STN 新プラットフォーム 構造作図ガイド

STN 新プラットフォーム
構造作図ガイド
0 1 作図画面の起動
化学構造を作図するには,クエリーパネルの構造作図アイコン
をクリックします.
作図画面の概要
作図画面には,化学構造を作図および編集するさまざまなツールが用意されています.

標準ツールバー: 作図画面の上部にあります.

垂直ツールパレット: 作図画面の左側にあります.

水平ツールパレット: 作図画面の下にあります.
作図画面の各エリアにカーソルを
合わせると説明が表示されます
1 標準ツールバー
作図領域の上にあるツールバーでは,作図または保存された化学構造を操作できます.
ツール
ツール名
New
Import
Add to Editor
Export
Save as Template
機能
新しく作図を開始します.
cxf または .mol ファイルをインポートします.
SMILES または InChI 文字列を使った作図に使用します.
現在の化学構造を .cxf または .mol ファイルとして保存します.
現在の化学構造をユーザー定義テンプレートとして保存します.定義済みテンプレート
とユーザー定義テンプレートは,Template tool を利用して呼び出します.
Print
作図領域に表示されるすべてのコンテンツを印刷します.
Cut
選択した化学構造またはフラグメントを削除し,クリップボードにコピーします.
Copy
選択した化学構造またはフラグメントをクリップボードにコピーします.
Paste
クリップボードの化学構造またはフラグメントを,作図領域の中央に貼り付けます.
Undo
前回実行された操作を取り消し,前の状態に戻します.[Undo] 機能は複数回実行でき
ます.
Redo
[Undo] で元に戻した操作を前の状態に戻します.
Repaint
作図領域内を強制的に再描画します.
Check Overlaps
原子や結合が重複していないかどうかを確認します.
Attribute Values
属性を確認するための画面を表示/非表示します
2 垂直ツールパレット
作図領域の左側にあるツールバーでは,化学構造を作成および変更したり,属性を追加するのに使用します.選択した
ツールに合わせてカーソルが変化します.追加のダイアログ ボックスが表示される場合もあります.
ツール
ツール名
機能
Pencil
原子および結合を作図または変更する場合に使用します.
Eraser
原子または結合を削除する場合に使用します.原子をクリックすると,原子と連結されてい
るすべての結合が削除されます.
Atom
用意された周期表から元素を選択することで,原子を追加または変更する場合に使用し
ます.
Shortcut
[Shortcuts] ダイアログボックスから定義済みショートカットを選択することで,原子を追加
または変更する場合に使用します.
Variables
[Variables] ダイアログボックスから可変原子記号を選択し,可変原子記号を作図する場
合に使用します.
R-group
置換の種類を定義する場合に使用します.一つのノードに複数の原子やショートカット,可
変原子やフラグメントを指定できます.
Assign
Attachment
フラグメントの結合点を指定する場合に使用します.フラグメントには一つの結合点のみ
指定できます.
Repeating
Group
鎖または環内である部分構造を定義された回数 (0~20) 繰り返すことを指定する場合に
使用します.
Variable
Attachment
Point
ある置換基に対する環上の可変結合位置の作図に使用します.最大 20 の置換基を可変
的に環系に結合できます.
Chain
単結合の鎖を作図する場合に使用します.最大 252 の原子を接続する鎖を作成できま
す.鎖の作図される方向を反転するには,Shift キーを押しながら鎖を作図します.
Template
定義済みテンプレートまたはユーザー定義テンプレートの化学構造を作図する場合に使
用します.
Selection
個々の原子および結合,フラグメント,または化学構造全体を選択する場合に使用しま
す.
Lasso
フリーハンドで個々の原子および結合,フラグメント,または化学構造全体を選択する場
合に使用します.
Lock Rings
選択した環系または鎖でさらなる環の置換をブロックする場合に使用します. 環の縮合の
禁止を示すために線が太くなります.
Lock Atoms
原子に対する置換をブロックする場合に使用します.置換基の追加禁止を示すため,ノー
ドの周りが四角囲まれます.
3 Rotation
選択したノードを中心に構造を時計回りまたは反時計回りに回転する場合に使用します.
Flip Structure
選択したノードを軸として,構造を垂直または水平に反転させる場合に使用します.軸とな
る点を選択し,キーボードの V をクリックすると垂直に反転し,H をクリックすると水平に反
転します.
Positive Charge
原子に正電荷を追加する場合に使用します.一回クリックすると電荷が,+1 追加されま
す.
Negative Charge
原子に負電荷を追加する場合に使用します.一回クリックすると電荷が,-1 追加されま
す.
水平ツールパレット
水平ツールパレットは,作図領域の下にあります.このツールバーでは,化学構造の作成時に,原子,結合,および環系
を追加または変更することができます.
ツール
ツール名
機能
Current Atom
Box
現在選択されている [Atom],[Shortcut],
[Variable] または [R-group] を表示します.表示さ
れた値は,[Pencil Tool] の既定値となります.
Current
Template
現在選択されている[Common Rings Palette] また
は定義済み化学構造テンプレートを表示します.
