\n Title Author(s) Citation 081-3 新しい複素環類の光化学反応による反応性化学種 の選択的生成とそれを用いた光重合 亀山, 敦; KAMEYAMA, Atsushi; 櫻井, 忠光; SAKURAI, Tadamitsu 神奈川大学ハイテク・リサーチ・センター研究成果第3年度 報告書, 03: 288-297 Date 2004-03-31 Type Departmental Bulletin Paper Rights publisher KANAGAWA University Repository 67 新 しい複素環類 の光化学反応 による反応性化学種 の 選択 的生成 とそれ を用 いた光重合 亀 山 敦' 横 井 忠 光= Se l e c t i v eFo r ma t i o no fRe a c t i veSpe c i e sb yt hePho t o c he mi c a l Re a c t i o n o fNe wHe t e r o c y c l e sa ndPho t o po l y me r i z a t i o n At s us hiKAMEYAM A ' Ta dami t s uSAKURAI H ル種 とカチ オ ン種 を同時 に効率 良 く生成す る こ とがで き 1 . は じめ に れば, ラジカルーカチ オ ンハ イブ リ ッ ド型光重 合 を行 う 光重 合は,室温付近で反応 を行 うこ とがで き,反応 が 速 く, また反応 の操 作が容 易であ るな どの利点 か ら,光 重 合を利用 した光硬 化が コーテ ィング剤や レジス ト材料 業的 に広 く応用 されてい る 等 T_ O ことがで き,様 々な応用が考 え られ るが, これ まで に有 用 なハ イブ リッ ド型光 開始剤 の報告 はほ とん どない。 本研究では,光化学 反応 に よ りラジカル種 とカチ オ ン 通常光重 合 は,モ ノマ 種 を生成す る新規化合物 を合成 し,その光化学反応 につ ーの 反応性 に適 した光重 合開始剤 を用 い て重 合 を行 う いて明 らか にす る とともに,それ らを用いた光重合系 を (ラジカル, カチ オ ン, アニ オ ン等 ) 。例 えば, ア クリロ 構 築す るこ とを目的 と した。 イル基 を有す るア クリル系 モ ノマ ー類 の光 ラジカル重合 2 . ハイブリッ ド型光開始剤の分子設計 を行 う場 合は,適 当 な光 ラジカル重 合開始剤 ,そ してエ ポキ シ樹脂 の ようなエ ポキ シ化 合物 の光 カチ オ ン重 合 を 光エ ネルギーに よ り有機化合物が分解 して反応性 化学 行 う場 合には,光 カチ オ ン重合 開始剤 が用 い られ る。 ア 種 が生成す る場 合 ,共有結 合 の開裂様 式 は 2種 類 あ る。 ク リル系のモ ノマーお よびオ リゴマ ーの光 ラジカル重合 2個 の電子が存在す る共有結 合が均 一 に開裂 して 2種類 は反応 が速 やか に進行す るため広 く利 用 され てい るが , の ラジカルを生成す る 酸素 に よる硬化 阻害や皮J 膏に対す る刺激性等 が改善すべ ジカル開裂)場合,不均 一 に開裂 して アニ オ ンとカチ オ き課題 になっている。光 カチ オ ン重 合用モ ノマー と して ンを生成す る ( ho mo l y s i s ,均 一 開裂 または ラ ( h e t e r o l y s i s ,不均 一 開裂 または イオ ン開 ビニ ルエ ーテ ル類 とエ ポキ シ化合物 があ るが,いずれ も 裂)場合である。 一般 に,光 に よる均 一 開裂 は容易 に起 酸 素 に よる反応 阻害が な く低刺激性 であ る。 ビニ ルエ ー きやす く,比較的結合エ ネルギーの小 さい有機 化酸 化物 テ ル頬の光重 合はア クリル系モ ノマ ー と同様 反応 が早い や アゾ化 合物 な どが光 ラジカル開始剤 と して良 く用 い ら ため注 目 されている, また,エポキ シ化 合物 の硬 化物 は れてい る。 不均 一開裂 は均 一開裂 に比較 して大 きな光エ 材料特性 に優れている。 ラジカル重 合 とカチ オ ン重合の ネルギー を必要 とす るため起 きに くい。 このため,光 カ 特徴 を組み合わせ .短所 を補 うため に, 2つの重 合系 を チ オ ン重 合 を行 うため に,均 一開裂 に よ り生成 した ラジ 組 み 合わせ たハ イブ リ ソト型光硬 化が注 目 され てい る。 カルと他の化合物 との間の電子 移動 に よ りカチ オ ンが生 ハ イブ リッ ト型光硬化 を行 う場 合,それぞれの反応様式 hol ndy s i s に合 った開始剤 を 2種類用 いる必 要があ る。 これに対 して, 1つの化合物 の 光化学反応 か らラジカ . 助教授 .化学数寄 H Ås s o cl aL ePr of e s s or ,Dc pL( ) iChen l i S t l y 教授 ,応Hl 化学科 Pr of e s s or .De pLof. lppl l e dChe ml S t l ) , h e t e r o J y i a ・+ X 仙 x+ CJh S c h e meI - 2 8 8 - Y・ RdJ - + Y AJ h 6 8 神 奈川大学工学研究所所 報 第2 6 号 成 す る反応 が 開始 反応 と して用 い られ, ア リール ヨー ド , ア リー ル スルホニ ウム塩T J な どが 良 く用 い ら ニ ウム塩 H れ る。 l bl tl d A M 瓜I やI I t弧 I l e 本研 究 で 目的 とす るハ イブ リ ッ ド型光 開始剤 は, 1つ の有機 化 合物 か ら光化 学 反応 に よ りラ ジカル種 とカチ オ 1 輿 . 。 Hm Y革 盟 一一 R Sz ・ ン種 を効 率 良 く生成 す る もので あ る。 この ため には,坐 成す るラ ジカル とカチ オ ンが適度 な安 定性 を有 してい る こ とが重 要 であ る。例 えば,誘起効果 や共鳴安 定効果 に よ り安 定 化 され る構 造 が望 ま しい。我 々は,芳香環 の安 定化効 果 に着 目 し,光化 学反応 に よ りベ ンジル構造 を有 す る ラジカル,ベ ンジル構造 を有す る カチ オ ンが生成 す ・ ・・ . 1 ・ ア ンス リル メチ ル オ キ シ)る化 合物 と して , 1-(9- 2-ピ リ ドン誘 導 体 とベ ンジル基 を有 す る複 素 環 誘 導 体 を設計 した。 以 下 に, それぞ れの 開始剤 の光化学 反応 ,それ らを用 い た光重 合 につ いて検討 した結 果 を述べ る。 