Euro-PCT出願による欧州特許の取得 ヨーロッパ特許制度

ヨーロッパ特許制度
Euro-PCT出願による欧州特許の取得
“Euro-PCT” 出願とは何でしょうか ?
欧州特許は、欧州特許条約に基づいて欧州特許庁に提出され
る国際出願によって取得できます。
これが、“Euro-PCT”出願と
称され、その出願申請書は“Euro-PCT”出願です。
Euro-PCT出願は、他の欧州特許と同様の方法で、その特許要
件が審査され、同様の特許権を享受することができます。
する各国の特許庁にそれぞれ特許出願をするより費用が少な
くてすみます。
EPC 加盟国のうちの数ヶ国、例えばフランスで特許権保護を
得たい場合、PCT出願によるEuro-PCT出願により特許権の保
護ができます。
通常、御社がEPC 加盟国のうちの3カ国以上の国から特許権
保護を取得したい場合には、Euro-PCT出願をしたほうが該当
どの時点で欧州段階への移行の手続きを開始すべきか?
欧州特許庁への国内移行段階の期限は、
PCT 出願の優先日か
ら、
又は優先権主張がない場合は、
PCT出願が申請された日から
31ヶ月です。
もし御社が31ヶ月の期限に間に合わなかった場合は、
欧州特許
庁が設定した31ヶ月期限日から2ヶ月の期限内であれば、
欧州出
願段階の申請をすることは可能です。
この場合は、
多くの追加手
続き及び追加費用が伴います。
御社が欧州特許庁に対して31ヶ月期限前に出願処理を希望す
る場合は、
早めの処理を要求する事ができます。
欧州出願段階への出願手続きはどのようにすべきか?
御社は、以下の手順で国内段階を欧州特許庁に出願すること
ができます。
• 欧州国内段階出願申請の基となるPCT出願申請書の詳細
を提供; 加えて
• 公的費用の支払
もし、PCT出願申請書が欧州特許庁の公式言語 (英語、
フラン
ス語、或いはドイツ語)で既述されていない場合は、欧州特許
庁公式言語に翻訳された当該出願申請書を提出するように
求められます。
御社は、
さらに追加手続きとる場合があります。それらの例と
しては以下のとおりです。
• 優先権が主張される以前の出願申請に関わる特許庁の
調査の結果についての情報の提出が求められます。
• 御社の代理人として、欧州特許弁理士を任命します。御社
がEPC加盟国に事務所、或いは事業展開拠点がない場合
には、欧州特許弁理士を代理人とする任命が必要になり
ます。
その次はどうなりますか?
国際段階に於いてEPOが国際調査機関(ISA)であるかどうか
に依ります。
欧州国内出願段階申請の後、審査が開始される前に、欧州特
許庁は“EPC規則161条通知“に基づく書類を交付します。
この
通知では6ヶ月の期限が設定され出願申請の補正をすること
が可能です。
もし御社がクレームを補正する場合、御社の補正されたクレ
ームがPCT出願申請に基づいていることを確認することが重
要です。
16件目以上すべてのクレームには超過クレーム料金をこの
時期に支払うことができます。6ヶ月の期限内に支払わなけ
ればなりません。超過クレーム料金の支払いを減らすため
に、
この時期に出願書を補正する事によりクレームの数を減
らすことができます。
EPC規則161条 – EPO が 国際調査機関 (ISA)の場合
もしEPOが国際調査機関で、国際サーチ・レポート(ISR)の
作成のために既に当該PCT出願申請書が調査された場合
は、“EPC規則161条通知に基づき、国際サーチ・レポートによ
り発行された書面による見解の対応が求められます。
対応がすでになされた場合を除き、或いは欧州移行段階で
又は、書面見解に対する異議がない場合を除き書面見解に
対する対応は6ヶ月以内が義務です。
EPOが国際調査機関で、
クレームの中に1件以上の発明があ
る場合、書面見解に国際サーチレポートが付随していて、国
際段階でサーチ料金が支払われた場合は、EPO は1件の出
願書の発明を審査します。その他の発明の1件目又は2件目
の発明は分割出願がされた場合に審査されるかもしれまま
せん。
ノート、2014年11月 1日改正予定の規則により、追加の
