株式会社白組 調布スタジオ様導入事例

事例カタログ サーバ導入事例
株式会社白組 調布スタジオ 様
高密度・高集積サーバにより、限られたスペースでレンダリングサーバを増強・高速化
将来のメモリ容量需要に向けた拡張性も確保
商品名
FUJITSU Server PRIMERGY CX400 S2
FUJITSU Server PRIMERGY CX250 S2
課 題
効 果
■
映画制作における新しい表現への取り組みに向け、レン
ダリングの高速化が必要
■
■
ラック搭載スペースは増やせないが、
サーバ台数の増強を
したい
■「
映像制作で必要となるメモリは十分に搭載できるように
したい
■「
■
最新サーバへのリプレースで、
既存システムの約2.8倍~
約8倍のレンダリング高速化
PRIMERGY CX250 S2」により、従来比2倍のサーバ台数
を同じスペースに高密度搭載
PRIMERGY CX250 S2」は16ス ロ ッ ト、最 大256GBま で
搭載可能のため、映像制作に十分なメモリ容量を確保
3DCGを駆使したVFXからミニチュア制作まで幅広い手法に精通しており、多彩な映像表現を追求し続ける白組。映画・TV番組・
CM・ゲームなど、同社が活躍する領域は多岐にわたり、その制作スタジオは都内4箇所(青山・三軒茶屋・調布・杉並)にあります。
『
、ALWAYS 三丁目の夕日'64(
』2012)
などの劇場用長編映画を中心に手がけてきた調布スタジオは、
『永遠の0』
(2013)
2014年春に
富士通のサポートを受け、
4年ぶりとなるレンダリングサーバのリプレースを実施しました。導入した製品は「PRIMERGY CX250 S2」
20台と、それらを格納する2Uシャーシ「PRIMERGY CX400 S2」5台。これにより、従来通りの設置スペースを維持しつつ、レンダリング
最高の映画制作に挑戦し続ける白組 調布スタジオを支えています。
サーバを増強することに成功しました。
富士通のICT技術が、
まう。
でも使える予算には限界があるので、
我慢できる部分と我慢できない
導入の背景
部分の見極めが大切です」
。CGアーティストの目線で制作工程全体を俯瞰
新作映画制作の本格始動前にレンダリングサーバをリプレース、 し、システムエンジニアの目線で必要とされるキャパシティを予想する。そ
のうえで、
少しだけ余裕のある構成を提案するよう心がけているそうです。
性能課題の解消を計画
白組のなかでも、とりわけ小人数体制で運営されている調布スタジオ。
その時々のプロジェクトに応じて多少の増減はあるものの、所属するCG
お客様プロフィール
アーティストは10名程度です。彼らをサポート
株式会社白組
「入社当時
タジオとの掛け持ち1名という構成。
所 在 地
映像制作のデジタル化に合わせて徐々にシステ
代表取締役社長
島村 達雄
ムを学び、
次第にシステムエンジニアとしての仕
設 立
事が増えていったのです。そんな経緯があるの
資 本 金
するシステムエンジニアは2名で、常勤1名、他ス
は撮影部に配属され実作業を担当していました。
本社 東京都渋谷区神宮前 5-2-18
調布スタジオ 東京都調布市多摩川 5-20-1
で、
今でも依頼があればコンポジット
(合成)
も担
従業員数
1974年8月28日
495,000,000円
180名(2014年4月24日現在)
当します」
と常勤の早川胤男氏は語ります。
事業内容
劇場用の実写映画やアニメーション映画、TV用のCMや実写番組、
状況に応じてシステムエンジニアとCGアー
アニメーション番組などの企画制作を行う映像プロダクション。
ティストの顔を使い分ける早川氏。
新システム導
株式会社白組
入の度に、
その経験が大いに役立つのだと続けま
システムエンジニア/
す。
「監督やCGアーティストの要望を全部受け入
3Dマッチムーブ
れると、
もの凄いスペックのシステムになってし
3DCGを駆使したVFXからミニチュア制作まで幅広い手法に精通
しており、多彩な映像表現を追求している。
ホームページ
http://www.shirogumi.com/
早川 胤男 氏
http://jp.fujitsu.com/platform/server/primergy
事例カタログ サーバ導入事例
調布スタジオでは、1本の映画制作が終了し、次回作の制作が本格始動す
る狭間にシステムをリプレースすることが恒例となっています。今回のリ
プレースも新作映画の実制作が始まる直前に行われました。
「新しい映画
を作る度に新しい挑戦をするので、何らかのテコ入れが必須となっていま
す。以前のレンダリングサーバを導入したのは4年前で、特にシミュレー
ション時のメモリ不足が限界にきていました。これを解消することは最重
サーバ導入が可能となったのです」。既存のサーバと、
「PRIMERGY CX250
S2」との処理速度を比較すると、平均して約1.4倍、特に導入効果の高かっ
た処理では、約4倍にもなりました。さらに、同スペースで設置できるサー
バ台数が2倍になっていることを考えると、システムとしては約2.8倍~約
8倍の性能が得られることになります。
要課題の1つでしたね」。
導入の経緯
同業他社の導入実績が決め手。日本のCGプロダクションの
ニーズにマッチした、高性能CPU搭載・省電力・省スペース
3DCG制作との相性が良いシステム構成で、従来通りの設置スペースに
収まるサーバを探していたと早川氏はふり返ります。
「我々がリプレース
