KURENAI : Kyoto University Research Information Repository Title Author(s) Citation Issue Date URL FTY720, a New Immunosuppressant, Promotes Long-Term Graft Survival and Inhibits the Progression of Graft Coronary Artery Disease in a Murine Model of Cardiac Transplantion( Abstract_要旨 ) Hwang, Myung-Woo Kyoto University (京都大学) 2000-03-23 http://hdl.handle.net/2433/180828 Right Type Textversion Thesis or Dissertation none Kyoto University 氏 名 義 萌 萎 学位( 専攻分野) 博 士 ( 医 学) 学 位 記 番 号 医 博 学位授与の日付 2年 3 月 2 3日 平 成 1 学位授与の要件 学 位 規 則 第 4 条 第 1項 該 当 研 究 科 ・専 攻 医 学 研 究 科 内 科 系 専 攻 学位論文題 目 FTY7 2 0 ,aNew I mmunos uppr e s s ant ,Pr omot e sLong-Ter m Gr af tSur vi val 第 21 9 4号 andI nhi bi t st hePr ogr e s s i onofGr af tCor onar yAr t er yDi s e as ei naMur i ne Mode lofCar di acTr ans pl ant at i on ( 新規免疫抑制剤 FTY7 2 0はマウス心移植 モデルにおいて急性拒絶 を抑制 し,悼 性期冠動脈病変 の進行を抑制す る) 論文調査委員 芽 ㌔ ) 難波雄二郎 鎗 長博 教 授 湊 文 内 容 の 要 教 授 篠 山 東 成/ 旨 yc l os por i nA( Cs A)の導入以来,心臓移植の成功率 は大 きく改善 したが,免疫抑制剤による副作用は依然 と 免疫抑制剤 c して深刻な問題であり,更に,慢性期冠動脈疾患が慢性拒絶の重要な原因 となっている。今回,新規免疫抑制剤である FTY A と比較検討 した。 7 2 0( FTY)をマウス異所性心移植モデルを用いて,その有効性を Cs 心移植後 FTYを連 日経口投与 したところ, 急性拒絶モデルを用いた場合, 3mg / kg/ da y投与で有意 に移植心の生者 は A との併用で生者期間は更に延長 した。Cs A単独では十分な有効性 は得 られなか った。混合 リンパ球試験では I L 延長 し,Cs -2,I FNlの産生抑生 は軽度であったが,細胞障害性 T細胞活性 は強 く抑制 された。慢性拒絶モデルを用いた場合,冠動脈 病変の進行 は強 く抑制 され,同時に Cs A との併用で効果は増強された。I L-2刺激による T細胞の増殖,I FN一 g刺激 による MHC抗原の発現は FTYにより強 く抑制 されたoFTYは安全性が高 く,急性,慢性拒絶 に有効であ り,臨床的応用が期待で きるO 方法 と結果 :マウス異所性心移植 は ドナ-心の上行大動脈,肺動脈を レシピエ ントの腹部大動脈,下大静脈 にそれぞれ血 7BL/6で移植 し,c ont r o lve hi c l e , FTY0 . 3 ,1 , 3 ,1 0mg/ kg/ day, Cs A4 0 , 1 2 0mg/ 管吻合 して行 った。 まず DBA/2-C5 kg/ day, 併用群 として FTYl, または 3mg/ kg/ day,Cs A4 0mg/kg/ day併用 し移植心の生者期間を比較 したところ, FTY3mg/ kg/ day投与で有意に生者期間は延長 したoCs A4 0mg/ kg/ dayではわずかな延長を確認 したが,Cs A1 2 0mg/ kg/ da yでは全例 1 2日以内死亡 した0 5日後の組織学的検討で はFTYl ong/kg/ dayでは急性拒絶を強 く抑制 し,I L2 , I FNで の遺伝子発現 も抑制 されていたが,Cs A4 0mg/ kg/ da yでは明 らかな効果はなかった。DBA/2と C5 7BL/6マウス の肺細胞を用いた混合 リンパ球試験では FTYI O OnM で Ⅰ レ 2,I FN了の産生抑制 は軽度であったが,5 11: r放出法で計測 した細胞障害性 T細胞活性は FTY lnM で強 く抑制 されていた。 次に DBA/2-BI O . D2で移植 し慢性期の冠動脈病変を評価 した。 c ont r olでは 7/1 9 , Cs A4 0mg/ kg/ dayでは 5/ 9 , FTY1 0mg/ kg/ da yでは 5/7 ,FTY3mg/kg/ da y,Cs A4 0mg/ kg/ da yの併用では 5/6が 60日以上の移植心の生者を見 0日後 に移植片を回収 し,冠動脈の血管内宮,新生内膜,申膜面横を計測 したところ,可 Y 投与群,併用群で冠動脈病 た。6 Aは明 らかな効果を認めなか った。I L-2刺激による T細胞増殖を Br dUELI SA法で定量 変の進行を強 く抑制 していた。Cs したが,FTYは 1n M で T細胞増殖を強 く抑制 していた。また I FNγ刺激 による腹腔マクロファージの c l a s sI , l IMHC抗 e l lELI SAで定量 したが, これ も強 く抑制 した。 原の発現を c Aより強力で安全性の高 登墜 :以上より,FTY は実験的心移植 モデルにおいて急性拒絶,慢性拒絶双方に有効であり,Cs A との併用により効果は増強 され,臨床応用に大 きな期待が持てると考え られ い免疫抑制剤であることが証明された。Cs -5 7 9- る。作用機序については完全には明 らかではないが,I L-2,I FNγに対する反応の抑制が-つの機序であることが確認 され た。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 心移植後の免疫抑制剤による副作用 は深刻な問題であり,更に,慢性期冠動脈疾患が慢性拒絶の重要な原因 となっている。 今回,新規免疫抑制剤である FTY7 2 0( FTY)をマウス心移植モデルを用いて,その有効性を Cs A と比較検討 した。 心移植後,急性拒絶 モデルを用いて,対象群,FTY単独,c yc l os por i nA ( Cs A)単独,FTY, Cs A併用群に分け,移植心 の生者期間を比較 したところ,Cs A単独では十分な効果は得 られなか ったが,低容量の FTYで生者期間は有意に延長 した。 組織上 FTY は急性拒絶を抑制 し,I L-2,I FNでの遺伝子発現 も抑制 したが,Cs A では明 らかな効果はなか った。混合 リン レ 2,I FNγの産生柳生 は軽度であったが,細胞障害性 T細胞活性 は強 く抑制 された。慢性拒絶モデルを用 パ球試験では Ⅰ いた場合,FTY単独群,Cs A併用群で冠動脈病変の進行を強 く抑制 した。FTY は I L-2刺激による T細胞増殖を強 く抑制 し,また I FN・ γ刺激によるマクロファ-ジの MHC抗原の発現 も抑制 したO以上より,FTY は急性拒絶,慢性拒絶双方に有 効であり,Cs A より強力で安全性の高い免疫抑制剤であることが証明された。作用機序 については完全には明 らかではない L-2,I FN・ γに対する反応の抑制が一つの機序であることが確認 された0 が,I 以上の研究は免疫抑制剤 FTY7 2 0の有効性を明 らかに し,今後の心臓移植医療に寄与するところが多いo Lたが って,本論文は博士 ( 医学)の学位論文 として価値あるものと認めるO 2年 1月 2 4日実施の論文内容 とそれに関連 した試問を受け,合格 と認められたもので なお,本学位授与申請者は,平成 1 ある。 -5 8 0-
© Copyright 2024 ExpyDoc