Carbon/Single
Bond
現在選択されている原子および結合タイプをリセッ
トします.[Common Atoms Palette] は [Carbon] に
設定され,[Common Bonds Palette] は [Single] に
設定されます.
Common
Atoms Palette
よく使用する原子にすばやくアクセスできます.
Common Bonds
Palette
[Single],[Double],[Triple],または [Unspecified]
結合を作図できます.[Unspecified] 結合は,不定
結合を表します.
Stereo Bonds
Palette
[Stereo Up Single],[Stereo Down Single],[Stereo
Up Double],[Stereo Down Double],または
[Geometric Double] 結合を作図できます.立体結
合の方向を反転するには,既存の立体結合をク
リックします.
Common Rings
Palette
[Benzene],[Cyclohexane],[Cyclopentadiene],ま
たは [Cyclopentane] 環をすばやく作図できます.
[3-15 Member Ring Tool] では,3-15 員の環を定義
できます.
4 属性の指定・確認
作図画面上部の Attribute Values ボタンをクリックすると,作図エリアの右に属性パネルが表示されます.構造にポインタ
を合わせると,その属性がハイライトされます.同じように,属性パネル上の属性名にポインタを合わせるとその属性をもつ
構造がハイライトされます.
ノードおよび結合の属性を変更するには,属性名または,各ノード・結合を右クリックして表示されるダイアログボックスで指
定します.
* (アスタリスク)
ノードにデフォールト以外の属性が設定
されていることを意味します
鎖の線
・通常線
・太線
・○が付いた線
:「環/鎖」 が指定されています
:「鎖」 (デフォールト) が指定
されています
:「環」 が指定されています
□ で囲まれたノード
ノードに置換基の追加を禁止したい場合は,Lock Atoms
使用します.置換禁止にするとノードが□で囲まれます
環の線
・通常線
・太線
: 「孤立/非孤立」 (デフォールト) に設定されています
: 「孤立」 に限定されています
- 環を 「孤立」 に限定するには,Lock Rings
5 を使用します
を
ノード属性の指定
ノードにデフォールト以外の属性を選択した場合は,アスタリスクが付与されます.
ノード属性
選択できる項目
適応可能なノード
水素結合数
(Hydrogen Count)
ノードに結合する水素数を限定します.
Any (デフォールト)
- 結合する水素の数は問わない.
Exact
- 結合する水素の数はちょうど n 個 (n は 0~99)
Minimum
- 結合する水素の数 は n 個 以下 (n は 0~99)
ノード属性
(Node Type)
ノードの属性を指定します.鎖上のノードの属性はデフォール
トで Chain が指定されています.
Chain
- ノードの属性を鎖に指定
Ring
- ノードの属性を環に指定
Ring/Chain
- ノードの属性を環/鎖に指定
結合非水素数
(Non-Hydrogen Count)
ノードに結合する水素以外のノードの数と結合の属性を指定
します.
Any (デフォールト)
- 結合する非水素ノードの数は問わない.
Specific
- 結合する非水素ノードの数と結合属性を指定
原子,X, Q, A, M, Cb, Hy,
Ak
質量
(Mass)
ノードの質量を限定します.
Any (デフォールト)
- 質量は問わない.
Specific
- ノードに特定の質量 (1~300) を指定
Abnormal
- ノードが異常質量を有する物質に限定
原子,X, Q, A, M
原子価
(Valency)
ノードの価数を限定します.
Any (デフォールト)
- 価数は問わない.
Specific
- ノードに特定の価数 (1~16) を指定
Abnormal
- ノードが異常電荷を有する物質に限定
原子,X, Q, A, M
6 原子,X, Q, A, M
一般式グループ記号 (Hy, Cb, Cy, Ak) に対しての指定
<Hy : ヘテロ環,Cb : 炭素環,Cy : 任意の環,Ak : 鎖式炭素>
ノード属性
選択できる項目
一般式定義
(Generic Definition)
一般式グループ記号に下記のオプションを設定できます.
Saturation
- 飽和度を不定 (Any : デフォールト), 不飽和 (Unsaturated), 飽和 (Saturated) から
指定できます.
Type of Chain <Ak のみ指定可能>
- 鎖の種類を不定 (Any : デフォールト), 分岐 (Branched), 直鎖 (Linear) から指定で
きます.
Type of Ring System <Hy, Cb, Cy のみ指定可能>
- 環系の種類を不定 (Any : デフォールト), 単環 (Monocyclic), 多環 (Polycyclic) から
指定できます.
Number of Hetero Atoms <Hy, Cy のみ指定可能>
- ヘテロ原子の数を不定 (Any : デフォールト), ちょうど 1 (Exactly 1),
2 以上 (2 or more) から指定できます.
Number of Carbon Atoms
- 炭素原子数を不定 (Any : デフォールト), 7 未満 (Less than 7), 7 以上 (7 or more)
から指定できます.
元素数
(Element Counts)
一般式グループに元素の種類と数を限定します.Ak および Cb に対して指定できる元素
は炭素 (C) のみです.
