HFコンバータキットの製作記録です。(pdf)

HFコンバータキットの製作
2014年3月29日
TOSHI
千葉県
TT@北海道さまより、HFコンバータ V1.6を配布して頂きました。
3月21日に黒猫メール便が配達されました。中身を見ると、基板も小さいが、部品はさらに小さい。
マニュアルを見ながら、ステップ毎に確認しながら半田する。
マニュアルの完成度は高い!
ピンセット、老眼鏡(2段重ね)、フラックスで、2晩、合計4時間で完成しました。
購入した部品と基板
基板のサイズは、
40mmx48mm弱
CRのサイズは、1006
中身を並べてみました。
電源確認
LEDの方向も間違えず無事点灯。
動作確認できる所まで、合計4時間、目が疲れた。
半田は、7倍ルーペと、デジカメ画像をPC画面で拡大、DBMが曲がって付いているが気にしない・・・
HFコンバータの動作確認
1.
クロックの発振周波数を確認
NHKのFM放送で、無変調時のスペクトルで、RTLドングルのクロック周波数を公正する。
HFコンバータの基本動作をざっと確認。良く聞こえる。
5MHz、10MHz、15Mhzの標準電波を受信して、100MHzの周波数誤差を測定。
99、999、770Hz と断定しました。
誤差 -230Hz
10Hz以下は不明、2.3ppm
クロックモジュールの仕様を見ると、誤差50ppmなので、非常に正確です。
2.
RTL2832Uのダイレクトサンプリングについて
HFコンバータキットを購入するきっかけとなったのには、2つの理由がありました。
ダイレクトサンプリングでは、サンプリング周波数に起因するイメージ受信のために、
入力信号にフィルタが不可欠で、さらに、FM放送の広帯域イメージの影響が大きい。
自作HFコンバータも作って見たが、ローカル周波数を手持ちの中から、50MHzと75Mhzを選択
出力周波数がFM放送帯域になる為に、ダイレクトサンプリングと同様のイメージ対策が必要と
なった為に、100MHzか125Mhzのクロック発振器を発注しようと、Webで検索していました。
そこで、TT@北海道さんの、HFコンバータの配布を知りました。
クロックを発注するのと変わらぬ金額で、全てが揃うとのことで、すぐにメールをお送りしました。-自作コンバータです。
入出力のフィルターと整合PADは、
半田面についています。
DBMは、MCL社のTUF-2
OSCを50Mhzから75Mhzまで
様々変更、都度、出力の
フィルターを作り直したが満足できず。
周波数逓倍も試しましたが
基本波のフィルタが難しい。
RTL8238Uを使った、DTS-305を改造して、ダイレクトサンプリングに
トランスは、1GのLANコネクタを、
分解して取り出したコアを、
2個重ねて、トリファイラ5回巻き
線材は、0.05mmUEW
低域は、150kHzまで確認
高域は、100MHzまで確認
DTS-305のチューナーFC0013は、GAINの設定範囲が狭く、また、RTL2032Uでの
サンプリングが、ゼロIF方式の為、改造対象となりました。
SDR#では、受信センター周波数のDCオフセットが取り除けない。
R820Tは、GAINの調整範囲、受信周波数範囲、IF周波数が、ゼロでは無いので
コンバータ用の親受信機に選定しています。
設定により異なりますが、IFが3.57MHz位になるようです。
ダイレクトサンプリング
AGC OFF
フィルターなし
フロアノイズ -60dB
594kHz -26dB
693kHz -25dB
810kHz -35dB
954kHz -37dB
1134kHz-41dB
1242kHz-12dB
1422kHz-16dB
アンテナは、1.8m電圧給電モノポール
RTL2832UのGAINは控えめ(27dB?
民放7局が見えています。
ダイレクトサンプリング
AGC ON
フィルターなし
フロアノイズ -55dB
594kHz -0dB
693kHz -7dB
810kHz -35dB
954kHz -21dB
1134kHz-22dB
1242kHz-0dB
1422kHz-0dB
AGCをONにすると、受信局のノイズが
目立ちます。
受信音は、殆ど変りません。
ダイレクトサンプリング
AGC OFF
BPF挿入(0.5から1Mhz)
RTLのGAIN 7.5dB
フロアノイズ -55dB
594kHz -13dB
693kHz -17dB
810kHz -34dB
954kHz -29dB
1134kHz-44dB
1242kHz-22dB
1422kHz-34dB
Lを三個でBPFを作成
2MHzで、-50dB以上の性能
アンテナは、40m用ダイポール
入力電力が大きいと、ノイズが増えます
ダイレクトサンプリングで、MWを聞くには、RTL2832Uのゲイン調整が不可欠です。
アンテナは、平衡型のダイポールや、同調型のループアンテナを、家電のノイズから離すのが吉です。
3MHz以上のHF帯は、13MHzまでは、同調型のアンテナならOKですが、これ以上の帯域は、
FMのイメージや、28.8MHzの折り返しイメージの為、BPFが必要になります。
たくさんのBPFを作りましたが、満足できる特性にするには、多くのBPFを切り替える必要がありました。
3.
