Taro-2102 比熱、熱容量 改訂.jt

比熱、熱容量
本 時の 目 標
段
階
・ 熱容 量 と比 熱 の関 係 式を 理解 で き る。
・ 温ま り やす い 、温 ま りに くい 物 質 は、 私た ち の生 活 の中 で どの よ うな 関 係が あ るの か 正し く 理解 す る。
学
学
習
内
習
活
動
容
指導 上の 留 意 点
教
師
の
指
導
生
徒
の
指
導
導 熱 運 動 に つ い て 確 ・ 本 時 で 使 用 す る 教 科 書 の ペ ー ジ を 開 ・教 科 書を 開 く。
入 認
かせ る。
・指 名 され た 生徒 は 答え る 。
・生徒を指名し、熱(熱量)は何の動
きで ある か 答 えさ せる 。
・絶対温度について復
習しながら分子の動
きであることを強調
す る。
時
間
( 分)
5
演示実 験①
・ ビ ーカ ー に 、 水 、食 用油 ( 1 00 cc) ・ 予 想 さ せ 指 名 さ れ た 生 徒 は ・ ビ ー カ ー に 六 角 ナ ッ 5
水と食用油の熱容
を用意し、ガスコンロで熱した六角
答える。また、実際に手で
トを入れるとき、火
量
ナットを入れ、各々の上昇温度を予
触れてどちらが温かいが答
傷 に気 を つ ける 。
想 さ せ 答 え さ せ る 。( 実 験 手 順 は 別 紙
え る。
記 載。)
・ 物 体 は 、 大 き さ ・ 形 10
・ 熱 容 量 に つ い て ・物体を温か いと感じ るのは熱エ ネル ギーが移 動したか ら。そ の ・説 明 を聞 く 。
の外見に着目してい
説明
・板 書 を写 す 。
る 点を 説 明 する 。
分量が熱量。熱量は、熱容量と上昇温度に関係している。
「Q = CΔ T 」
・ある物体を1 〔 K 〕だけ上げる熱量〔 J 〕をそ の物体の熱容量
展
〔 J / K 〕とい う。
・問題 演習 ①
・板 書と説 明。
(熱 容 量の 問 題) ・ 板書 と問 題 の 概要 の説 明 。
・問 題を 解く。
演示実 験②
・ ビ ー カ ー に 水 ( 1 0 0 c c ) と 水 ( 2 ・指 名さ れた生 徒は 答える 。
水と食用油の比熱
0 0 c c ) を 用 意 す る 。 ガ ス コ ン ロ で ・説 明 を聞 く 。
の説明
六角ナットを熱した後、各々のビー
カーに入れて上昇温度を予想させ、
答 えさせ る。(実験 手順 は別紙 記載。)
・熱容量の式に比
熱を含めた式の
説明
開 「Q = mc Δ T」
・問題 演習 ②
(比熱 の問 題)
・単位質量の物質の温度を1 〔 K 〕だけ 上昇させるのに必要な熱
・板 書 を写 す 。
・説 明 を聞 く 。
・物質は、その物の構
造・構成元素など、
性質に着目している 5
点 を説 明 す る。
・熱容量を表す大文字
「C」と、比熱を表
す 小 文 字 「 c 」 の 表 10
記を 強調 する 。
量を比熱〔 J / g ・ K 〕という。
・熱容量 C は、質量×比熱cで表す。
☆ ポイ ン ト
「 C =mc 」の説明
・ 板書 と説 明
・ 板書 、問 題 の 概要 の説 明 。
・ 比 熱 は 〔 kg 〕 よ り も 、
・問 題 を解 く 。
〔 g 〕 を 用 いて計 算 す る 点
を強 調 す る 。
サプ ラ イズ
・温まりやすい物 ・比熱が大きい物質(水)と小さい物 ・予想させ指名した生徒は答 ・海は温まりにくく冷
質、温まりにく
質(食用油)は、どちらが先に冷え
える。
めにくいので、海沿
い物質、冷めに
るだ ろう か 考 えさ せる 。
いの町は温かい。反
く い 物 質 、 冷 め ・ 実際 に、 水 と 食用 油を 触 れさ せ る。
・水と食用油を触れさせて実
対に内陸部(盆地)
やすい物質の理
感 さ せる 。