0 結 合 の ラ ジカ ル開裂 を経 由 して進行 状 態 にお け る N- ン トラセ ンの蛍光消 光 は, ア ン トラセ ン ( 1 . 0×1 0■mo l dm3 ) を含 む 6 8( 0-5 . 0×1 0 2 mo ldm I) の メ タ ノー 6 6nm の励 起波 長 で行 った。 量子 ル溶 液 を脱酸 素後 ,3 8-h ( 2. 5×1 0l mo ldm11 ) の メ タノ 収 率 の測 定 は ,1 66nm 光 を 照 射 し, ー ル 溶 液 に 高 圧 水 銀 灯 か らの3 HPLC を用 いて光化学 反応 生成物 を定量 後 , トリスオキ Ⅰ Ⅰ Ⅰ) 酸 カ リウム光量 計 を用 い て行 っ た 。1 8 サ ラ ト鉄 ( を用 い た スチ レ ン ( St )の光 重 合 は ,St5mmolに 0. 2 mo l O / Oの l a( L O. 01mm0日 を添加 後 ,超 高 圧水 銀灯 を光 4 0nmよ り長 波 長 の光 を1 2時 間照 射 して行 源 に開 い て3 HNMR分 光 法 を す る こ とを明 らか に した一 一 。 さ らに,i った。 光照射 後 ,得 られ た反応混 合物 を メ タノー ルに注 用 い た コ ンホ メー シ ョン解析 か ら, ピリ ドン環 とベ ンゼ ぎポ リマ ー を析 出 させ た後 , クロロホ ルム ー メ タノー ル 3. 1 ・( 9 ・ ア ンス リル メチル オキ シ)1 2 ・ ピ リ ドン類 の光化学反応 これ まで に環状 ヒ ドロキサ ム酸 の生物学 的性 質 に興味 が もたれ活 発 に研 究 され て きたが i ' ,励 起状 態 にお け る 挙動 や反応性 に関す る基礎 的研 究 はほ とん ど行 われてい ない。 この点 に着 目 し, これ まで模 井 らは ト ベ ンジ ル BP)とその誘 導 体 の光 分 解 反 応 に オキ シー2-ピ リ ドン ( 関す る系統 的 な研 究 を行 い, これ らの 反応 が励 起 一重項 ン環 は励 起状 態 にお いて も相 互作 用 し得 る こ とが示唆 さ 混 合溶媒 を用 い て再 沈殿 法 に よ りポ リマ ー を精 製 した。 基 の代 わ りに大 きな れ た。 したが って ,BPの フェニ ル, 6 6nm 光 を照射 した。HPLC クロマ トグラ 銀 灯 か らの3 Stの転化率 と得 られたポ リマ ーの数平均 分子 量 ( M n) は, GPC r溶 出液 :THF)を用 い て算 出 した。1 8 を用 い た 0Ⅹ)の光重合 は,0Ⅹ5mmo lに 2 . 5m01% オキセ タ ン ( の 1 8( 1 . 2 5mmol ト を添加後 ,超 高圧水 銀灯 を光 源 に用 8 0nm よ り長 波 長 の光 を1 2時 間照 射 して行 った。 いて2 OX の転 化率 は,GLC I . 内部 標準物 質 :トルエ ン) を用 C (浴 いて貸 出 した。得 られた オ リゴマ ーの NL ,は ,GP 出液 :THF)を用 いて評価 した。 3. 2 コンホ メー シ ョン と光 分解 反応性 l aの メ タノー ル溶液 中 にお いて ア ン トラセ ン環 を3 6 6 nm 光で選択 的 に励 起 して得 られ た反応 混 合物 の HPLC クロマ トグラム と l HNMRスペ ク トル解 析 か ら,l aの CN: Hご 0- 60:40V/ ′ Vを伺い記録 ムは溶 離液 と して Me 2) , ア ルデ ヒ ド体 ( 3) ,エ ーテ ル 光 分解 は ア ル コー ル体 ( HNMR スペ ク トルは 測定溶媒 と して CDCl lを用 したOl 4) ,2-ピ リ ドン ( 5)お よび ト ヒ ドロキ シ2 ピ リ ドン 体 ( 相互作 用能 を有 す るア ンス リル基 を導 入す れば,励起 一 重項状 態 にお いて二 つの発色 団 間 に よ り顕 著 な相 互作 用 0 結 合 の 開裂 モ ー ドに影響 を及ぼす で あ が起 こ り, Nろ う と予想 され る。 そ こで本 研 究 で は, 基 質 と して 1- (9-ア ンス リル メチ ル オキ シ)-2-ピ り ドン (18) と関 連化 合物 1 b-jを含成 し. 基底状 態 にお け る コ ンホ メー シ ョンお よび励起状 態 にお け る反応性 と光重 合開始能 に つ いて検討 を行 った。 3. 1 実 験 l aの メ タノー ル溶 液 ( 1 . 0×1 0 'mo Ldm-J) に高圧水 1 . 0×1 0・ mo l いた。 蛍光 スペ ク トルは, ア ン トラセ ン ( dm:' )と l al 7. 0×1 0hmo ldm リ の メ タノ- ル溶液 を 4 2n m の励 起波 長で測 壱 L, た 。6 aに よる7 脱酸 素 後 ,3 1 ( 6 )を 与え る こ とが 明 らか に され た ( S c h e me2 )al bh につ いて も同様 の生 成物 分布 が得 られ た っ また ,1 i ,j の光 化学 反応性 は著 しく低い こ とが わか った。 こ こで , -2 8 9- 6 9 析い 一 校糸項 類の 光化学 反応 に よる反応性化学種 の選択 的生成 とそれ を用いた光重 合 R O ? H 2 0 H l t ∋ r v Y ∋ ・ 2 H OC H 2 0 o 、 cH2 Tab l e1 Chemi c als hi f t soEt hepyri done・ r i ngpr ot ons 4℃ l orEPa J t dl ai ACDCl .at2 {l ′ ・ f芸 MoOH 三0 # 0 1 C : M 3 ◆ R-H ◆ R-OH 4 5 3 →二 日2 良 EP 6. 667. 336. 1 57. 55 h 6. 707. 1 75. 726. 92 EP: R-Me d l y t l ■:R-9 nd A t r yl 6 S t he me2 0 t J uaT u!a aの エ タノー ル 中で の光 化学 反 応 はエ ー きない こ と,l 0 つ 一 A)!s 4と 6の生成 は N-0 結 合 の ラジカル開裂 か らは説 明で こ とか ら, 中間体 と して カルボニ ウム イオ ンの関与 が示 ^ ! t a-hの光 分解 は N-0 結合 の 唆 され た。 したが って ,l d エ トキ シ メチ ルア ン トラセ ンを与 える テ ル体4と して 9- d 一a ラ ジカル開裂 と C一〇 結 合の イオ ン開裂 が 妨争 的 に起 こ 360 ってい る と結論 され る。 