2014 セブンズマッチオフィシャルガイドライン Ⅰ レフリー P.1 1 キック P.1 2 ブレイクダウン P.2 3 スクラム P.3 4 ラインアウト P.4 5 ファールプレー P.5 6 アドバンテージ P.6 Ⅱ アシスタントレフリー・インゴールジャッジ P.7 1 タッチ P.7 2 ファールプレー P.8 3 その他の役割 P.8 4 インゴールプロセス P.8 Ⅲ その他 P.9 7人制競技規則 P.10 参考 P.20 日本ラグビーフットボール協会審判委員会 2014/06/02 基本的な考え方:IRB LAWS OF THE GAME を適用 Ⅰ レフリー 1 キック ◯キックオフ・リスタートキック ポゼッション最優先のセブンズにおいて、リスタートキックでのボール確保はとても重要であ る。それ故、リスタートキックからの攻防には十分な注意を払う必要がある。 ・ トライ後のリスタートキックはトライをとったチームがおこなう。 ・ チェイサーのオフサイドをしっかりとマネジメントする。 ・ キックをキャッチする際のオブストラクション、空中でのコミット、押すなどの行為に注意す る。 キックするチームの失敗(ノット 10m、ダイレクトタッチ、チェイサーのオフサイド)につ いては FK で再開する。 ◯ゴールキック – 全てドロップキックでおこなう コンバージョンキック(トライを与えてから)40秒以内(World Sevens Series では30秒) → キックの禁止 ・ ボールはプレーしていたボールを自分たちで持ってきてキックする(マッチオフィシャルは拾 ったりして手伝うことはしない) 。 ・ トライ後はトライされたチームはハーフウェイ方向へいくように(キッカーのキックの導線上 に入らないように)導く。 ペナルティゴール(ペナルティを与えてから)30秒以内 → キックの禁止、相手スクラム キックを禁止することが目的ではなく、円滑なゲームの進行を促す事が大切である。 ◯クイックタップキック – セブンズでは多くの PK, FK はクイックタップキック ・ 正しいマークで正しくキックをさせる。 1 2 ブレイクダウン(タックル・ラック・モール) ◯タックルの成立 – タックルが成立しているのかどうかの確認 ブレイクダウンにおけるレフリーの仕事は公平なコンテストをさせる事である。 セブンズでは特に「クイックボール」を導く「クイックディシジョン」が大切である。 第 15 条 定義 ボールキャリアーが、一人または複数の相手プレーヤーに捕まり地面に倒された場合に、タッ クルは成立する。 ◯タックラー ・ タックラーは「直ちに」ボールとボールキャリアから離れる。 ・ アシストタックラーは「直ちに」ボールとボールキャリアを離す。 ◯ゲート – タックル成立後は必ずゲートを通る事(攻撃側・防御側ともに) ・ アシストタックラーは自陣側に戻る事が求められる。 ・ タックラーは直ちに立ち上がればどの方向からでもボールにプレーが可能である。 ◯倒れ込み – プレーヤーに対して立ってプレーさせるマネジメント ・ 「立っている」とは自重を自らで支えている事である。 ・ グラウンドに手をついていることは「立っている」事ではない。 ○ラック – ラックが形成されているかどうかの確認 第 16 条 定義 ラックとは双方の一人またはそれ以上のプレーヤーが立ったまま、身体を密着させて、地上に あるボールの周囲に密着するプレーの事をいう。 セブンズではタックル後にラックが形成されない場面(タックルオンリー)も多く発生する。 当然ながらラックが形成されなければオフサイドラインも発生しない。そして仮にタックル されたチームのプレーヤーがタックルエリアに来ていたとしても、タックラーが直ちに立ち 上がったならば、どの方向からもボールに働きかける事は可能である事に注意が必要である。 ○モール – モールが形成されているかどうかの確認 セブンズではモール形成後、アンプレアブルによるターンオーバーを狙う事も多い。また、ラ ック同様にモールが形成されない場面もある。正しい形成の判断が大切である。 ・ モールが形成された後にモールに参加するプレーヤーのオフサイドに注意 2 3 スクラム 多くのプレーヤーはスクラムのスペシャリストではない事を念頭にコミュニケーションをと りながらレフリー主導でシークエンスを進める事が大切である。 ただし、間違いがあるならば正しく罰していく必要がある。 ◯組ませ方 − 「クラウチ」 「バインド」 「セット」 ・ それぞれのコールに対して、それぞれのアクションをさせる。 ・ 組んだ後は安定させる。 