サーチ料金を支払うことができるようになります。
(詳細はウ
エブサイトをご覧ください)
EPOが、御社の発明に特許性があると同意した場合、御社の
出願書は認可され、特許が許可されます。
EPC規則161条段階 – EPO が国際調査機関(ISA)でない場合
もし欧州特許庁が国際段階においてPCT出願を調査してい
ない場合は、EPC規則161条に基づく6ヶ月の期限満了内に”
補充“調査報告と意見書を発行します。
一般的に、欧州出願段階から特許付与までは3年から5年か
かります。調査、及び或いは審査の加速を要求することがで
きます。
もしEPOがクレームの中に1件以上の発明があると判断した
場合は、
クレームの中の一番最初の発明だけを調査します。
従って、最も重要な発明がクレームの文章の最初に述べられ
ていることが必要です。
こうすることによりEPC規則161条によ
りクレームが補正されることが必要かもしれません。
もしPCT 出願のクレームが、1つのカテゴリー(物、方法、用
途、装置)の中に複数の独立クレームがある場合はEPC規則
161条による1つのカテゴリーの中に1つの独立クレームだ
けがあるよう補正するようにもとめられます。EPO は1つの
カテゴリーの中に1つのクレームだけを選ぶよう要求し、そ
して1つだけ調査します。EPOは調査をしていない主題につ
いては審査をしません。
これらについては1件又はそれ以上
の分割出願の申請をすることができます。EPO は1件の申請
書の中の1件の調査された“発明”を審査します。その他の発
明については、1件か2件の分割出願により審査されるでしょ
う。 ノート、2014年11月 1日改正予定の規則により、追加の
サーチ料金を支払うことができるようになります。
(詳細はウ
エブサイトをご覧ください)
規則161条通知に基づく期限が来た場合、EPOは、補充調査
報告書及び意見書を発行します。その後すぐ、EPOは意見書
に対する応答を6ヶ月以内に提出するよう求めます。
この応答
は、異議がない場合を除いては強制です。
審査
規則161条通知の後、出願申請書の審査が開始されます。
審査期間中、EPOは、一通或いはそれ以上の審査レポートを
発行します。審査レポートは、
どうしてEPCの特許要件満たし
ているのか、或いはいないのかの審査報告書発行します。時
には、審査報告書は、形式的な出願申請書対して異議を唱え
る結果となる場合もあります。
各審査報告書は、回答に期限を設定しております。
(通常は4
ヶ月です) その回答では補正をすることが出来ます。更に/
或いは審査官に対し、当該発明は特許性があるので、出願申
請書は受理されるべきであると説得することが出来ます。
し
かしこれには時間がかかり、EPOとのコミュニケーションが更
に必要になります、例えばさらに審査報告書の検討、審査官
との応答、
さらにはEPOとの異議申し立てになります。
加速審査
特許が付与された場合にはどのようなことが起こります
か?
付与の過程は二段階に分かれています。
A. 出願書が許可されると、御社は更に費用の支払、及び欧
州特許付与のためのクレームの翻訳の提出ガ求められ
ます。
B. 付与された欧州特許は、当該特許が有効とされる国での
み効力を発行します。特許をあるEPC加盟国で有効とする
ためには、特許の全文を該当する国の公式言語に翻訳す
る必要があります。該当する他の国では、
クレームだけを
その国の公式言語に翻訳しなければなりません。また該
当するある国では追加の翻訳の必要はありません。特許
の翻訳は高価であり、その額はどこの国で御社の欧州特
許を有効にしたいのかに基づいています。
特許が許可されてから9ヶ月間は、欧州特許庁に対して誰で
も異議申し立てができます。もし御社の特許が異議申し立て
を受けた場合は、異議申し立て手続きの対応で特許を守る
事ができます。
一旦、欧州特許が付与されれば、それは各国別の国内特許権
とみなされます。御社は、一国、或いは複数の国で特許権の
放棄を選択することが出来ます。その際、それらの国以外の
国での特許権の効力が影響されることはありません。
どのように欧州特許権を行使すればよいでしょうか?