の検討を始める数ヶ月前に、株式会社エヌ・デザインさんが富士通のレン
導入のポイント
従来と同じスペースに2倍の台数のサーバを設置
メモリスロットの空きが豊富なため、後日の拡張も可能に
試験導入を経た後、調布スタジオでは「PRIMERGY CX250 S2」20台と、そ
れらを格納する高さ2Uのシャーシ「PRIMERGY CX400 S2」5台を導入しま
した。
「4年前に導入したサーバ10台を設置していたスペースに、全てのシ
ステムが収まりました。2UにPCサーバ「PRIMERGY CX250 S2」が最大4台、
格納できる。このコンパクトさは大きな魅力ですね」。
白組ではベンダーのサーバ構築サービスを利用せず、自らサーバ構築を
ダリングサーバを導入したのです。性能に問題はないし安定もしている。
おまけに場所も取らないと、同社のシステム管理責任者から教えていただ
行っているため、今回の導入ではサーバラックへの搭載が簡単で、メンテ
きました」。常日頃から白組のエンジニアたちは、会社の垣根を越え、他社
ナンスが容易な点も決め手になったと早川氏は続けます。
「サーバの扱い
のエンジニアとの情報交換を行っているそうです。
「他社との横のつなが
に慣れているエンジニアであれば、短時間で着脱が可能だと思います。
りは大切だと感じています。相手からの相談に応じて我々が経験を伝えれ
100Vと200V電源の2段階を選択でき、メモリスロットも16個と十分な数
ば、フィードバックをもらえる。そのなかに新しい発見が含まれているこ
とも多いです」。
エヌ・デザインでは、2013年夏に「PRIMERGY CX250 S1」12台を導入し
「PRIMERGY CX250
ていました。その実績を評価した白組 調布スタジオは、
があるため、今後の状況の変化にも柔軟に対応してくれるだろうと期待し
ています」。なお、前述のエヌ・デザインでは100V電源、OSにはWindows系
を使用しており、白組 調布スタジオでは200V電源、OSにはLinux系を使用
しています。どちらの環境でも安定した運用が確認されている点は心強い
S2」と「PRIMERGY CX400 S2」の試験導入を決定したのです。エヌ・デザイ と、両社から評価いただいています。
ンに限らず、日本のCGプロダクションがレンダリングサーバに期待する仕
様は似通っていると早川氏は語ります。
「CPUのクロック周波数が高く、
導入の効果と今後の展望
CPUとメモリ間のバスは太い方が良い。100V電源にしか対応していない社
屋が多く、サーバルームがあっても手狭な場合がほとんどなので、省電力・ 増強したレンダリングサーバのリソース活用を、
省スペースであることも重要ですね」。
約1 ヶ月間に渡って実施した試験導入には、調布スタジオのCGアーティ
ストが参加したそうです。
「試験導入段階からCGアーティストも巻き込み、
“これ
「PRIMERGY CX250 S2」のパフォーマンスを体感してもらいました。
は我々に必要な投資だ”という確信をチームで共有できたので、円滑な新
ジョブ管理ツールの導入により促進
調 布 ス タ ジ オ の 主 な 使 用 ソ フ ト ウ ェ ア は、3DCG 制 作 用 が Autodesk
Maya、コンポジット(合成)用がThe Foundy NUKEXとAdobe After Effects
となっています。CGアーティストには1人1台相当のレンダリングサーバ
が割り当てられており、ジョブ管理の専用ツールは、いくつか導入テスト
【株式会社白組様 システム構成図】
をしたものの問題があったこともあり、導入していませんでした。
1台では
不十分な場合は、CGアーティスト同士が相談し、融通し合ってきたそうで
す。その理由を早川氏は次のように話します。
「個々のジョブに対して責任
感を持つのに加え、リソースを節約する意識も備えて欲しいという意図も
あり、あえてジョブ管理の自動化を見送ってきたという面もあるのです。
けれども今回のリプレースでサーバ台数が2倍になったので、ジョブ管理
ツ ー ル と し て Thinkbox 社 DEADLINE 6 の 導 入 を 決 定 し ま し た。CG ア ー
ティストたちには既に十分な責任感と節約の意識が根付いているため、新
サーバを最大限、有効に使ってくれるだろうと期待しています」。
早川氏の頭の中では既に次回のリプレースに向けた検討が始まってお
り、サーバルームには今後の試験導入に向けたスペースも確保されていま
す。
「最高の映画制作に挑戦し続けられる環境をCGアーティストに提供す
るためには、レンダリングサーバに加え、ストレージサーバ、ネットワー
ク、ワークステーションも順番に更新し、常にシステム全体のバランスを
検討していく必要があります。富士通はシステムの知見が豊富で映像制作
への理解もあるため、今後のサポートも期待しています」。
お問い合わせ先
富士通コンタクトライン
(総合窓口) 0120-933-200
受付時間 9:00 ~ 17:30
(土 ・ 日 ・ 祝日を除く)
富士通株式会社 〒105-7123 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター
http://jp.fujitsu.com/platform/server/primergy
Copyright 2014 FUJITSU LIMITED
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2014 年 6 月 AP