女性の左官職人が徐々に増えてきたうきっかけになればと思ってお話したのがげ、そちらでは塗り壁をもっと身近にし今日実現した次第です。て左官をもっと沢山の人に知ってもらえ ―それでは改めて自己紹介をお願いしるように、イベントや体験会などの活動 ―お忙しいところお集まりいただき有ます。も行っています。難うございます。本日は、女性左官を採原田　当社は商業施設と住宅の左官工事、伊藤　㈱伊藤左官工業の伊藤敏夫と申し用している経営者、また実際に現場で活タイル工事などを手掛けており、商業施ます。当社は創業が昭和39年で、50周年の躍されている女性職人の方をお招きし、設が8割、住宅が2割くらいです。20年以上節目の年を迎えました。作業内容として普段のお仕事を通じて感じられているこ前は住宅のほうが多かったのですが、地は一般の注文住宅から建売住宅をメインとや、女性からの視点で今後の左官の展場の大工さん、工務店さんが引退したりに、左官工事全般をやらせて頂いており望についてお話を賜りたいと思います。仕事をやめるにつれて住宅の工事が減り、ます。最近はエコ・リバイバルという会社はじめに、本座談会の発起人でもある原それをカバーする形で店舗の割合が増えと業務提携をして、特殊左官にも力を入田社長から一言お願いします。ました。職人数は、タイル職人も入れてれております。従業員数は今、職人が21名原田　㈲原田左官工業所の原田宗亮です。約50名で、そのうち女性が8名です。おり、そのうち女性が3名です。女性左官は徐々に増えてきていて、最近雇八幡　㈲八幡工業の八幡吉彦です。当社 ―女性左官の方から自己紹介をお願いう側や一般の人から質問されることが多くは昭和55年設立で、今年で創業34年を迎いたします。なってきました。当社ではもう25年ほど女えました。左官職人は現在24名おり、う福吉　原田左官工業所の福吉奈津子です。性左官がいるので、改めて聞かれると困っち女性は1名です。設立以来、新築ビル工入社して10年目になります。仕事の内容てしまうこともあるのですが。皆さん、左事から住宅・店舗と色々左官工事を手掛は、毎日違うのでこれと言うのは難しい官に入職されて、今の時代で困っているこけており、最近は自然素材、漆喰を扱っですね。色々なことをやっています。とや、新しい反応などを聞きたいというこて住宅の新築やリフォーム工事に力を入原田　仕事の種類が多いので…左官ではとと、やはり男女問わず、左官にどんどんれています。昨年、その事業に特化したモルタルを扱うことが多いですが、防水新しい人が入ってきてほしいので、そうい「ナチュラ・ワイズ」という部署を立ち上も仕上げもやるので、一概に言うのは難 No.454　2014 年 6 月号 7 伊藤敏夫さんいとう　としお株式会社伊藤左官工業代表取締役社長しいかもしれませんね。女性が新しい価値観を持ち込んでくれるシャドーを入れたり工夫し始めた。そのては、木造住宅の下地作り、養生から漆 ―各社長さんに女性左官さんを雇ったお客さんに配ったところ、それが採用さ喰、珪藻土、京壁などがあります。あと経緯と、女性を雇うことの意義についてれて、女性が増えていったんです。そう外壁は、網付けやネット張りから上塗り伺います。いう仕事がうちの古い職人さんだとやりまで。先ほどお話のあった「ナチュラ・ワ原田　うちの場合はもう25年くらい前のつけなくて、その人の友達や職人の娘さイズ」では、塗り壁体験会等でのイベントことですが、事務スタッフで採用した女んなど女性が段々集まってきて、女性だスタッフや、DIYサポートとしてお客様に性が「私も現場に出てみたい」と言ったのけでその仕事をやろうというのが、最初塗り壁を教えることもあります。です。バブルで忙しい頃で、材料運びやのハラダサカンレディースというのを立荒川　伊藤左官工業の荒川千尋です。入手伝いで良ければ行ってみるかと言ったち上げた経緯です。今はそういう仕事が社して5年目になります。仕事としてはのが最初のきっかけでした。当時、彼世の中でも当社でも一般的になっている内部の珪藻土や漆喰の現場に行ったり、女を職人として育てようという特別な想ので、女性だけがそういう仕事をやると外部の網付けや仕上げを塗ったりなど、いがあった訳ではなかったのですが、そいうのはなく、実際に福吉も色々な仕事色々やっています。の女性が現場に出たり倉庫で材料をいじをやっているんですね。くったりしているうちに、見本をつくり現場に行っても女性で左官というのは出したんです。