主力業態フォーカス HC、HF編 新年あけましておめでとうございます

主力業態フォーカス
HC、HF編
新年あけましておめでとうございます。
2014 年消費増税年という歴史の中に記憶される新しい年を迎えました。
そのような意義ある年に小売業としていかに革新してお客様のニーズにお応え
するか私達の英知を結集して取り組む年にしたいと考えます。
さて、そのような中 2014 年を進めるに当たり、これは外せない、ここは外せな
い。という事柄を抽出しご一緒に考えてみたいと思います。
1.2013 年は、どのような年であったか?各社が発表されている月次数字を見
てみよう。
上場小売企業(HF)の月次数字
各社既存店比率%(売上・客数) 速報値
2013 年
3月
4月
5月
6月
7月
8月
各社HPより
9月
10 月
ニトリ
売上
▲ 4.0
2.1
2.1
9.7
2.7
6.0
8.3
3.0
“
客数
▲ 6.2
▲ 0.5
▲ 2.0
11.1
1.9
▲ 0.7
3.7
▲ 2.1
DCM
売上
0.3
▲ 8.5
▲ 3.5
3.0
▲ 7.4
▲ 1.5
▲ 0.9
▲ 5.6
“
客数
2.1
▲ 6.9
▲ 4.3
0.8
▲ 7.5
▲ 3.5
▲ 2.2
▲ 7.0
コメリ
売上
2.6
▲ 7.8
▲ 2.4
1.4
▲ 6.2
▲ 0.9
0.9
▲ 3.5
“
客数
3.5
▲ 6.6
▲ 2.5
0.5
▲ 6.6
▲ 2.7
▲ 0.5
▲ 5.6
売上
▲ 3.1
▲ 7.4
▲ 4.8
▲ 1.1
▲ 9.4
▲ 1.1
▲ 7.8 ▲ 10.0
“
客数
2.7
▲ 5.0
▲ 3.9
▲ 2.2
▲ 7.1
▲ 2.0
▲ 6.2 ▲ 10.6
島忠
売上
1.0
▲ 3.2
0.4
4.1
▲ 4.6
▲ 0.5
2.3
▲ 3.5
“
客数
▲ 0.4
▲ 5.6
▲ 3.8
▲ 2.3
▲ 8.5
▲ 5.7
▲ 1.5
▲ 8.9
ケーヨー
11 月
(単位%
4.0
(%)
2.0
0.0
▲ 2.0
▲ 4.0
▲ 6.0
▲ 8.0
▲ 10.0
同規模)
3 4 5 6 7 8 9 10 11
月 月 月 月 月 月 月 月 月
DCM
0.3 ▲ 8▲ 3 3.0 ▲ 7▲ 1▲ 0▲ 5▲ 0
コメリ 2.6 ▲ 7▲ 2 1.4 ▲ 6▲ 0 0.9 ▲ 3 2.0
ケーヨー ▲ 3▲ 7▲ 4▲ 1▲ 9▲ 1▲ 7▲ 1▲ 5
島忠
1.0 ▲ 3 0.4 4.1 ▲ 4▲ 0 2.3 ▲ 3 4.2
HC 各社の数字の月度トレンドは、概ね同じような推移を示している。
1.各社好調であった月はどのような月であったか?