HFコンバータの動作状況
HFコンバータの出力特性
入力を50Ωでショートして出力を観測
出力側がHPFの為、LOの2倍が見えている。(DBMの終端方法の影響?)
でも、「そんなの関係ない???」
LOの漏れは、それほど大きくは無い
出力側にLPFを追加するかもしれない。
3dBパッドとLPFの双方の挿入損失を
考えると、今のままで様子を見ます。
今の時点では、
受信範囲で問題となる部分はない
良く出来ています。すごい!
HFコンバータの変換特性
変換損失は、問題なし。
(1422kHzで、-8.3dB)
コンバータ出力
99,5MHzから102Mhz
アンテナ入力
0kHzから、2.5MHz
余分なスプリアスは観測されません。
アンテナは、電圧給電モノポール
家電のノイズが被っています。
4.
実際の動作状況
実際にアンテナを接続して、様々な周波数を聞いて見る。
SDR受信のテクニックは、チューナーとデコーダーのGAIN設定にあります。
8ビットのADコンバータの能力を考慮して、調整します。
HFコンバータで受信してみると、なかなか良い感触です。 TT@北海道さまに感謝!!
HFコンバータ
AGC OFF
RF GAIN 0dB
フロアノイズ
-58dB
HFコンバータ
AGC ON
RF GAIN 0dB
フロアノイズ
-45dB
AGCをONにしても、ノイズの増加が少ないので、聞きやすい。
強力な中波放送BANDも破綻しないで受信可能です。
聞こえ方は、アンテナ次第です。同調型のループアンテナをお勧めします。
家電製品から出る、50Hzの高調波や、インバータノイズから逃れる事が重要です。
でも、MWは、ホームラジオにも魅力がある。これを聞きながら、トランジスタラジオでも作るかな。
HFコンバータ 昼間の6MHzから7.4MHz 40mダイポールアンテナ
RF GAIN 0dB
フロアノイズ
-55dB
ダイレクトサンプリング 昼間の6MHzから7.4MHz 40mダイポールアンテナ
RF GAIN 0dB
フロアノイズ
-55dB
FM東京(80MHz)のかぶりがありイメージノイズが多い
入力にバンドパスフィルターが必要
HFコンバータは、ダイレクトサンプリングより、6dB程度GAINが高い
周波数変換損失が、原理的に-6dB程度あり、ダイレクトサンプリングが基本的にBPFが必須なことを
考慮すると、HFコンバータの優位性は確かだと思います。
変換損失が、前後のフィルターを含めて、-8.3dBなので、良いバランスのコンバータです。
100kHz以上の受信では、このコンバータをお奨めします。
10MHz以下では、プリアンプは不要です。
効率の高いアンテナとアッテネータが、切り札だと思われます。
ダイナミックレンジが40dB程度とは思えない感度で受信できます。
ダイレクトサンプリング 昼間の6MHzから7.4MHz 40mダイポールアンテナ
RF GAIN 0dB
フロアノイズ
-60dB
LPF(FC=13MHz)を追加、FMは消えたが、スプリアス(イメージが多い)
BPFが必須と判断される
HFコンバータ ケースに入れないと、この部分に、FMのイメージが残ります。
簡易ケースでは、約5dBほど改善することが確認された(シールドケースは必要です)。
電源やケーブルからの回りこみが残るが、気にならない範囲と思われます。
10MHzから、15MhzにFM放送のイメージが僅かに観測される。
この部分については、使いながら考えようと思います。
ダイソーのブリキ缶ケースに入れるか、せっかくなので、市販の良いケースに入れるか
楽しい悩みです。
尚、RTLドングルには、延長ケーブルがお勧めです。短くても良い。EMIコア付きならGOOD!
ダイレクトサンプリング 21MHzから22.3MHz 昼間 40m/15mダイポール
21MHzにFM東京のイメージがある、21.8MHz周辺は、7Mhzのイメージ(反転)
HFコンバータに変更すると、イメージは、殆ど消える
AGCを全てONにして、最大GAIN状態
アマチュア無線のDXが良く入感している、春になって、コンディションが上がっている。
20MHz以上では、プリアンプが有効になってくるかもしれない。
BPFと組み合わせて、NFを稼げる可能性がある。
R820Tの公称NFは、3.5から4.5dBと言われている。
2SC1815と2SA1015のプッシュプルでも、ノイズマッチを検討すればいけるような気がする。
だが、安易な、ゼロバイアスの2SK241も捨てがたい。
もう少し、楽しめそうです。この無駄な時間が、趣味の至福な過ごし方とおもいます。
HFコンバータの通常使用状態
15mダイポールアンテナ
RTLAGC_ON チューナーAGC_OFF チューナーゲイン 29.7dB
すばらしい、何でも聞こえる(広帯域レシーバは不要か?)
HFコンバータ 10mバンド アンテナ 垂直ホイップ1.8m
サンプル帯域 2048kHz
HFコンバータキットの完成度は非常に高いと思います。
格安で配布して頂いた、TT@北海道さまには、様々なご苦労もあると思いますが、
久々の感動に浸っています。ありがとうございました。
TOSHI 千葉県