る 目的 で, コ ンホ メ- シ ョン解析 を行 った oMM2計算 り畳 んで接 近 した コ ンホ メー シ ョンの方が よ り安 定 で あ 460 51 0 Wa v e l e ng h /n t m この興味 深 い C-0 結 合の イオ ン開裂 の原 因 を解 明す か ら,二つ の発色 団が伸 びた コ ンホ メー シ ョンよ りも折 41 0 Fi g. 2 Fl uor e s c e nc es p ec t r aoll a( 7. Ox1 0 6moldm -り a J t da J t t h mc e ne( 1 . 0x1 05 mo ldm3) i J tmet ha J t Ol ( ん1-342Am) Fi g. 1) 。 る こ とが示 され る ( 一万 , 1エ トキ シー 2ゼ り ドン ( EP)と l aの J HNMR この こ とを確 か め る 目的 で, ア ン トラセ ンと 1 8の メ スペ ク トルの比 較 に よ り,l aの ピ リ ドン環 の 5位 と 6 タノ- ル中 にお け る蛍 光 スペ ク トル を測 定 し比 較 したO 位 の プロ トンが大 き く高磁 場 シフ トを起 こす こ とが明 ら 予想通 り, ア ン トラセ ン環 に由来す る蛍光 は顕 著 に消光 Tabl el ) 。 この結 果 は, ピ リ ドン環 とア か に され た ( Fi g. 2) 。 また ,68 に よる ア ン トラセ ンの蛍 光 され た ( ン トラセ ン環 が溶 液 中で空 間的 に接 近 してい る こ とを示 er n-Vol mer式 に従 って起 こ っ た 。 さ らに, 消 光 は St 8 の NOESY スペ ク トル解析 よ 唆 して い る。 さ らに,1 ア ン トラセ ン環 か らピ リ ドン環- の一重項 一一重項 エ ネ り, ピリ ドン環 とア ン トラセ ン環 の プ ロ トンシ グナ ル間 ルギ ー移動 は吸熱過程 とな り極 めて起 こ りに くい こ とか g. 1に示 した コ ンホ メー シ ョンは に相 関が確 認 され ,Fi ら,軽蛍光性 の電荷 移動性 を有す る分子 内励 起錯体 の生 b-jにつ いて も同様 の 妥 当で あ る こ とが支持 され る。l 成が示唆 され る。 上述 の蛍光消光過程 に対 して定常状 態 コ ンホ メー シ ョンを取 る こ とが 示 され た。以上 の結 果 か 法 を適用 し,励 起 錯体 形 成 の速 度 定 数 の評 価 を行 った。 ら.調べ た基 質は基底状 態 で二つ の発 色団が折 り畳 んで Tabl e2に示 した結 果 よ り, l c ,f ・ hは メチ ル基 の立体電 接 近 した コ ンホ メー シ ョンを取 るので ,励 起一 重項状 態 子的効 果 とカルボニ ル基 の電子 的効 果 の ため に励 起錯体 にお いて も同様 の コ ンホ メー シ ョンを取 り, 二つ の発色 を形 成 しに くい ことが理解 で きる。 団 間 に強 い相 互 作 間 が認 め られ るで あ ろ う と予 想 され c heme3の 以上述べ た こ とか ら,結 合開裂 の機構 を S よ うに提案 で きる。1に光照 射 す る と,一 重項励 起 錯体 , るL を経 由 して C-0 結 合の イオ ン開裂 が起 こ り, メ タノ- ル分子 と反応 して 4と 6を与 える。 また,結 合解 離 エ ネ S ルギ ーの小 さい N-0結 合の ラジカル開裂 も競争 的 に起 こ り, メ タノール分子 か ら水素 を引 き抜 いて 2と 5を生 成 し,二つ の ラ ジカ ル種 は分子 内的 に水素 引 き抜 きを起 こ し 3と 5を与 える と考 え られ る。 a-hの メ タノー ル溶 液 に366nm光 を照射 し, 次 に,l Fi g. 1 Ene r gy 一 mi ni iz m e dc onf or mat i onoEl a 21 Lの生成 C ' )違子収 率 ( a)] _ I ) を測定 した ( Tabl C3) a -2 9 0- 神 奈川大学工学研究所所報 Tab l e2 Rat ec o ns t a J l t SF ore xc i pl e l ( 良 . / 1 0Js-1 )i J t f om at i om me t h am Ol 第2 6 号 とS tの転化率が増加 し ( Tabl e4) ,生成 したポ リマー の Mn は照射時間に比例 して増加 した。 生成 したポ リマ 0 01 2 0 0′ h Y 0l123 一 .I g l n, l・ 1 11111 ′ L U′ L UO ノつ J3 32034 ab cJ ue 1 11 1 1 ーの U V スペ ク トル と蛍光 スペ ク トルの解析 か ら,ポ . ) マ ー鎖 末端 に 9-ア ンス リル基 とピ リ ドン環 が結 合 し, tのベ ンゼ ン環 と相互作 用 し得 る構 ア ン トラセ ン環 は S 造 に変化 しているこ とが示唆 された。興味深 い こ とに, 一度単離 したポ リスチ レンに S tを加 えて後重 合 を行 っ た ところ, さらに重 合が進行 し分子量の大 きいポ リスチ レンが生成 した。 したが って, この重合反応 は 1 8が光 Bの値 よ り,18,Htは N-0 結 合の ラジカル開裂 よ り ラジカル開始剤 と して働 き,成長末端 の均 一 開裂 と St も C-0 結合の イオ ン開裂の方が優先 して起 こっている の挿入が繰 り返 されてポ リマー を生成す る反応 が主 に起 と結論 され る。おそ ら く,電荷移動性 の励起錯体 を形成 きている重合である と推測 される。 す る と,錯体 内において C-0結合の分極が起 こ りイオ ン開裂 し易 くなっている と推測 される。 さらに,A の債 8を2. 5 一方,優れたカチ オ ン重合能 を有す る 0X に 1 m01%加 え,室温で 1 2時 間光照射 す る こ とに よ り,Mn か ら,1の光分解 反応性 は励起錯体の生成速度 と相関せ が4 0 0 程度 の オ リゴマ ーが 3%の収率 で得 られた。 しか p軌道の重 な り度 合いに よ ず,む しろ二つの発色団の 2 って支配 される と考 えるのが妥当である0 しなが ら,生成 オ リゴマーの Mn が小 さいので ,C10 結 合の イオン開裂 に よ り生成 した対 アニオ ンが活性 カチ 3 . 21 8 を用 いたスチ レン ( St )の光 ラジカル重合 とオ オ ンの重合能 を著 しく低下 させ ているのであ ろ う。 0Ⅹ) の光 カチオン重合 キセタン ( 4 . ベ ン ジル基 を有 す る芳 香 族 複 素 環 類 を用 い た 1 8を用いて S tと 0Ⅹ に対する光重 合開始能 を評価 し S c he me3 ) aStに l aを 0 . 2mol0 / o加 え,室温で 1 2 た ( 時 間光照射 した。