本田賞 35 回記念シンポジウム記念講演講演要旨「真に人間性あふれる社会を作るにあたって技術革新の果たす役割」ラジ・レディ真に人間性あふれる社会を作りあげるためには、地球上全ての人類の基本的なニーズに応えるための、拡張性があり、持続可能で、入手可能なソリューションの創造を目指さねばなりません。基本的なニーズには、食／エネルギー／水の安全保障、さらには奴隷制や拷問からの解放等の基本的人権に関する問題も含まれます。本講演の基本的なテーマは、社会の基本的なニーズが何であれ、課題に積極的に取り組む姿勢こそが、真に人間性あふれる社会の特性を継続的に向上することのできる技術革新をもたらし得る、ということです。一例として、台風や竜巻などの災厄が発生する恐れがある場合に、特定の地域ごとに一人一人が個別の警告を受けられるようにするという要件について考えてみます。本講演では、ガーディアン・エンジェル・テクノロジー（GAT）を開発し、常に改良を加えることにより、自然災害から人類を護り、それによって地球上全ての人々の生存可能性を高めるためのテクノロジーとして、どのような可能性があるのかを考察します。ガーディアン・エンジェルは、常にオンラインで稼動しつつ、学習している（そして竜巻があなたの方へ向かっています、と耳にささやいてくれる）、全ての人類のための自律した、余分な負担がかからず、デバイスを選ばないモバイルアプリケーションです。GAT は、ソーシャル・ネットワークにおける公開／購読の仕組みを利用して匿名の知識を共有することにより、自らや他者の経験を観測／分析／学習する、「ガーディアン・エンジェル同士のソーシャル・ネットワーク」です。コンピューター科学の大いなる課題は、適切な情報を適切な相手に、適切な時に、適切な言語で、適切な媒体によって、適切な詳細さで伝えることです。拡張性を地球上の全ての人々にもたらすことは、適切な情報を適切な言語で、適切な媒体によって提供するテクノロジーを開発することで実現できます。情報技術の規模とコストを大幅に削減できれば、必然的に持続性は高まり、入手可能になります。一般的に、ガーディアン・エンジェルのコンセプト／システム／ソリューションは、人間性あふれる社会を作る上でのあらゆる面に適用できます。例えば、基本的権利の侵害を事前に特定したり、人間性あふれる社会における個人の基本的なニーズや権利を保護するために利用することができます。