GISをめぐる欧⽶米の状況 太⽥田守重 国際航業株式会社 GIS学会第23回学術研究発表⼤大会 GISCA特別セッション 中京⼤大学春⽇日井キャンパス 2014.11.08 概要 1.欧州における地理理教育と企業の関わり − EUGISES 2014 2.⽶米国の Cartography & GIScience の動向 − AutoCarto 2014 3.これからのGIS専⾨門家 1.欧州における地理理教育と社会の関わり EUGISES 2014 (EU GIS Education Symposium 2014) EUのGIS研究機関の連合が主催しているAGILE (The Association of Geographic Information Laboratories for Europe (AGILE) ) の中の ワークショップに端を発する集まり.2年年に⼀一回,秋に開催. 主催:University College of Cork 場所:アイルランド,コーク市 会場:River Lee Hotel 会期:2014年年9⽉月4-7⽇日 参加者:約40名,欧州(アイルランド イギリス,オランダ,ノルウェー フィンランド,ベルギー,ドイツ) ⽶米国 ⽇日本⼈人は私⼀一⼈人. 基調講演1 The value of linking GIS and entrepreneurship education Ian Heywood, University of Aberdeen Business School Disruptionとchasmがキーワード 地理理学をどのようにビジネスにしてゆくかがテーマ.キーワードは disruptive,つまり,既成の価値観を破壊するようなアイデア.し かし,社会に受け⼊入れられるまでには,chasm,つまり深い裂裂け⽬目 を⾶飛び越えなければいけない. イノベーションのジレンマと同じか!? 例例として挙げられたTileは⾯面⽩白いかも. セッション:欧州の地理理情報教育 Geo trends, a new approach in GI Education Marinus de Bakker, HAS University HAS⼤大学のBakker先⽣生は,この会議の実質的な主催者の⼀一⼈人. ⼤大学のカリキュラムを⼀一新し,Geo Media and Designを標榜. Geo: geo-information with Geo-ICT Media: geospatial data Design: modern visualization “young, digital savvy” は ”older, grownups in an almost nondigital world” とは違う⾒見見⽅方をする. 従来の地理理学教育を変⾰革し,企業の需要を捉え,インターンシップな どを充実させて,Geo-ICTや,インフォグラフィクスの科⽬目を散り⼊入 れている. savvy: 洞洞察⼒力力のある Geo Media & Design 基調講演 2 The Challenge to Teaching Coding to GI Students Prof. Chis Brunsdon, Director, National Centre for Geocomputation, National University of Ireland Maynorth Much of the GIS specialist work is now in the creation of web sites, mashups, system integration behind of the scenes and use of the software as a service. だから,⼈人⽂文地理理の学⽣生であってもプログラミングをすべき!という話 しを NetLogoと R によるコーディングを例例にして話した. セッション:GISの知識識体系 Do we know what we need to know? Frans I. Rip, Wageningen University, Netherlands GI-N2K (Geographic Information: Need to Know) 2006年年にUCGISが提案した知識識体系は更更新が必要であるが,企業 に対する調査を⾏行行って,需要のある知識識項⽬目を洗い出している. Barbara Hofer,University of Salzburg, Workforce Demand Assessment to Shape Future GI-Education – First Results of a Survey, AGILE 2014 2006年年当時は⾒見見られなかったキーワード プログラム開発 データ取得 その他のホットトピックス フロントエンド API GeoJSON UML XML Python Plugin Javascript Java オブジェクト指向 オープンソース OSM UAV, drone GNSS Mass (Big) data Crowd sourcing VGI Radar RS, SAR ポイントクラウド ジオマーケティング セマンティクス (オントロジー) オブジェクト指向画像処理理 4D BIM データアーカイブ 拡張現実 Indoor GML / City GML WebGIS Webサービス 空間データ基盤 Webアプリケーション ジオプロセッシング HTML5 Smart Phone, mobile データ伝送技術 (2,3,4G) セマンティックWeb Web プラットフォーム システムアーキテクチャ OGC サービス Web プロセッシングサービス SDIサービスコンポネント Inspire Harmonization ジオポータル ISO 標準 19107, 19109 セッション:労働市場と教育 Bridging the gap between GEO students and labour market in today's rapidly changing GEO Profession definitions Marcel Oostland, et. al., Dutch GEO Labour Market Foundation (SAGEO) オランダには,地理理学関連の学⽣生と企業のジョブマッチングをする組織として, GeoPlazaというサイトがある.