は、温まりやすく、
解 を 深め る 。
・ 比 熱 の 大 き な 物 質 は 、 ど の よ う な 物 ・指 名 され た 生徒 は 答え る 。
冷めやすいので冬は
質が ある か 考 えさ せる 。
氷 点下 ま で 下が る。
〔 代 表 例: 水( 大き い)、石( 小 さい)〕
・ 自 然 現 象 と し て 、 ど の よ う な 現 象 が ・指 名 され た 生徒 は 答え る 。
起き てい る 答 えさ せる 。
ま ・ 熱 容 量 と 比 熱 の ・ 発問 、生 徒 を 指名 。
・指 名 され た 生徒 は 答え る 。
と
特徴を理解させ ・熱容量と比熱とエネルギーの関係に
め
る。
つい て答 え さ せる 。
・ 熱 量( エ ネル ギ ー) が 熱容 量と 上 昇 温度 によ っ て 表す 関係 式 が 理解 でき た か。
評 価の 観 点 ・ 熱 容量 が 、質 量 と比 熱 によ って 表 す 関係 式が 理 解 でき たか 。
・ 温 まり や すい 物 質、 温 まり にく い 物 質、 冷め や す い物 質、 冷 め にく い物 質 、を 理 解で き たか 。
備
考
・ 数 研出 版 の物 理 Ⅰ( 改 訂版 )の 教 科 書(P 10 1~ 1 0 2) を参 考 に した 。
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5
5
〈板書案〉
演示実験① 熱容量の測定
○使用したもの
・水 道 水
・ 食用 油 (日 清 キャ ノ ーラ 油 )
・ ウイ ン ドウ オ ッシ ャ ー液 ( ー6 0 ℃ま で 使用 可 )
・ 六角 ナ ット ( 質 量 19.0~ 19.1g 、大 き さ【 内 径 11mm】
・ ガス コ ンロ 、 スト ッ プウ オ ッチ
・ 温 度計
・ 火ば さ み
・金 網
(写真①
左 か ら 、水 、食 用 油 、ウ イ ン ド ウ オ ッ シ ャ ー 液 、容 量 は 全 て 100 cc)
【実験手順①】
ビ ー カ ー に 、 水 、 食 用 油 、 ウ イ ン ド ウ オ ッ シ ャ ー 液 を 、 1 0 0 ccず つ 入 れ る 。( 写 真 ① )。 あ ら か じ め ビ ー カ ー
に 温 度 計 を 入 れ 温 度 を 測 定 し て お く 。次 に 六 角 ナ ッ ト を、ガ ス コ ン ロ で 2 分 間 熱 し た。2 分 後 に ガ ス コ ン ロ を 止 め 、
火ばさみで1個ずつ、合計3個の六角ナットをビーカーに入れる。はじめのビーカーの温度(前)と六角ナットを
入れたあとのビーカーの最高温度(後)を測定する。
● ビ ー カ ー に 100 ccを 入 れ た と き ( 学 習 指 導 案 に 記 載 し て ま す 。)
水道水
食用油
ウインドウオッシャー
液
100 cc
100 cc
はじめの温度 (前)
16.1℃
18.5℃
17.5℃
あとの温度
31.8℃
48.5℃
36.9℃
15.7℃
30.0℃
19.4℃
ビーカーに入れた容量
温度 差
(後)
(Δ T)
100 cc
【実 験結果 ①】
ビ ー カ ー に 各 々 100 ccい れ た と き 、 比 熱 の 大
き い 水 ( 比熱 4.2) は 、 温 度 上 昇が 少 な い。 比 熱
の 小 さ い 食 用 油 は (比 熱 2.04)、 温 度 上 昇 が 大 き
い。ウインドウオッシャー液の比熱は、水より
も小さく、食用油よりも大きいことがわかる。
比熱は、物体(物質)により温度上昇が異な
る様子を観察できる。食用油の様子を温度計で
観察するとグングン温度上昇の様子がわかるの
で面 白い と思 います 。
注 意 ! ! ※ ビ ー カ ー( 100cc)の あ と の 温 度( 後 )、