l a を用い ない場 合 と比較 して,収率 光重合 ベ ンジルラジカルは共鳴安定化 を受 けるため比較的安 C0 bo血d 血脚 GH2 be t e r o l y J j S ド _ a g e e s a p C ◆MeOH c R一〇 + MeOH CH CH20H 5 2 F L 十 r l 広さ 蓬 2 0 M e 念 3 + H2 OM e C Il 5 3 S c h e me3 -2 91- R OH ・ 位 6 4 新 しい 事 kR・ 項 類の 光化学 反応 に よる反応性化学 株 の選択 的生成 とそれ を用いた光 整合 Tabl e3 QuaJ l t t L m yi e l dsf ort hephot ol ys i so,l a・ I l O 一一 moldJTt-りw i( A366nm l i h ti g J I ( 2. 5xl met hJ t Olat2 0土 3℃ Comp ound句 句 Q4 A 8 0. 01 3 0. 008 0. 0 45 0. 0660. 68 l & 士0 . 0 0 3 日±0 . 111日 土 0 . 0 0 3 0. 0 25 0. 01 5 0. 037 0. 0770. 48 l b 土0 . 0 0 5 )( 士0 . 0 01 日±0 . 0 0 3 0. 033 0. 01 7 0. 0 44 0. 0940. 47 l c 士0 . 0 0 2 日 土0 . 0 0 2 日 士0 . 0 0 4 0. 03 4 0. 06 4 0. 0 41 0. 1 390. 30 l d 士00051√主o . 0 05 1(土0 01 2 0. 011 0. 097 0. 01 5 0. 1 230. 1 2 l e 士0 . 0 0 2 )(士0 . 0 3 3 )(士0 . 0 01 0. 01 5 0. 0 60 0. 1 23 0. 1 980. 62 l l 士0 . 0 011(士0 . 0 05 1(士0 . 0 0 6 0. 003 0. 011 0. 037 0. 0510. 73 . 0 0 0 2 1(iO . 0 011(iO . 0 0 3 1 g (iO 0. 003 0. 009 0. 030 0. 0 420. 70 ( 士0 . 0 0 0 3 X士0 . 0 0 0 8 X士0 . 0 0 2 8 ) ) 4, B=¢4/( ち+句+¢J A=句+¢3 +a 71 4. 1 実験 Ⅰ 8-I k)の合成 は,塩 基 と して トリ 新 規 な光 開始剤 ( エチ ルア ミンを用 いて,ベ ンジルプ ロ ミ ド誘導体 と各種 芳香 族複素項類 との反応 に よ り合成 した。 合成 した化合 Rスペ ク トル,l HNMRスペ ク トル,元素分 物 の構造 はI 析 に よ り確認 した。光重合,モ ノマ ーの転 化率 ,生成 ポ リマーのキ ャラク タリゼ ー シ ョンは3. 1と同様 に行 った。 4. 2 スチ レン ( St )の光重合 合成 した開始剤 の吸収 波長 は27 0-300nm,吸 収端 は 350nm 付 近 であ り紫外 領域 の光 に対 して活性 で あ る こ とが示唆 され る。St(5mmol ) に開始 剤 ( 1 0m01 %) を そ れ ぞ れ 加 え , 超 高 圧 水 銀 灯 500W (照 度 10 mW/cm' ' :28 0nm) を用 いて無溶媒 中室 温 で 3時 間光 重 合 を行 った。 開始剤 が ない場 合 ,Stの転 化率 は 9% で あ ったが , これ は25 0nm 付 近 の紫 外線 に よ り僅 か に a を用 いた場 合 ,I aの 光重 合が起 きた と推 測 され る。I 8%,Stの転 化率 は48%で あ った。得 られ た 転 化率 は 1 %,Mnお よび MJMn はそ ポ リスチ レンの精製収率 は21 20 0,1 . 6 3であ った。 同様 に 6時 間 光重 合 を行 っ れぞれ8 た結果 を Tabl e5に示 した。 Tab l e4 Phot op ol yme r i z ht i onu s i ngl a a ) Mo no mc Thi bJ t O rCo w ( %)Yi e l d( %) C )MnXI OJd )MW/Mn St none St la 0王 nOne 01 la o 2 0 4b) 1 3 0 1 9 0 3 iE慧 恕 e S d yEp M c望諾 ) i) b i霊 … 5. 1 3 0. 01 0. 04 1. 69 1. 02 2. 29 : 恵 寄 BkG ( L & Ⅰ 8 を用 いた場 合 ,I a と Stの転化率 がそれぞれ3 5%, 5 4%であ り.得 られたポ 1 )スチ レンの Mn お よび MJMn はそれぞれ6 5 00,1 . 5 0であ った。 また,他 の開始剤 を用 い た場合 も同様 に,開始剤 お よび Stの転 化率 は 6時 間 反応 の場合 に高 い転化率 を示 した。 これ らの ことか ら芳 ) . 香族複 素項類 は,光照射 に よ り開裂 して Stの重 合 を進 行 させ ることが示唆 された 。 Fi g. 3に開始剤 h,I bJcを0. 5m01 %用いた Stの光重 合にお け る開始剤転 化率 ,Fi g. 4 に Stの転 化率 の経 時 定 なラジカルであ り, ラジカ ル重合 を開始す るの に適 し 変化 を示 した。 いず れの開始剤 を用 いた場 合 に も,反応 ている。 また,ベ ンジ ルカチ オ ンは同様 に安定 なカチ オ 時 間 とともに開始剤 お よび Stの転化率 は直線 的 に増加 Mn ンであ るOベ ンジル クロ リ P . I ' やその誘導 体洲 は,ベ した。 また ,Stの転化率 と得 られ たポ リスチ レンの ンジルラジカル と脱離 ラジカルお よびベ ンジルカチ オ ン Fi g. 5) 0 との関係 は,直線的 に増加 す る傾 向が 見 られた ( と対 アニ オ ンを生成す る。 しか し,ベ ンジル クロ リ ドな これは,連鎖移動や停止反応 の副 反応が起 きないで開始 どはその光分解の効率が低 く,刺激性 液体で取 り扱 いが 反応 と成長反応 だけで重 合が進行す る重 合反応 (リビン 容 易でないな どの理 由か ら光重 合開始剤 と して適 当では グ重 合 )の特 徴 であ る。 しか しなが ら,Stの転 化率 と ない。ベ ンジルラジカルやベ ンジルカチ オ ンを効率 良 く 得 られたポ リスチ レンの 肱 との直線 は原点 を通 らない 生成す るため には,同時 に生成す る他方 の ラジカルや ア こ とか ら, リビング重 合に近 い反応系で はあ るが,特 に ニオ ンも安定である こ とが望 ま しい。 