日付 2014 年度商学部ゼミナール 3 報告 2014/04/16 報告者 報告箇所 報告者:中瀬哲史 報告箇所:E.H.カー(1962),『歴史とは何か』岩波新書「Ⅰ歴史家と事実」 1.報告箇所の論点 報告者にとって,当該箇所を読んで議論したいと思った点 なぜ,「人々の行為の背後にある思想を想像的に理解する必要がある」のか,その効果は何か。 本報告の理解にとって重要だと考えられるものを列挙する 2.報告箇所の紹介 2.1 キーワード 歴史家,歴史的事実,創造的理解,解釈,現在の眼,過去の理解 2.2 内容紹介 なぜ,論点として取り上げたのかが,明快になるようにまとめること 過去の単なる事実から歴史上の事実への転換 そこでみられる歴史家による選択 「少しの重要な事実を発見して,これを歴史上の事実たらしめると同時に,沢山の重要でない事実を非歴 史的な事実として棄てるという二重の仕事」(14-5 頁) 19 世紀の事実崇拝 「歴史の意味は言わずとして明らかである,自明のことである,と信じていた」(23 頁) 「歴史上の事実それ自身が,より高いものへ向かう恵み深くかつ明らかに限りのない進歩という至高の事 実を立証するもの」(23 頁) ⇒「歴史というのは現在の眼を通して,現在の問題に照らして過去を見るところに成り立つものであり,歴史 家の仕事は記録することでなく,評価することである」(25 頁) 歴史について ① 歴史家による解釈 ② 歴史家による「想像的理解」により明らかにされるもの …自分の書いている人々の心と何らかの触れ合いが必要 ③ 現在を理解する鍵として過去を征服し理解すること →プラグマティックな事実観,歴史は解釈が一切となりうる? ⇒歴史家は何らかの意味で関係のある一切の事実を描き出す努力が必要 歴史家は現在の一部、事実は過去のもの ⇒「歴史とは歴史家と事実との間の相互作用の不断の過程であり、現在と過去との間の尽きることを知ら ぬ対話」 最後に,論点を確認 ※歴史家による事実の選択,解釈によって歴史的事実となりうるのは受け入れたとして 「人々の行為の背後にある思想を想像的に理解する必要がある」のか,その効果は何か。
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