シンガポール駐在員事務所情報(26年6月)

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No.026
平成 26 年 6 月 1 日
伊予銀行 シンガポール駐在員事務所
<経済>
○インドネシア
日系企業のインドネシア進出
5 月 20 日午前 3 時、タイでは、タイ国軍による戒厳令が発動され、22 日にはクーデター
に発展し夜間禁止令が発令されました。これにより、一時、自動車メーカーが夜間の操業
を停止する等の影響がでました。タイ国内で拡大する政情不安、2011 年の洪水、個人の過
剰債務問題等による内需の悪影響が懸念される中、インドネシアが「タイプラスワン」の
行き先として注目を集めています。今回は、インドネシアに進出する日系企業の動向につ
いてご紹介します。
インドネシアの人口は世界 4 位となる約 2 億 4,000 万人で、そのうち年間可処分所得が
US$35,000 以上の高所得層が 116 万世帯、同 US$5,000~US$35,000 の中間層が 1 億 2,000 万
世帯あるといわれています。1 人あたりのGDPは US$3,500 を越えており、インドネシア
は、労働力の確保だけでなく、消費マーケットとしても魅力的な国といえます。
成長するインドネシアにおいて、愛媛県の地場
有力企業が新たな一歩を踏み出しました。同社は、
大手自動車メーカー、大手電化製品メーカー等を
主要販売先に持つ樹脂製品のメーカーで、世界中
に海外拠点を有しています。ASEAN地域では
シンガポールへ 30 年以上前に、タイへ約 20 年前
に進出しており、愛媛県では海外ビジネスの先駆
者ともいえる企業です。今般、これまで海外ビジ
ネスで培ってきた経験とノウハウを生かし、ASEAN市場において更なる飛躍を目指す
べくインドネシアに新会社を設立し、ジャワ島西部カラワン県の工業団地内に建設した新
工場の竣工式が 5 月 22 日に開催されました。同工場には、インドネシアや周辺国において
増加する中間層の高度化・多様化するニーズに対応するため最新鋭の機械設備を導入。シ
ンガポール現地法人の代表を務めたこともある社長を筆頭に、海外経験豊富な人材を揃え
ています。竣工式には日本、海外から政府関係者
や取引先、取引銀行等総勢 130 名が出席し、当社
社内だけでなく取引先、関係者から大きな期待が
かかっていることが窺えました。また、工場敷地
内に祈祷専用のスペースを設けるなど、イスラム
圏である当地の宗教・習慣を尊重し、地元と共に
成長しようとする姿勢に日本企業ならではの温か
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さを感じました。
弊行と提携する地場銀行のBNI(バンクネガラインドネ
シア)では、2 年前にジャパンデスクを設置。既に 50 以上の
金融機関と提携し、日系中小企業のインドネシア進出のサポ
ート体制を整えています。同行担当者に、今後インドネシア
へ進出される企業へのアドバイスをお願いしたところ、
「イン
ドネシアに進出する日系企業の 75%が自動車関連企業なので、
大手自動車メーカーの拠点周辺(ジャワ島西部)に下請企業
も集中してしまっている。労働賃金の面を考えると東インド
ネシアの方が安く、インフラに関しても東インドネシアにも
素晴らしい設備の整った工業団地がたくさんあるので、今後
はジャワ島中部、東部にも目を向けて市場調査やFSを行っ
てはどうか。」とのことでした。確かに、20 年以上前に西ジ
ャワ州スカブミに工場を建設しインドネシアへ進出したヤクルトが、今年ジャワ島東部の
スラバヤに第 2 工場を建設し、ジャワ島東部、カリマンタン島南部等への供給を強化した
という例もありますし、自動車以外の業種であれば、インドネシアを広く捉えて進出先を
検討するのも一手かもしれません。
○シンガポール
「伊勢丹シンガポール四国フェア」が開催
5 月 16 日から 25 日にかけて、シンガポールの
繁華街に立地するスコッツ店で「伊勢丹シンガ
ポール四国フェア」が開催されました。
同フェアは、四国 4 県が連携し、四国食品の
海外販路開拓に繋げる取り組みであり、今回で 6
回目の開催となりました。
四国 4 県からは 25 社が出展し、店内には四国
の魅力的な青果物(ミニトマト、人参)、農産加
工品(みそ)、水産加工品(じゃこ天、塩、うな
ぎ蒲焼、寿司)、果実加工品(ジュース、ドレッシング)、麺類(うどん)、酒類(日本酒、
果実リキュール)などのブースが設置され、日本のこだわり商材を求めるお客様で大変賑
わっていました。
各出展事業者は、商品展示を工夫し、商品特徴を訴求し、お客様を呼び込んでいました。
フェア期間中には、讃岐太鼓演舞やマグロ解体ショーが行われ、みきゃんも応援に駆け
つけ、会場を盛り上げていました。
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同フェアでは、四国ゆかりのお客様との様々な出会いがありました。
シンガポールのお客様は、試食・試飲を通じて、健康に良い商品や高付加価値な商品で
あることを納得すれば、値段を気にせず、まとめて購入する光景が印象的でした。
また、今回のフェアにおいては、四国の食品販売に加え、四国ツーリズム創造機構が観