また,合成が容 易 反応の初期段 階で なん らかの副 反応 が起 きている もの と であ り,通常条件で安定 であ り, さらに取 り扱 いが容易 考 え られるっ さらに この重 合の機構 につ いて考察す るた であ る化合物が望 ま しい。本研 究 では,前述 した芳香族 め に生成 したポ リスチ レンの末端構造 につ いて調べ た。 環類 の安定化効果 に着 日 し,ベ ンジルナ オ基やベ ンジル H NMR スペ ク I Iを用いて得 られ たポ リスチ レンの I オキ シ基 を有す る種 々のベ ンズチ アゾー ル,ベ ンズオキ . 6-8. Oppm にベ ンゾチア ゾ リンの芳香 トルにおいて,7 サ ゾール誘導体 を合成 し,それ らを光 開始剤 と して用い 族 プ ロ トンに起 因 す る小 さい シ グナ ル が 確 認 され た た光 ラジカル重 合 と環状 エーテル類 の光 カチオ ン重合に ( Fi g. 61。他 の開始 剤 を用いて得 られ たポ リスチ レンに つ いて検討 を行 った。 お いて も同様 に,ベ ンゾキサ ゾ リン,あるいはベ ンゾチ - 292- Y O I 00 H-Z (t l i t i &t ors ) Ta bl e5 Sy nt he s i soEJ l e WPh ot oi Ai t i at or s I I H Ⅰ h H k ー J l e I H H H Y H H H H CH ー bi t i J L t Or ・ I 髄 Yl el d( %) $○ I.t tI n. 82 ▲●. 8. $0. 3 入 t . . 2 7 9 t E :1 〇 2 〇 ( AE b) 1 (2 〇〇】 一 1 1●88】 【 t bi t i I t or A 38. I39. 1 H ○ 4○ 79 1▲3. 3一 1 ▲一. 〇 一6. 2一7. 2 :& 72 ) CH <:珍 6○ 2 7 9 292 28 ■ 2 8 ○ 2○2 ( 12 〇〇〇) ( 一187 ( 6 2 08 】 【 157 08) 【 1 3 6 〇 一 】 2 8 6 287 28○ 一 日 榊 ○】 ー 1S一1●】 【 1○ 3○ 丁2 引り 【 107$○I l g Ⅰ h H H N) Y t r ) o 竜o 偲S < 潮 C N) C l i Ⅰ j T k NOz cN CH3 0 H H H 0 N P。 偲: < :< : 項 0 O I Y l el d(I / ') 66 r T l . I. ( ℃I ST. 6581 1■. ,(nm ) 277 ( 60 4) ー 【】 73 288 (4S20】 か か 42 3○ 3○ 91. A92. 3 8I. 0○○. 8 68. 5●9. 5 27● 【266○○) 300 (6833) 27一 ( 16604】 290 [ 13479) 301 290 【 13320】 302 ( 90 ■○】 1 第2 6 号 80 0 6 仙 ︻ %)^ ' u o u x 神 奈川大学二 1 二 学研究所所報 0 2 4 6 8 1 0 Ti me【 h】 Fi g. 3 Ti me toA V.O Ei A i t i at o r s( Ⅰ 8.I b)iJ I Ph ot o p ol y me 血 don Co J I d i t i oA S:S t y r e A e0 . 5 2g( 5mJ t l Ol ) .i Aj t i at o r0 . 5 m0 1 %,i J lbu l k l r r a d i adon:500W dt r ah i hg pr e sst L r e 0J me r 仙r yhJ T t P.I At e n S i t y:3mW/ cm ! ( 31 0n T t ) Fi l t e r:HAl 50. Con y.:J H NMR. ( ●)Ⅰ 8.(●)I b. 8 0 6 0 亘 O lo i U e i on r No.I r SI ni 忘; n 'り y 1 3 2 h 35 5 4 j 35 4 4 4 1 d 25 2 8 15 Tabl e6 Pho t opo l y m ni t i 8t O none 2 : ati r '\′ S. 6 lb 5 6 7 I e I r l h 37 2 2 45 55 e n eu s i n ghI hL ' i cl d( %)C' Mnx lOJ d ) M y〃 nd) 19 1. 04 t. 80 37 065 1. 50 27 0. 62 1. 56 0. 82 2. 0 7 1 . 4 4 2 9 0. 44 . L& r J c T s t a T d B l 血 49 17 0. 42 59 48 0. 8 6 1, 46 197 霊y 2ヲ 2 %W wd , W =Tm T :C = 慧忠 n b , hE N ) E s t u T l 山db y G PC( Tt r F dD nP O 叶 s l yr e nc 己. ここ. r q q. 6 ,h L i d W. . Tv T m d W ' hsoh 血) cp & T t Sulm e t h ul Old 2 0 oEstyT )t RS C 0 2 1 6 Tl mel h] 8 1 0 Fi g. 4 Ti me {on v.oISti l lP h ot o ・ p ol yne iz r ht i oA Ol ) ,i n i t i at Or0 . 5 Co nd i t i on s:s t yr e n e0 . 5 2g( 5mJ T t m0 1 %,i l lbdk I r md j at i on:BOOW u l t mh i h・ g p r e s s t l r eme r c u r y l a mp, ht e n s i t y:3mW, : c mz( 31 0m m) 5 0.Con v.:I H NMR. Fi l t e r:HA・ ( r)h.( +)I b.( AH F アゾ リンの芳香族 プ ロ トンが確 認 され た。 また I iを用 いて得 られ たポ リスチ レンの UV スペ ク トルにおいて, 3 0 0nm 付近 にベ ンゾチ アゾ リンに起 因す る小 さい ピー 生 成物 は測定 したサ ンプルに含 まれてい ない。 したが っ て,生成 したポ リスチ レンの 末端 に開始剤 由来のベ ンゾ Fi g. 7) 。 同様 に他 の開始剤 を開いて得 クが確認 され た ( キサ ゾ リン,あ るいはベ ンゾチ アゾ リンが化学結 合 して られたポ リスチ レンにおいて も,ベ ンゾキサ ゾ リン,あ い るこ とが強 く支持 されたO るいはベ ンゾナ アゾ リンの ピー クに起 因す る小 さい ピー 生成 ポ リマーの成 長末端の構造 は,開始剤の構 造 に類 クが確認 された。 これ らの結果 は.