HI演習(8週目)

HI演習(8週目)
7021-1023
7021-1069
7071-0090
荻島 彩
中島 悠
松永貴大
遺伝子に組み込まれた指令
典型的な情動
命令(二つのルート)
脳のいくつかの部位が
(脳の)他の部位と身体
のすみずみに命令を送る
①血流
命
令
→命令には二つのルートが存在
情動が認識される
①感情…変化をイメージ化
②現象全体に中核意識を使う
命令
形:化学的分子
命
令
情動が認識されるには情動のほかに
二つの段階が必要
②神経経路
命
令
命
令
形:電気化学的信号
命
令
命
令
命令は身体組織を構成する
細胞中のレセプターに作用
他のニューロン、筋線維、器官に作用
→それらは自身の化学物質を血流に放出
連携のとれた命令は有機体の状態に大きな変化をもたらす
それによって
情動の認識=感情を感じる
脳も著しく変化する
脳幹内や前脳基底部から
放出される物質が脳回路
の処理モードを変える
感情
情動
命令が送られているときの脳
情動認識
(感情を仲介)
いくつかの特定の行動をもたらし
脳への身体状態の信号を修正する
言い換えると…命令の源は
心的プロ
セスの特
定の内容
対応する比較的
小さな脳領野
一連の命令により
脳と体が大きく影響を受ける
三つの基本プロセス
①
情動の認識が起こる三つの基本的なプロセス
例
情動誘発因による有機体の応答
マギー伯母さんにばったり会う
マギー
伯母さん!
情動誘発因
とおそらくわかる…
が、分らなくても次の②の段階へ…
(視覚的に処理される特定の対象) 有機体
脳の中で視覚的表象になる
②
例
対象のイメージに伴う信号の作用
過去の経験により
マギー伯母さんへの
反応の仕方は調整されている
後頭葉にある
初期視覚皮質中の
いくつかの領野の
相互作用によって
生み出される
マギー伯母さんは
視覚的イメージ
として存在
対象のイメージ
処理に伴う信号
その対象が属する特定の種類の情動に
イメージの存在に伴う信号は他の部位へ進み、
対していつでも反応するすべての
(視覚的に処理される特定の対象)
伯母さんに関心を持つ脳の部分が信号に反応し、仕事する
神経部位を活性化
③ 情動誘発部位が他に信号を発する
例外
脳の他の部位
いくつかの信号を発信
情動誘発部位
身体
反応のバランスが脳内回路に偏ることも
→身体との関わりが最小になる(あたかも身体ループ)
話せること
はないかも
マギー
伯母さん…
友人の死
①~③が結びついた結果がいま心的興奮を引き起こして
いる対象や状況に対する一連の、そして瞬時の特有な反応
痛みの感覚を引き起こすメカニズム
何を以て情動とする?
本書で情動とはどのようなものか……?
前の方の章のSさんの例でもあったように、情動を適切に引き起こすことができなければ、
目の前の状況判断ができないこともあるし、危険に立ち入ることにもつながる。
また、ホメオスタシス調節の一部となる役割も持つ。
生命調節のレベルで見た情動
高い理性
(p.81 表2 – 1より)
意識的イメージの中、行動計画・実行
意識
↑↓
感情
肉体的苦・快と情動を伝える感覚パターンがイメージに
↑↓
情動
複雑だが定型的な反応パターン
↑↓
基本的生命調節
代謝調節、反射作用など、単純・定型的反応パターン
何を以て情動とする?
次のようなものは情動か……?
肉体的苦痛
驚愕反射
•
•
•
•
調節反応
手足を引っ込めるといった、反射的におこなうだけの
単純な行動
情動を構成する反応にはなり得る
情動はこれよりも複雑
•
•
•
•
•
局部的な機能障害の結果
現実に起きている組織損傷の刺激の結果
痛みの反応・調節反応を引き起こす
情動も誘発するかもしれない
意識があれば、痛み・情動を有していることを認識
するかもしれない
どちらも情動とは言えない。
情動は定型的だが、複雑な反応。
↑状況に応じて多種多様という意味で複雑……?
ということは、情動がスーツケースワードだと一応主張している?
痛みを引き起こすメカニズム
•
(熱い)ホットプレートをじかに手で掴んで指の皮膚をやけどをしたときの痛みに対する苦しみ
① 熱が、「C線維」を活性化
※C線維…生体組織を損傷する可能性のある刺激に反応する無髄神経線維
② 熱が、幾千の皮膚細胞を破壊し、それによりその部分にいくつかの化学物質が放出
③ 化学物質により、破壊された組織の修復に携わる数種類の白血球細胞が呼び出される
④ 化学物質のいくつかが、その信号と熱の信号を結びつけながら独自に神経線維を活性化
⑤ 神経線維の活性化の波が脊椎へ向かい、いくつかのニューロンとシナプスを通って信号
の連鎖が生み出される
⑥ 信号が神経系の上層である脳幹、視床、大脳皮質までやってくる
⑦ ニューロン群が一時的に活性化され、ニューラル・パターン(指の損傷に関する信号の
マップ)が生み出される
痛みの感覚を生み出す条件が整う。
「痛みをもっている」という認識
•
痛みの感覚を生み出す条件が整い、痛みの感情(イメージ)が生じたあと
で、痛みをもっているということを認識するには?
