報道関係者各位 プレスリリース 2014 年 2 月 26 日 株式会社アンペール ヨウ化ストロンチウム SrI2(Eu) シンチレータの販売開始 〜次世代の高価な放射線測定主要部品が新製法により大幅コストダウン〜 株式会社アンペール(本社:東京都新宿区、代表取締役社⻑:藤田 功、以下 アンペール)は、ユニオ ンマテリアル株式会社(本社:茨城県北相⾺郡、代表取締役:櫻木 史郎、以下 ユニオンマテリアル) が開発したヨウ化ストロンチウム単結晶を低コストで製造する技術を利⽤したシンチレータの独占販 売権を獲得し、製品化、販売を開始します。 シンチレータとは、放射線の入射により蛍光を発する物質の総称であり、放射線検出の主要な部品。 ヨウ化ストロンチウム SrI2(Eu)シンチレータは、これまで一般的であったヨウ化ナトリウム NaI(Tl) に比べて 2 倍以上の⾼発光出⼒と、4%以下の優れたエネルギ分解能を発揮する次世代のシンチレータ。 しかしながら、これまでは米国 RMD 社が独占的に販売しており、非常に⾼価でありました。 ユニオンマテリアルが開発した製造方法は、永年の研究開発の過程で完成した溌液結晶化法に基づく ものです。同社は多量に⽔分を含む安価な材料から結晶を作る技術の開発に成功し、従来の半分の価格 での提供が可能となりました。エネルギ分解能と発光感度が⾼く、雑音が少ない SrI2(Eu)シンチレー タを利⽤すれば、特に、放射線源の核種を正確に判定できるので、放射線測定機器の性能を大幅に改善 することが可能です。 アンペールは価格を大幅に下げる事に成功した直径 25mm ⻑さ 25mm の SrI2(Eu)シンチレータを 2014 年 3 月から販売開始します。また、別途販売パートナを募集しており、現在 3 社と契約を進めて います。 <詳細> SrI2(Eu)シンチレータ http://fa.ampere.co.jp/products/scintillator/ 【提供の背景】 3.11 東日本大震災による福島第一原⼦⼒発電所の大爆発と炉心のメルトダウンによって、非常に 広い範囲に多量の放射性物質が放出されました。この未曾有の大事故およびその後の被害の拡大は、 ニュースとして国内だけに留まらず世界中を駆け巡りました。この問題は現在も解決の⾒通しさえ⽴ っておらず、極めて深刻な状況が続いています。このことから目に⾒る事の出来ない放射線を測定す る機器に対する需要は、プロだけでなく、地方自治体、NPO や一般家庭にも浸透する程に⾼くなって います。 ユーロピウム(Eu)を微量添加したヨウ化ストロンチウムの単結晶は、ガンマ線を受けると⻘く発 光する性質があり、この光を光電⼦増倍管(PMT)で増幅して電流に変換して、間接的に放射線量と そのエネルギを測定します。現在、放射線測定⽤シンチレータの市場では、核種弁別能⼒(エネルギ 分解能)が比較的低く安価なヨウ化ナトリウム(エネルギ分解能 7%程度)の使⽤が一般的ですが、 核種弁別にはエネルギ分解能のより⾼いものが求められています。 SrI2(Eu)シンチレータは、極めて⾼い分解能(4%以下)を持ちながら発光量も2倍以上あり、更 に、雑音が少なく感度の直線性が優れているので、X 線などの低エネルギの放射線から⾼エネルギの ガンマ線まで対応できる、次世代の製品と期待されています。しかし既存品は米国 RMD 社のみであ り、その価格も 1 インチ径で 1 個 100 万円程度と、非常に⾼価で入⼿も容易でないという現状があ ります。これは、1 ppm(ppm は 100 万分の 1)以下と極めて⽔分の少ない原材料を使う必要があ り、また、独占的であることからも非常に⾼価になっていると考えられます。RMD 社は、莫大な国 家予算をかけ一流の研究者たち(ローレンスリバモア、オークリッジ両国⽴研究所、フィスク大学、 RMD 社)を結集して 2003 年から進められた、米国ホームランドセキュリティ計画のための⾼性能 シンチレータ開発の成果をもとに、2012 年に製品化しました。 ユニオンマテリアル櫻木社⻑(理学博⼠)は、1966 年から東京大学物性研究所などで⾦属ハロゲ ン化物結晶の研究をしてきており、1986 年に同社を設⽴後、化合物半導体やシリコンの成形結晶な ども⼿掛けるなかで、溌液結晶化法という究極の成形結晶技術を確⽴しました。 今回の SrI2(Eu)シンチレータ単結晶はこのような技術の積み重ねによって完成したものです。 RMD 社は Eu 添加量 1.6%以上の SrI2 に関する特許を持っていますが、ユニオンマテリアルでは、 結晶の品質を極限まで⾼めることによって、Eu 添加量 1.6%未満でも充分な発光量が得られることを 確認しており、この範囲の Eu 添加量に関する特許は既に失効しています。櫻木社⻑は、今後製造設 備の改善と増強を進めてコスト低減を図ると共に、引続き 1.5 インチや 2 インチの結晶製造に挑戦す ると話しています。 当社は、シリコンなどに関する同社との⻑い共同技術開発などを経て、今回本製品の総販売代理店 としての指定を受け、今日の発表に至りました。 <価格> SrI2(Eu)シンチレータ(直径 25mm ⻑さ 25mm)サンプル価格:500,000 円(税別) ■会社概要 商号 代表者 所在地 設⽴ 事業内容 資本⾦ URL : : : : : 株式会社 アンペール 代表取締役社⻑ 藤田 功 〒160-0023 東京都新宿区⻄新宿 7-5-3 1971 年 10 月 真空計・ペルチェ温調システムなどの産業⽤コンピュータ応⽤製品、語学教育・ 会議システム、コンピュータ周辺機器などの開発、製造、販売 : 22,200 万円 : http://www. ampere.co.jp/ 【本プレスリリースに関するお問い合わせ先】 株式会社 アンペール 営業推進室 担当:⾦⼦ Tel:03-5330-6802 E-Mail:[email protected]
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