比熱、熱容量 本 時の 目 標 段 階 ・ 熱容 量 と比 熱 の関 係 式を 理解 で き る。 ・ 温ま り やす い 、温 ま りに くい 物 質 は、 私た ち の生 活 の中 で どの よ うな 関 係が あ るの か 正し く 理解 す る。 学 学 習 内 習 活 動 容 指導 上の 留 意 点 教 師 の 指 導 生 徒 の 指 導 導 熱 運 動 に つ い て 確 ・ 本 時 で 使 用 す る 教 科 書 の ペ ー ジ を 開 ・教 科 書を 開 く。 入 認 かせ る。 ・指 名 され た 生徒 は 答え る 。 ・生徒を指名し、熱(熱量)は何の動 きで ある か 答 えさ せる 。 ・絶対温度について復 習しながら分子の動 きであることを強調 す る。 時 間 ( 分) 5 演示実 験① ・ ビ ーカ ー に 、 水 、食 用油 ( 1 00 cc) ・ 予 想 さ せ 指 名 さ れ た 生 徒 は ・ ビ ー カ ー に 六 角 ナ ッ 5 水と食用油の熱容 を用意し、ガスコンロで熱した六角 答える。また、実際に手で トを入れるとき、火 量 ナットを入れ、各々の上昇温度を予 触れてどちらが温かいが答 傷 に気 を つ ける 。 想 さ せ 答 え さ せ る 。( 実 験 手 順 は 別 紙 え る。 記 載。) ・ 物 体 は 、 大 き さ ・ 形 10 ・ 熱 容 量 に つ い て ・物体を温か いと感じ るのは熱エ ネル ギーが移 動したか ら。そ の ・説 明 を聞 く 。 の外見に着目してい 説明 ・板 書 を写 す 。 る 点を 説 明 する 。 分量が熱量。熱量は、熱容量と上昇温度に関係している。 「Q = CΔ T 」 ・ある物体を1 〔 K 〕だけ上げる熱量〔 J 〕をそ の物体の熱容量 展 〔 J / K 〕とい う。 ・問題 演習 ① ・板 書と説 明。 (熱 容 量の 問 題) ・ 板書 と問 題 の 概要 の説 明 。 ・問 題を 解く。 演示実 験② ・ ビ ー カ ー に 水 ( 1 0 0 c c ) と 水 ( 2 ・指 名さ れた生 徒は 答える 。 水と食用油の比熱 0 0 c c ) を 用 意 す る 。 ガ ス コ ン ロ で ・説 明 を聞 く 。 の説明 六角ナットを熱した後、各々のビー カーに入れて上昇温度を予想させ、 答 えさせ る。(実験 手順 は別紙 記載。) ・熱容量の式に比 熱を含めた式の 説明 開 「Q = mc Δ T」 ・問題 演習 ② (比熱 の問 題) ・単位質量の物質の温度を1 〔 K 〕だけ 上昇させるのに必要な熱 ・板 書 を写 す 。 ・説 明 を聞 く 。 ・物質は、その物の構 造・構成元素など、 性質に着目している 5 点 を説 明 す る。 ・熱容量を表す大文字 「C」と、比熱を表 す 小 文 字 「 c 」 の 表 10 記を 強調 する 。 量を比熱〔 J / g ・ K 〕という。 ・熱容量 C は、質量×比熱cで表す。 ☆ ポイ ン ト 「 C =mc 」の説明 ・ 板書 と説 明 ・ 板書 、問 題 の 概要 の説 明 。 ・ 比 熱 は 〔 kg 〕 よ り も 、 ・問 題 を解 く 。 〔 g 〕 を 用 いて計 算 す る 点 を強 調 す る 。 サプ ラ イズ ・温まりやすい物 ・比熱が大きい物質(水)と小さい物 ・予想させ指名した生徒は答 ・海は温まりにくく冷 質、温まりにく 質(食用油)は、どちらが先に冷え える。 めにくいので、海沿 い物質、冷めに るだ ろう か 考 えさ せる 。 いの町は温かい。反 く い 物 質 、 冷 め ・ 実際 に、 水 と 食用 油を 触 れさ せ る。 ・水と食用油を触れさせて実 対に内陸部(盆地) やすい物質の理 感 さ せる 。 