出済の場合省略できる) 化 ⑥概略の工程表 建 ⑦建築物を区分所有や共有している場合、不燃化建替え工事を行うことの同意書 替 建替え工事着工の際に必要な書類 え ①耐震改修工事施工者届 (不燃化建替え工事)(区指定様式) 工 ②不燃化建替え工事の契約書及び契約内訳書の写し 事 ③工事実施の工程表 助 建替え工事完了の際に必要な書類 成 ①耐震改修工事完了報告書(不燃化建替 え工事)(区指定様式) ②不燃化建替え工事費用の請求書・領収書 ③検査済証の写し 助成金の請求の際に必要な書類 ①耐震改修設計助成金請求書 (区指定様式) ①耐震改修工事助成金請求書(不燃化建替 え工事)(区指定様式) ②口座振替依頼書(区指定様式) ②口座振替依頼書(区指定様式) 14 ■税法上の優遇措置 (平成 26 年 4 月 1 日現在) 耐震改修工事(固定資産税・都市計画税は建替えも含まれます)を実施した場合に、次のような税制 上の優遇措置を受けられる場合があります。検討する際は、あらかじめ対象要件や 必要書類・手続き等について、問い合わせ先へ確認してください。 所得税 昭和 56 年 5 月 31 日以前に建築された住宅の所有者が、 平成 29 年 12 月 31 日までに一定の耐震改修を行 った場合、費用の一部が所得税から控除される場合があります。詳細な内容については、所轄の税務署に お問い合わせください。 大森税務署 電話 3755-2111 雪谷税務署 電話 3726-4521 蒲田税務署 電話 3732-5151 固定資産税・都市計画税 昭和 57 年 1 月 1 日以前から所在する家屋を建替え又は耐震改修した住宅について、 一定の要件を満たす 場合、固定資産税・都市計画税が減免される場合があります。詳細な内容については、都税事務所固定資 産税係にお問い合わせください。(平成 27 年 12 月終了予定) 大田都税事務所 電話 3733-2411 ■その他の支援制度(平成 26 年 4 月 1 日現在)※以下の助成制度は耐震化助成事業と併用できません。 震災時の初期段階における火災に対する避難確保と延焼遮断帯形成のため、大 大森中・糀谷・ 蒲田地区 都市防災不燃化 促進事業 森中・糀谷・蒲田地区防災街区整備地区計画で指定した、地区防災道路中心から 15 mの区域内で、一定の要件に合う建築物の建築費の一部を助成します。詳しい内 容につきましては、「災害に強い家づくり・まちづくりガイド」のパンフレットを ご覧になるか、下記までお問い合わせください。 問い合わせ先 防災まちづくり 市街地整備 5744-1338 東京都指定の大森中地区の一部(不燃化特区)を対象として、火災に強い市街 大森中地区不燃 化まちづくり 助成事業 地の形成を図るため、 「壁面後退奨励金」や「戸建て建替え助成」など区域内の不 燃化を推進する事業を実施しています。詳しい内容につきましては、 「大田区大森 中地区(西糀谷・東蒲田・大森中)不燃化まちづくり助成事業のご案内」のパンフ レットをご覧になるか、下記までお問い合わせください。 問い合わせ先 防災まちづくり 市街地整備 5744-1338 家全体の耐震改修工事を行うことが経済的に困難な高齢者や障害者の方を対象 耐震シェルター等 に、寝室等に設置できる耐震シェルター・耐震ベッドの設置費用の一部を助成し 設置助成事業 ます。詳しくは「大田区耐震シェルター等設置助成事業のご案内」のパンフレッ トをご覧ください。 問い合わせ先 防災まちづくり 耐震改修 5744-1349 問い合わせ先 大田区 まちづくり推進部 都市開発課 防災まちづくり 耐震改修(大田区役所 7階) 〒144-8621 大田区蒲田五丁目 13 番 14 号 電話 5744-1349 交通アクセス FAX 5744-1526 JR 京浜東北線・東急多摩川線・池上線「蒲田駅」東口から徒歩約 1 分 京浜急行線「京急蒲田駅」西口から徒歩約 10 分 大田区ホームページ http://www.city.ota.jp
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