サ ンプル中に僅か に 似 してお り.この部分 も光 によ り開裂す る と考 え られ るD ベ ンゾチ アゾ リン構造が 含 まれている こ とを示 してい る この こ とを確認す るため に,一度単離 したポ リスチ レン が,サ ンプルであ るポ リスチ レンは,再沈殿操 作に よ り tの 光重 合 を行 った。IIを用いて 合 を開始 剤に用いて S 精製 した もので あるので,開始 剤 あ るいは開始 剤の分解 成 した ポ リ ス チ レ ン (プ レ ボ T )7 1 . M . : 300, - 293- 7 3 新 しい 草 妃R環 蛾の 光化学 反I , i L に よる反応性 化学 種 の選択 的生成 とそれ を用 いた光亜 合 % H 2 a H t S 髄 1 cH2 ・ c f St p r e p ■ r e Jy r i d tt i 」 c H 2 a " l n 0 P s t p r e p I r e dwi dt o t I t 2 0 4 0 6 0 8 0 Co mY.1 %I Fi g. 3 Con v.oEs t yr e J l e A.o ft h ep ol y s t y r e n e Con d i t i on s:s t yr e J t e0 . 5 2g( 5mJ T t Ol ) ,hi t i at or0 . 5 m0 1 %. l t r ah i hg p r e s s t l r eme r C u J T I r md i at i oA :500W u l a mP, I nt e AS i t y:3mW/ c m2( 31 0r L m) . Fi l t e r:HA・ 50,Co ny.:● HNMR.A. :GPC( THF) bs e doAp ol y s t yr e n es t J L m d a r ds . ( ■)I a.( ●)I b.( ▲ )I I . J - :J =; 二二二 i= 叫 Fi g. 7 UVs p e c t m oEp ol ys t yr e n e sa J I dI i . l c " 2 l a かm/hy L 6 h . I n h 此 C " F a "r 」c H z aJJcH2 a d;S 髄 S c h e me' I Fi g. 6 l H NMR s p ec t r u m oEt hepol ys t yr e nepr e par e d wi t hI i . MJ肱 :1 . 6 8)0. 05gを StO. 5 2gに加 え 6時 間光照射 を 行 った結果 ,収 率 3 8%で M, ,:8 2 0 0, MJI V. : 3. 0 9の ポ uL i on t i m el mi nJ 20 10 El Fi g. 8 GPCp r of i l e sp Et h epr e p ol yme ra J t dt he p os t p ol y me r . リスチ レンが得 られた。 Fi g. 8に示 した よ うに, この 重合で 生成 した ポ リマ ー ( ポ ス トポ リマ ー )の GPC プ ロフ ァ イルは単 峰性 で, プ レポ リマーのそれ よ り高 分子 領域 に シフ トした。ポ ス ト 含 まれてい た こ とを示唆 してい る。 2 0 0で プ レポ リマ ーの それの約 2. 7 倍に ポ リマ ーの M、は8 この光重 合は ラ ジカルが活性 種 とな って進行 してい る . 09で プ レポ リマ ーの な ってい る。 一方 ,分子量 分布 は3 のか を確 認す るため ,I j( 1 0m01 %) とラ ジカル補足剤 そ れ よ りも広 くな って い る。 また , ポ ス トポ リマ ー の である 2 ,2,6,6テ トラ メチ ル -1-ピペ リ ジ ル オ キ シ GPC プ ロ フ ァ イルの低 分子 領域 は, 少 ない割 合で あ る ( TEMPO日 1 0m01 %)告 st(5mmol ) に加 えて 3時 間 尤照射 を行 った。 その結 果 ,I jお よび Stの転 化率 は そ れ ぞれ 1 7Q / 0, 80 ' Oで , TEMPO を用 い な い場 合 に比 .反応 混 合物 をメ 較 して Stの転 化率 が著 し く低下 した= が プ レポ リマ ーのそれ と重 な ってい る。 この ことは, プ レポ リマ ー と して開 い たポ リスチ レンに成長末端 にベ ン ゾチ ア ゾ リン構造 を有 してい ないポ リ1 7-が あ る割 合で - 294- 7 4 神 奈川大学工学研究所所報 クノー ルに注 ぎ込 んだ ところ不溶部 は得 られ なか った。 また,反応混 合物 の G P C 測定 に よ りポ リマ ーの生成 は 第2 6号 脱 経基 が結 合 してお り,Stを加 えて光 照 射 を行 う と, ポ リマ ー末端が再 び開裂 して活性種 を生成 し,後重合が 確認 で きなか った。 これ らの こ とか らこの光反応 におい 進行す る もの と考 え られ る。 て,開始剤 か ら生成 した ラジカル種 は TEMPO に よ り 4 . 3 環状 エーテル類 の光重合 補 足 され た ため ,Stの重 合が 阻害 され た もの と考 え ら カチ オ ン重合 において反応性 の高 い環状 エ ーテルモ ノ CHO) とオキセ マ ー と して シク ロヘ キセ ンオキ シ ド ( れ る。 以上 の結 果 か ら,ベ ンジル基 を有す る芳香族複素項類 タンを選 び,ベ ンジル基 を有す る芳香族複素環類 を開始 を開始剤 に用 いた光重 合は, ラジカル重 合に よ り進行す 剤 と した これ らモ ノマ ーの光重 合 につ い て検 討 を行 っ c heme5 る こ とが明 らか にな った.全 体の反応機構 は S た。 CHO (5mmol )に対 して 1 0m01%の開始剤 ( I a-I k) の ように考 え られ る。 スチ レンに付 加 して スチ リル ラジカルを生成す る。 スチ を用 い,光源 と して超 高圧水銀灯 5 0 0W ( 1 0mW/ c m2 : 31 0nm) を用 いて無溶媒 中室温 で 1 0時 間光重 合 を行 っ た。いず れの場 合 に も開始剤 と CHO の転化が認 め られ とO特 に,4-メ トキ シベ ンジル基 を有す る I kを用 いた リルラジカルは芳香族複素環 ラジカル とカ ップ リング し k お よび CHO の転化率が高 く,それぞれ80%, 場合 ,I て共有結 合を形成す るが, この構造 は開始剤 に類似 した 1 0%で あ り,収 率 5%で Mn -600の オ リゴマ -が得 ら まず,芳香族複 素項類 が光 に よ り可逆的 に均 一開裂 を 起 こ し,ベ ンジル ラジカル と芳香族複 素環 ラジカル を生 成す る。