Any (デフォールト)
- 元素の種類および数は問わない.
Specific
- 元素の種類と数を指定できます.元素数はちょうど (Exact), 最小 (Minimum), 最大
(Maximum), 範囲 (Range : 1-255 の範囲) より指定できます.
結合属性の指定
結合属性
選択できる項目
結合の種類
(Bond Type)
作図した鎖結合の結合種類を下記の 3 種類から選択できます.また鎖の結合の種類の
デフォールトは Chain です.
環の結合の種類のデフォールトは Ring です.
Ring/Chain
- 選択した鎖結合が鎖および環の一部となる設定
Ring
- 選択した結合が必ず環の一部となる設定
Chain
- 選択した結合が必ず鎖の一部となる設定
結合次数
(Bond Value)
選択した結合の結合次数が選択できます.
Current value based on structure (デフォールト)
- 選択した結合の現在の結合次数が表示されます.
Exact/Normalized
- 選択した結合がエクザクトまたはノーマライズドになる指定
Exact
- 選択した結合が必ずエクザクトになる指定
Normalized
- 選択した結合が必ずノーマライズドになる指定
7 構造検索
1.
クエリーパネルの [Database] アイコン
をクリックし,検索するデータベースにチェックを入れます.
2.
CAplus/REGISTRY および DWI/DCR 間での自動クロスオーバー検索を自動で行うか,手動で行うかを Settings で設
定します.
自動で行う場合 : チェックを付ける
手動で行う場合 : チェックを外す (デフォールト設定)
8 3.
4.
作図画面を起動し,構造質問式を作図します.作図後に [OK] をクリックします.
・
鎖結合はデフォールトで 「鎖」 が設定され,
太線で表示されます
・
環はデフォールトで 「孤立/非孤立」 が指定
されます.
環を 「孤立」 させると,太線で表示されます.
構造質問式には,構造番号が割り当てられ (この場合は STR1), ヒストリーパネルに構造が表示され,クエリーパネル
に構造番号が表示されます.
STRUCTURES ではプロジェクトで使用した
すべての構造が表示されます
Add tag をクリックすると,構造
質問式に名称を付与できます
9 <参考 : 構造質問式の確認>
構造質問式の属性 (鎖は結合属性,環は孤立/非孤立) を確認するには,ヒストリーパネルの構造番号 (STR1 など)
をクリックして,[Quick View] を選択します.
5.
検索タイプと範囲をクエリーパネルに入力し,構造検索を実行します.
STR 番号/検索タイプ,範囲
◆ 構造検索タイプ
-
部分構造検索
閉構造部分構造検索
ファミリー検索
完全一致検索
:
:
:
:
SSS (デフォールト)
CSS
FAM
EXA
:
:
SAM (デフォールト)
FULL
◆ 構造検索の範囲
- サンプル検索
- フルファイル検索
◆ 検索タイプや範囲を指定しない場合は,デフォールト設定で検索されます.
10 <REGISTRY ファイル - サンプル検索>
① 部分構造検索のサンプル検索は,検索タイプ,範囲ともに
省略が可能なため,下記の何れかを入力し,[Submit] を
クリックします
STR1
STR1/SSS
STR1/SSS,SAM
③ 結 果が得 られ ると同 時に ,サ マ
リー (簡易) 形式で回答が表示さ
れます.詳細を表示したい場合は
名称をクリックします.
② 検索結果 (L 番号と件数) がヒス
トリーパネルに表示されます
<REGISTRY ファイル - フルファイル検索>
フルファイル構造検索を実行するには STR 番号に続けて
/FULL を入力します.
部分構造検索の場合は,検索タイプの省略が可能です.
STR1/FULL
STR1/SSS,FULL
サンプル検索の結果
フルファイル検索の結果
11 化学物質の文献調査
化学物質の文献を調査するには,手動クロスオーバー検索と自動クロスオーバー検索の 2 通りがあります.
手動クロスオーバー検索
・
p.8 の Settings で Cross File Search にチェックを付けていない場合 (デフォールトの設定) は,手動クロスオーバー
検索で文献を得ます.
(検索例) p.11 で得られた L2 の 1,258 件の化学物質に関連した文献を調査します.
手動クロスオーバー検索
・ 物質ファイル → 文献ファイル
:
・ 文献ファイル → 物質ファイル
:
REFX L#
REFX (質問式)
SUBX L#
SUBX (質問式)
L2 の化学物質に関する文献が 42 件得られました
12 自動クロスオーバー検索
・
p.8 の Settings で Cross File Search にチェックを付けた場合は,自動的にクロスオーバー検索が行われます.
(検索例) Cross Files Search にチェックを付けた後,p.11 の構造検索を実行します.
Cross Files Search にチェックを付けて構造検索を実行すると,得られた
化学物質についての文献が自動的に得られます.
自動クロスオーバー検索で得られた結果はイタリックで表示されます.
* 手動クロスオーバー検索 (L1, L2, L3) でも,自動クロスオーバー検索
(L4, L5) でも得られる結果は同じです.
13 14