施 策 名 ストーカー・DV対策を始めとする犯罪被害を未然に防ぐ活動の推進 施策目標 ストーカー・DV事案等、凶悪犯罪に発展するおそれのある相談事案等 に対する迅速・的確な対応を徹底するとともに、地域の犯罪情勢等の的確 かつ詳細な分析を行い、地域住民の安全・安心を脅かしている犯罪等に対 して、総合的な犯罪抑止対策の戦略的展開及び徹底検挙を図るほか、地域 住民等との連携協働による犯罪の起きにくい社会づくりに取り組むことに より、犯罪被害を未然に防ぐ活動を推進する。 取組内容 1 ストーカー・DV事案等の警察安全相談等への的確な対応 ストーカー・DV事案等の被害を防止するため、関係機関・団体、関 係事業者等と連携して、ストーカー・DV事案の現状や各種手続きにつ いての広報啓発活動、相談窓口による適切な防犯指導等、被害の防止に 向けた対策を推進しました。 (1) 被害者等に対する支援及び広報啓発活動 ア 相談電話による被害者への支援 「(078)371−7830 皆一番に相談し、悩みゼロ」をキャ ッチコピーに、24時間体制で相談 を受理し、防犯指導や自衛手段等 の対応要領を教示するとともに、 必要に応じて相手に注意をするな 【 相 談 電 話 に よ る 支 援 】 ど、被害者への支援を行いました。 イ 街頭キャンペーンによる広報啓発活動 商業施設等において、関係機関や学生ボランティアと連携して、 通行する女性に広報チラシや広報啓発文入りポケットティッシュ等 を配布し、ストーカー・DV相談の周知、啓発のための街頭キャン ペーンを実施しました。 【関係機関や学生ボランティアと連携したキャンペーン】 ウ 防犯グッズの作製 防犯キャンペーン等において配 布するポケットティッシュや被害 者に貸し出しする防犯ブザー等の 防犯グッズを作製しました。 【作製した防犯グッズ】 エ 講話や寸劇による広報啓発活動 県下のホテルや女子大学等において、講話や寸劇を実施し、スト ーカー・DV事案の現状や各種手続きを説明し、被害に遭わないよ うに防犯意識の高揚を図りました。 【 ホ テ ル で の 講 話 】 (2) 【 ホ テ ル で の 寸 劇 】 関係機関・団体と連携した被害防止対策の推進 ア 放送事業者との連携 テレビ放送やラジオ放送を活用して、「安心コールシステム ※」等 本県独自の施策を紹介するとともに、ストーカー・DV事案への危 機意識を持った対応状況について説明しました。 ※ 「安心コールシステム」:被害者の安全確保を図るため、チェックシート等を活用し、被害者 への現況確認(連絡)を、事案の緊急性・危険性等に応じて確実に行うためのシステム。 イ 2 関係機関・団体との連携の強化 関係機関が相互に連携を図り、被害者支援を効果的に推進するこ とを目的として設置されている「ひょうごDV防止ネットワーク会 議」等の構成員として参画するとともに、関係機関との研修会や連 絡会議等にも積極的に参加し、ストーカー・DV事案等に対する対 応にあたっての知識、技術の向上や相互の連携強化を図りました。 犯罪抑止総合対策の推進 県民が安全に安心して暮らすことができる地域社会の実現を目指し、 地域の犯罪情勢に即した犯罪抑止総合対策を推進しました。 (1) ひったくり対策 自治体を始め関係機関・団体と連携して、合同での街頭キャンペー ン等の広報啓発活動を実施するとともに、ひったくり発生時には、「ひ ょうご防犯ネット」やFM放送等を活用して、タイムリーな情報発信 に努めました。 【 尼崎市のご当地キャラクターを活用したひったくり防止キャンペーン】 (2) 【FM放送による広報啓発】 「三都広域防犯対策プロジェクト」の推進 兵庫、大阪、京都の3府県の警察 本部生活安全部、商工会議所連合会 及び自治体が連携し、全国初となる 「三都広域防犯対策プロジェクト」 を構築して、3府県における広域的 な防犯対策や広報啓発活動を推進し ました。 【3府県警察による防犯キャンペーン】 3 地域社会と連帯した犯罪の起きにくい社会づくりの推進 地域住民、事業所、自治体等関係機関・団体との連携の下、情報の共 有を図り、防犯対策等を効果的に推進するための防犯ネットワークの拡 充を始め、街頭防犯カメラの設置促進、幅広い世代の参加による自主防 犯活動の活性化など、地域社会と連帯した犯罪の起きにくい社会づくり を推進しました。 (1) 防犯ネットワークの整備・活用 ア 関係機関・団体等との防犯ネットワークの拡充 地域住民や各種防犯活動に取り組む事業所・団体、自治体等との 防犯ネットワークの拡充を図るため、各種会議等を通じた情報共有 や連携強化に努めました。 