は、温まりやすく、 解 を 深め る 。 ・ 比 熱 の 大 き な 物 質 は 、 ど の よ う な 物 ・指 名 され た 生徒 は 答え る 。 冷めやすいので冬は 質が ある か 考 えさ せる 。 氷 点下 ま で 下が る。 〔 代 表 例: 水( 大き い)、石( 小 さい)〕 ・ 自 然 現 象 と し て 、 ど の よ う な 現 象 が ・指 名 され た 生徒 は 答え る 。 起き てい る 答 えさ せる 。 ま ・ 熱 容 量 と 比 熱 の ・ 発問 、生 徒 を 指名 。 ・指 名 され た 生徒 は 答え る 。 と 特徴を理解させ ・熱容量と比熱とエネルギーの関係に め る。 つい て答 え さ せる 。 ・ 熱 量( エ ネル ギ ー) が 熱容 量と 上 昇 温度 によ っ て 表す 関係 式 が 理解 でき た か。 評 価の 観 点 ・ 熱 容量 が 、質 量 と比 熱 によ って 表 す 関係 式が 理 解 でき たか 。 ・ 温 まり や すい 物 質、 温 まり にく い 物 質、 冷め や す い物 質、 冷 め にく い物 質 、を 理 解で き たか 。 備 考 ・ 数 研出 版 の物 理 Ⅰ( 改 訂版 )の 教 科 書(P 10 1~ 1 0 2) を参 考 に した 。 5 5 5 〈板書案〉 演示実験① 熱容量の測定 ○使用したもの ・水 道 水 ・ 食用 油 (日 清 キャ ノ ーラ 油 ) ・ ウイ ン ドウ オ ッシ ャ ー液 ( ー6 0 ℃ま で 使用 可 ) ・ 六角 ナ ット ( 質 量 19.0~ 19.1g 、大 き さ【 内 径 11mm】 ・ ガス コ ンロ 、 スト ッ プウ オ ッチ ・ 温 度計 ・ 火ば さ み ・金 網 (写真① 左 か ら 、水 、食 用 油 、ウ イ ン ド ウ オ ッ シ ャ ー 液 、容 量 は 全 て 100 cc) 【実験手順①】 ビ ー カ ー に 、 水 、 食 用 油 、 ウ イ ン ド ウ オ ッ シ ャ ー 液 を 、 1 0 0 ccず つ 入 れ る 。( 写 真 ① )。 あ ら か じ め ビ ー カ ー に 温 度 計 を 入 れ 温 度 を 測 定 し て お く 。次 に 六 角 ナ ッ ト を、ガ ス コ ン ロ で 2 分 間 熱 し た。2 分 後 に ガ ス コ ン ロ を 止 め 、 火ばさみで1個ずつ、合計3個の六角ナットをビーカーに入れる。はじめのビーカーの温度(前)と六角ナットを 入れたあとのビーカーの最高温度(後)を測定する。 ● ビ ー カ ー に 100 ccを 入 れ た と き ( 学 習 指 導 案 に 記 載 し て ま す 。) 水道水 食用油 ウインドウオッシャー 液 100 cc 100 cc はじめの温度 (前) 16.1℃ 18.5℃ 17.5℃ あとの温度 31.8℃ 48.5℃ 36.9℃ 15.7℃ 30.0℃ 19.4℃ ビーカーに入れた容量 温度 差 (後) (Δ T) 100 cc 【実 験結果 ①】 ビ ー カ ー に 各 々 100 ccい れ た と き 、 比 熱 の 大 き い 水 ( 比熱 4.2) は 、 温 度 上 昇が 少 な い。 比 熱 の 小 さ い 食 用 油 は (比 熱 2.04)、 温 度 上 昇 が 大 き い。ウインドウオッシャー液の比熱は、水より も小さく、食用油よりも大きいことがわかる。 比熱は、物体(物質)により温度上昇が異な る様子を観察できる。食用油の様子を温度計で 観察するとグングン温度上昇の様子がわかるの で面 白い と思 います 。 注 意 ! ! ※ ビ ー カ ー( 100cc)の あ と の 温 度( 後 )、 31.8℃ 、 48.5℃ 、 36.9℃ は 、 サ プ ラ イ ズ で 使 用 す る 。 ●演示実験② 比熱の測定 【実験手順②】 使用したものは変更はなく、新たに水道水 100 cc と 200 ccを 用 意 し た 。 ほ か は 、 実 験 手 順 ①と同様に行った。 ● ビ ー カ ー に 水 道 水 100 ccと 200 cc入 れ た と き 水道水 水道水 (写真② 100 cc ビーカーに入れた容量 水 100 ccと 、 水 200 ccを 用 意 す る 。) 200 cc 【実験 結果 ②】 はじめの温度 (前) 16.1℃ 16.1℃ あとの温度 32.0℃ 26.1℃ 15.9℃ 10.0℃ (後) 温度 差 ( ΔT ) 水 道 水 100cc と 200 cc を 比 較 す る と 、 温 度 差 が 異 な っ て い る 。 水 1 ccを 1g と す る と 、 水 100g と水 200gで 温度 上昇 が異 なる。 そこ で、 熱容 量C は、物 質の 質量 も考慮 し、 熱 容 量 C= 質 量 m〔 g 〕 × 比 熱 c〔 J / g・ K〕 の関 係式が ある と生 徒に 教える 。 ●サプライズ 実際にビーカーに触れさせ、温まりやすい、温まりにくい、冷めやすい、冷めにくいを実感させる。 材料と 水道水 食用油 ウインドウオッシャー液 温度 経過 測定温度 時間 あ と の 温 度( 31.8℃ ) 測 定 温 度 ( ℃ ) と の 差 (Δ T ) ( ℃ ) あ と の 温 度 ( 48.5℃ ) 測 定 温 度 と の 差 (Δ T ) ( ℃ ) あ と の 温 度 ( 36.9℃ ) と の 差 (Δ T ) 10分後 28.0 ℃ 3.8℃ 38.0℃ 10.5 ℃ 29.5 ℃ 7.4 ℃ 30分後 23.5 8.3℃ 29.0 19.5 ℃ 22.5 ℃ 14.4 ℃ ℃ ℃ ※ 水 道 水よ り、 食 用油 の 方が 、 冷め や すい 。 【サプライズの結果】 演 示 実 験 ① の 、 水 道 水 100 ccと 食 用 油 100 cc( ま た は 、 ウ イ ン ド ウ オ ッ シ ャ ー 液 100cc) の 授 業 中 の 経過時間およそ30分後に、生徒に水、食用油(ウインドウオッシャー液)の入ったビーカーに直接手 を 触 れ さ せ 、「 ぬ る く 」な っ て い る と 実 感 し て も ら う 。比 熱 の 大 き い 水 は 、温 ま り に く く 、冷 め に く い 、 食用油(またはウインドウオッシャー液)は、温まりやすく、冷めやすいことを理解する。 【実験の注意事項】 ビ ー カ ー に 、 六 角 ナ ッ ト を 入 れ る と き 、「 ジ ュ ー 」 と い う 音 が 出 ま す 。 ウ イ ン ド ウ オ ッ シ ャ ー 液 の 場合、派手に音がなるので生徒に面白いと思います。 六 角 ナ ッ ト は 、小 さ い ナ ッ ト( 内 径 8 mm)と 大 き い ナ ッ ト( 内 径 11 mm)の 2 種 類 を 用 意 し ま し た 。 大 き い 六 角 ナ ッ ト が 、 液 体 に 入 れ る 際 の 、「 ジ ュ ー 」 の 音 が 大 き く 迫 力 が あ り ま す 。 六角ナットを入れるときは、火ばさみが良いです。箸(はし)で入れようとすると、なかなか 掴(つか)めず、六角ナットを落とし、火傷する危険性があります。 ※ウインドウオッシャー液は、参考資料です。学習指導案には記載していません。 参考文献 た の し く わ か る 物 理 実 験 事 典 左 巻 健 男 /滝 川 洋 二 【 編 著 】 NHK高校講座物理 おもしろ実験・ものづくり事典 左 巻 健 男 /内 村 浩 【 編 著 】
© Copyright 2024 ExpyDoc