15 人制と同様、スクラムはレフリー主導で組ませる。 組まれた後、ボール投入が可能である合図をスクラムハーフに送る必要はないが、ボールが 投入できるにも関わらず、投入しない場合には投入を促すマネジメント(声・シグナル)を 行う。 ◯バインド ・ プロップはフッカーに必ずバインド(プロップ同士 のバインドは不可) ・ スクラムが終了するまでバインドを継続 ◯アーリープッシュ ・ ボールが入る前に押す事は反則 ◯ポッピングアップ、内側に押す行為 ・ とりわけボール投入側でないチームのルースヘッド プロップによる行為に注意 ◯ボールの投入 ・ どちらのサイドからもボールの投入は可能 ・ 中央からまっすぐ ・ ボールを蹴り出す行為は PK 正しいバインド ◯スクラムハーフ ・ ボールのラインを(片足でも)超えればオフサイド ・ ボールを持っていない相手ハーフを捕まえる、押す行為に注意。 第 20 条 8 フロントロー 【(c)を以下の内容に変更する。 】 (c) フロントローはトンネルの外に向けて、あるいは相手側ゴールラインの方向 に向けて、故意にボールを蹴り出してはならない。 罰:ペナルティキック 3 4 ラインアウト ラインアウトの目的はタッチにボールが出た際に公正なボールコンテストによってゲームを 再開する事にある。形成を含め、フェアコンテストを導き出す事が大切である。 また、 セブンズではタッチになった際により多くのクイックスローがありうる事を忘れてはな らない。 ◯形成 ・ 相手スローワー 2m×2m(いない事があるので注意) ・ レシーバー 2m(必ずしも必要ではない) ・ レシーバーはラインアウトが開始されたら(ボール投入後)ラインアウトに加わる事は可能。 ◯クイックスローイン ・ クイックスローインができる状況であるかどうかの見極め クイックスローインができる状況 ・ タッチに出た同じボールである事 ・ タッチに出た後にクイックスローインを行うプレーヤー以外がボールに触っていない事 ・ ボールがタッチに出た場所から自陣ゴールラインの間で行われている事 ・ ラインアウトが形成されていない事 ・ タッチに出たプレーヤーに直ちにボールを離させる タッチに出たプレーヤーがボールを離さない、ボールを投げた ⇒ 「イエローカード」 速やかにボールを離させる、その場に置かせる。 4 5 ファールプレー ファールプレーはラグビー憲章はじめゲームの精神に反する行為である。 ゼロトレランス・ポリシーをもって厳しく対応する事が大切である。 ◯危険なタックル ・ ハイタックル – 肩のラインより上(結果的にであっても) ・ リフト/ティップタックル Law 10.4(j) 第 10 条 4(j) プレーヤーをグラウンドから持ち上げて落とす、または、両足がまだ地面から離れている相手プ レーヤーを、頭および/または上半身が地面に接触するように落としたり力を加えたりするのは、 危険なプレーである。 罰:ペナルティキック 脚が水平よりも上にあがっているならば最小「イエローカード」 脚が水平よりも上にあがり、頭もしくは肩から地面に落ちているならば「レッドカード」 ◯トリッピング – 15 人制に比べてスペースのあるセブンズでは起きやすいので注意 脚を引っ掛けて相手を倒したのであれば最小「イエローカード」 ◯スポーツマンシップに反する行為 LAW 10.4(m) 第 10 条 4(m) プレーヤーは、競技場においては健全なスポーツマンシップの精神に反するようないかなること も行ってはならない。 PK, FK の笛の後にボールを「離さない」 、 「投げた」 、 「キックした」⇒「イエローカード」 プレーヤーに速やかにボールを離させる、置かせる。 ◯その他 – パンチング、キッキング、ボールを持っていない相手を引っ張る、レイトタ ックル etc に対して適切に対処 5 6 アドバンテージ 第8条 定義 アドバンテージの規則は、他の大部分の規則に優先し、その目的は、反則による競技停止を少な くしプレーの継続を一層計ることにある。プレーヤーは相手に反則があっても、レフリーの笛に 従ってプレーすることが求められる。レフリーは、競技中に反則があっても、その結果相手側が 利益(アドバンテージ)を得る可能性のある場合には、その反則に対して直ちには笛を吹かない。 セブンズのアドバンテージの考え方 ・ 通常、ボールポゼッションを得て、プレーの選択肢があり、プレッシャーのかかっていない 状況であれば、スクラムになる反則のアドバンテージを得たと考える。 ・ 通常、ボールポゼッションを得て、ゲインラインに対して明らかなゲインがあれば、ペナル ティになる反則に対するアドバンテージを得たと考える。 