漆喰などはうまく塗れなすごく珍しかった時代で、初めの人たちいのですが、模様をつけて楽しんだり、は良くも悪くも注目されていました。今口紅を砕いて入れて色をつけたり、アイは特別うちも仕事として男女で差はつけ田原　㈲八幡工業の田原亜沙子です。入社して今まだ3年目です。仕事の内容とし頃、色漆喰というのはあまりなかったんです。そんな見本を自分たちで企画して八幡吉彦やわた　よしひこ有限会社八幡工業専務取締役 8 No.454　2014 年 6 月号さん座談会／女性職人が左官の可能性を拓く原田宗亮さんはらだ　むねあき有限会社原田左官工業所代表取締役社長施主とのコミュニケーションが大切ていません。ただ、男しかいないと目線こだわるのは圧倒的に奥さんのほうが多が行かない、当たり前だけど気づかないいです。すると女性に相談するのは、同ことが意外とあるんです。そういうのをじ目線で会話ができる女性のほうが良い彼女たちが教えてくれて、それがお客さ面があるのではないか。女性の左官職人 ―伊藤社長、お願いします。んにとって役に立つ場合はあります。そをこれからはつくり上げていくべきかな伊藤　前回と重複しますが、当社では荒れはベテランの人・若い人という括りでというところで、ちょうど運良く「入りた川が最初に入ってきてくれました。あるも同じことが言えます。当社では10年前いんですけど」と門をたたく彼女が来て、人を通じて「インターンシップを受けては今よりもっと年配の人が多かったんでお願いした次第です。くれないか」と言われて、当然男が来るとす。私は小さい頃から50才、60才の職人さ ―男しかいなかった会社に女性を受け思っていたら、履歴書には女の子の名前んが一杯いるのが当たり前という感覚で入れる際の不安はありましたか。が書いてある。「いいですよ」と言った手したが、新しく入ってくる人はそういう八幡　なかったというと嘘になってしま前、受け入れました。インターンが終っ目線では見ていない。落ち着いて考えたうのですが、女性が入ってきた場合はこて、最後に打ち上げをしてあげた時に「学ら違うということは多いんですね。気づういう風にしていこうという方針が既に校辞めて明日から伊藤左官に来てもいいいて、良いことであれば生かせればいい。あって、土俵ができている状態だったのですか」と言い出すので「いやいや、学校違う目線で意見を言ってくれるのはすごで、すぐ「お願いします」と言えました。は出なさい」と。その位熱意のある子だっくありがたいことです。何も用意がなくて失敗したら悲しいことたんです。学校に戻って卒業までの間になので、自分の中でイメージはつくって気が変わるかもしれないと思っていたの女性が入ることで会社のイメージも変わるおきました。原田さんや伊藤さんの会社ですが、卒業式が終る前に「やはり伊藤左をはじめ、女性の方が働いているのも官に入れてほしいです」と彼女のほうか知っていたので、情報を集めて準備してら言ってきました。それで第一号として ―八幡工業さん、いかがですか。いました。逆に、女性だからといって特入ってくれたんですが、非常に頑張り屋八幡　最近は、一般住宅の施工の際にお別扱いしたら嫌がられると思うので、なさんで、技術もすごく早く習得してくれ客様と直接お話する機会が増えてきましるべく普通の職人と同じように接してあました。た。僕自身は二代目ですが、子供の頃は、げたい気持ちはあります。ただ、やはりこれからはリフォームの市場が非常に左官は縁の下の力持ちで、どちらかとい重いものとかは周りが気を遣ってくれて大きくなると考えられる中で、八幡さんうと無口で地味な印象でした。僕が職人いますけど。が先ほど言われていたように、リフォーになって進みたい方向として、もっと住 ―女性が入ってきたことで会社の雰囲ムの8割は女性が決定権を握っているそうむ人と直接話をして、自分の技術やこだ気が変わりましたか。です。その8割というのは奥さんなので、わりをアピールしても良いのではないか八幡　変わったと思いますね。現場の雰当然女性のほうが話しやすい面があるよと常に考えてきました。そのためには技囲気もよくなるし、お客さんの会社に対うです。実際にお客さんの声として、「女術だけではなくて、お客さんとしっかりするイメージも変わってくると思います。性がいるのはとても良いよ」という声も頂会話ができる職人を自分の会社で育てていています。「どういうところが良いのいかなければいけない。ですか？」と聞くと、やはりお客さんとお客さんと相談する中で、家づくりにしては、職人はいくら技術が良くてもし No.454　2014 年 6 月号 9