オランダに限らず欧州の地理理情報系の学⽣生や企 業であれば,申し込むことができる. http://www.geoplaza.nl/en/ EUには,European association of Geographers の中に,Geo skills という団 体があり,そこの代表をしている Karl Donert は,Geo buisiness is booming in Europe.と⾔言っている. アメリカには,GeoTECHがGTCM & DACUMという仕組みをもっていて,ジョ ブマッチングを⾏行行っている. 欧州の動向:まとめ 欧州では地理理系の科⽬目が変質しつつあり,インフォグラフィクス,プ ログラミング等の知識識に加え,他学科との連携、⻑⾧長期のインターンシッ プなど,社会の要請を考慮したカリキュラム編成が⾏行行われつつある. また,学⽣生と企業のジョブマッチングが⾏行行われ,就職率率率の改善に努め ている. 地理理教育に関する情報基盤 The digital-earth.eu network links innovative centres around Europe where geo-media use is well developed. http://www.digital-earth.eu 2.⽶米国の Cartography & GIScience の動向 AutoCarto 2014 アメリカの地図学系の学会である,Cartography and Geographic Information Society (CaGIS) が主催する国際シンポジウム.2年年に ⼀一回開催.今回は第18回にあたる. 場所:ピッツバーグ,USA 会場:Hotel Marriott City Center 会期:2014年年10⽉月5−7⽇日 参加者:約100名,ほとんどが⽶米国であるが,ドイツ,オーストリ ア,スイス,ニュージーランド,ブラジル,クロアチア,ノル ウェーからも参加者があった.⽇日本⼈人は私⼀一⼈人. 13 プログラム 14 10/5 IGU/ICA 地名学コミッション 10/7 ポスターセッション ICA 地図投影コミッション 投影法 10/6 映像の中のGIS 教育及び地図学の未来 インドア地図学 (Indoor Cartography) 空間データ基盤とジオ・オントロジー 位相,モデリング及び空間インデクス 地形と三次元データ 全体会議 Web マップデザイン ICCリオデジャネイロの紹介 OGC- オープンソース 基調講演 Dr. Duane Marble ボランティア地理理情報 地理理情報の視覚化と認知 ⽔水路路測量量学 (Hydrography) ⽶米国の国家基本図と⼈人⼝口統計データ 地図デザイン 個⼈人の⾏行行動とソーシャルネットワーク 時空間 セッション:教育及び,地図学の未来 15 Linking Cartography to GIScience Utilizing the Concepts of Analytical Cartography 解析地図学の概念念を使⽤用した,地理理情報科学と地図学の結合 Harold Moellering 1960年年代からトブラーなどが研究してきた解析地図学は,地理理情 報科学と標準的な地図学の中間にあって,それらを結びつける知 識識の集積である. セッション:ボランティア地理理情報 16 A Comparison of Volunteered Geographic Information (VGI) Collected in Rural Areas to VGI Collected in Urban and Suburban Areas of the United States ⽶米国の都市,郊外,及び農地で収集されたボランティア地理理情報 の⽐比較 Kari J. Craun オープンストリートマップ(OSM)と,国勢調査⽤用データの⽐比較を 都市域,郊外及び農地を対象に実施.いずれの場所でも,OSMの データの⽅方が,総延⻑⾧長が⻑⾧長かった.つまり,詳細にできている. USGSのHPには,ボラン ティアの協⼒力力を呼びかけ る⾴頁がある. AutoCarto の動向:まとめ 空間データ基盤,Web GIS,個⼈人の⾏行行動とソーシャルネットワー ク,インドア情報表現,ボランティア地理理情報などの応⽤用分野に, 議論論がシフトしつつある. ⼀一⽅方で,時空間,視覚化と認知など,基本的な議論論も⾏行行われおり, そこから新たな知識識や技術が⽣生まれる可能性もある. 3.これからのGIS専⾨門家 ICT と情報デザインの知識識を修得し ⾃自らアプリケーションを開発して ボランティアや⼀一般の⼈人々と共に 地理理空間情報サービスを提供/共有することを通じて 社会の発展を⽬目指す⼈人
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