①酷暑の夏・温暖化⇒夏物商材、涼しく暮らす品が品薄になり飛ぶように
売れた月であった。
売れ筋商品
季節商材⇒接触冷感関連商品敷パッド、遮熱カーテン、羽根のない扇風機、
②この影響とトレンドは、HC 業界だけでなく GMS,SS など多くの業態が好
調な売上数字となった。
③しかし、季節商品の好調は長続きせず翌 7 月には各社昨対割れとなった。
2.そこで季節商品の売れない平常月の数字はどうだったか見てみたい。
①グラフにしていないがニトリが好調な月度の数字を示している。
②島忠の数字が安定している。
③カインズは、未上場の為、日本経済新聞の発表資料をもとに売上 3412 億円
昨年比-0.4%となっている。
3.一転、下期は、暖かい秋~冬となり重点商材・季節商品が不振となり HC
業界の数字にも影響を与えている。
季節品の売上に頼る業界数字に容赦ない試練となっている。
そこで、2014 年の課題を考えてみたい。
小売業は、“物(商品)をお金に換える仕事”という視点から一番に商品をキーワ
ードに上げたい。
1.品揃えと商品開発
“進むカインズホームの商品開発”
カインズさんの商品を参考に開発商品(SB、PB)の商品開発を考えてみたい。
2.ホームファッションカテゴリーを中心に開発カテゴリーの調査をしてみま
した。
①カインズホーム HF 開発商品カテゴリー
部屋別
カテゴリー
インテリア
収納
寝室
キッズルーム
カーテン
カラーコンテナ
布団カバー
布団カバー
OD カーテン
ハンガー
シーツ
シーツ
カーペット
間仕切り
ピロケース
チェア
マット
フリーラック
マットレス
チェスト
イグサ敷
プラ収納
敷布団
時計
システム畳
布仕様収納
掛布団
毛布
こたつ布団
枕
チェスト
こたつカバー
パッド
ゴミ箱
ミラー
タオル
パズルマット
鏡
※上記カテゴリーは、一部のラグ、カーペット、オーダーカーテンを除く 100%
の商品が自社で商品開発されている。
②開発商品を見てみよう。
●カインズは今、収納の開発に力点を置いている。
スタックボックス⇒L サイズ 980 円 陳列在庫 110 個
スタックボックスに明るい色付け行いキッズルーム商品のコアアイテムにして
いる。
勿論、ベッドリネン(布団カバー)関連はトータルコーディネートを優先した
品揃えに換えてきている。
商品構成グラフで主力の売価のポジションを見てみよう
テキスタイル関連商品の開発はほぼ 100%のアイテムをケアしている。
キーワードは、“価格より価値”を優先し始めている。
●商品⇒掛布団カバー(S サイズ)
30
25
フェイス
20
12/3/中 - カインズ
15
12/11/初 - カインズ
13/11下 - カインズ
10
5
0
498
980
1,280
1,480
1,980
2,480
カインズホームは、商品開発を進める。
その方向は OP の見直し⇒498 円をカットしコーディネート商品を増やす戦略
を進めているように思える。結果、絶対的な 1480 円売価から 1980 円、2480
円へ。右に売価を移していることがこのグラフからうかがえる。
(コーディネー
トの基本が出来上がることで売価の右寄りは気にならない程度になっている)
●商品⇒ドレープカーテン 2 枚組
35
30
フェイス
25
20
2006/9/27 - カインズ
15
13/11下 - カインズ
10
5
0
1,780
2,480
3,130
4,000
5,050
6,100
カインズは、ますます商品開発が進み品揃え、がシンプルで判りやすいという
話をいろいろな所でお聞きする。
その話をこのカーテンのグラフが言い表している。このグラフは 2006 年と 2013
年を経年変化を見たものです。
カインズの商品政策が、売価のポジションに反映されている。
例として、4000 円以上の売価を大幅にカットし 3980 円を PP においたものに
なっている。
●商品⇒既成カーテン 2 枚組 100*178cm カインズ VS ニトリ
60
50
フェイス
40
2006/9/27 - カインズ
30
13/7初 - ニトリ
13/7初 - カインズ
20
10
0
1,980 2,490 2,990 3,980 4,000 4,990 5,980 6,100
業界最強のニトリの既成カーテンと比較してみた。2006 年の時点では、カイン
ズの商品構成グラフは、業界最強のニトリと同じポジションで展開されている。
商品開発を進めることで 2013 年の商品構成グラフが実現した。
2014 年を占うキーワードを考えてみた、
競合各社の商品開発が、SB 開発に進んでいる中、好調ニトリは、PB 開発を完
成させている。そのあとを追いトレードオフを繰り返し SB ではなく PB 開発を
重点に差別化を図っている。
このことは、同業他社にとって生きた教科書となるのではないかと思われる。
皆様の 2014 年のヒントになれれば幸いです。