一旦特許が許可されれば、(出願申請の際の)指定各国におい
て権利行使が出来ます。但し、年金が納付されていなければ
なりません。
これらの国で、御社の合意なしに御社の発明を
利用した場合は、特許権の侵害になります。
訴訟は、各指定国に於いて御社が指名した代理人により、御
社の名の基に提起されます。御社が特許権の行使を希望す
る各国でそれぞれの訴訟の手続きを取る必要があります。
御社は、欧州特許が付与されるまでは特許権侵害の訴訟を
起こす事はできません。
しかし、一旦特許が付与されれば、当
該特許出願書に関わる特許付与が公表された日に遡って損
害賠償を求めることが可能になる場合もあり得ます。
2010年10月時点でのEuropean Patent Convention(欧州特許条約)加盟国
アルバニア
オーストリア
ベルギー
ブルガリア
クロアチア
キプロス
チェコ共和国
デンマーク
エストニア
フィンランド
フランス
ドイツ
ギリシャ
ハンガリー
アイスランド
アイルランド
イタリア
ラトビア
リヒテンシュタイン*
リトアニア
ルクセンブルグ
マセドニア
マルタ
モナコ
オランダ
ノルウェー
ポーランド
ポルトガル
ルーマニア
サンマリノ
セルビア
スロバキア
スロベニア
スペイン
スウェーデン
スイス*
トルコ
英国
上記の国のうちの数カ国、或いは全部の国を欧州特許出願の際に指定できます。
*リヒテンシュタインとスイスは両国で単一の指定になります。
欧州特許は、ボスニアーヘルツェコビナ及び/或いはモンテネグロに“拡張”されます。欧州特許出願申請の際には、
こ
れらの“拡張”国を指定できませんが、各国の国内法には欧州特許が付与する特許権の効力は拡張国にも及ぶと規定
されています。
詳細及び追加情報について
この文面で述べた課程の全てに関わる
情報集や、
さらに多くの情報は当事務
所ウェブサイト www.mewburn.com からダウンロードできます。
当事務所ができる御社への支援とは?
欧州特許代理人(欧州特許弁理士)は、Euro-PCT出願による欧州
特許取得に関わる全手続きを取り扱うことができます。
欧州特許弁理士を依頼することは短期的には費用の増加になり
ますが、
より安全で確実な欧州特許の取得につながります。
費用 – 欧州出願段階の手続き
以下の公的費用の支払が必要になります。
• 出願料金
• 指定料金 ― 1回の料金支払でEPC加盟国の全てを範囲とします。
• 審査料)金– 金額は、申請特許に関わる官庁のISA(国際調査機関)によります。
以下の公的費用の一部又は全ての支払が必要になることもあり得ます。
• 調査料金 – EPOがISA(国際調査機関)でない場合に当該費用が掛かります。
• 頁料金 (ページ数超過料) – 35ページを超えた場合、超過したページ毎に費用が掛かります。
• クレーム料金– クレームが15件を超えた場合、超過したクレーム毎に費用が掛かります。
• 拡張国適用料 – 必要に応じて費用を支払うことになります。(そのリストは下記参照)
• 更新料金
欧州出願段階での費用の額は一定ではありません。通常、EPOがISA(国際調査機関)でない場合の公的費用の最低額
は約3,500ユーロです。
ミューバン エリス 特許事務所は1,150ユーロの固定料金サービスを提供しています。
この固定料金サービスには、
公的書類の作成、必要料金の支払処理、出願報告、出願書公開報告。御社が30件以内のクレーム、或いは100ページ以
内の明細書であれば、追加費用は欧州特許弁理士の専門的な業務に関わる費用に限られます。
欧州リージョナル・フェーズ(国内出願段階)– 概要
欧州国内出願段階への移行
EPC規則161条の通知
EPO = ISA
EPO ≠ ISA
- 必要に応じて出願申請書の補正
- もしクレームが15件を超えた場合、
さらに、或
いはクレーム料がまだ納付されていない場合
には、
クレーム料を納付
- ISA国際調査機関としてのEPO欧州特許庁か
らの書面による見解への意見書提出
- 必要に応じて出願申請書の補正 (自発補正
が出来る最後の機会)
- もしクレームが15件を超えた場合、
さらに、
或いはクレーム料がまだ納付されていない場
合には、
クレーム料を納付
欧州特許調査報告書及び書面による見解
出願人への意見書提出要求
- 意見書提出
- 必要に応じてアプリケーション(出願申請
書)を訂正 (権利としての自発的なアプリ
ケーション(出願申請書)訂正の最後の機
会)
主要事項:
出願人による手続き
欧州特許庁の対応
審査報告書
審査報告書に対する意見書提出
特許付与の手続
異議申し立て期間終了 – 特許付与日9ヶ月
特許の満期 – 出願申請日から20年
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(Euro-PCT Route - JP)
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