1 - 新潟県

Ⅳ 見直し結果
1 概要
(1)維管束植物
① 絶滅1種、野生絶滅2種、絶滅危惧Ⅰ類 96 種、絶滅危惧Ⅱ類 285 種、準絶滅
危惧 100 種、地域個体群 235 種、合計 719 種を選定した。
② レッドデータブックにいがた(2001)との比較では、絶滅と野生絶滅は変更が
なく、絶滅危惧Ⅰ類はカテゴリー変更6種と新規選定7種で 13 種の増、絶滅危
惧Ⅱ類はカテゴリー変更5種と新規選定 18 種で 23 種の増、準絶滅危惧はカテゴ
リー変更4種と新規選定 17 種で 21 種の増、地域個体群は種の統合による削除で
2種の減、新規 12 種の増、全体では、カテゴリー変更が 15 種、削除が2種、新
規選定が 54 種となり 667 種から 719 種となった。
③ 選定の理由は、アナマスミレやハマグルマなど海岸砂丘地に生育する種では、
観光開発や海岸浸食による生育地の減少や環境悪化、エゾノミズタデやオオミク
リなど限られた湖沼や水湿地に生育する種では、水湿地の減少や各種開発、マル
バウマノスズクサやマイヅルテンナンショウなど里地の農地周辺に生育する種
は、農地の改変や農薬使用、イチョウシダやヒキノカサなど道路や河川沿いに生
育地がある種では、道路や河川の整備、ホテイアツモリソウなどラン科植物は、
園芸目的の採取があげられた。
(2)コケ植物
① 絶滅危惧 19 種と準絶滅危惧3種、合計 22 種を選定した。
② 全体的に情報量が少ないことなどから、新潟県独自の選定種は1種に留めた。
③ 選定の理由は、ササオカゴケをはじめ低地の水湿地に生育する種では、各種開
発で生育地が狭められたことによる減少や、農薬使用や水質汚濁などによる生息
環境の悪化があげられた。ガッサンクロゴケをはじめ高山や山岳地帯に分布する
種では、登山者の増加に伴う踏圧や生育地の浸食などによる生育環境の悪化があ
げられた。
植物レッドリスト(2014)掲載種数
分類群
絶 滅
(E X)
野生絶滅
(E W)
1
2
維管束植物
新潟県カテゴリー
絶滅危惧Ⅰ類 絶滅危惧Ⅱ類
(E N)
(V U)
96
285
準絶滅危惧
(N T)
地域個体群
(L P)
100
235
掲載種合計
719
植物
コケ植物
19
植物レッドリスト(維管束植物)掲載種数
新リスト(2014)
のランク
絶 滅
(E X)
野生絶滅
(E W)
絶 滅
(E X)
1
野生絶滅
(E W)
3
新旧対照表
旧リスト(2001)のランク
絶滅危惧Ⅰ類 絶滅危惧Ⅱ類
(E N)
(V U)
準絶滅危惧
(N T)
削除
新規選定
2
83
5
262
準絶滅危惧 (N T)
1
7
96
1
4
18
285
79
4
17
100
-2
12
235
-2
54
719
地域個体群 (L P)
225
1
新リスト(2014)
の種数
1
絶滅危惧Ⅱ類 (V U)
合計
地域個体群
(L P)
2
絶滅危惧Ⅰ類 (E N)
旧リスト(2001)の種数
22
2
83
267
667
80
234
(備 考)
・横の列が新レッドリストのランクを、縦の列が旧レッドリストのランクを示す。網掛けした部分は前回と今回のランクが変化しなかった種を示す。網掛けし
た部分より右上に記された種は、ランクが上がった種を示す。
2
選定種一覧(レッドリスト)<別掲>
選定種について、下記のとおり一覧表(レッドリスト)を作成した。
(1)【維管束植物】新潟県第2次レッドリスト(2014)<カテゴリー順・分類順>
(2)【コ ケ 植 物】新潟県第2次レッドリスト(2014)<カテゴリー順・分類順>
(3)【維管束植物】新潟県第2次レッドリスト(2014)新旧対照表<五十音順>
(4)【コ ケ 植 物】新潟県第2次レッドリスト(2014)<五十音順>
3 選定種の解説<別掲>
(1)維管束植物
今回の見直しで新たに絶滅危惧に選定した種について解説した。
(2)コケ植物
初回の選定であるため概説を記載した。また、選定種数が少なかったことから全
種について解説した。
(凡例)選定種一覧(レッドリスト)及び選定種の解説の項目と内容
【科名等】