【大学生ボランティア、地域ボランティア等との連携会議】 【自治体、防犯協力事業所等との連携会議】 イ 「ひょうご防犯ネット」の登録者拡大 メールにより防犯情報等を配信する「ひょうご防犯ネット」を活 用して、県民の身近で発生する犯罪情報等をタイムリーに登録者に 配信し、県民の防犯意識と地域の防犯力の向上を図るとともに、よ り多くの県民に情報配信できるよう、 キャンペーンや各種会合等を通じて 登録者の拡大に努めました。 【「 ひ ょ う ご 防 犯 ネ ッ ト 」 登 録 促 進 キ ャ ン ペ ー ン 】 (2) 街頭防犯カメラの設置促進 防犯研修会等あらゆる機会を通じて、自治会、防犯グループ等に対 し、防犯カメラの有用性や自治体が行う設置補助事業の紹介、プライ バシーに配意した適正運用等についての助言を行うとともに、各自治 体に対して、自治体による防犯カメラの設置や設置補助事業の創設に ついての働き掛けを行い、街頭防犯カメラの設置促進に努めました。 【防犯セミナーを通じた防犯カメラの設置促進】 (3) 【「 ひ ょ う ご 防 犯 ネ ッ ト 」 広 報 チ ラ シ 】 【 街 頭 防 犯 カ メ ラ の 設 置 状 況 】 防犯ボランティア活動の活性化 防犯ボランティア活動の活性化を図るため、各種防犯情報等の提供 や防犯パトロールへの同行など、活動に対する支援を行ったほか、大 学や事業所等に対して、自主防犯活動への取組強化を働き掛け、若い 世代や現役世代の参加促進に努めました。 【大学生への自主防犯活動の働き掛け】 【青色防犯パトロール合同出発式】 4 地域住民が求める安全・安心のための犯罪抑止・検挙活動の推進 (1) パトロール活動 受持管内の犯罪が多発する時間帯、 地域を分析し、犯罪の予防・ 検挙、 不審者に対する職務質問を行うとと もに、地域住民の意見・ 要望に応え るパトロール活動を推進しました。 【 歓楽街の重点 パトロール】 (2) 声かけ活動 子どもの登下校時や人、車が多い 時間帯を重点に、交番前や交通量の 多い交差点において「立番」を実施 して、保護誘導や地域住民への声か け活動を行い、存在感と親しみの醸 成に努めました。 【 立 番 勤 務 中 の 地 理 案 内 】 (3) 事件・事故への迅速な対応 地域住民が不安に感じる事件・事 故の抑止のための防犯パトロール及 び職務質問による犯罪の検挙活動を 推進するとともに、事件・事故発生 時における迅速な初動対応を展開し ました。 【パトロール中のパトカー】 5 地域住民の相談・要望等に対する問題解決活動の推進 (1) 問題解決活動 地域住民のボランティア団体であ る「地域ふれあいの会」と協働して、 地域住民の日常生活における身近な 問題等を解決するための各種活動を 行い、安全で安心な街づくりを推進 しました。 【地域ふれあいの会との交通安全活動】 (2) 意見・要望把握活動 巡回連絡を始め、「地域ふれあい の会」委員や自治会役員宅等への立 寄り、関係機関等との各種会合への 出席などを通じて、地域の実態や地 域住民の要望を把握して、地域住民 が不安を抱く事案等を解決する活動 を行いました。 【地元住民からの要望把握活動】 (3) 情報発信活動 身近な出来事や振り込め詐欺などの事件・事故の発生状況について の情報を防犯講話により発信しているほか、防犯対策や交通安全に関 する情報を交番だより・駐在所だよりで提供しました。 また、警ら時にパトロールカードを配布して、警察の存在を身近に 感じさせ、安心感の醸成を図りました。 【 漫 才 に よ る 防 犯 講 話 】 【 パ ト ロ ー ル カ ー ド 】 6 命に関わる事案に対する徹底した初動警察活動の推進 (1) 110番通報への迅速・的確な対応 通信指令室では初動警察の司令塔 として、通信指令システムなどを効 果的に活用し、110番通報への迅速・ 的確な受理と指令を徹底しました。 【 通 信 指 令 室 】 (2) 緊急配備の発令 重要犯罪が発生した場合、緊急配備により警察官を大量動員して、 組織的な初動警察活動を実施し、早期の犯人検挙に努めました。 (3) 110番通報の適切な利用促進 毎年1月10日を「110番の日」と定 め、110番通報の正しい利用の促進と シャープ 警察相談専用電話「 # 9110」の利用 についての広報啓発活動を推進しま した。 