平成 18 年度 1820 さんぱ く 事例●020 三柏工業株式会社(福島県矢吹町) 平成18年度 地域における中小・中堅建設業の 新分野進出定着促進モデル構築支援事業 福島県でCALS/EC導入のための 支援事業に取り組む 三柏工業(株)は、昭和 23 年に福島県西白河郡矢吹町で設立された。平成 12 年 に建設業向け機械リース、不動産管理を営む(株)オーシーエスを設立し、それを母 体として三柏工業が持つCALS/ECに関する技術と地域の営業基盤を活かし て、平成 17 年にCALS/EC事業を立ち上げた。 1.事業の背景と動機 CALS/EC に関するセミナー風景 取扱い商品の展示例 三柏工業株式会社 代表者●菊地 一樹(代表取締役) 所在地●福島県矢吹町 資本金●2,000 万円 従業員数●30 名 事業内容●昭和 23 年に福島県西白河郡矢 吹町で設立され、土木・建築業を営んでいる。 その後、平成 12 年に建設業向け機械リース 及び不動産管理を営む株式会社オーシーエ スを設立し現在に至っている。 URL●http://www.ocs3.co.jp 矢吹町 20 財団法人建設業振興基金 4.事業の推進体制 2007 年度から県で導入される CALS/EC に対応 建設事業本体からの出向を含め 事業に対応 国土交通省では 2004 年度に、また、 県発注工事に関しては 2007 年度から CALS/EC が実施される。CALS/EC を現 場で運用した経験と、現場実務を融合し た CALS/EC 支援事業を行うことで、これ まで培った建設業者としての信頼を活か すことが出来、建設事業本体へも好影響 を与えることが出来ると考え新規事業展 開を開始した。 統括責任者に三柏工業(株)の菊地社 長、実務担当者として、(株)オーシーエス の筒井氏があたる。また、ほかに1名を 新規採用し 3 名で事業をスタートさせた。 さらに、事業を維持するには一定のスキ ルを持つ新規雇用も必要である。なお、 必要なスキルとして、CALS/EC 技術は当 然のこととして、現場実務の知識が必要 である。 2.進出時の苦労やその対応 5.差別化戦略・競争戦略 現場での活用経験を活かして 新事業に取り組む 現場で培ったIT技術で 他社との差別化を図る 新規事業は、当初、異業種の FC 加盟 による事業を考えていたが、これまで培っ てきた技術もブランドも活かせない新市 場・新分野・新商品という多角化は成功し 難いと考え断念した。そうした中で、2007 年度から導入の CALS/EC への対応が 建設業界で進んでいないことに着目し、 実際に現場で活用した経験を持つ同社 は CALS/EC 事業の開始を決意した。 IT関連機器等の販売事業は競合他社 が多く原価率も高いため、営業利益の面 ではあまり貢献することはない。そこで、 付加価値の高い代行事業、ITサポート事 業、コンサルティング事業に注力する。同 社の出身母体が総合建設業なので、現 場管理関係に強く、IT技術と絡ませること により、既存のIT系企業との差別化を図 っている。 3.新事業の概要 6.成果と今後の課題 CALS/EC に関する教育、 サポート、機器導入事業 人的不足を外部組織との連携で 克服する 現場での活用経験を活かしたもので、 事業は、教育、企業サポート、機器販売 の 3 つからなる。教育事業の主な顧客は 各種建設業関連団体であるが、個別の 社内教育にも対応している。企業サポー ト事業は、建設会社が継続的に CALS/EC のスキル向上を図るための支 援や導入の際の設備構築を行なうコンサ ルティングサービスを実施している。機器 販売事業では CALS/EC で必要となる機 器の販売のほか、環境の診断・構築支援 も行っている。 人的パワーの不足から当初の売上見 込みを下回っている。事業の拡大には人 の問題を解決する必要がある。営業(販 売)、技術、管理スタッフ全て不足してお り、不足する人的パワーを補うためには 外部(インターウェーブ社やアルタークス 等)との連携を強化する必要がある。ま た、三柏工業(株)からの物的、人的支援 も欠かせない。
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