組織損傷のニューラル・パターン
関係づける
「あなた(自分)」というニューラル・パターン
「あなた(自分)」が認識しているというニューラル・パターン
こういった全ての反応が、似たような状況で全ての人間の中で起こる。
「痛みをもっている」という認識
「あなた(自分)」のニューラルパターンがなかったとしても……
自己「なし」の脳装置(有機体)
使用
組織損傷の侵害的ニューラル・パターン
発生
いくつかの有用な情動反応を起こす
• 顔の表情、体の姿勢の変化
• 心拍数や血液循環の制御の変化
昏睡状態の患者にさえ、このような反応はある。
痛みは同じなのに気分が良くなる
「痛み」と「痛みがもたらす情動」の分離
ある患者の例:
難治性三叉神経痛
•
•
•
「有痛性チック」として知られる
顔の感覚信号を出す神経が関係する病
顔に軽く触れることや、ふとしたそよ風といった、
•
一度痛みが走ると、じっとうずくまるしかない
わずかな刺激でも、激痛が襲う
神経外科医―アルメイダ・リマ
前頭葉の帯状回皮質という部位を傷つけることにより、
痛みが軽減されることが分かっていたので、手術により
それを実行した。
手術2日後……
患者:「痛みは同じ、だが今気分はいい」
「痛み」と「痛みがもたらす情動」の分離
以前:
わずかな刺激からでも生じる痛みによって、うずくまっていた
•
•
帯状回皮質を傷つける
三叉神経系から出されている感覚パ
ターンにはほとんど手を付けない
術後:
「痛みの感覚は」変わらず、「痛みの影響」・「情動」は消えた
患者の表情、声、全般的な振る舞いは痛みと関係しているようではなかった
•
•
帯状回皮質が慢性の難治性の痛みからくる苦しみを軽減
痛みの感覚と痛みの影響(情動)は分離している
「痛み」と「痛みがもたらす情動」の分離
筆者の研究室の研究者、ピエール・レインヴィルによる催眠
情動に向けられた催眠暗示
→帯状回皮質にだけ機能的変化を引き起こし、脳活動が調節された。
痛みの感覚に向けられた催眠暗示
→S1(一次体性感覚皮質)と帯状回皮質の双方に変化をもたらした。
痛みの感覚と痛みの影響が明白に分離可能である
不整脈治療のためのβ-ブロッカーや、ベイリウムのような精神安定剤
これらは情動作用を減じる
→痛みの感覚はあっても、痛みに伴う情動は鈍化
情動を、選択的に除去することが可能!
「苦」は自然の後知恵、「快」は先見の明
情動と密接に繋がっている肉体的な快と苦
喜び
優越感
肉体的な快のプロセスと行動例
怒り
悲しみ
肉体的な苦のプロセスと行動例
1. 低血糖のような不均衡の検出
2. 空腹,渇き
3. 食物を探す
4. 目的達成=肉体的な快
1. 生体組織の損傷
2. 信号の伝達
3. 感覚的表象の知覚=肉体的な苦
・イソギンチャクの栄養摂取行動
・遊んでいる子供の歓喜,接近行動
・イソギンチャクの閉じこもり行動
・遊んでいる子供の悲観,回避行動
・苦は,損傷組織の保護,傷の感染防止に繋がる
・快は,問題が生じないようにするための先見に繋がる
・苦と快は,生物学的デザインの一部であるが,鏡像的関係でなく2つの異なっ
た系統の一部であり,意識のない生物の行動にも現れている
感情の基盤をつくるニューラル・パターン
情動プロセス
感情の基盤をつくるニューラルパターン
情動の表象の基盤は,いくつかの脳部位にある一連の神経的傾性
他者から
判断不能
情動の表象は潜在的
ニューロン集合体の中に生じる活動パターン
活性化
他者
他者から
判断可能
身体状態と脳部位状態が変化
活性化の帰結として感情が生み出される
感情プロセス
感情の基盤は,二種類の生物学的変化
身体状態に関連する変化
1. 血流の化学的メッセージと神経の電気的メッセージ
2. 身体風景が変化する
認知状態に関連する変化
1. 情動プロセスによって化学物質がいくつかの脳部位へ
2. 聴覚イメージや視覚イメージが変化する(速く感じる,遅く感じる,など)
「有機体自身が感情を認識する」ことを説明するには?
情動・感情プロセスのあとに,意識のプロセスを加える必要があるだろう