【110番の日キャンペーン】 (4) 現場執行力の強化 卓越した職務質問技能を有する指 導者が、若手警察官の職務質問の実 務能力の向上を図るため、実践的な 指導を行い、現場執行力の強化に取 り組みました。 【 職 務 質 問 要 領 の 教 養 】 7 雑踏警備の万全 雑踏事故の絶無を期するため、祭礼、 花火大会、興行、競技などの行事につ いて雑踏警備諸対策を推進しました。 【神戸ルミナリエ雑踏警備】 取組結果 1 ストーカー・DV事案の認知・検挙状況 (1) ストーカー事案 平成25年中のストーカー事案の認知件数は、1,285件で前年と比べて 122件(10.5%)増加し、検挙件数は132件で3件(2.2%)減少しまし たが、ストーカー規制法違反による検挙は50件で過去最多を記録しま した。 ストーカー事案の認知・検挙状況 1,500 150 1,000 100 500 50 0 認知件数(件) 検挙件数(件) 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 914 100 1,012 102 1,016 110 1,163 135 1,285 132 0 注 検挙件数には、ストーカー規制法違反による検挙の他、ストーカー事案に絡む脅迫、 暴行等の罪名で検挙した件数も含んでいます。 (2) DV事案 平成25年中のDV事案の認知件数は、2,113件で前年と比べて12件 (0.6%)増加し、検挙件数は361件で33件(10.1%)増加しました。 DV事案の認知・検挙状況 2,500 400 300 2,000 200 1,500 100 1,000 認知件数(件) 検挙件数(件) 注 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 1,867 183 1,885 214 1,860 215 2,101 328 0 2,113 361 検挙件数には、DV防止法違反による検挙の他、DV事案に絡む暴行、傷害等の罪名 で検挙した件数も含んでいます。 2 刑法犯の認知状況 平成25年中の県内の刑法犯認知件数は、70,532件で前年と比べて、5,110 件(6.8%)減少しました。 刑法犯認知件数 100,000 80,000 60,000 40,000 20,000 0 認知件数(件) 3 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 90,670 80,860 76,532 75,642 70,532 命に関わる事案に対する徹底した初動警察活動の推進 【 検 挙 事 例 】 殺人未遂事件被疑者の検挙 平成25年3月、尼崎市内の路上において、パトカー勤務員2名が、 女性に覆い被りナイフを振りかざしている被疑者を発見し、激しく暴 れる被疑者を制圧逮捕して、女性を救助しました。 【人命救助事例】 水難者の人命救助 平成25年5月、神戸市内において、女性が岸壁から海に転落したこ とから、交番勤務員2名が、海中へ飛び込み、女性を救出し、女性は 一命を取り留めました。 4 雑踏警備の万全 平成25年中、初詣、神戸まつり、花火大会などの祭礼行事、イベント等 延べ3,723日の雑踏警備を実施し、来場者等の安全と安心を確保しました。 今後の方針 ストーカー・DV事案は、重大事案に発展する危険性があるため、被害 者の意向に配意しながら事件化や保護措置を迅速かつ的確に行うとともに、 早期相談を促すため、各種広報啓発活動を継続して行うなど、被害者に対 する支援を推進し、被害防止に努めていきます。また、県民の安全・安心 の確保に役立つ犯罪情報や防犯情報が、地域の隅々にまで行き渡るよう、 防犯ネットワークの更なる拡充と、幅広い世代への積極的な働き掛けや支 援による防犯ボランティア活動員の裾野の拡大と活動の活性化のほか、関 係機関・団体等に対する防犯カメラの設置促進を図るなど、安全で安心し て暮らせるまちづくりに向け、地域社会と連携・協働した総合的な犯罪抑 止対策を推進していきます。 このほか、地域の実態に即し、地域住民が求める安全・安心のための犯 罪の抑止及び検挙活動を始め、地域住民に不安を生じさせる身近な事案へ の問題解決活動を強化し、「いざという時に頼りになるお巡りさん」とな るよう警察活動を推進します。
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