維管束植物の科名と配列順は、レッドデータブックにいがた(2001)を踏襲し、
基本的に伊藤洋(1980)の新高等植物分類表(北隆館)によった。
コケ植物は、岩月善之助(2001)の日本の野生植物-コケ(平凡社)によった。
【和名】【学名】
維管束植物は、基本的に邑田(監)・米倉(2012)の日本維管束植物目録(北隆
館)によった。
コケ植物は、岩月善之助(2001)の日本の野生植物-コケ(平凡社)によった。
学名は、属名、形容語、及び命名者まで記載した。
【新潟県カテゴリー】
絶滅(EX)、野生絶滅(EW)、絶滅危惧 I 類(EN)、絶滅危惧Ⅱ類(VU)、
準絶滅危惧(NT)、地域個体群(LP)のいずれかのカテゴリーを記載した。
なお、コケ植物は、絶滅危惧Ⅰ類とⅡ類を分けていないため、絶滅危惧(EN+
VU)と表記した。
【環境省カテゴリー】
環境省第4次レッドリスト(2012)のカテゴリーを記載した。
【選定理由】
選定理由表(別掲)の選定理由項目を記載した。
【形態と近似種】
形態の特徴と近似種との区別点等を記載した。
【分布の状況】
主に国内、県内の分布及び生育環境について記載した。
【生育を脅かしている原因】
報告されている、あるいは推定される絶滅や減少等の原因について、今後予測
される脅威を含めて記載した。
【特記事項】
学術上の意義、保護対策等、上記以外で特に記すべき事項について記載した。
また、捕獲や採取、損傷の禁止及び生育地の保存に関する法令の指定について記
載した。
<法令の指定>
指定の名称
国内希少野生動植物種
特定国内希少野生動植物種
特別天然記念物
天然記念物(国)
天然記念物(県)
天然記念物(市町村名)
指定植物(自然公園名略称)
根拠法令等
絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律
〃
文化財保護法
〃
新潟県文化財保護条例
市町村文化財保護条例
自然公園法、新潟県立自然公園条例
<指定植物に係る自然公園名の略称>
略 称
自然公園名
磐 梯 磐梯朝日国立公園
尾 瀬 尾瀬国立公園
上 信 上信越高原国立公園
中 部 中部山岳国立公園
越 後 越後三山只見国定公図
佐 渡 佐渡弥彦米山国定公園
瀬 波 瀬波笹川流れ粟島県立自然公園
略
胎
阿
五
長
直
久
親
称
内
賀
頭
岡
峰
比
不
自然公園名
胎内二王子県立自然公園
阿賀野川ライン県立自然公園
五頭連峰県立自然公園
長岡東山山本山県立自然公園
直峰松之山大池県立自然公園
久比岐県立自然公園
親不知子不知県立自然公園
【分布図】
分布図は、新潟県内における大まかな分布状況を視覚的に把握できるよう、県
内を昭和 30 年前後の市町村合併以前の旧郡を基本に 16 分割し、模式化した。
16 分割した各ブロックの名称と所属する現(旧)市町村は次表のとおりである。
分布図には、現在の生育地のほか消滅した生育地も含めて示した。
区分
下越
中越
上越
佐渡
ブロック名
所属する現(旧)市町村
岩
船 村上市、関川村、粟島浦村
北
蒲 新潟市(旧豊栄市)、新発田市、阿賀野市、胎内市、聖籠町
新潟市(旧新潟市、旧岩室村、旧巻町、旧西川町、旧味方村、
西蒲・新潟
旧潟東村、旧月潟村、旧中之口村)、燕市、弥彦村
新潟市(旧新津市、旧白根市、旧小須戸町、旧横越町、旧亀田
中 蒲 原
町)、五泉市
東 蒲 原 阿賀町
南 蒲 原 長岡市(旧中之島町)、三条市、加茂市、見附市、田上町
長岡市(旧越路町、旧三島町、旧与板町、旧和島村、旧寺泊町)、
三
島
出雲崎町
刈
羽 長岡市(旧小国町)、柏崎市、刈羽村
古 志 ・ 長 岡 長岡市(旧長岡市、旧栃尾市、旧山古志村)
北
魚 長岡市(旧川口町)、小千谷市、魚沼市
中
魚 十日町市(旧十日町市、旧川西町、旧中里村)、津南町
南
魚 南魚沼市、湯沢町
妙高市、上越市(旧上越市、旧柿崎町、旧大潟町、旧頸城村、
中
頸
旧吉川町、旧中郷村、旧板倉町、旧清里村、旧三和村)
上越市(旧安塚町、旧浦川原村、旧大島村、旧牧村)、十日町
東
頸
市(旧松代町、旧松之山町)
西
頸 糸魚川市、上越市(旧名立町)
佐
渡 佐渡市