ベ ンジルラジカルの反応性 が高 いので, これが 構造 であ るので光 に よ り均 一 開裂 を起 こ し, スチ 7 )ルラ れた。転化率 とオ リゴマ ーの分子 量は高い とは言 えない ジカル と芳香族複素環 ラジカルを生成 し, スチ リル ラジ が ,CHO の カチ オ ン重合が進行 した こ とが示唆 された。 カルが スチ レンに付加す る。 この ように,生長 ラジカル 二の重 合が光 に よ り起 きた こ とを間接 的 に確認 す るため と脱離 ラジカル との カ ップ リング反応 に よる共有結合 の k( 1 0m01 %) を用 い て CHO の重 合 を軽 溶 媒 中 に ,I tの挿 入 とスチ リルラジカ 形成 とその開裂 ,引 き続 く S 1 30℃ で36時 間行 った。 反応 終 了後 , 反応 混 合物 の I H NMR スペ ク トルに よ り求 めた I k の転化率 は23%であ ル生成 を繰 り返 す こ とに よ り重 合が進行す る と結論付 け るこ とがで きる。 ポ リマー末端 は光照射 を受 けていない 場 合,化学 的 に安定 なので単離 したポ リマ ーの末端 には k が熱 に よ り分 解 した。 しか し, り,多 少で はあ るが I CHO はほ とん ど減少 しなか った. , したが って ,I kに よ る CHO の熱重合 は起 きない ことが支持 された。 次 に, ラジカル重 合 開始剤 で あ る 2 ,27 ゾ ビス (イ x %T c Z 占 x %:H・・ Z ヱ 母 Lc H l S・ ・ ・ Z Y c M c M Z a ; ・ ・ ・ Z -X d c -2 gz 母 ・ Y ( n l 1 ) x dM c H Z a ; I- - = = : _ ニ ー ニ ラ II St/hv ==== ====L オ ンであ るこ とが示唆 された。 I k を開始剤 に開 いた光重 合 よ り得 られ たポ リマ ーの L HNMR において, 1 . 2-2. 5ppm にオ リゴシクロヘ キセ ンオキ シ ドの シクロヘ キサ ン環 の プロ トンに起 因す る シ 8ppm に メ トキ シの メチ ルプ ロ トンに起 因す グナ ル,2. ニー m ⊂ ん ど減少 しなか った。 したが って.CHO は ラ ジカルに 対 して安定 であ るこ とが確認 で きた。これ らの結果 か ら. 芳香族複素項類 を開いた CHO の光重 合の活性種 は カチ と け C H z a ; ・ ・ Z S t l h v I , &‡ " c H 密Z I : こ こ = 〒 一 二 =三三t 一 AI BN)3mol O / Oを CHO に加 えて ソプチ ロニ トリル, )( 無溶媒 中6 0℃で 1 2時 間加熱 を行 った結果 ,CHO はほ と る シグナ ル,3. 8ppmにベ ンジルの メチ レンプ ロ トンに I ≡; = : I . 7-8. Oppm に芳香 族環 の プ 起 関す る シグナ ル,そ して6 ロ トンに起因す る シグナ ルが確認 された ( Fi g. 9) 0 --: S c he me5 I ni t i at or s /hv r . I ,i nbu比 S c h e me6 開始剤 に I k を用 いた CHO の光重 合におけ る経時 変 g. 1 0に示 した。 反応時 間 を 5 ,1 0時 間 と延 ば し 化 を Fi 。 二 二 た場 合 ,l k の転 化率 は62%,77% と増 加 し, それ に と もなって CHO の転化率 も増加す る傾 向が見 られた。 さ らに反応 を行 うと I k の転化率 は さらに増加 して約36時 間で 1 0 O%' , I: 運 Lたが ,CHOの転 化率 は1 0時 間以降ほほ 一定 であ った - 295- . 7 5 新 しい複素碩類の光化学反応 に よる反応性 化学種の選択的生成 とそれ を用いた光重 合 前述 した様 に,新規 に合成 した芳香族複素項類 は光 に よ り均 一開裂 を起 こ し, 2種類の ラジカル種 を生成す る こ とが分 か ってい るが, これ らの化合物 は光 に よ り均 一 開裂 とともに不均 一 開裂 を起 こ し,ベ ンジルカチ オ ンと -◎ c Q ・ < : 壇 上」 叩 珍 ; 0 o n ◎ ・ '3 1 : c Q c b O ②cQ'+AOQ 0 叫② c 対応 す る芳香族複素環 アニ オ ンを生成す るこ とが分 か っ Pol yT T m た 。 した が っ て , CHO の 光 カチ オ ン重 合 の 横 樺 は Sc he me7の ように説明で きる。す なわ ち,光反応 に よ り生成 したベ ンジル カチ オ ンに よ り CHO の重合が進行 t l 8 i : 二 ◎ y H 3 0 ◎c Q ( O Q扇o c す るが,その重合 中に芳香族複素環 アニ オ ンが重合の成 , ・ ; r t ACdoれ s ue 長末端 と反応 して重合が停止す る と考 え られ る。 I k を開始剤 に用 いて同様 の条件 で,環状 エ ーテ ルモ ノマ ーで あ る オ キ セ タ ン ( 0Ⅹ) の光 重 合 を行 った結 k お よび OX の転化率 はそれぞれ37%,3 0%であ 莱, I 0%で Mn-4 3 0の オ リゴマ ーが得 られた。 り,収率 1 h 。 ◎cHZ<oq c 髄 Ls PoJ yT T tr tJ L don S c h e me7 I n i t i A t or s/ Av r . I . ,i n ulk S che e8 サイ\ 寸 b m この ように,I k が光 カチ オ ン開始 剤 と して機 能す る t O や 0X の よ うな環状 エ ーテ ル こ とが分 か ったが ,CI 類 の光 カチオ ン重合の効率 は十分で はない。実用 的 な光 カチ オ ン重 合 に用 い るため に,次 の 2つ の課題 が あ る。 1)開始剤 か らの光 カチ オ ン生 成効率 を向上 させ る。2 ) l L 対 アニ オ ンに よる副反応 を抑 制す る。 Fi g. 9 1 H NMR s pectm m o Et hep ol yme rp r ep ar e dw ith l k. ■ 1)の課題 に対 して は, 開始剤 の構 造 を工夫 す る こ と に よ り改善す ることがで きる。光化学 反応 に よ り生成す るベ ンジル カチ オ ンの置換 基効 果 につ い て, 4-メ トキ シ基 よ りも 3-メ トキ シ置換 のベ ンジル カチ オ ンが安 定 Ⅰ 1 8- I mC) を合 基 を有 す るベ ンズチ アゾール誘導体 ( 0 6 成 し,それ らを開始剤 に用 いた CHO お よび 0Ⅹ の光 カ チ オ ン重 合について検討 を行 った。 