高感度のヘリウムリークテスト検出技術「カプセル蓄積法」を採用 最小 4×10-15 Pa・m3/s (He) まで 計測可能 超微小漏れを測る 角速度センサや赤外線イメージセンサなどのMEMS部品や小型電子部品は、長い年月にわたって製品内部 の密封性を保持する必要があり、高い気密性が求められています。 フクダでは、超微小漏れの測定技術として、高感度のヘリウムリーク検出技術「カプセル蓄積法」を開発 しました。MUH-0100シリーズは、「カプセル蓄積法」を採用した超微小漏れ測定専用の気密検査装置です。 ウルトラファインリークテストシステム ウルトラファインリークテストシステム MUH-0100 series 特徴 ・ファインリーク、ウルトラファインリークを測定※1 ※1 ボンビング、グロスリーク測定は、別装置で行う。 (カタログ参照:MSシリーズ卓上) ・漏れ判定レベル 4×10-15 Pa・m3/s (He) まで 計測可能 ・最大ワークサイズ Φ42×L30mm(角30×30) ・ 蓄積カプセル 3種類から1つ選択 対象ワーク MEMS部品 (圧力センサ、加速度センサ、角速度センサ、 赤外線イメージセンサ) 、電子部品、ハーメチックパッケージ など 装置の測定範囲 従来の方式におけるヘリウムリーク量は、バックグラウンドの影響を考慮すると、実質10-10 Pa・m3/s (He)台 まででしたが、この技術では10-15 Pa・m3/s (He)台までの漏れ量の測定が可能です※2。 ※2測定できる漏れ量は、ワークの種類と条件によって異なります。 10-6 10-7 10-8 10-9 10-10 測定範囲(ヘリウムリーク) Pa・m3/s (He) 10-11 10-12 10-13 10-14 10-15 ウルトラファインリーク 検査装置 高感度Heリーク検査 図1:MUH-0100 の判別可能漏れ領域 1/2ページ 「カプセル蓄積法」とは(特許出願中) カプセル蓄積法は、ワーク(試験品)からの微小なヘリウムリークを検出するために、大容積の「チャンバ」の 中に小容積の「カプセル」を設け、ヘリウムリーク測定を行う方法です。 次の①~③の流れで、微小漏れの測定を行います。 【測定の流れ】 ①ワーク(試験品)を入れた「カプセル」と「チャンバ」 を真空にしてから「カプセル」を閉じ、質量分析計で 検出可能なレベルになるまでヘリウムを蓄積します。 ②「カプセル」を開き、「カプセル」内のガスを「チャンバ」 内に開放します。 ③拡散されたヘリウムは、分子流の状態になって 「絞り」を通り、質量分析計で計測されます。 TMP:ターボ分子ポンプ RP :ロータリーポンプ 図2:原理図 「カプセル蓄積法」の特徴 図3は、検出したいヘリウム感度(縦軸)に対応する蓄積時間(横軸)を表しています。弊社の実験機で 内容積の異なるいくつかのワークを測定し、ヘリウム感度と蓄積時間の関係を計算し、グラフ化しました。 ・ヘリウムバックグラウンドを大幅に低減 超微小のヘリウムリークの検出が可能になりました。 ヘリウムリーク判定能力※ 4×10-15Pa・m3/s(He)~ ※蓄積時間2時間の場合。試験条件に依存します。 ・誤差要因となる邪魔ガスの低減 ヒーターや極低温ポンプが不要になり、起動時間や メンテナンスが通常のヘリウムリークディテクタと同等 になりました。 ・ヘリウム蓄積量の校正には、市販の標準リークが 使用可能です。 図3:カプセル蓄積法のヘリウム感度 ウルトラファインリークを計測するための留意点 ウルトラファインリークテストシステムの導入にあたり、いくつかの留意点があります。 ■パッケージの材質について パッケージや接合面の材料にガラス質が含まれる場合、ヘリウムガスの透過が発生します。あらかじめ使 用する材料にはご注意ください。許容できるヘリウムガスの透過付着量は、測定リーク量のおよそ1/10以 下が必要です。 ■グロスリーク(大漏れ)について グロスリーク(大漏れ)がある場合、ワーク内部のヘリウムガスが短時間で抜け、ファインリーク測定値が不 正確となるため、グロスリーク 1×10-6Pa・m3/s を正確に計測する必要があります。大漏れ測定には、推奨 のグロスリークテストシステムをご利用ください。試験体の内容積は、0.1mm3以上を確保してください。 ■測定方法・手順について ・個々のワークに対する計測方法や手順は、アプリケーションノート(手順事例等)をご参照ください。 ・ご要望により、出張オペレーティング対応をいたしますのでご相談ください。 2/2ページ
© Copyright 2024 ExpyDoc