光ブースを出展しており、四国 4 県の観光情報(しまなみ海道、道後温泉など)を紹介し
ていました。伊勢丹を訪れるお客様は、日本に何度も訪問している方も多く、新たな旅行
地として四国ツアーに興味を持っていただくことができました。シンガポールの旅行者に
とって、食は一番の楽しみであり、食と観光を連動させた継続的なプロモーションが必要
と感じました。
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シンガポールの見本市情報
Marina Bay Sands
CLEANMET ASIA 2014
6 月 2 日~6 月 4 日
WASTEMET ASIA 2014
6 月 2 日~6 月 4 日
Broadcast Asia 2014
6 月 17 日~6 月 20 日
CommunicAsia 2014
6 月 17 日~6 月 20 日
Enterprise IT 2014
6 月 17 日~6 月 20 日
SatComm 2014
6 月 17 日~6 月 20 日
OFFICE EXPO ASIA 2014
7 月 16 日~7 月 18 日
SINGAPORE GIFTS & PREMIUMS FAIR 2014
7 月 16 日~7 月 18 日
SINGAPORE INTERNATIONAL JEWELRY EXPO 2014
7 月 3 日~7 月 6 日
Suntec
名称
期間
Logistics & Manufacturing World Asia 2014
6 月 23 日~6 月 25 日
Ad:tech asean 2014
7 月 7 日~7 月 8 日
Singapore Gifts Show 2014
7 月 9 日~7 月 11 日
Singapore Expo
名称
InterMet Asia 2014
期間
6 月 2 日~6 月 3 日
* 上記の見本市は予定が変更になる場合もありますのでご留意ください。
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★トピックスレポート(シンガポール人スタッフ便り)★
キャッシュレス化でますます便利になるシンガポール
シンガポールでは、バスや地下鉄に乗車する
ときに、EZ-Link(イージーリンク)カードという
プリペイドカードがあると便利です。このカー
ドは、SUICA や IC い~カードと同じように機械
にかざすだけで支払が完了する非接触型 IC カー
ドで、2002 年にサービスが開始されました。初
回カード発行時に窓口で 12 ドル(約 960 円)を
支払うと、発行手数料 5 ドル(約 40 円)を除く
7 ドル(約 560 円)がチャージされます。カード
は地下鉄の切符売場だけではなくセブンイレブン
EZ-Link(イージーリンク)カード
や郵便局でも買うことができ、一度発行すると ATM でも追加チャージすることが出来るの
で便利です。このカードさえあれば、バスや地下鉄に乗るたびに切符を買うために長い列
に並ぶ必要がなく、運賃割引もあるので時間とお金の節約になります。
2008 年 12 月末には CEPAS(シーパス)という電子財布機能が追加され、交通機関運賃の
支払だけでなくタクシー代、駐車料金、道路通行料金、提携するショップで買物した場合
の代金の支払いにも使えるようになりました。
また、同じキャッシュレスカードとして
Nets Flash Pay(ネッツフラッシュペイ)カー
ドがあります。発行体は違いますが、提供す
るサービスは EZ-Link カードとほぼ同じなの
で私は持っていませんでしたが、提携ショッ
プが EZ-Link カードよりも 1 万店舗多い 3 万
店舗であることや、最近積極的にプロモーシ
ョンのための様々な割引を行っているため、
Nets Flash Pay(ネッツフラッシュペイ)カード
今回私も作ってみました。提携ショップでの
買い物や、タクシー乗車時に Nets Flash Pay
カードを使うと 5%の割引が受けられるのでとってもお得だと感じています。
さらに最近、大手銀行の OCBC(オーバーシー・チャイニーズ)銀行が Pay Anyone(ペイ
エニーワン)という新しい送金サービスを開始しました。これは、Facebook (フェイスブ
ック)の友達リストに登録されている相手に簡単に送金できるサービス(ただし 1 日 100
ル(約 8,000 円)まで)で、送金者と受取人が共有する 6 ケタの暗証番号さえあれば、送
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金ができ、受取人の銀行口座に関する情報は一切必要ありません。今までにないサービス
なので、これからどれくらい普及していくかが楽しみです。
EZ-Link カードや Nets Flash Pay カードのようなプリペイドカード、Pay Anyone のよう
な送金サービスの普及で、シンガポールでの生活はますます便利になっています。でも、
便利さとは裏腹に紛失や盗難時の対応やセキュリティーの面で少し不安に感じるところも
あるので、個人的にはうまく使い分けていく必要があると感じています。
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