仰 ︻ , / , ︼ t J o ! s J r a ^ t J O U であ る ことが報告 されてい る卯 . この知 見 を参考 に して, 3-メ トキ シベ ンジル基 お よび3,5-ジ メ トキ シベ ンジル 0 ■ ● l 1 0 l 2 0 ■● ▼ その結果 ,CHO あ るいは 0Ⅹ いず れの光重 合にお い メ トキ シベ ンジル基 を有す る開始 剤 を用 いた て も, 4場合 よ りも,開始凱 ▼ 3 0 Ct I O あ るいは 0X の転 化率 が向 l aを開いた場 合 に これ ら環状 エ ーテ ル 上 した。特 に,I モ ノマーの光 カチ オ ン重 合が効率 良 く進行す ることが示 4 0 Fi g. 1 0 Ti me c on y.O Et heph ot op ol yme r i z at i onoECHO. Co nd i t i on s:CHO0 . 4 9g( 5mmol ) .I k1 0mol %, i J tbu l k. I J Tad i at i on:500W u l t r ah i h・ g pr e s s t L r eme r C t l r y l a mp, I nt e 爪 S i t y:1 0mW' ′ c m2( 31 0J t m) Fi l t e r:n oJ t e .Cony.oEmon ome r:L E INMR ComV.O Il k:GLC ( +)CHO.( J)T k. g. 11に I l aを開始剤 に恥 、 た OX の光重 合 唆 された。Fi の結果 を示 した。反応時 間 5時 間で I l aの転化率 は 5% で 0Ⅹ の転 化率 は30%で あ った。 これ らの転化率 は反 応時 間 とと もに増加 し,3 6hの 1 1 8 の転化 率 は7 8%で OX の転化率 は8 4%であ った。財.は4 0 0程度 であ った。 kを用 いた場 合,0Ⅹ の 4メ トキ シベ ンジル基 を有す るI 00 / .程度 であ った ことか ら I l a を用いた 転化率 は 5hで 1 - 296- 76 神 奈川大学工学研究所所報 煤 c r b -I X : , 3 l l J l J … 八 H ㊥3, …I 三 、 、 Hb 第2 6号 有す るナ トリウム塩等 を用いることに よ り・上記 カナ オ ン重合の副反応 を抑制す ることが可能である と考 えてい る。 l J c 5 . まとめ c 賢 髄 ・ 髄 , Ma" c Q-X x : l m l r nl hd) ] r r E S c he me9 本研 究では,光化学反応 によ り安定 ラジカル種 とカチ オ ン種 を生成す るハ イブ リッ ド型光 開始剤 と して, 1- (9ア ンス リルメチル オキ シ)-2-ピリ ドン誘導体 とベ ンジル基 を有す る複素環誘導体 を合成 し,それ らの光化 ( %)uo ! s J ○ >uoo 00 00000 00 0 0 98 7 6 5 4 3 2 ー 14 学反応 ,お よびそれ らを開始剤 に用 いた光重合 について 9-ア ンス リルメチルオキ シト 2-ピリ ド 検討 した。 1-( ン誘導体の光化学反応 において, ラジカル種 とカチオ ン 種 を生成す ること,それ らが生成す る量子収率, な らび にその光化学反応 の反応機構 をを明 らか に した。 また, 1-(9-ア ンス リルメチルオキ シ)-2-ピリ ドン誘導体が ▲ ハ イブ リッ ド型光開始剤 として機能す ることも明 らか に ● した。ベ ンジル基 を有す る複素環誘導体 もハ イブ リッ ド 型光重合開始剤 として有用であることが分か った。 これ 1 0 20 30 40 tの光 ラジカル重 合は リビング的 に進行す らを用いた S Ti m●( h) Fi g. l l Ti me ・ c oAV.OEt hephot opol yme r i z at i onoEOX u s i J L gl l b( 0. 5m01 %)i J tb u l k. ( ●)3b,(▲ )0Ⅹ. 場合 と比較す る と.重合の効率 は約 3倍向上 した ことが ることを明 らか に した。ベ ンジル基 を有す る複素環誘導 体 を開始剤 に用いた環状エーテル類の光 カチ オ ン重合 も 進行す るが,改善すべ き課題 も示唆 されたが, さらに検 討 を行 うことによ り効率の良い光 カチ オ ン重合が達成 さ れる と考 えられる。 分か った。 本研 究の展 開 として,光化学反応 において レーザ ー光 この重 合 にお いて も,I k を開いた場合 と同様 に芳香 族複 素環 アニ オ ンに よる副反応 が起 こる と考 え られ る を用いて光の波長や光強度の制御す ることに よ り, ラジ カル種 とカチオ ン種の生成効率 を制御す ることがで きれ が,全体 と して重合効率が向上 したのは,光化学 反応 に ば, 新規 なハ イブ リッ ド型光重合系の構築が可能 とな り, よる 4-メ トキ シベ ンジルカチ オ ンの生成効 率が高 いた 3次元光造形,複雑 な構造体 の コーテ ィング,エ レク ト めである と考 え られ るO 生成 ポ T )マ -の Mn は4 0 0程度 ロニ クス分野での様 々な応用が期待 される, であ り,分子量の増大 はほ とん ど認 め られなかったO こ れは前述 した様 に,副反応であるカチオ ン重合の成長末 端の オキ ソニ ウム部分 と芳香族複素環 アニオ ンの付加反 応がある程度起 こるためである と考 えられ る。 この課題 を改善す るために,成長末端のオキ ソニ ウム部分 を安定 化 させ る金属 カチオ ンの添加効果 について検討 した。添 加剤 としてカルボ ン酸ナ トリウム塩 な どを種 々検討 した 結果, トリフルオロ酢酸 ナ トリウムを開始剤 と同量添加 す ることに よ り,0Xの添加率は1 . 5 倍程度 に向上 し,分 子量 も僅 かに向上す ることが分か った。 ここで得 られた R スペ ク トルにおいて,エ ステル結合 に起 ポ リマーの I 因す る′ トさな どー クが観察 されたこ とか ら,添加剤 中の トリフルオロ酢酸 アニオ ンは求核性が低 いが,成長末端 のオキ ソ二 ウム部分 と僅か に付加 反応 を起 こす こ とも示 唆 された9本研究ではこれ以上の添 加剤効果 について検 参考文献 i)S.LSchl esi nger .Phot o gT ・ .Sc j .EL 7 g. .1 8,387( 1 974) .M.J .M. 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