セブンズのアドバンテージは 15 人制に比べて通常、短くなる事が多い。 6 Ⅱ アシスタントレフリー・インゴールジャッジ ポジショニング(キーワード) ・ リーディング、トレーリング ・ トライアングル ポジショニング①リーディング・トレーリング ポジショニング②トライアングル 第一の役割 アシスタントレフリーの役割:タッチ、ファールプレー インゴールジャッジの役割:ゴール、タッチインゴール、デッドボール、ファールプレー(イ ンゴール) 1 タッチ ◯クイックスローの可否 − 妨害する行為、正しくない投入(ステップイン、ノット5m、正しく ない投入) クイックスローインができる状況 ・ タッチに出た同じボールである事 ・ タッチに出た後にクイックスローインを行うプレーヤー以外がボールに触っていない事 ・ ボールがタッチに出た場所から自陣ゴールラインの間で行われている事 ・ ラインアウトが形成されていない事 7 ◯ノックオン/スローフォワードがタッチに出た場合はオプションがある事を忘れずに ◯ラインアウト − 相手スローワー2m×2m、ファウルプレー、ノットストレート、ノット5m 2 ファールプレー − クリアで明確な現象を正確に自信を持って判定・報告 ◯インゴールジャッジはインゴールの中のファウルプレーのみフラッグインが可能 ◯レフリーが判定をリクエストする場合もあり コミュニケーションプロトコル ① フラッグイン 、 「ファールプレー」 、 「カラー/ナンバー」 ② 「レフリーの名前」 ③ レフリーがタイムオフ ④ レフリーと直接コミュニケーション 会話はレフリー主導 ※コミュニケーションは簡潔に 3 その他の役割 その他の役割については試合前にレフリーからの指示をあおぐ。 (Ex.ノッコン、スローフォワード、オフサイド、ノット 10m のレポートなど) 4 インゴールプロセス コミュニケーションプロトコル ① レフリーがタイムオフ ② アシスタントレフリーに「タッチ」及び「タッチインゴール」 、トライかノートライかの 確認 ※グラウンディング前にタッチであればアシスタントレフリーは必ず旗を上げる事。 ③ インゴールジャッジに「タッチインゴール」と「グラウンディング」 、トライかノートラ イかの確認 ※コミュニケーションは簡潔に 8 Ⅲ その他 ◯試合時間 – 前半7分−ハーフタイム2分以内−後半7分 (通常、大会における決勝は10分−2分以内−10分) ◯入替 – 12人の指名で入替は5名まで(試験的競技規則採用) 。 ◯出血の一時交替 − 15分以内(経過時間) ◯シンビン – 椅子に座ってから2分間の計測を開始 プレーヤーは椅子に向かうためにフィールドのどこを走っていってもかまわない。 ◯ドレスチェック – 通常、各試合の前には行わない。 ◯トス – 通常、第一試合はキックオフ15分前、その他は前の試合のハーフタイムにチームマネ ージャーがトンネル(フィールド中央)にて行う。 ◯タイムキーパー – タイムキーパーをおいて競技をおこない、 会場に表示があることが望ましい。 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 《参考》15 人制と 7 人制の違い A. マインドセット ・ ボールポゼッションが重要 ・ 一試合だけでなくトーナメント ・ 多くのチームはコンタクトを回避 ・ 多くのクイックタップキック ・ タッチに出た際にはより多くのクイックスローイン B. ルールの適用 ・ 7 人のプレーヤー ・ 時間 ‐7 分の前後半と2分のハーフタイム ‐決勝は 10 分 ‐シンビンは 2 分 ‐コンバージョンキックは 40 秒、ペナルティキックは 30 秒 ・ コンバージョンとペナルティキックはドロップキック ・ リスタートキックはスコアしたチーム ・ スクラムは 3 人ずつ ・ 交代のプレーヤーは 5 名指名で5名まで ・ 1996 年からインゴールジャッジが採用 C. プレーヤー ・ スピード、スピード、スピード。 ・ 本質的には同じプレーが求められる D. スキル ・ 機動力 ・ 1 対 1 のタックル ・ セットプレーと同じようにリスタートキックは重要 ・ ドロップキック などなど ゲームの構造が違えばレフリングの違いもそこにあるはず。一度それぞれの違いがどのようなレフ リングの違いを生むのか、生むべきなのか、考えてみてはいかがでしょうか? 20
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