31.8℃ 、 48.5℃ 、 36.9℃ は 、 サ プ ラ イ ズ で 使 用 す る 。
●演示実験②
比熱の測定
【実験手順②】
使用したものは変更はなく、新たに水道水
100 cc と 200 ccを 用 意 し た 。 ほ か は 、 実 験 手 順
①と同様に行った。
● ビ ー カ ー に 水 道 水 100 ccと 200 cc入 れ た と き
水道水
水道水
(写真②
100 cc
ビーカーに入れた容量
水 100 ccと 、 水 200 ccを 用 意 す る 。)
200 cc
【実験 結果 ②】
はじめの温度 (前)
16.1℃
16.1℃
あとの温度
32.0℃
26.1℃
15.9℃
10.0℃
(後)
温度 差 ( ΔT )
水 道 水 100cc と 200 cc を 比 較 す る と 、 温 度 差 が
異 な っ て い る 。 水 1 ccを 1g と す る と 、 水 100g
と水 200gで 温度 上昇 が異 なる。
そこ で、 熱容 量C は、物 質の 質量 も考慮 し、
熱 容 量 C= 質 量 m〔 g 〕 × 比 熱 c〔 J / g・ K〕
の関 係式が ある と生 徒に 教える 。
●サプライズ
実際にビーカーに触れさせ、温まりやすい、温まりにくい、冷めやすい、冷めにくいを実感させる。
材料と
水道水
食用油
ウインドウオッシャー液
温度
経過
測定温度
時間
あ と の 温 度( 31.8℃ ) 測 定 温 度
( ℃ )
と の 差 (Δ T )
( ℃ )
あ と の 温 度 ( 48.5℃ ) 測 定 温 度
と の 差 (Δ T )
( ℃ )
あ と の 温 度 ( 36.9℃ )
と の 差 (Δ T )
10分後
28.0 ℃
3.8℃
38.0℃
10.5
℃
29.5
℃
7.4
℃
30分後
23.5
8.3℃
29.0
19.5
℃
22.5
℃
14.4
℃
℃
℃
※ 水 道 水よ り、 食 用油 の 方が 、 冷め や すい 。
【サプライズの結果】
演 示 実 験 ① の 、 水 道 水 100 ccと 食 用 油 100 cc( ま た は 、 ウ イ ン ド ウ オ ッ シ ャ ー 液 100cc) の 授 業 中 の
経過時間およそ30分後に、生徒に水、食用油(ウインドウオッシャー液)の入ったビーカーに直接手
を 触 れ さ せ 、「 ぬ る く 」な っ て い る と 実 感 し て も ら う 。比 熱 の 大 き い 水 は 、温 ま り に く く 、冷 め に く い 、
食用油(またはウインドウオッシャー液)は、温まりやすく、冷めやすいことを理解する。
【実験の注意事項】
ビ ー カ ー に 、 六 角 ナ ッ ト を 入 れ る と き 、「 ジ ュ ー 」 と い う 音 が 出 ま す 。 ウ イ ン ド ウ オ ッ シ ャ ー 液 の
場合、派手に音がなるので生徒に面白いと思います。
六 角 ナ ッ ト は 、小 さ い ナ ッ ト( 内 径 8 mm)と 大 き い ナ ッ ト( 内 径 11 mm)の 2 種 類 を 用 意 し ま し た 。
大 き い 六 角 ナ ッ ト が 、 液 体 に 入 れ る 際 の 、「 ジ ュ ー 」 の 音 が 大 き く 迫 力 が あ り ま す 。
六角ナットを入れるときは、火ばさみが良いです。箸(はし)で入れようとすると、なかなか
掴(つか)めず、六角ナットを落とし、火傷する危険性があります。
※ウインドウオッシャー液は、参考資料です。学習指導案には記載していません。
参考文献
た の し く わ か る 物 理 実 験 事 典 左 巻 健 男 /滝 川 洋 二 【 編 著 】
NHK高校講座物理
おもしろ実験・ものづくり事典
左 巻 健 男 /内 村 浩 【 編 著 】